短編
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あつい…
自分の心臓が耳元に有るかのようにうるさい…
息を吸う度にヒューヒューと鳴る呼吸音も耳障りだ。
そんな中ぎゅぅっと水を絞る音がして、ヒヤリと冷たい手が額に触れた。
(気持ち、いいな…)
次に濡れた布の感触がして、指はさらりと前髪を直して離れていく。
なんだが物足りなくて、もっと触れていて欲しくて…
心地よい指を追いかけるように重い瞼を開いた。
あれ…てか俺…どうしたんだっけ…
「!善逸!目が覚めた!?…良かったぁ…」
姉ちゃん…
最初に飛び込んできたのは、目を見開き、その後ほっとしたように笑う姉ちゃんの笑顔だった。
そして目の端にチラチラと見える金色
あ、…そっか…俺…
「雷に撃たれたんだよ?覚えてる?」
「うん…覚えてる…その後じいちゃんにぶっ叩かれたのも覚えてる…」
頭ボコボコ叩かれて説教されたんだっけ。
「あ、はは…でもおじいちゃんも心配してたよ?」
「…なんで、俺生きてるのかな…。」
「え、」
「え?…あっ!や、違うよ!?
雷に撃たれたのになんでかなって…!!
普通なら生きてるのおかしいでしょ!?」
姉ちゃんからショックを受けたような音が聴こえたので慌てて弁解する。
「あぁ…そっか…うん…。
…そう考えると、善逸は雷様に愛されてるのかも。
髪の色も綺麗な金色になっちゃったし。」
黒髪も似合ってたけど、金髪のが善逸っぽいね。
かっこいい。
なんて、ニコニコしながら素で言ってくる。
「天然タラシコワイぃ…」
「はい?今なんて??」
もうヤダこの姉…!!
無自覚すぎるんですけど!!
顔があつい…頭沸騰しそう…
…でも、姉ちゃんはそう言ってくれたけど…
俺は気持ち悪いと思った。
雷が直撃したのに少し焦げたくらいで生きてる自分も。
黒から金に変わってしまった髪の色も。
この髪色はきっと良くも悪くも目立つだろう。
いや、もしかしたら悪い方が多いかもしれない…。
だって金の髪の人なんて見たことが無いもん。
まるで異人みたいだ。
それにこの明るい髪色は闇夜の中ではきっと映える。
鬼にも狙われやすくなるし前以上に危険も増えていく。
…さっき、姉ちゃんにはあんなこと言ったけど…いっそあの落雷で死んでた方が…なんて考えてしまう。
…はぁ…嫌だなぁ…体調が悪いと思考も悪い方に傾いてしまう。
…まぁ自分で言うのもなんだけど、普段から悪い方に考えちゃう思考回路してるんですけどね…。
姉ちゃんは不思議だ。
一言一言にはさほど重みは感じられない。
でも、在り来りな褒め言葉や月並みな台詞だって姉ちゃんが言うと、とても嬉しく感じてしまう…。
言ってくれたのがもし、じいちゃんだったなら…きっと否定してた。
他の女の子でも、ありがとう。とお礼は言うだろうけど、赤面するほどでは無いと思う。
それは多分…俺だけが聴こえる姉ちゃんの心音がそう感じさせてるんだろうな…。
とても安心する。
暖かい音なんだ…。
獪岳にバカにされた時や、厳しい修行が嫌でたまらない時…
その膝にすがり付いて全てさらけ出してしまいそうになる。
姉ちゃんなら全部受け止めてくれるんじゃないかって…
そう思わせるくらいに暖かい音なんだ…。
…姉ちゃんは…不思議だ。
でも…
「…そんな風に考えて気にしないでいてくれるのは、きっと姉ちゃんだけだよ。」
「そんなことない!
きっとどんな善逸でも受け入れて一緒にいてくれる人は居るはずだよ!
善逸がまだその人に逢っていないだけ。」
…そうかな…。
…そうだと、いいな…。
やっぱり何故か、姉ちゃんの言うことは信じられる。
姉ちゃんは…本当に不思議な人だなぁ。
嘘の音を出してる人でも‘信じたい’って思ってたけど、姉ちゃんの場合は何か違うんだ…。
どっからどう見ても普通の女の人なのに。
いつか納得出来る答えが見つかるといいな…。
自分の心臓が耳元に有るかのようにうるさい…
息を吸う度にヒューヒューと鳴る呼吸音も耳障りだ。
そんな中ぎゅぅっと水を絞る音がして、ヒヤリと冷たい手が額に触れた。
(気持ち、いいな…)
次に濡れた布の感触がして、指はさらりと前髪を直して離れていく。
なんだが物足りなくて、もっと触れていて欲しくて…
心地よい指を追いかけるように重い瞼を開いた。
あれ…てか俺…どうしたんだっけ…
「!善逸!目が覚めた!?…良かったぁ…」
姉ちゃん…
最初に飛び込んできたのは、目を見開き、その後ほっとしたように笑う姉ちゃんの笑顔だった。
そして目の端にチラチラと見える金色
あ、…そっか…俺…
「雷に撃たれたんだよ?覚えてる?」
「うん…覚えてる…その後じいちゃんにぶっ叩かれたのも覚えてる…」
頭ボコボコ叩かれて説教されたんだっけ。
「あ、はは…でもおじいちゃんも心配してたよ?」
「…なんで、俺生きてるのかな…。」
「え、」
「え?…あっ!や、違うよ!?
雷に撃たれたのになんでかなって…!!
普通なら生きてるのおかしいでしょ!?」
姉ちゃんからショックを受けたような音が聴こえたので慌てて弁解する。
「あぁ…そっか…うん…。
…そう考えると、善逸は雷様に愛されてるのかも。
髪の色も綺麗な金色になっちゃったし。」
黒髪も似合ってたけど、金髪のが善逸っぽいね。
かっこいい。
なんて、ニコニコしながら素で言ってくる。
「天然タラシコワイぃ…」
「はい?今なんて??」
もうヤダこの姉…!!
無自覚すぎるんですけど!!
顔があつい…頭沸騰しそう…
…でも、姉ちゃんはそう言ってくれたけど…
俺は気持ち悪いと思った。
雷が直撃したのに少し焦げたくらいで生きてる自分も。
黒から金に変わってしまった髪の色も。
この髪色はきっと良くも悪くも目立つだろう。
いや、もしかしたら悪い方が多いかもしれない…。
だって金の髪の人なんて見たことが無いもん。
まるで異人みたいだ。
それにこの明るい髪色は闇夜の中ではきっと映える。
鬼にも狙われやすくなるし前以上に危険も増えていく。
…さっき、姉ちゃんにはあんなこと言ったけど…いっそあの落雷で死んでた方が…なんて考えてしまう。
…はぁ…嫌だなぁ…体調が悪いと思考も悪い方に傾いてしまう。
…まぁ自分で言うのもなんだけど、普段から悪い方に考えちゃう思考回路してるんですけどね…。
姉ちゃんは不思議だ。
一言一言にはさほど重みは感じられない。
でも、在り来りな褒め言葉や月並みな台詞だって姉ちゃんが言うと、とても嬉しく感じてしまう…。
言ってくれたのがもし、じいちゃんだったなら…きっと否定してた。
他の女の子でも、ありがとう。とお礼は言うだろうけど、赤面するほどでは無いと思う。
それは多分…俺だけが聴こえる姉ちゃんの心音がそう感じさせてるんだろうな…。
とても安心する。
暖かい音なんだ…。
獪岳にバカにされた時や、厳しい修行が嫌でたまらない時…
その膝にすがり付いて全てさらけ出してしまいそうになる。
姉ちゃんなら全部受け止めてくれるんじゃないかって…
そう思わせるくらいに暖かい音なんだ…。
…姉ちゃんは…不思議だ。
でも…
「…そんな風に考えて気にしないでいてくれるのは、きっと姉ちゃんだけだよ。」
「そんなことない!
きっとどんな善逸でも受け入れて一緒にいてくれる人は居るはずだよ!
善逸がまだその人に逢っていないだけ。」
…そうかな…。
…そうだと、いいな…。
やっぱり何故か、姉ちゃんの言うことは信じられる。
姉ちゃんは…本当に不思議な人だなぁ。
嘘の音を出してる人でも‘信じたい’って思ってたけど、姉ちゃんの場合は何か違うんだ…。
どっからどう見ても普通の女の人なのに。
いつか納得出来る答えが見つかるといいな…。
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