約束はまもるために
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え、獪岳だ…本物?
なんで居るの??
助けてくれるのって桑島さんじゃないの??
私は混乱していた。
だって、獪岳がお金出してまで
あと私が獪岳苦手なのもあって、直視出来ない。
というか、なんで抱きかかえられてるの?私。
「…分からない?」
「…?」
??何が???
てか、獪岳ってこんな柔らかい表情だっけ?
桑島さんには敬語使ってたけど、それは師範として慕ってたからだし…。
顔ももっと仏頂面というか、悪役顔というか…
とにかく、もっと不機嫌そうな顔をしてた気がする。
いつも眉間に皺を寄せて…
常にイライラしてるような…
少なくとも今目の前にいる獪岳みたいな穏やかそうな、優しい表情なんて一度も見たことない。
…彼は、私が知ってる‘獪岳というキャラクター’とは180度近く違う。
なんて言っていいか分からないけど…根本が違うような…。
………………………あっ!もしかして!!
「…善逸、くん?」
私が恐る恐る尋ねると、彼はほっとしたように笑った。
あ、善逸くんだわ。
今度こそ確信を持って言える。
彼は間違いなく善逸くんだ。
「よかった…気付いてくれて。
約束通り、迎えに来たよ。」
私が口を開くよりも先に地面に這いつくばってお金を集めてた男が喚き散らした。
「ふざけんなよ!この、クソガキが!!これっぽっちの金でっ…」
男の罵声がいきなり途切れた
どうしたのだろう、と頭だけ其方に向けると…
なんと善逸くんが鞘に収まったままの刀を男の喉元に突きつけていたのだ。
「ギャーギャー煩いんだよ。汗水垂らして稼いだ金だ。これっぽっち呼ばわりされるいわれはない。
そも、子供を売り買いしてる奴にくれてやる金なんて無いんだが…これ以上騒ぎを大きくしたくはないからな。
…それとも…」
善逸くんは男に突き付けてた刀をクルリと腰に戻し、鯉口を切った。
…うわ…かっこいいぃ…むり…しゅき…
シリアスな場面なんだろうけど、ごめんなさい!!
もうかっこいいがすぎる!!
善逸くんの初戦闘シーンなんて何回見たことか!!
あの技名を呟いて動作に移る瞬間の鯉口を切る場面!
チャキッ!って音とか、瞬時に鬼の頸をおとして刀をしまう音とか…
もう、どうしようもないくらいかっこよかった!!
だから男が「ヒィ!!」とか情けない声を出しながら逃げて行く様子なんて私は見てなかったのです。
「…ふぅ…とりあえず、どっかで宿でもとるか…お前の音も大変なことになってるし…俺の話もしないといけないしな。」
あたまポンポンされながら言われたんだけど…
善逸くんの言う通り…今の私は状況の整理もロクに出来てない。
知りたいことも、言いたいことも沢山あるのだけれど…
「…あぃ…」
返事を絞り出すのでやっとだった。