流転する願い
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なんて謝ろう…
そう思ってあの子の近くをウロウロしていた俺は出るに出られず、そうこうしている内に禰豆子ちゃんと炭治郎がやってきて…
3人で仲良くしているのを見て何故か胸がチクリと痛んだ。
そろそろ仕事に戻りますね。
そう言って彼女は立ち上がり、炭治郎に軽く頭を下げ禰豆子ちゃんに手を振りながらその場を離れていった。
彼女が見えなくなるまでニコニコと笑っていた炭治郎だけど、「そこに居るんだろう?善逸」とさっきよりも声のトーンを低くさせて俺の名前を呼ぶ
「ひゃい!!!」
ばばば、バレてる!!??
そ、そりゃそうだよな…炭治郎は鼻が利くんだし…当然だよな…
でも、なんでそんなおっかない声出すのさ!!??
俺はソロり、と顔を出して覗き込む。
炭治郎は縁側に腰掛けていて、隣には禰豆子ちゃんが炭治郎に寄り添ってウトウトしていた。
座ったらどうだ?と言われ、炭治郎の隣にストンと座る。
「…莉緒さんと何かあったのか?」
「う、」
いきなり確信突いてきた!
そうよね!明らかに態度可笑しかったもんね!
俺は躊躇いながら、炭治郎になら…と話しだした
「…あの子に、告白…された」
「…え、善逸が告白したんじゃなくて?」
心底驚いたって顔して言うなよ!
俺だって驚いたけど!!
「…それで?なんて返したんだ」
「…、俺は禰豆子ちゃんが好きだからって…」
「………」
う、炭治郎から呆れた音がする…
し、しょうがないじゃんか…だって、好きだなんて初めて言われて…なんて言えばいいか分からなくて…
それに…あの子…
「…あの子さ…ものすごい音がするんだ。
俺に対してだけ…さっき炭治郎や禰豆子ちゃんと話してる時は普通だったのに…」
「ものすごい音?…確かに荻坂さんからは善逸に向けて好意的な匂いはするけど…普通だったぞ?」
え、嘘でしょ…
あの子会った時から音が凄かったんだけど!?
最初はどんな感情の音なのか分からなかった。
でも…それは度々聞いた事がある、誰かが誰かを好いてる時の音に似ていて…
けど、なんで俺なんかにそんな音向けるのか分からなくて…只只怖かった。
嬉しいって喜ぶよりも、なんで?って疑問しか湧かなくて…
炭治郎にはちゃんと謝るんだぞ?って言われたけど…
俺がモヤモヤと考えてる内に、任務が入って…
そして、あの子と何も話せないまま藤の花の家紋の家を出立した。
任務に行く道すがら、そういえばドロップ貰ったんだっけ…と思い出し、2人の目を盗んでカラリと出てきた一粒を口に放り込む。
それはまるで俺の心を表しているような…苦い薄荷の味がした。