流転する願い
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こうして私は、大好きな鬼滅の刃の世界にトリップ出来る事になりました
女神様に見送られ、次に目を開けると…そこは…
「何処かも分からない森の中…しかも夜なんて…」
このまま一所に居ると鬼に襲われる展開しか見えない
「え〜と、とにかく…ここから離れて町か村にいかなくちゃ…あの人に会えないまま死にたくないし…」
………なんて思っていたのです。
ほんの数分前までは。
「待ちやがれえぇぇ!!女あぁぁーー!!!」
あっさり鬼に見つかってただいまリアルな鬼ごっこの真っ最中。
持久力はそれなりにある方だと思うのだけど…さすがに疲れてきた…。
ちょっと休みたい…
けれど今止まれば永遠におやすみなさいしてしまうのでダメだ
うぅ…でも、ちょっと…もう無理かもしれない…しんどい…。
私がゼイゼイ言いながらペースが落ちてきて、鬼がチャンスだとばかりに距離を詰める。
その鋭利な爪を振り下ろそうとした瞬間…
左右で色の違う羽織がふわりと舞い降りた
「水の呼吸…壱ノ型 水面斬り」
鬼の頸と身体は別れ、あっという間に消えていった
キン、と刀を鞘に収める音でハッと我に返る
まさかの水柱様…冨岡義勇さんに助けられるなんて…
蛇柱様や風柱様よりは確率的に有り…かな…。
私が頭の中で色々と考えている間も彼はその場を動かず、じっと此方を見つめてくるだけだった。
「………」
「………」
「………」
「………」
か、会話を…!
でも何を話せば…
あ、とりあえず…お礼を言わないと
「あ、あの…
この度は助けていただき、ありがとうございました」
「…あぁ」
「………」
「………」
会話が終了してしまった
間が、持たない…
ど、どうすれば…
「あ、あの…あの…実は私…帰る場所も無く、身内も居なくて…
もしご存知なら、何処か働ける場所を教えていただけないでしょうか?」
「………」
若干早口でまくし立てるように言ったら、富岡さんは眉間に皺を寄せてしまいました…
あぁぁ…そうだよね…いきなりこんな事を言われても困りますよね…
「あ、えと…いきなりすみません…やっぱり…自分で…「着いてこい」…え?」
……………ーーー
「…そうですか。鬼から其方のお嬢さんを助けてあげたんですね。それはそれは、いい事をしましたね。
…で?何故私の所に連れてきたんです??
今人手は足りてますし、鬼殺隊に関係ない一般市民を連れてきちゃってどうするおつもりですか??
そこの所ちゃんと考えてます??」
「…………」
「もしもーし?聞いてますか?冨岡さん。」
「…………」
あわわわ…温度差が激しい…
蟲柱様…胡蝶しのぶさんに会えたのは嬉しいけど…
冨岡さんが単語でしか説明してくれなくて、しのぶさんが怒ってる…
私がオロオロしていると、しのぶさんははぁ、とため息をついて私の方に向き合いにこっと微笑んだ。
笑顔が、眩しい…素敵です
まさに女神様
「すみません、蚊帳の外にしてしまって。
とりあえず…今日はこちらで休んでくださいね。
貴方の身を置く場所については明日考えましょう。
この人に送らせますので。
…いいですね?冨岡さん。明日はどうせ非番でしょう?
連れてきたなら最後まで面倒を見てあげてくださいね?」
「………わかった」
…場違いだとはわかっています。
でも、この二人のやり取りがもう熟年夫婦にしか見えません。
すみません。とても眼福です!
「それでは、おやすみなさい」
「………」
「はい、おやすみなさい」
しのぶさんは相変わらずニコニコと微笑みながら退室し、冨岡さんもチラリとこっちを見てから小さく会釈してくれた。
まさか、この世界に来てすぐに柱の二人に会えるなんて…
きっと女神様が運気を上げてくれたおかげですね!
…そういえば、もう一つ…と言ってたけど…それは何だったんだろう?
私は疑問を抱きつつも、心の中で女神様に感謝しながら眠りにつきました。