クロス大陸編
夢主の名前
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「ブルーベリーも買ったし…ブラックベリーも有る…
調理の材料も買ったし…
よし、じゃあ行こうかシオン」
「はい、アシュトン」
アシュトンがくれた名前をアシュトンが呼んでくれる…
たったそれだけのことなのに…こんなにも嬉しい
それに…
「シオン…嬉しそうだね?
さっきからずっとニコニコしてる」
「だって…アシュトンと旅をするの楽しみなんです!」
「う、ぇ…うん…そっかぁ…へへ…
そ、それじゃあ…あの、これからの事なんだけど…
少し歩いて、クロスの町に向かう事にしようと思うんだ。
人が沢山いて賑わってるし…シオンの事を知ってる人もいるかもしれない。
旅の目的は、シオンの記憶を取り戻す事を優先しようと思う。」
アシュトンはさっきとは違い、真剣な表情をしながら言う。
私の…記憶…確かに今までの事が分からないのは不安ではある。
でも、彼と一緒にいる上では…あまり必要性を感じない。
だって…アシュトンと出会えたきっかけでもあるから。
「…はい。私は…アシュトンについていきます」
「…うん。シオンの事は僕が守るからね!」
ーーーー………
クリクの街を出て暫く歩き…川にかかる橋を渡ってクロスを目指す。
「ふぅ…かなり歩いたけど…大丈夫?疲れてない?」
「はい…アシュトンは?魔物と戦って…怪我とかしてませんか?」
「うん。大丈夫だよ。僕は戦うのは慣れてるから…でも…シオンは…その…魔物を倒すとか…」
気遣わし気な表情で私を見つめるアシュトン…
魔物との戦いで彼らを殺している事…を気にしているのだろうか…
「アシュトンは襲ってこない魔物には無闇に手を出してません。
立派な正当防衛です。」
「…そう、だね…でも偶に思っちゃうんだ…」
魔物なんて…みんな居なくなればいいのに…って
ボソリと呟かれた言葉は聞こえなくて…
顔を上げたアシュトンは…少しだけ、寂しそうな…仄暗い表情をしていた。
ーーーー………
「ふぅ…今日はこの辺りで野営をしようか…」
結局…アシュトンばかりが戦って、私は何もしていない…
記憶があった頃は…私はちゃんと戦えていたのだろうか…
せめてそれくらいは覚えていたら…アシュトンにばかり負担をかけずに済んだかもしれないのに…
「…シオン?大丈夫?長い事歩いて疲れちゃった?
もう半分くらいだから、あとちょっとで…っ!?」
アシュトンも疲れているはずなのに…私の心配をしてくれる…
でも言葉の途中で勢い良く後ろをふり替えって私の目の前に腕を伸ばして…
その腕に斬撃と共に緑色の霧が舞った。
「ぐっ…シオン、離れて!
ピアシングソード!!」
アシュトンが投げた双剣は魔物を切り裂き、地面に深く突き刺さった。
断末魔と共に魔物は消えたけれど、アシュトンはその場に膝をついてしゃがみこんでしまった。
「っアシュトン!!」
「は、…はぁ…シオン…怪我して…ないかい?
毒は、吸ってない?
僕…アクアベリィを買うの…忘れちゃってさ…今解毒できるものが、無いんだ…ははっ…情け、ないなぁ…」
「っアシュトンは、情けなくなんかないです!!
私の事…守ってくれたじゃないですか!!」
話している最中も毒はジワジワと身体に広がっていき、緑色に変色してきている。
「ご、めんね…まだ、旅を始めた…ばかりなの…に…」
「アシュトン…!!」
ついに目を閉じて、その身体はグラリと倒れ込んだ。
それを支えながら、自分の膝にそっと横たえる。
ハァハァ、と荒い息遣い…意識を失う最後まで、私の心配をしてくれるなんて…
優しすぎる彼を思うと自然と涙があふれる。
無力な自分が腹立たしくて、悔しい…
彼が居なくなったら…どうすれば…
嫌…嫌だ…もっと…アシュトンと一緒に居たい…
こんな所で…彼を失いたくない…!
どこかでバサリ、と音がして…
薄く光る羽根がフワリと落ちてきた
その瞬間、頭の中に言葉が浮かび…私はそれを復唱していた。
「アンチドート」
アシュトンの身体が薄緑に光って、肌の色が元に戻った。
「ヒール」
白い光がアシュトンの腕に集中して、痛々しい切り傷がみるみるうちに治っていった。
苦しそうだった表情は消えて、すやすやと穏やかな寝息を立てている。
「…今のは…」
アシュトンに少し教えてもらった事がある。
確か紋章術、だっただろうか。
火だったり雷だったり…色々な属性があるみたいだけれど…
「良かった…アシュトンを助ける事ができて…本当に、良かった…」
私にも出来る事があった…
アシュトンを助ける事が出来た…
今はただ、それだけが嬉しい…。
調理の材料も買ったし…
よし、じゃあ行こうかシオン」
「はい、アシュトン」
アシュトンがくれた名前をアシュトンが呼んでくれる…
たったそれだけのことなのに…こんなにも嬉しい
それに…
「シオン…嬉しそうだね?
さっきからずっとニコニコしてる」
「だって…アシュトンと旅をするの楽しみなんです!」
「う、ぇ…うん…そっかぁ…へへ…
そ、それじゃあ…あの、これからの事なんだけど…
少し歩いて、クロスの町に向かう事にしようと思うんだ。
人が沢山いて賑わってるし…シオンの事を知ってる人もいるかもしれない。
旅の目的は、シオンの記憶を取り戻す事を優先しようと思う。」
アシュトンはさっきとは違い、真剣な表情をしながら言う。
私の…記憶…確かに今までの事が分からないのは不安ではある。
でも、彼と一緒にいる上では…あまり必要性を感じない。
だって…アシュトンと出会えたきっかけでもあるから。
「…はい。私は…アシュトンについていきます」
「…うん。シオンの事は僕が守るからね!」
ーーーー………
クリクの街を出て暫く歩き…川にかかる橋を渡ってクロスを目指す。
「ふぅ…かなり歩いたけど…大丈夫?疲れてない?」
「はい…アシュトンは?魔物と戦って…怪我とかしてませんか?」
「うん。大丈夫だよ。僕は戦うのは慣れてるから…でも…シオンは…その…魔物を倒すとか…」
気遣わし気な表情で私を見つめるアシュトン…
魔物との戦いで彼らを殺している事…を気にしているのだろうか…
「アシュトンは襲ってこない魔物には無闇に手を出してません。
立派な正当防衛です。」
「…そう、だね…でも偶に思っちゃうんだ…」
魔物なんて…みんな居なくなればいいのに…って
ボソリと呟かれた言葉は聞こえなくて…
顔を上げたアシュトンは…少しだけ、寂しそうな…仄暗い表情をしていた。
ーーーー………
「ふぅ…今日はこの辺りで野営をしようか…」
結局…アシュトンばかりが戦って、私は何もしていない…
記憶があった頃は…私はちゃんと戦えていたのだろうか…
せめてそれくらいは覚えていたら…アシュトンにばかり負担をかけずに済んだかもしれないのに…
「…シオン?大丈夫?長い事歩いて疲れちゃった?
もう半分くらいだから、あとちょっとで…っ!?」
アシュトンも疲れているはずなのに…私の心配をしてくれる…
でも言葉の途中で勢い良く後ろをふり替えって私の目の前に腕を伸ばして…
その腕に斬撃と共に緑色の霧が舞った。
「ぐっ…シオン、離れて!
ピアシングソード!!」
アシュトンが投げた双剣は魔物を切り裂き、地面に深く突き刺さった。
断末魔と共に魔物は消えたけれど、アシュトンはその場に膝をついてしゃがみこんでしまった。
「っアシュトン!!」
「は、…はぁ…シオン…怪我して…ないかい?
毒は、吸ってない?
僕…アクアベリィを買うの…忘れちゃってさ…今解毒できるものが、無いんだ…ははっ…情け、ないなぁ…」
「っアシュトンは、情けなくなんかないです!!
私の事…守ってくれたじゃないですか!!」
話している最中も毒はジワジワと身体に広がっていき、緑色に変色してきている。
「ご、めんね…まだ、旅を始めた…ばかりなの…に…」
「アシュトン…!!」
ついに目を閉じて、その身体はグラリと倒れ込んだ。
それを支えながら、自分の膝にそっと横たえる。
ハァハァ、と荒い息遣い…意識を失う最後まで、私の心配をしてくれるなんて…
優しすぎる彼を思うと自然と涙があふれる。
無力な自分が腹立たしくて、悔しい…
彼が居なくなったら…どうすれば…
嫌…嫌だ…もっと…アシュトンと一緒に居たい…
こんな所で…彼を失いたくない…!
どこかでバサリ、と音がして…
薄く光る羽根がフワリと落ちてきた
その瞬間、頭の中に言葉が浮かび…私はそれを復唱していた。
「アンチドート」
アシュトンの身体が薄緑に光って、肌の色が元に戻った。
「ヒール」
白い光がアシュトンの腕に集中して、痛々しい切り傷がみるみるうちに治っていった。
苦しそうだった表情は消えて、すやすやと穏やかな寝息を立てている。
「…今のは…」
アシュトンに少し教えてもらった事がある。
確か紋章術、だっただろうか。
火だったり雷だったり…色々な属性があるみたいだけれど…
「良かった…アシュトンを助ける事ができて…本当に、良かった…」
私にも出来る事があった…
アシュトンを助ける事が出来た…
今はただ、それだけが嬉しい…。