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ま、まさかお泊まりすることになるなんてなぁ....。
これに関しては。ちょっと腑に落ちないけぢど、座津守に感謝だ。
私は用意しながら考えていた。
...よっし、準備完了!
「お待たせしました!」
「ああ、じゃあうちへ行こうか。ここからだと割と近い、徒歩で行こう」
「はい!」
色々話しながら歩いていると、風魔先輩の家はすぐだった。
家の前につくと、先輩は重い溜息をつく。
あ...やっぱり迷惑だったのかな....。
「あのな、私がお前に会わせたくなかった人というのは、私の兄の事だ」
「お兄さんですか」
「ああ、私の兄は....はっきり言って......クズだ」
「えっ」
「私の知っている限りでも、彼女が13人いる」
「す、凄い...」
「ああ....悪い意味でな.....さ、入ろうか!」
先輩はドアを開ける。
すると...げんかtに、一人、正座をしている男性が。
とても凛々しい深紅の瞳に、艶やかな小豆色の髪の毛。
スッと通った美しい鼻筋。
そして、キリッとしていてとても男らしさを感じる眉毛。
とても顔が整っている...俗に言う、イケメンだ。
そして、その男が...
「深んんんんんんんんんん!!!!遅かったね、どこ行ってたの!??俺、チョーーーー心配したんだぜ!?」
と言いながら、ガバッと先輩に抱きつく。
「ギャアアアアアアア!!!抱きつくな!!!第一まだ七時だ!!高校生ならこれぐらい遅くもなんともないだろう!!お前が高校生の時はほぼほぼ朝帰りだったくせに...!」
「んもー、俺に心配させちゃダメだぞ?....ん?そこの女の子は?」
抱きついていたお兄さんが、先輩から離れつつ私の方を見る。
「この子は後輩の黒川崎隼だ、今日はうちに泊まっていくからな」
「はい、お世話になります」
「ふーん......」
お兄さんは私の方にゆっくりと歩いてくる。
まるで、品定めでもするかのように私を見つめながら。
そして、私の顎に手を添え、クイッと私の頭を上に向かす。
俗に言う顎クイというやつだ。
こんな事されたの、はじめて...しかもこんなイケメンに...思わず、胸が高鳴る。
「お、おい!私の後輩にまで手を出すなよ!?」
そんな先輩の言葉も無視して、お兄さんの顔が更に私の顔に近づく。
だけど、期待外れにというか、お兄さんの顔は私の顔からはそれて私の耳元に移動した。
そして、こう囁く。
「もしかして、キスされるの期待しちゃった?」
「そんなわけ、ないです....!」
「へぇ、ほんとかな....?期待してた癖に、自分に素直になりなよ...」
ゴンッ!!!!!
鈍い音が部屋に響く。
「いってぇ!!!!」
そう言いながら、お兄さんが私から離れる。
あー、私、今顔真っ赤なんだろうな!!!
恥ずかしい!!!
「お前は、イカ子に、自己紹介だけをしろ!!」
「はぁい...風魔茶羅依、22才でーす!」
「きょ、今日はよろしくお願いします...お世話になります....」
「あっれ、ほんの挨拶だったのになー!顔真っ赤!!もしかしてまだキスしたkぐふっ!!!」
言いかけた言葉は、先輩のグーパンに遮られる。
いった〜っと言いながら床にグッタリ倒れる茶羅依さんに見向きもせず、先輩は言う。
「私の部屋に行くぞ。全く、あんな兄で申し訳ない...」
「い、いえ....」
「あ〜ん、深、待って〜、手当てして〜♡」
「ふざけた事をぬかすなこんのクソ兄が!!」
「んもぉ、ツンデレなんだから♡」
「うっ......」
小さく呻き声をあげた先輩の腕をふと、鳥肌がゾワーっとたっていた。
あ、本気で嫌なんだな〜....。
こんな奴に構っているほど暇じゃない、とかなんとか呟きながら、先輩は階段を上がっていった。
私も荷物を抱えながらそれに続く。
だけど、私がパンパンに詰め込んだ荷物は重く、それを持ちながら階段を上がるのは中々至難の業だった。
それに気付いた先輩が、
「イカ子、大丈夫か?今助けに行く、その位の荷物、私なら楽勝だろう」
と言いながら階段を降りてくる。
が、そこを茶羅依さんが。
「深、俺に任せな。大事な妹に重い荷物持たせるほど廃れちゃいないからね!」
「そうか、ありがとう。任せるよ」
茶羅依さんが、私の元に駆け寄って来て貸しな、と言う。
そして一緒に階段を上がっていく。
ふと、茶羅依さんが足を止めた。
「.....?どうしたんですか?」
「....ちょっと、耳貸しな」
「? はい」
言われた私は、素直に顔を茶羅依さんの方へ近づける。
茶羅依さんの口元が、私の耳に近付いて...。
「ふーっ」
「キャアアアッ!!!」
「おい、そこのクズ!!!イカ子に何した!!!」
「アハハ、ジョーダンジョーダン!!深嶺様は先に行っててくださーい」
「.....。イカ子、何かあったらすぐ言うんだぞ」
「は、はい....」
いや、突然の耳フーはびっくりした。
てっきり何か言われると思ってたし...。
にしても、急にこんなことするだなんて、よくわからない人だ。
「んま、耳フーはジョーダンとして、耳貸しな」
「........」
また耳フーするんじゃんいの!?!?というような顔をしてしまっていたのだろうか、茶羅依さんが
「やだな、ほんとに何もしないよ」
「...はい」
私は耳を差し出す。
「...キミさー、ウチの深嶺の事好きでしょ、狙っちゃってるでしょ」
「!?」
「わりーけどさ、深嶺様には皇ノ世君っていうボーイフレンドがいるわけ。.....邪魔なんかしちゃったら、俺、容赦しないから、ね」
優しい口調で言っているけど声はとっても冷たくて、ゾッとした。
それに...私が先輩の事、好き?
私...レズなの?
ううん、そんな、まさか。
色んな考えが、頭を巡る。
結局考えがまとまらないまま時は過ぎ、気付けばお風呂も夕飯も終わっていた。
これに関しては。ちょっと腑に落ちないけぢど、座津守に感謝だ。
私は用意しながら考えていた。
...よっし、準備完了!
「お待たせしました!」
「ああ、じゃあうちへ行こうか。ここからだと割と近い、徒歩で行こう」
「はい!」
色々話しながら歩いていると、風魔先輩の家はすぐだった。
家の前につくと、先輩は重い溜息をつく。
あ...やっぱり迷惑だったのかな....。
「あのな、私がお前に会わせたくなかった人というのは、私の兄の事だ」
「お兄さんですか」
「ああ、私の兄は....はっきり言って......クズだ」
「えっ」
「私の知っている限りでも、彼女が13人いる」
「す、凄い...」
「ああ....悪い意味でな.....さ、入ろうか!」
先輩はドアを開ける。
すると...げんかtに、一人、正座をしている男性が。
とても凛々しい深紅の瞳に、艶やかな小豆色の髪の毛。
スッと通った美しい鼻筋。
そして、キリッとしていてとても男らしさを感じる眉毛。
とても顔が整っている...俗に言う、イケメンだ。
そして、その男が...
「深んんんんんんんんんん!!!!遅かったね、どこ行ってたの!??俺、チョーーーー心配したんだぜ!?」
と言いながら、ガバッと先輩に抱きつく。
「ギャアアアアアアア!!!抱きつくな!!!第一まだ七時だ!!高校生ならこれぐらい遅くもなんともないだろう!!お前が高校生の時はほぼほぼ朝帰りだったくせに...!」
「んもー、俺に心配させちゃダメだぞ?....ん?そこの女の子は?」
抱きついていたお兄さんが、先輩から離れつつ私の方を見る。
「この子は後輩の黒川崎隼だ、今日はうちに泊まっていくからな」
「はい、お世話になります」
「ふーん......」
お兄さんは私の方にゆっくりと歩いてくる。
まるで、品定めでもするかのように私を見つめながら。
そして、私の顎に手を添え、クイッと私の頭を上に向かす。
俗に言う顎クイというやつだ。
こんな事されたの、はじめて...しかもこんなイケメンに...思わず、胸が高鳴る。
「お、おい!私の後輩にまで手を出すなよ!?」
そんな先輩の言葉も無視して、お兄さんの顔が更に私の顔に近づく。
だけど、期待外れにというか、お兄さんの顔は私の顔からはそれて私の耳元に移動した。
そして、こう囁く。
「もしかして、キスされるの期待しちゃった?」
「そんなわけ、ないです....!」
「へぇ、ほんとかな....?期待してた癖に、自分に素直になりなよ...」
ゴンッ!!!!!
鈍い音が部屋に響く。
「いってぇ!!!!」
そう言いながら、お兄さんが私から離れる。
あー、私、今顔真っ赤なんだろうな!!!
恥ずかしい!!!
「お前は、イカ子に、自己紹介だけをしろ!!」
「はぁい...風魔茶羅依、22才でーす!」
「きょ、今日はよろしくお願いします...お世話になります....」
「あっれ、ほんの挨拶だったのになー!顔真っ赤!!もしかしてまだキスしたkぐふっ!!!」
言いかけた言葉は、先輩のグーパンに遮られる。
いった〜っと言いながら床にグッタリ倒れる茶羅依さんに見向きもせず、先輩は言う。
「私の部屋に行くぞ。全く、あんな兄で申し訳ない...」
「い、いえ....」
「あ〜ん、深、待って〜、手当てして〜♡」
「ふざけた事をぬかすなこんのクソ兄が!!」
「んもぉ、ツンデレなんだから♡」
「うっ......」
小さく呻き声をあげた先輩の腕をふと、鳥肌がゾワーっとたっていた。
あ、本気で嫌なんだな〜....。
こんな奴に構っているほど暇じゃない、とかなんとか呟きながら、先輩は階段を上がっていった。
私も荷物を抱えながらそれに続く。
だけど、私がパンパンに詰め込んだ荷物は重く、それを持ちながら階段を上がるのは中々至難の業だった。
それに気付いた先輩が、
「イカ子、大丈夫か?今助けに行く、その位の荷物、私なら楽勝だろう」
と言いながら階段を降りてくる。
が、そこを茶羅依さんが。
「深、俺に任せな。大事な妹に重い荷物持たせるほど廃れちゃいないからね!」
「そうか、ありがとう。任せるよ」
茶羅依さんが、私の元に駆け寄って来て貸しな、と言う。
そして一緒に階段を上がっていく。
ふと、茶羅依さんが足を止めた。
「.....?どうしたんですか?」
「....ちょっと、耳貸しな」
「? はい」
言われた私は、素直に顔を茶羅依さんの方へ近づける。
茶羅依さんの口元が、私の耳に近付いて...。
「ふーっ」
「キャアアアッ!!!」
「おい、そこのクズ!!!イカ子に何した!!!」
「アハハ、ジョーダンジョーダン!!深嶺様は先に行っててくださーい」
「.....。イカ子、何かあったらすぐ言うんだぞ」
「は、はい....」
いや、突然の耳フーはびっくりした。
てっきり何か言われると思ってたし...。
にしても、急にこんなことするだなんて、よくわからない人だ。
「んま、耳フーはジョーダンとして、耳貸しな」
「........」
また耳フーするんじゃんいの!?!?というような顔をしてしまっていたのだろうか、茶羅依さんが
「やだな、ほんとに何もしないよ」
「...はい」
私は耳を差し出す。
「...キミさー、ウチの深嶺の事好きでしょ、狙っちゃってるでしょ」
「!?」
「わりーけどさ、深嶺様には皇ノ世君っていうボーイフレンドがいるわけ。.....邪魔なんかしちゃったら、俺、容赦しないから、ね」
優しい口調で言っているけど声はとっても冷たくて、ゾッとした。
それに...私が先輩の事、好き?
私...レズなの?
ううん、そんな、まさか。
色んな考えが、頭を巡る。
結局考えがまとまらないまま時は過ぎ、気付けばお風呂も夕飯も終わっていた。