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私は、とある忍の里で産まれた。
幼き頃から忍としての実力を磨くため、日々修行を重ねてきた。
私は次第に、自分より幾つも年が上の大人にも勝つようになり、いつしか沢山の入軍オファーが来るようになっていた。
因みにこれが三才の時の話である。
里の者は私を重宝し、どの軍にも私を渡そうとしなかった。
私も、どの軍にも行くつもりは無かった。

私は日々の修行の疲れを癒す為に、毎日湖に行っていた。
湖のほとりに腰掛け、ただただじっと湖を見つめるのだ。
湖には沢山の生き物がいるし、空気も澄んでいるし、ただ座っているだけでとても楽しく、癒された。
いつからだろうか。
湖に行くと、一人の男と会うようになった。
男は私に話しかけてきて、最初は煩わしく思った。
でも、次第に惹かれていった。
それはもしかしたら、恋というものだったかもしれないし、尊敬というものだったかもしれない。
男は風野山忍軍の長で、座津守 掟奴と言う名だった。
座津守は私に稽古をつけたりしてくれた。
私が勝てないのは、座津守だけだった。
私にとって座津守は「初めて」の人種で、ますます惹かれていった。

そしてある日、風野山からオファーが来た。
長老や私の両親は、戦好きの風野山に私を行かせたがらなかった。
でも私は、大好きなお師匠のいる軍だからと、皆の反対を押し切り入軍する事を決めた。
皆私を最後は応援して送ってくれた。

風野山で過ごす日々あ、本当に本当に楽しかった。
お師匠との毎日の鍛錬。
めー君との会話。
兄様___因みに緋岸花さんの事だ___との手合わせ。
父様___壱坂さんの事だ___が買ってきてくれるお菓子。
全てが輝いていた。
殿も私専用の部屋を用意するなど可愛がってくれた。

だが....そんな楽しい日々も、永遠に続くわけでは無かった。
ある日、私は団子を見つけた。
父様が
私へのご褒美に買ってきてくれたものと思い、私は団子を食べてしまった。
だが...それは、殿の楽しみにしていた団子だった。
殿は大激怒。
私を風野山から追い出す事を決めた。
お師匠もめー君も兄様も父様も、他の皆も、猛反対してくれた。
だけれど、殿の気は変わらなかった。
私は七才にすて、風野山を追い出された。

風野山を追い出された私は、森で途方も無く過ごしてた。
二日程サバイバル生活を続けていた時、一人の忍が私に声をかけた。

「...その小豆色の髪....深紅の瞳...お前、もしかして風野山の風魔 深嶺か?」

私はそうだと頷き、経緯を話した。
忍は、とある城に務めていて、私は誘われた。
どうせ行く宛も無かったんだ、私は付いていく事にした。
でもそれが間違いだった....。
上司のセクハラは酷いし、腕のたつ忍者は一人だっていない。
給料はほぼ出ていないものと変わらないし、仕事だって忍者らしい事はさせてもらえない。
だけれど待っても待っても風野山の人が迎えに来ることはなく、私は結局八年間もの間そこで過ごした。

十五才になり少し経った夜、私は何か胸騒ぎがして城の見張りをしていた。
すると、案の定侵入者がやって来たんだ。

私はすぐさまそいつの背後にまわり、首元に苦無を押し付け何処の忍かを問いただした。
そいつは答えた、阿武川学園の実習で来たんだと。
そして...あろう事か、私を誘ったんだ、阿武川学園に。
普通あら絶対行かないところだが、私は今務めている城にうんざりしていたから、そいつ....聡に付いていく事にした。

早速学園長に会った。
私は学園の警備と引き換えに授業料を免除してもらった。
だけれど、学園は完全には信用していなかった。
なので、聡と同じクラスに配置させ聡が私お監視役になる事で、私は完全なる阿武川学園の生徒になることができた。

そこからも色々あったよ。
学園にお師匠が来て、八年ぶりに再会したり。
阿武川学園を卒業して、風野山に再就職したり。
....結婚したり。
でももう散々話させてもらったから、今日はこのくらいにしておこうか。
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