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「あ〜、どうしよう!!」

家に帰った私は、自室に戻り、服を選んでいた。
...が。
中々に服が決まらない。
流行ってるクラッシュベロアのブルゾンは着るとして...。
その下はどうしよう!!
考えれば考えるほど候補が出てきて、考えがまとまらない。
それに、先輩を待たせてるかもしれないし、時間もない...。
こんな時h...。

「おかーさーん!!」
「なにーっ!!?」

...。
お母さんの協力もあり、無事服が決まった。
赤いクラッシュベロアのブルゾンに、白いセーター。
そして下は黒のプリーツスカート。
靴は厚底スニーカー。
よし、カンッペキね。
私はドキドキ激しく運動する胸をなんとか抑えつつ、家を後にした。

十字路につくと、先輩は先について私の事を待っていた。
襟が変わった形___シャツの襟みたいな___オフショルのワンピースに、黒いハイヒール。
大人しめの色の服と靴が、先輩の小豆色の髪と、深紅の瞳にとても映えて、素敵だ。

「先輩...素敵です....あ"っ!!?」
「ありがとう、華実ちゃん」
「す、すみません...!急にこんなこと言って...!つい口に出てしまって...!」
「いや、嬉しかったよ。華実ちゃんも素敵だよ。似合っている」

そう言うと、先輩は私に優しく笑いかける。あーっ、今私、顔真っ赤なんだろうな!
私は俯きながら、静かに上がっていく自分の体温を感じていた。
行こうか、と言って歩きはじめる先輩に私は返事をして後に続いた。

ショッピングモールに着いてからは、それはもう天国のようだった。
一緒にアイスクリームを食べたり、写真を撮ったり...。
プリクラも撮ったしおそろいのキーホルダーみ買った。
先輩は買ってすぐにキーホルダーをカバンに付けてくれて嬉しかった。
後、先輩は本当に何でもできる人のようで...クレーンゲームで可愛い猫のぬいぐるみを取ってくれて、本ッ当にテンションが上がった。
私はベッドに横たわり、先輩のとってくれたぬいぐるみを見つめて、抱きしめる。
なんだか先輩を抱きしめているような気持ちになって、心がぽかぽかした。

「おやすみ」

私はぬいぐるみにそう伝えると、深い眠りについた。
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