【蜘蛛の巣-満月の夜に―前編】
分身であってもまごうことなくピッコロ本人である筈なのに、悟飯の推察の正しさを証明するが如く、愛おしさに優しく目を細めた本体と違い分身達の瞳はガラス玉のように一片の感情も映し出していなかった。
そんな三人のピッコロの足元で、悟飯はむき出しになった下半身を早春の夜更けの風に晒して、要求された通りに発情期の犬か猫を連想させるポーズをとって見せる。
これまで流れで性交渉の最中に自然とこの体位に持ち込まれても何の抵抗感も抱かなかった悟飯の頬に、ピッコロとの性交渉に及ぶ為の手段として自ら尻を突き出す行為への恥じらいに再度朱が差していた。
四つん這いになった悟飯の目の前に立つピッコロが、本格的に始まる官能的な劇の演出として悟飯の眼鏡を外すと、紛失を恐れて先ほど悟飯が放った下着の脇にそっと置く。
それを皮切りに、三人のピッコロがそれぞれに動き出した。
舞台の幕が上がったこの瞬間、美しい桜の下でのピッコロとの甘い抱擁を夢見ていた悟飯には予想だにしていなかった、責めと苦悶と羞恥に満ちた快楽劇が始まったのだった。
悟飯の後ろで形の良い尻を眺めていたピッコロが、いきなり核心には触れず、双玉の裏から肛門に向かって伸びる一本の道筋を指先で辿ると、もうひとりのピッコロが横から悟飯のペニスを緩く扱き始め、悟飯の前で仁王立ちになった最後のピッコロは魔族服の下から欲望に猛り狂った己自身を取り出すと、悠然と悟飯の眼前にチラつかせる。
その、青筋が立って固く反り返った見慣れた形体のものを何の抵抗もなしに口に含むと、悟飯はいつものように愛しい輪郭を舌先でなぞった。
恋人同士として同じ心を分かち合う以前から固い信頼の絆で結ばれたふたりは互いに、どうすれば恋人を喜ばせられるのか、何が相手を不愉快にさせるのか、内面の長所も欠点も、性交渉での癖も弱点もすべてを心得ている。
口内愛撫も然りで、悟飯は長い経験で自然と身に付いた、ピッコロに快楽を与えられるポイントを攻めるテクニックを無意識に駆使した。
この行為をピッコロが自ら悟飯に求めたことはないが、代わりに強制的に止めさせたこともない。
愛撫を施す時間の長さもタイミングもその時の悟飯の気分次第で変わり、悟飯を思い通りに組み敷いて存分に支配している筈のピッコロも、この時だけは悟飯の意のままに任せていた。
だが、この日のピッコロはいつもと様子が違った。
例え悟飯から望んだ行為であっても常々のように主導権を握らせるつもりがないのか、己の欲望を悟飯の口内に迎え入れられたピッコロは高い知能を誇る悟飯の頭を両手で掴むと、中の脳みそがどうなろうと構ったことではないと言わんばかりに激しく前後に揺さぶった。
いきなり勢いよく咽喉奥まで侵入したピッコロの欲望が口蓋垂に当たり、生理現象による吐き気に苦しめられた悟飯の瞳に見る見る苦悶の涙が盛り上がる。
「うぐっ!・・・ぐぇ・・・っ、ぐぅ・・・!」
息切れと嘔吐と喘ぎが混ざった声が絶え間なく悟飯の咽喉から発せられるが、可愛い弟子の苦しみを知りながら他のピッコロは無慈悲なその行為を止めさせるどころか、すっかり筋肉が落ちて華奢になった悟飯の躰をそれぞれに責め始めた。
悟飯のペニスを緩く扱いていたピッコロはその手を早め、もうひとりのピッコロは悟飯の後孔に何かを宛てがう。
(え―・・・?)
溢れ出た涙が薔薇色の頬を伝って尖った顎から滴り落ちるほどの苦しみの中で、悟飯は数時間前に味わった無機質な感触に驚き、ピッコロの責めによって通常よりも更に視力が落ちた瞳を見開いた。
(ご褒美って・・・ピッコロさんじゃなく、って・・・?)
「んん、ん―っ!!」
『それ』が躰にめり込んできた時、図らずも悟飯は高い嬌声を上げていた。
ピッコロの大きな掌で頭部を固定されている為に振り返って確認することはできないが、見ずとも『それ』が何であるのかが悟飯にはわかった。
『それ』は、数時間に渡って悟飯の尻を犯している『もの』と同じ物だったから。
あれほど悟飯が体内からの除去を待ち侘びていた『もの』が、反対に悟飯の躰の中で数量を増やされてしまう。
こんな皮肉な結果がご褒美だなんて。
ピッコロとの久々の行為を切望する悟飯の心を知りながら素知らぬ風を決め込むピッコロに不服を申し立てようにも、気持ちを伝える手段としての言葉を紡ぐ唯一の器官を塞がれている今の状態ではどうにもままならない。
まんまとピッコロの誘いに乗ってつれない恋人への抗議の方法を自らの意思で失った己を悟飯は悔いたが、時はすでに遅かった。
「まだ余裕がありそうだな。お前の淫穴は、まだ呑み込みたがっているぞ」
面白そうにそう言うとピッコロは、悟飯が何も言い返せないのを良いことに3つ目の小型ローターを悟飯の後孔に差し入れる。
ピッコロが淫穴と表現した悟飯の後孔の内部は3個のローター同士がせめぎ合い、狭い空間の中でひたすら単一の動きを繰り返す。
だが、単調あっても直腸で蠢くローターの振動は大きなうねりとなって前立腺を刺激するに留まらず、あろうことか膀胱まで伝わって間断なく悟飯を責め立てた。
その責めに悟飯の両脚の筋が痙攣を起こしているのにも関わらずピッコロは容赦なく4個目を挿入し、それだけでは飽き足らないと云わんばかりに更に5個目を追加する。
さすがに5個目は無理があったのか、楕円の形が半分ほどで悟飯の体内に姿を隠して止まった時、他のピッコロ達の動きが変わった。
それまで首に痛みを覚えるほど悟飯の頭を前後に激しく揺さぶっていたピッコロがぴたりと動きを止めて悟飯の後頭部の髪を掴んで上向かせ、悟飯の横のピッコロは悟飯のペニスを扱く手を休める。
悟飯に主導権のない口腔愛撫が終わりを告げてようやく可能になった息継ぎに、苦悶の涙に濡れた悟飯の眉間の皺がたちどころに消えていった。
施す当人に主導権のない口腔愛撫が、こんなに苦しいものだったとは。
初めて受けた仕打ちに、悟飯はぜえぜえと肩を使って苦しい呼吸を繰り返した。
気道を塞がれて呼吸が困難になった上に、口蓋垂を刺激されることによって吐き気を催し、頭部を激しく揺さぶられた衝撃に脳内貧血まで起こしかけている。
吐き気を催した後の、より多くの呼吸を必要とする躰にまともな呼吸が許されず、血中に酸素が欠乏した為の弊害の症状も様々だった。
息切れと動悸、眩暈、手足の先の痺れ、急激な血圧の低下、思考の欠如と感覚の鈍麻、疲労感と倦怠感・・・。
それらから開放された安堵に緊張を解いた悟飯に対してピッコロから『動くな』との命令が飛び、動きたくとも動けるものか、と悟飯は思った。
だが、ほどなくして、何故ピッコロが『動くな』と言ったのか、その理由を悟飯は身を持って知ることとなる。
「ふぅっ・・・!ん、うっ!」
あれほどの苦しみを与えながらも大量の蜜を垂れ流す鈴口に、いきなり金属質の冷たい感触を覚えて悟飯は身を強張らせた。
細かく振動するローターに長いこと前立腺を責められて開き放しになった鈴口から、悟飯の知らない金属がゆっくりと尿道を突き進んでくる。
己の躰に何が挿入されたのか、得体の知れない物への恐怖が悟飯を竦ませた。
「安心しろ、お前の躰を傷付けるような真似はせん」
興奮の兆しも高揚の欠片も感じられないピッコロの声は穏やかだったが、その言葉には、尿意を誘発する物体の正体とこれから我が身に起こる責めの内容を知り得る術を持たない悟飯の心を慰める効果はなかった。
そんな三人のピッコロの足元で、悟飯はむき出しになった下半身を早春の夜更けの風に晒して、要求された通りに発情期の犬か猫を連想させるポーズをとって見せる。
これまで流れで性交渉の最中に自然とこの体位に持ち込まれても何の抵抗感も抱かなかった悟飯の頬に、ピッコロとの性交渉に及ぶ為の手段として自ら尻を突き出す行為への恥じらいに再度朱が差していた。
四つん這いになった悟飯の目の前に立つピッコロが、本格的に始まる官能的な劇の演出として悟飯の眼鏡を外すと、紛失を恐れて先ほど悟飯が放った下着の脇にそっと置く。
それを皮切りに、三人のピッコロがそれぞれに動き出した。
舞台の幕が上がったこの瞬間、美しい桜の下でのピッコロとの甘い抱擁を夢見ていた悟飯には予想だにしていなかった、責めと苦悶と羞恥に満ちた快楽劇が始まったのだった。
悟飯の後ろで形の良い尻を眺めていたピッコロが、いきなり核心には触れず、双玉の裏から肛門に向かって伸びる一本の道筋を指先で辿ると、もうひとりのピッコロが横から悟飯のペニスを緩く扱き始め、悟飯の前で仁王立ちになった最後のピッコロは魔族服の下から欲望に猛り狂った己自身を取り出すと、悠然と悟飯の眼前にチラつかせる。
その、青筋が立って固く反り返った見慣れた形体のものを何の抵抗もなしに口に含むと、悟飯はいつものように愛しい輪郭を舌先でなぞった。
恋人同士として同じ心を分かち合う以前から固い信頼の絆で結ばれたふたりは互いに、どうすれば恋人を喜ばせられるのか、何が相手を不愉快にさせるのか、内面の長所も欠点も、性交渉での癖も弱点もすべてを心得ている。
口内愛撫も然りで、悟飯は長い経験で自然と身に付いた、ピッコロに快楽を与えられるポイントを攻めるテクニックを無意識に駆使した。
この行為をピッコロが自ら悟飯に求めたことはないが、代わりに強制的に止めさせたこともない。
愛撫を施す時間の長さもタイミングもその時の悟飯の気分次第で変わり、悟飯を思い通りに組み敷いて存分に支配している筈のピッコロも、この時だけは悟飯の意のままに任せていた。
だが、この日のピッコロはいつもと様子が違った。
例え悟飯から望んだ行為であっても常々のように主導権を握らせるつもりがないのか、己の欲望を悟飯の口内に迎え入れられたピッコロは高い知能を誇る悟飯の頭を両手で掴むと、中の脳みそがどうなろうと構ったことではないと言わんばかりに激しく前後に揺さぶった。
いきなり勢いよく咽喉奥まで侵入したピッコロの欲望が口蓋垂に当たり、生理現象による吐き気に苦しめられた悟飯の瞳に見る見る苦悶の涙が盛り上がる。
「うぐっ!・・・ぐぇ・・・っ、ぐぅ・・・!」
息切れと嘔吐と喘ぎが混ざった声が絶え間なく悟飯の咽喉から発せられるが、可愛い弟子の苦しみを知りながら他のピッコロは無慈悲なその行為を止めさせるどころか、すっかり筋肉が落ちて華奢になった悟飯の躰をそれぞれに責め始めた。
悟飯のペニスを緩く扱いていたピッコロはその手を早め、もうひとりのピッコロは悟飯の後孔に何かを宛てがう。
(え―・・・?)
溢れ出た涙が薔薇色の頬を伝って尖った顎から滴り落ちるほどの苦しみの中で、悟飯は数時間前に味わった無機質な感触に驚き、ピッコロの責めによって通常よりも更に視力が落ちた瞳を見開いた。
(ご褒美って・・・ピッコロさんじゃなく、って・・・?)
「んん、ん―っ!!」
『それ』が躰にめり込んできた時、図らずも悟飯は高い嬌声を上げていた。
ピッコロの大きな掌で頭部を固定されている為に振り返って確認することはできないが、見ずとも『それ』が何であるのかが悟飯にはわかった。
『それ』は、数時間に渡って悟飯の尻を犯している『もの』と同じ物だったから。
あれほど悟飯が体内からの除去を待ち侘びていた『もの』が、反対に悟飯の躰の中で数量を増やされてしまう。
こんな皮肉な結果がご褒美だなんて。
ピッコロとの久々の行為を切望する悟飯の心を知りながら素知らぬ風を決め込むピッコロに不服を申し立てようにも、気持ちを伝える手段としての言葉を紡ぐ唯一の器官を塞がれている今の状態ではどうにもままならない。
まんまとピッコロの誘いに乗ってつれない恋人への抗議の方法を自らの意思で失った己を悟飯は悔いたが、時はすでに遅かった。
「まだ余裕がありそうだな。お前の淫穴は、まだ呑み込みたがっているぞ」
面白そうにそう言うとピッコロは、悟飯が何も言い返せないのを良いことに3つ目の小型ローターを悟飯の後孔に差し入れる。
ピッコロが淫穴と表現した悟飯の後孔の内部は3個のローター同士がせめぎ合い、狭い空間の中でひたすら単一の動きを繰り返す。
だが、単調あっても直腸で蠢くローターの振動は大きなうねりとなって前立腺を刺激するに留まらず、あろうことか膀胱まで伝わって間断なく悟飯を責め立てた。
その責めに悟飯の両脚の筋が痙攣を起こしているのにも関わらずピッコロは容赦なく4個目を挿入し、それだけでは飽き足らないと云わんばかりに更に5個目を追加する。
さすがに5個目は無理があったのか、楕円の形が半分ほどで悟飯の体内に姿を隠して止まった時、他のピッコロ達の動きが変わった。
それまで首に痛みを覚えるほど悟飯の頭を前後に激しく揺さぶっていたピッコロがぴたりと動きを止めて悟飯の後頭部の髪を掴んで上向かせ、悟飯の横のピッコロは悟飯のペニスを扱く手を休める。
悟飯に主導権のない口腔愛撫が終わりを告げてようやく可能になった息継ぎに、苦悶の涙に濡れた悟飯の眉間の皺がたちどころに消えていった。
施す当人に主導権のない口腔愛撫が、こんなに苦しいものだったとは。
初めて受けた仕打ちに、悟飯はぜえぜえと肩を使って苦しい呼吸を繰り返した。
気道を塞がれて呼吸が困難になった上に、口蓋垂を刺激されることによって吐き気を催し、頭部を激しく揺さぶられた衝撃に脳内貧血まで起こしかけている。
吐き気を催した後の、より多くの呼吸を必要とする躰にまともな呼吸が許されず、血中に酸素が欠乏した為の弊害の症状も様々だった。
息切れと動悸、眩暈、手足の先の痺れ、急激な血圧の低下、思考の欠如と感覚の鈍麻、疲労感と倦怠感・・・。
それらから開放された安堵に緊張を解いた悟飯に対してピッコロから『動くな』との命令が飛び、動きたくとも動けるものか、と悟飯は思った。
だが、ほどなくして、何故ピッコロが『動くな』と言ったのか、その理由を悟飯は身を持って知ることとなる。
「ふぅっ・・・!ん、うっ!」
あれほどの苦しみを与えながらも大量の蜜を垂れ流す鈴口に、いきなり金属質の冷たい感触を覚えて悟飯は身を強張らせた。
細かく振動するローターに長いこと前立腺を責められて開き放しになった鈴口から、悟飯の知らない金属がゆっくりと尿道を突き進んでくる。
己の躰に何が挿入されたのか、得体の知れない物への恐怖が悟飯を竦ませた。
「安心しろ、お前の躰を傷付けるような真似はせん」
興奮の兆しも高揚の欠片も感じられないピッコロの声は穏やかだったが、その言葉には、尿意を誘発する物体の正体とこれから我が身に起こる責めの内容を知り得る術を持たない悟飯の心を慰める効果はなかった。