【あいつの憂鬱】

その蜜壷を下着の上からターレスが指先で優しく輪郭をなぞると、中からグチュグチュと淫猥な音が響く。

「ひっ・・・!・・・あっ・・・あっ、あっ・・・!」

一度も触れられていないそこは過剰なほどの敏感さで、ターレスの愛撫に応える。
ターレスの悪戯な指が薄い布越しに悟飯の蜜壷の感触を愉しむ度に、悟飯はわずかに浮かせた腰をビクビクと揺らした。
これから起こる出来事に、悟飯は未だ知らぬ未知の世界への恐怖と不安に顔を曇らせ、ターレスは期待と歓喜に晴れやかな微笑を零す。

「もう一度お前の処女を奪うことになろうとはな・・・」

半ば過去を懐かしむような眼差しで、唄うような軽やかさでターレスが布告する。
その眼が欲望にぎらりと光るのを合図に、ターレスは悟飯の秘貝を隠す下着を剥ぎ取りにかかった。
悟飯ですら見たことのない秘境を目撃するターレスを意識して、悟飯は眉間に皺を寄せ固く瞳を瞠る。
ターレスが下着を悟飯の脚から引き抜くほんの数秒間の出来事が、悟飯には数分の長さに感じられた。
両膝を立てた格好で、悟飯の下半身がターレスの視線に晒される。
『それ』はまるで、白い山間の谷に咲いた、一輪の薔薇のようだった。
形は左右対称に整い、色は粘り気を帯びた密に濡れそぼって鮮やかで、ターレスの愛撫を受けて今を盛りに咲き誇るのを待ち侘びている。
可憐に色付いた花びらの一枚に、吸い寄せられるようにターレスの唇がそっと触れた。

「あっ・・・」

些細なキスにも悟飯が体を竦めて反応するのを皮切りに、ターレスは密に濡れそぼった花弁を己の舌で丁寧になぞり始める。
花びらの一枚一枚を交互に唇で挟み、充血して色合いの濃くなったピンク色の真珠を舌の先で転がし、ターレスを受け入れる蜜壷には尖らせた舌の先を捩じ込んだ。
秘貝を縦横無尽に這い廻るターレスの舌のヌルついた感触に悟飯は何度も追い詰められ、テクニシャンの呼び名も高い舌技に、幾度となく頂点まで昇り詰めさせられた。
一度達した後は急激に萎える青年の時とは違い、未成熟とは云えども女性になった悟飯の躯は、快感に際限がなかった。
絶えず快感の波が発生し、悟飯の意識も理性も、何もかもを呑み込む。
大きな波が悟飯を支配して悟飯の息を止めた後、間髪入れずに怒った次の波が、ベッドごと悟飯の無垢な躯を攫った。

「はあっ・・・!ぁ、あっ、あぅっ、うぁ・・・っ!」

苦悶に耐えるような喘ぎ声が立て続けに悟飯の口から迸り、馴れない快感に悟飯が翻弄されているのが見て取れる。
蜜壷からは湧水の如く蜜が溢れ出て、一本の道筋を辿って流れ落ちていった。
大量に湧き出る蜜を、ジュル、と音を立ててターレスが啜る。
その卑猥な音も悟飯の耳には届かず、ターレスがどんなテクニックを駆使しているのかも、悟飯には検討が出来なかった。
快感の波に合わせて蜜壷の入り口が開閉を繰り返すそのすぐ下では、悟飯が少年の頃からターレスが欲望を埋めてきた秘部がイヤらしくひくついている。
もの欲し気に密に濡れる秘部にターレスが最初の一本目を挿入した時、悟飯の体に戸惑いが走った。
ターレスの真意が読み取れずに、悟飯の頭の中に疑問符が飛び交う。
それでもターレスとの行為に慣れきったアナルは、嬉々としてターレスの指を呑み込んでゆく。
最初の異物感があっという間に通り過ぎ、ターレスの指が前立腺を刺激して悟飯が再び吐息を漏らし始めた時、ターレスは未開の地への第一歩を踏み出した。
これからターレスを受け入れることになる筈の花の中心は未だ固く、開通していないトンネルをターレスの指が掘り進めて行く作業は難関を極めた。

「ぐっ・・・!」

体の中心に激痛が走り、悟飯が声を失う。
悟飯を支配していた波が急激に引き完全に沈静化するその前に、アナルに挿入されたターレスの指が動いた。
前立腺を刺激されるいつもの快感に、鎮まりかけた波がまた立ち上がり、固く閉ざされた蕾をほぐす際の痛みが次第に和らいでゆく。
そこには、ターレスに二度目の処女を捧げる悟飯になるべく痛みを与えまいと懸命に奉仕するターレスの思いやりがあった。
ターレスは左手の中指で悟飯のアナルを中を掻き廻しながら、右手の中指の侵入を徐々に深めてゆく。
同時に与えられる痛みと快感に、悟飯は泣き出しそうに顔を歪めて唇をわななかせた。
やがてターレスの指が根元まですっぽり納まり、悟飯が痛みに慣れた頃、ターレスの指は悟飯の体の奥深くに奇妙な盛り上がりを発見した。
悟飯の中に納めたまま、ターレスは少しだけ中指を動かし、盛り上がった箇所を責め続ける。
何度も、何度も―

「ふっ・・・、ふぁ、んっ・・・」

百戦錬磨のターレスには、そこが何なのかすぐにわかった。
今では俗っぽい名前で女性の性感帯の最たるものとして知られている箇所を、ターレスは指先で擦るように刺激する。
開発されたら間違いなくウィークポイントとなる部分への繰り返される愛撫に、次第に悟飯の体の最奥にむず痒さに似た感覚が広がっていった。

「・・・んっ・・・ん、ぅんっ」

少しずつ悟飯の痛みが引くのに合わせて、ターレスの指の動きは変化してゆく。
それまでの単調な動作だけでなく、時として上下に、時として左右に揺り動かし、時間をかけて徐々に固い蕾を拡げてゆく。
それは、豊富な経験とほどほどの年齢を経たターレスだからこそ耐え得ることが出来た、根気強さと忍耐力を必要とする、拷問のような作業だった。
女性になった悟飯の裸体に興奮して先の行為を焦れば優しさに事欠き、繊細で念入りな準備は期待出来なくなる。
一方で、優しさと扱いの丁寧さだけでは、未開発の処女の攻略は難しい。
愛する者との結合にはやる心を抑えながら入念に、且つ初めての行為に痛みを訴える相手への同情心ゆえに先に進むのを怯んでしまわないほどには強引に。
二つのバランスを保ちつつ、ターレスは先に進みたくても進めないジレンマとストレスにも耐えねばならなかった。
年若く経験も浅い並みの男なら、業を煮やして無茶苦茶をしたかも知れない。
だが、波乱万丈な人生を送ってきたターレスは、耐えることには慣れていた。
冷たく他人を見下す不遜で傲慢なフリーザにこき使われ、打倒フリーザを掲げながらそんな素振りも見せず、水面下では己の力を蓄えていたのだ。
何年も、何年も。
あの頃の暗い情熱に比べれば、もうじき訪れる幸福感の為の我慢など、どうと云うことはない。
しかも、無理矢理奪った少年の悟飯と違い、少女の悟飯は同意の上でターレスとの行為に臨んでいる。
ターレスに心を開く悟飯の献身さとターレスの奉仕の甲斐あって、ようやく悟飯がターレスを受け入れる準備が最終段階に近付こうとしていた。
最後の仕上げにターレスはぐるりと大きく指を一回転させると、柔らかくなった蜜壷に二本目の指を挿入した。
未だ狭い内部に難儀はしたものの、初めての時のような痛みも抵抗もなく、ターレスの指は悟飯に迎え入れられる。
二本の指をペニスに見立ててターレスがピストン運動を始めると、段々と悟飯の体の最奥のむず痒さは、別の感覚へと変貌を遂げつつあった。
少しずつ、少しずつ股間が蕩け、それが快感である事実を悟飯の脳に知らせてくる。
悟飯の白い内腿がぴくぴくと小さく震え、ターレスの指をくわえ込む肉襞がわずかに蠢く。
あまりに変化の早い悟飯に、ターレスは片目を薄めて口許を綻ばせた。


(こいつは・・・開発し甲斐がありそうだぜ・・・)

個人差はあるが、通常では処女を喪失してから性行為で快感を得られるようになるまでは、時間と経験を要する。
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