【僕の憂鬱-前編-】

とても10歳足らずの少年とは思えない悟飯の妖艶な痴態を、ターレスのギラついた二つの眼が満足気に捉えていた。
体に浴びるシャワーのお湯はとうに笑い流されているというのに、悟飯の秘部から漏れる特殊な分泌液で、ターレスのペニスはヌルヌルに濡れていた。
密着したターレスの腹では、普段は陥没している悟飯の胸の突起がターレスの愛撫を求めて固く尖り、ターレスの動きに合わせて何度も擦られている。
中に浮いたすんなりと伸びた白い両脚は、ターレスに前立腺を突きあげられる度に、淫らに大きく痙攣していた。
もはや悟飯の意思では閉じられなくなった口許からは、艶やかな啼き声だけでなく、一筋の唾液が尖った顎にまで垂れている。
何度も脳を直撃する電気に、悟飯の澄んだ瞳は固く閉じられたままだった。
ターレスは左手で悟飯の腰をしっかりと抱き、右手で悟飯の白い柔肌を隈なく愛撫し続ける。
足の先を指で擦り、ふくらはぎの筋肉を辿り、太腿を下から上に掌全体で優しく撫で、形の良い柔らかい尻の肉を揉み、指先で脇腹に触れ、背中のポイントは直線を描いて一気に指先を滑らせた。
背中から首筋、耳と悪戯を続けるターレス手が肩へと降り、子供にしては良く発達した悟飯の腕の筋肉を楽しんだ後、悟飯の指を信じられない感覚が襲った。

「いやぁぁぁっ!!!いやっ、いやっ、いやぁぁっ!!」

ターレスが悟飯の人差し指を口に含み、纏わりつくように舌を這わせてイヤらしく舐めまわしたのだ。
まるで口腔内でペニスを愛撫されているかのような感覚に、悟飯は体中をびくり、びくりと竦ませてバスルーム中に響き渡る悲鳴をあげ続ける。
これまで経験したことのない愛撫に、悟飯の幼いペニスは痛いほどに膨張し、大人のモノより体積の小さいペニスでは容量オーバーで抑え切れないとばかりに、ごく微量の白濁液の混じった透明な体液が大量に漏れ出した。

「ひぃあぁぁぁっ!!あああっ!!」

ターレスは唾液に濡れて異様な光りを放つ悟飯の人差し指を口内から解放すると、今度は指と指の間の付け根へと舌を這わせる。
そこで満足すると次は隣の中指に、中指が終わると薬指との間、と愛撫の対象を次々と変えてゆく。
その間にも悟飯の体を侵す電流は指先から無限に迸り、悟飯の腕は波打つように大きく震えた。

ターレスは唾液に濡れて異様な光りを放つ悟飯の人差し指を口内から解放すると、今度は指と指の間の付け根へと舌を這わせる。
そこで満足すると次は隣の中指に、中指が終わると薬指との間、と愛撫の対象を次々と変えてゆく。
その間にも悟飯の体を侵す電流は指先から無限に迸り、悟飯の腕は波打つように大きく震えた。
悟飯の指への愛撫を続けながらもターレスの腰の動きは止まることなく、悟飯を苛め続ける。
ターレスは悟飯との行為では、決して単調な動きは繰り返さない。
深く突き刺したかと思えば少しだけ腰を引き、激しく突き上げた後には悟飯の前立腺に自身のペニスを擦りつけるように腰を回し、角度を変えて腸壁を突きまくり、ありとあらゆる柔軟な動きで少年の悟飯を翻弄する。
それは、悟飯の少年らしいすんなりとした体だけでなく、白くて柔らかい肌だけでなく、悟飯の体の中まで、悟飯のすべてを楽しもうとする無意識の願望の現れなのかも知れなかった。

「イ、イクッ、イクッ、イクゥ~ッ!!」

通常時の悟飯なら自分を叱咤したくなるほどのあられもない声を張り上げ、悟飯はターレスの腹に大量の精液を撒き散らした。
悟飯が絶頂を言葉で知らせることなど、それまでは一度もなかった。
性感帯が存在するなどとは夢にも思わなかった箇所へ与えられた快感に悟飯の中で混乱と動揺が渦を巻き、無意識のうちに、口にするのも憚る単語を夢中で繰り返していた。
それがターレスの何を刺激したのか、悟飯が絶頂で体を引き攣らせるのとほぼ同時に、ターレスの頭の中が白く弾けた。
急激に狭く固くなった悟飯の体の奥でターレスのペニスは派手に脈打ち、細かく震動する悟飯の腸壁を目掛けて平常時の体温より高めの熱の塊を吐き出した。

「アッ・・・!・・・アゥ・・・ッ・・・ァ・・・!」

無理矢理こじ開けた小さな蕾を内側から更に押し拡げるかのようにターレスのモノが限界まで膨らんでは、白い体液を吐き出して収縮する。
未だ性の知識に乏しい悟飯が、自分の中のターレスを知覚する瞬間だった。

「・・・ふぅっ・・・いつもより沢山出たな。お前のナカもいっぱいだろう」

早熟な精を出し尽くして急速に頭と体が重くなった悟飯とは反対に、溜まりに溜まった一週間分の欲望を解放して心身ともに軽くなったターレスは、いつにないすっきりとした爽やかな笑顔を零す。
ターレスのペニスのサイズに拡がった悟飯の秘部は、一秒毎に徐々にすぼまり、その間に零れた大量のターレスの精液がシャワーのお湯に流されて、悟飯の足首まで汚していった。
ターレスは力が抜けてぐったりとした悟飯を鍛え抜かれた逞しい自分の胸にもたれ掛かせると、完全に閉じかかる前の悟飯の秘部に人差し指を差し込んだ。
悟飯の体が冷えないようにシャワーのお湯をあててやりながら、誤って爪を立てて中を傷つけないように、ゆっくりと慎重に己が放った欲望を掻き出してゆく。

「ふぅ・・・っ、・・・うっ・・・」

未だ社製の余韻が残る悟飯の体は、ターレスの指の些細な動きですら敏感に感じ取り、治まりかあけた快感の波が再び勢いを増すのを、悟飯は苦しい体で感じていた。

「悟飯、立てるか?立てなければ、俺がベッドまで運んでやる」

悟飯の体の雫を清潔なバスタオルで丁寧に拭いながら、問い掛けるターレスの御機嫌な声。
それに曖昧に返事をする悟飯は、妙な違和感に囚われていた。
いつもは挿入の前に念入りに愛撫するターレスの前戯が、今日は厭にあっさりとしていた。
濃厚なプレイを愉しむには、確かにバスルームでは場所が悪い。
だが、本当に理由はそれだけだろうか?

「・・・ッ」

温度変化のせいだけではなく、行為が終わった跡も固さを保ち続ける胸の小さな突起にバスタオルが触れた瞬間、胸の先が感電したような衝撃に悟飯は体を硬直させた。
ターレス自身に愛撫の意思のない、何てことのない行動、しかもただの偶然に、行為直後の今だに敏感なままの悟飯の体は感応した。
自分自身への嫌悪感とターレスへの羞恥に悟飯は上気した頬を更に赤らめ、思い通りにならない自分の体に恨めしく唇を噛んだ。

―そういえば、まだ触ってもらってない―

不意に、悟飯は違和感の原因に行き当った。
いつもなら、時には悟飯が泣き出すまでしつこいくらいに悟飯の胸の突起を弄り倒すターレスが、何故か今日に限って、行為の最中にさえ一度も触れていないのである。
この時悟飯が感じた疑問は、不満と呼ぶにはあまりに些細なものだったかも知れない。
だがターレスは、持ち前の明晰さで、悟飯の疑問を正確に察知した。

「どうした?まだ足りないのか?」

上目遣いに悟飯の反応を愉しむ目付きで下から覗き込まれ、悟飯はぐっ、と息を呑んだ。
例えどんなに悟飯の体がターレスの愛撫を求めていたとしても、触って欲しい、などとは口が裂けても言えやしない。
そんな悟飯の心境を知ってか知らずか、ターレスは親指と人差し指で輪っかを作るとそれを破裂させ、意地悪にも張り詰めた悟飯の桃色の突起を爪先で弾いた。

「アッ・・・!」

固さを増してほんのりと赤みを帯びたそこを刺激され、びくり、と竦んだ悟飯の体は声の出ぬまま震え出し、次の瞬間にはつっかえ棒がなくなったみたいに腰から崩れ落ちていった。

「そういえば、ここはまだ触ってやってなかったな。俺に、どうして欲しい?たまには自分から素直に言ってみたらどうだ?」

「・・・何・・・が・・・っ」

悟飯を支えるターレスの口許の笑みに、してやったり、の表情が読み取れなくもないことに、ますます悟飯の心は頑なになった。
そんな悟飯の心を優しく押し開くのではなく、無理矢理こじ開けるかのように、ターレスはねっとりと言葉で嬲り続ける。

「触って欲しければ、素直にそう言え。せめて『好き』の一言くらい言えたら、触ってやらないこともない」

「誰・・・が・・・、お前なんか、に・・・っ・・・!」

あくまでも頑固に意地を張り通そうとする悟飯の反応など見越したターレスは、悟飯の言葉に傷ついた様子も怒る素振りも見せず、悟飯の癪に障るあの笑いを口許に閃かせた。




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