【ワイングラス】
「やめろっ!!」
叫ぶと同時に体を捻り、腰を浮かして何とかトランクスの行動を遮ろうと可能な限り悟飯は暴れるが、悟飯の抵抗も虚しくズボンはするすると脱がされてゆく。
脱がされたズボンが悟飯の膝の上あたりで止まった時、ぬめった光りを放つ悟飯のシンボルに、ごくり、とトランクスが唾を飲み込んだ。
その音が悟飯の顔の近くで嫌に大きく卑猥に聞こえ、悟飯の背中をゾクリ、と電気が這い摺った。
恥ずかしい部分を晒されていながら隠す手段もなく、せめて羞恥に朱く歪んだ顔をトランクスに見られまいと、悟飯は思い切りトランクスとは反対方向に首を捻る。
その為悟飯の股間に顔を近付けてきたトランクスの行動は悟飯の視界に映らず、いきなり感じたトランクスの舌と熱い口内に、悟飯の腰が高く持ち上がった。
「はあっ!くふ、うっ・・・!・・・はな・・・せっ・・・!」
窪みからとめどなく溢れる悟飯の蜜をすべて吸い尽くさんと、トランクスは透明な体液を舌で掬い、悟飯の性器を口に含んではベロベロと舐め廻し、まるでお腹を空かした子供のように貪欲に悟飯を貪り続ける。
無我夢中で施すトランクスの舌技はおおよそテクニックと呼べる代物ではなかったが、女を抱いた経験もない悟飯には、女の体内を思わせる口内の感触は刺激としては充分に強烈で、全身の震えが止まらない。
一点から何かを搾り取られるかのように感覚のすべてが股間に集中し、敏感になった部分は更に繊細にトランクスの舌の動きを感じ取る。
トランクスとのたった一回の行為しか経験のない悟飯が頂点まで昇り詰めるのに、さほど時間はかからなかった。
「ふぅぅっ・・・!はな、せ・・・っ!も、もうっ・・・あ、あ、っ!」
悟飯が体を引き攣らせながら精を吐き出す直前にトランクスは悟飯の股間から顔を上げ、勢い良く飛び出す白濁液をすべて手の平で受け止めた。
悟飯の射精の感覚に合わせてH型の操縦桿は小刻みに何度も手前に引かれ、急ブレーキをかけられたジェットフライヤーは2人を乗せたまま不自然な急停止と急発進を繰り返した。
「いっぱい出ましたね。ずっと溜めてたんでしょう。あんまり溜め込むと、体に悪いですよ」
切れ切れの息継ぎを繰り返す悟飯の耳元で、トランクスは勝ち誇ったように囁いた。
危険な岩場地帯を抜け、ジェットフライヤーは木々が鬱蒼と生い茂る森の上を走行していた。
眼下に広がる緑色がぼんやりとした悟飯の瞳に映るが、それは瞳を不快に刺激する色ではなかった。
機体の外では様々な動物の鳴き声が聞こえているだろうが、ジェットフライヤーには防音設備が整っている上に、悟飯の耳は音を受け止めるのを拒否するかのように鈍感になっている為、何も聞こえてはこない。
そ森の先は高木地帯となり、高木地帯はそのまま山へと繋がっている。
地上の壁のように行く手を阻む山々を越えて暫く走行を続けると、間もなく次の街が見えてくる。
そこから西の都まで、大した距離もない。
トランクスがこれで満足してくれたのなら、人目につかずに済んだだけ、幸運だったと言うべきだろう。
だが、トランクスの手はまだ止まらなかった。
「ひぁっ!!!やぁぁっ!!」
悟飯の精液で濡れた手で、トランクスは、射精直後の敏感になった悟飯の性器をゆるゆると上下に扱き始めた。
本来ならそのまま急速に萎えてゆく筈の悟飯の性器は萎えることも赦されず、新たな刺激に否応なしに回復を余儀なくされる。
「もしかして以来、ご自分でしたなかったんですか?」
トランクスの言葉に否定も肯定もせずに、再び悟飯はトランクスから顔を背けた。
人造人間との闘いの為に元来性に対する興味が希薄な上に、トランクスとの先の一件以来悶々と悩む日々が続いていたのである。
そんな気には到底なれなかった。
「悟飯さんは“こういうこと”に関心がなさすぎです。オレと一緒に暮らしてた時だって、夜中にこっそりご自分で下着を洗ってたでしょう?」
その言葉に、悟飯は音を立てるほど強く奥歯を噛み締めた。
羞恥で自分の体が縮こまるのがよくわかる。
よりによって、あんな恥ずかしい姿をトランクスに見られていたなんて。
一生の不覚としか言いようがない過去の汚点に、悟飯の瞳にうっすらと涙の膜が張った。
そんな悟飯の様子を上目遣いに見遣りながら、トランクスの手は下へ降り、二つのボールを擦り合わせるように揉み始めた。
まるで悟飯の下部に悟飯の精液を塗りたくるように動く指は、更に奥への侵入を狙っている。
「あの頃からずっと思ってたんですよ。悟飯さんのを、たっぷり可愛がってあげたい、ってね!」
強い語気と共に、トランクスは中指をぬるりと悟飯の奥へと滑らせた。
悟飯が悲鳴のような声音でトランクスの行為を拒むが、皮肉にも悟飯自身が放ったものが潤滑油の代わりとなり、悟飯の秘部は易々とトランクスの指を呑み込んだ。
途端に悟飯を襲った異物感と、生々しく甦った記憶に吐き気を覚え、悟飯は噛み締めた唇の間から苦痛の声を上げた。
それでも構わず、トランクスは指一本で悟飯の中を掻き廻す。
その指が悟飯の敏感な部分を探し当てると、無意識に悟飯は突き出すように腰を浮かせて、背中をしならせた。
「はっ・・・!あっ、あっ・・・!」
トランクスの細長い指を更に奥に咥え込もうとするかのように締め付ける悟飯の秘部にトランクスは二本目の指を侵入させると、二本の指を拡げて秘部をこじ開ける。
本来なら排泄以外の目的で使用されることのないそこを押し拡げられる行為に痛みを感じるのは当然なのだが、トランクスから施される無理のない愛撫に、悟飯は苦痛の中にも快感を感じ始めていた。
女のように受け入れる準備をなされる感覚は、雄の本能とは違った快感を生み出す。
それは、性器を弄ばれて溜まった欲望を吐き出すだけの排泄行為にはない、別の意識を悟飯に芽生えさせていた。
悟飯の喘ぎ声の中に苦痛以外のものを見出した時、トランクスは己のベルトに手をかけ、器用に片手だけで欲望にそそり立った自身を取り出した。
トランクスは片腕で悟飯の躯を持ち上げると、ドライビングシートと悟飯の間に瞬時に体を滑らせ、自分の膝の上に乗せた悟飯に下から挿入を開始する。
「うあっ!!ぐううっ・・・!!」
ほぐされたとは云え、経験の浅い蕾は固く、無理なサイズの挿入に悟飯の秘部の皮は限界まで引き伸ばされ、これ以上の侵入の困難さを悟飯とトランクスに訴える。
トランクスは手の平に残った悟飯の精液を自身の性器になすりつけ、少しずつ悟飯の躯の奥に自分の欲望を埋め込んでいった。
内側から無理矢理押し拡げられた悟飯の秘部はズキズキと痛み、躯の中心から脱力していくのに比して、悟飯の躯は寒さに凍えるような震えが止まらない。
操縦桿を握るというよりはただ持つだけとなった悟飯に代わり、悟飯の手の上から己の手を重ねたトランクスが、ジェットフライヤーの新たなドライバーとなった。
時には片方の腕で悟飯の躯を揺さ振り、時には下から突き上げ、時には前方の障害物を避け、トランクスは悟飯との性交渉とドライビングと、二つの難しい作業を同時に平然とこなす。
「ねぇ、悟飯さん、悟飯さんは自分のアソコから先走りが出てるのって、わかりますか?オレはわかりますよ・・・。悟飯さんの中に入った時からずっと出っ放しだから、きっと、悟飯さんの中はオレの先走りでヌルヌルになってますね」