【僕はそれに嫉妬する】
「僕は海です」
「ならばオレは空だ」
「地球」
「銀河系」
「だったら僕は宇宙です!どうですか、ピッコロさん、僕の勝ちですね!」
「オレにとってお前は、宇宙そのものだ」
「・・・!」
「神様、あの二人、何やってるか」
「お互いの想いの大きさを、物で表現して競い合ってるんです」
「ポポ知ってる。孫悟飯勝てない。いつもピッコロに負ける」
「僕だって勝てませんよ」
悟飯の実の父親ですら勝てないかも知れない。
「ピッコロさんには誰も勝てないんじゃないかな」
悔しいけど、と後に続く一言は、神様の後見人としての嗜みで聞こえないフリをする。
(誰よりも僕が、あなたのことを大好きな筈なのに)
(あなたが僕を想ってくれるより強く、あなたを想っていたいのに)
(あなたは器が大き過ぎて、子供の僕には敵いません)
―僕はそれに嫉妬する―
END
ここまでお読み戴きありがとうございました。