【四面楚歌】

【四面楚歌】



「よう、悟天、元気そうだな」

「あ、トランクス、久し振り」

「お前、こんな所で何やってんだ?」

「トランクスこそ、ここは西の都からは遠いよ?」

「しかもこんな時間に・・・。今、何時だと思ってんだ?」

「それはお互い様でしょ!?夜遊びはほどほどにしないと、ブルマさんとベジータさんに怒られるよ」

「お前だって夜遅くにフラフラしてたら、悟空さんはともかく、チチさんが黙ってないだろ?早く自分の家に帰れよ」

「イヤだよ、せっかくここまで来たんだもん。トランクスこそもう帰りなよ」

「そんなワケにはいかないの、これだけ下準備したんだから。見ろよ、これ。用意周到だろ?」

「わぁ、スゴイ。俺が見たことないものまである。トランクス、よくここまで揃えられたね」

「そういう悟天は、何か持ってんのか?」

「ううん、何も」

「ダメだなぁ、悟天は。何にもなくってどうするつもりだったんだよ」

「愛があれば何とかなるかと・・・」

「ないだろ、愛なんて」

「あるもん!俺と兄ちゃんは兄弟なんだから、愛があるもん!」

「それは、俺が悟飯さんを愛してるのとは別の種類の愛だろ」

「別じゃないよ!同じだもん!」

「お前はそう思ってても、悟飯さんは違うだろ」

「う゛・・・」

「どっちにしろ、悟飯さんは今夜俺のものになるんだから、お前は諦める
んだな」

「誰が誰のものだって?トランクスこそ諦めてよ、兄ちゃんは俺のものになるんだから」

「僕は誰のものでもないよ。お前達、僕の部屋で何をしてるんだい?」

「ご、悟飯さんっっ」

「兄ちゃん、寝てたんじゃなかったのっ!?」

「だって、それじゃあ、この布団の膨らみは・・・」

「オラだ」

「!!!!!」

夜な夜な僕の部屋に侵入者がいるってお父さんが言うから、僕の身代わりになってもらったんだ」

「そんなぁ・・‐」

「悟天、逃げるぞ!」

「窓から逃げようとしても無駄だぞ!」

「げっ!ベジータさんっっ!」

「ということは・・・」

「ああ、外にはピッコロもいる」

「・・・トランクス、こういうのを何て言うか知ってる?」

「ああ。タイトルに戻るだ」



END





「ちょっと待って下さい、どうしてお父さんは僕の部屋に侵入者がいるのを知ってたんですか?」

「そりゃあ、こいつらと同じ目的でここに通ってたからに決まってんだろ」

「……………………」


ここまでお読み戴きありがとうございました。
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