【悟飯に関する一考察Ⅱ】

【悟飯に関する一考察 Ⅱ】




(ああ、どうしよう・・・。ドキドキが止まらない・・・!)

第7宇宙の命運を賭けた力の大会の最中だと云うのに、彼が気になって気になって、目が離せない。

戦闘中の格好良い彼を見るのも好きだが、やはり近くに来てくれると嬉しい。

最前列に座る悟飯を、後方から何度もチラ見してしまう。

最後の最後まで、頭脳戦やチームワークで奮闘してくれた悟飯。

どれほど潜在能力が高くても、闘いを好まない彼は決して己の為のみには闘わない。

あの時も、そうだった。

だからこそ、あの気難しいキビトですら彼には敬意を払ったのだ。

そういえば彼の父親が、彼の潜在能力は封じられたもののようなことを言っていた。

それが本当なら、彼の真の力は人類を超越した存在によって故意に封印された、とは考えられないだろうか。

もしかしたら彼こそが、界王神になれる素質も破壊神としての資質も兼ね備えているのではないか。

自分の都合の良いように解釈したいだけなのだとわかっていても、可能性は否定できない。

―否定したくない。

もしも―

もしも彼が界王神見習いになってくれたなら、毎日一緒にいられるのに。

彼の師として、誠心誠意で持てる能力のすべてを彼に授けるのに。

それでもって、それでもって、修行を終えた彼に―

『まだまだですね、悟飯さん。でも、大丈夫ですよ。私が手とり足とり、界王神としての心得を教えて差し上げますからね』

―な~んてエラそうなことを言っちゃったりなんかして・・・!









(やれやれ、緊急事態だというのに脳内お花畑とは、嘆かわしい。しかも、界王神ともあろう者が人間の男に恋煩いとはの。これでは運良く第7宇宙が残ったところで、先が思いやられるわい)

せめて破壊神であるビルスには若い界王神の心が読まれませんようにと、老界王神は周りに気付かれないようにこっそりため息を吐いた。





END

ここまでお読み戴きありがとうございました。
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