「その背中を追い続けて、気が付けば」前編
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俺は上司に詰め寄った。何かの間違いだと。嵌められたんだと。
俺の知ってるナガンはたかが言い争いごときで人を殺すようなことはしない、と。
誰に聞いてもナガンがやったんだと。みんな口を揃えてそう言った。
俺は何かがおかしいと思って同僚を使って公安の事を調べた。
ありとあらゆる手を使って。
そうして出た答えが、ナガンがいた部署はいわゆる“暗殺部隊”だそうだった。
こんなに長いこと公安に努めていたというのに、俺はそんなものがあることさえ知らなかった。
気づかれないように、遠ざけられていたのだった。
俺がナガンと接触したら、間違いなく彼女を連れて公安を立ち去るか、あるいは告発しかねない、と。
公安委員長はそう判断したんだろう。
一体ナガンはどういう経緯で逮捕されるまでに至ったのか。その真相は未だ見つからず。
今回のナガンの殺人の罪も、きっと冤罪だ。
俺はナガンが収容されている特殊刑務所“タルタロス”に面会に行けるように手配したが、場所が場所なだけに会うことは叶わず。
唯一、たった1度のみ手紙のやり取りのみが許され、俺に届いた紙一枚にはただ一言
『忘れろ』
とだけ記されていた。
自分自身の無力さを呪った。
彼女を陥れた奴ら全員殺してやる。公安を潰して世間に告発しようと思った。
でもそうした先に待つのは破滅のみ。それこそ二度とナガンに会うことはできないだろう。
だから無力な俺はただただ、大人しく彼女の帰りを待つことしか…できなかった…
そして時は流れ。
ヒーロー社会は崩壊を迎えていた。