第4話 “わざと”
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「いったた…」
頬に貼ってあったガーゼを剥がす。
救急箱から消毒液とコットンを取り出して、コットンを消毒液に浸す。
恐る恐る頬に当てれば痺れるような痛みが走る。
「いった~~~!?」
傷口に消毒液が染みる。まだ顔や体にはいくつもの擦り傷が残っている。
これをあと何回も繰り返さなきゃいけないのか、と思うと途方に暮れてしまうのだった。
あの事件から数日。
ホークスからボクは怪我の療養も含めて休暇を貰っていた。
あの後にすぐ病院に向かい、検査の結果、特に内臓が傷ついているとかそういったこともなく、軽傷程度だった。
ボクはあの夜の出来事を一部始終伝え、後の仕事はホークス一人だけでこなせるとのことで。ボクはその手伝いを申し出ようとしたが、ホークスの有無を言わさないあの笑顔には何も言うことができなかった。
「…ボクは、役に立ててるんだろうか」
小さなため息が零れる。
気になることが多々あるが、今は考えていても仕方ない。
ボクがホークスの隣に立てるよう努力を惜しまないことが、今できる唯一の方法だと思う。
新しいガーゼに張り替えて、救急箱を閉じた。
「さて…どうしようかな」
休暇、と言っても特にやることもない。
かといってこうして自宅でだらだら過ごすのも何か勿体ない気がしてしまう。
ボクは光輪を外して充電のストックを確認する。
「…半分ちょいか」
よし、決めた。
窓の外を見ればとても良い天気。雲一つない快晴だ。
太陽を浴びるにはもってこいの晴れ晴れとした天気。
街を散歩しつつ、日光浴でもしようか!
光輪を帽子をかぶるようにして頭の上に戻せば、いつも通り浮いてくれる。
さっそく部屋着から日光浴用の服に着替えるべく、クローゼットを開けた。
素肌に直接太陽光を浴びるのが良いので可能な限り露出が多めが良い。
そろそろ夏に近づいてきているため、薄着でも問題ないだろう。
「これお気に入りなんだよな…あ、でもこっちのほうがいいか…」
ノースリーブの白シャツを手に取り、黒地デニムのショートパンツ。
合わせる靴は…ヒールでいいか。
ちなみに一番効率がいいのは海に行って水着で一日過ごすことだ。
不思議と日焼けはしないのだ。恐らく皮膚自体が太陽光を吸収する仕組みだからきっと上手い事、細胞組織君達がせっせと頑張っているんだろう。
ついでにウィンドウショッピングして、何か気になるものでもあったら買おう。
あ、そうだ。
「この間大事な下着を破り捨てられたんだった…気に入ってたのに…」
数日前の事件を思い出す。
限定物で値段が値段だっただけに買うのを躊躇った一着でもある。
いや、そもそも任務に着用するなという話でもあるんだけど、まあ勝負下着(物理)みたいな?
目的も定まったことだし、髪と顔を整えて行きますか!
「せっかくの休日!楽しまなきゃね!」