Vol.26
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「おかあさん」
「ねぇあなた、宮内さんのお子さんの個性聞いたかしら?水の個性だって」
「おかあさん」
「うらやましいわ。ウチなんてまともじゃなかったから周りからなんて言われてると思う?化け物よ、化け物。
ああほんとうに嫌だわどうして私達からこんな子供が生まれたの私がなにしたっていうの」
「ねぇ、おかあさん」
「あたしが浮気?そんなわけないでしょうわたしはあなた一筋に決まってるわええそうよおかしいのは私じゃなくてこの子なのよ。
ああいっその事捨ててしまいたいわ全部全部捨ててなかったことにしたいわ本当になんでなんでなんでなんでなんで私がこんな目に!!!!」
「おかあさんってば!!!」
「ああもううるさいわね何よ!!!!」
「…オールマイトってすごいよね。私もオールマイトみたいなヒーローに…」
「化け物がヒーロー!?笑わせんじゃないわよ!!!
生きてる価値もないクソゴミ女が人助けですって!!?馬鹿言ってんじゃないわよ!!!
あんたにかける教育費も何もないわよ私の視界から消えてちょうだい!!!」
「…ヒーローに…なりたい…の…」
「ああもううるさいわね消えろって言ってんだろ!!!!殺してやろうか化け物が!!!!」
「……」
お母さんはきっと悪いヴィランに憑りつかれてるんだ。
だから私がヒーローになってお母さんを救けてあげるんだ。
…そんな、昔の記憶。
vol.26 Yes!Happy!
Bフロアに到着し、私は陰から状況を把握すべく、見渡した。
本来ならばショーを楽しむ場所として設置されていたベンチは破壊され、戦闘の爪痕が残されている。
舞台となる場所に相澤先生と、サメの顔をした大男の姿。
…水族館に何か恨みでもあるのか?
仲間が水槽の中にいるのが許せねぇ!みたいな理由だったらどうしよう。逆に困る。
これを傍から見ていれば、さぞかし戦隊もののヒーローショーとでも勘違いしそうな雰囲気だ。
しかし実際は怪我人も出ているし、そんな冗談言える事態ではない。
「他に人は…」
見渡す限り人の姿はいないのだが―――
「!」
舞台周辺はショー用に巨大な水槽が広がっているのだが、水の上に何か浮いているものが目に捉えた。
「…人だ…」
思わず物陰から身を乗り出して、その姿を視界に収めようとする。
何か…木片か、プラスチックのようなものに捕まって…
「…!」
間違いない。
今にも沈みかけているのは、母だ。
頭から血を流し、僅かな意識で浮力のある何かに捕まっているが、徐々にずり落ちていく。
あのまま意識を失って水の中に落ちてしまえば、溺死。
相澤先生はそれに気づいていない。
私は物陰から飛び出し、水中に音をたてないように潜り込んだ。
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