vol.4
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身体の80%以上を竜化させるとどうなるか。
それは完全に人の姿から竜の姿へと変貌し、理性を失い、ただの暴走する怪物へとなり果てる。
それは私自身が個性をコントロールしきれていないからこそ。
周囲からそういう"悪"だと言われ続けた原因もそこにあった。
昔、一度暴走してしまった事がある。
それがキッカケで、そこでようやく自分の個性の限界を知れたのだからあまりにも皮肉だ。
そこで助けてもらったのがオールマイトで。
彼は私の姿を見ても、何も否定しなかった。
素晴らしい個性だと、褒めてくれた。
コントロール出来れば最高のヒーローになれる、と。
vol.4 最初のふるい
「せんせー…俺が一位になる」
とんでもねぇ選手宣誓からこの体育祭は始まり、第一種目は障害物競争からだった。
さすがA組。度胸も態度も別格(?)ってわけだ。
「由紀、恐らくA組の誰かが最初に仕掛けてくる。俺を持って飛べるか?」
「うい」
スタートの合図とともに、一斉にゲートから飛び出す。
すると地面が一気に氷結した。
一部の生徒は軽々とその氷を避けていくが、他のクラスや足止めに気が付かなかったものはその氷に足を取られる。
「すっごい…氷の個性の子かな…
それにしも心操君もさすがだね」
「考えればわかるだろ。あいつらにとっては全員が敵なんだ」
「次、いきますか!」
ふわりと心操君を地面に降ろして、私達もA組に負けないよう続いた。
「!」
「伏せて!」
がらくたが地面に散乱していると思いきや、左からとてつもない轟音と共に何かが飛んでくる。
それを右腕で殴り飛ばす。勿論竜化させていたが。
「これは入試の時の仮想ヴィラン…!」
ざわざわと胸の奥底が熱くなってくる。
あの時は動けなかった。
でも、今は違う。私も、努力をしたんだ…!!
「とりあえず俺らは一時協力して道を開くぞ!
誰かパワー型の個性はいないか!?」
私達より先に来ていた生徒が足止めを食らっていた。
ロボットは今戦闘を走っている子達が何体か倒していってるから残りは…
「8体…」
こんなところで迷って足を止めている場合じゃない。
こんなもの、あの時の敵に比べたら。
「下がって」
「お前普通科の…」
「下がらないと、内臓吹っ飛ぶよ」
「っ!!」
左手で標準を合わし、左足を軸足にする。
右腕をめいっぱい後ろに引いて、構えた。
そして、全力で空を殴った。
ドオオンッ!!!
『な、なんだーーー!!?後方から爆音だアァ!!?
な、ロボットが全壊してるぞ!!!?い、一体誰がやったんだ!!?』
マイク先生の実況が大きく響いた。
衝撃波でぶっ飛んだロボットは前方で瓦礫の山と化していた。
ふう、と深呼吸して竜化を解いた。
「す、すっげーーー!!?お前何モンだァ!!?」
「嘘だろ…ありえねぇ…」
「爆豪や緑谷よか強いんじゃねぇか…?」
呆然と立ち尽くす生徒を他所に、私は走り出した。
勿論隣を走ってるのは心操君で。彼も抜け目ない。
「派手にやるじゃねぇか」
「ド派手が一番でしょ」