Vol.3
夢小説設定
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「由紀は別に敵っぽい個性だとは思わねぇけどな」
「…んー、思い込みっていうの?
怖い顔してる人と初対面だと凄い身構えるけど、ほんわかしたおばあちゃんとかだとお饅頭上げたいって気持ちになるじゃん?」
「別に饅頭上げてぇとか思わないけどな…まぁわかるけど…」
「あとは周りにそういう個性の人がいなかったからかな」
「俺は羨ましいと思うけどな」
「そう?でも洗脳ってカッコイイじゃん。
私、そういうの好きだよ」
「…そりゃドーモ」
vol.3 ヴィランコンビ
「おはよー」
ガラッと教室を開けるなり、中にいた生徒の視線が一気に私に集まるのが良く分かった。
それからダダダダッ!!と全員が入口に集まってしまった。
「ちょっとちょっと由紀ちゃん!?大丈夫だったの!?」
「あはは…その様子じゃあ先生から聞いたの、かな?」
「当たり前だろ!お前一週間も休んでたんだぞ!?」
「だって先生の代わりに荷物届けに行くって言ってから帰ってこないんだもん!!」
それは、クラスメイト達からの心配の言葉だった。
愛されるなぁなんてしみじみと感動しながら、いつまでも入口に立ってるわけにはいかない。
なんとか自分の席またどり着くも、生徒たちの壁が消えることは無い。
「で、どうだったの?」
「ん?上々だよ。普通科(われ)ながらよく頑張っと思うさ」
「ヴィラン…強かったんだよね?」
「だってヒーロー科の男子1人とお前だけだぜ?大怪我したの」
「ヒーロー科の男子…?」
私が意識を失うまでは、彼らはそんなに怪我をしていなかったように見えた。
だが、きっとオールマイトがきてからまた何かあったんだろう。
後で相澤先生に聞いたのだが、オールマイトが来た後は彼一人で敵を追い払ってしまったらしい。
さすがとしか言いようがない。
とりあえず個性を発揮した後の脱力感をなんとか克服しないとなぁ…
エンジン吹かしすぎてエンストしちゃうって感じ。
「とにかく由紀が無事でよかったぜ!
何よりもお前は俺達普通科の誇りだぜ!」
「だって一番頑張ってたって先生から聞いたもん!すごいよ由紀ちゃん」
あはは、と笑っているうちに先生が教室に入ってくる。
ようやく各々席についたところで、後ろからツンツン、と背中をつつかれた。
誰かと思えば後ろの席の心操君だった。
先生が既に教室に入ってきているので、静まっている。
それを踏まえて心操君は、
"お疲れさま"
と、口パクで伝えた。
私もニッと笑って"ありがとう"と答えた。
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