第一幕
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気付いたら転生していた。
いや、タイムスリップなのかもしれない。
とにかく朝起きたら見知らぬ豪華な部屋にいて、「お嬢様、どういたしましたか?」というメイド。
これは転生した主人公が出くわす、テンプレのような展開だ。よって、ウチはきっと転生してしまったに違いない!!!
顎に手を当て思考を巡らせると、メイドのユーリがこちらを訝しげに見ていた。いや、だがそんなことはどうだっていい。問題は顔面だ!
ベッドから飛び降り、ドレッサーへと吸い寄せられるかのように近付いた。
美人だったらいいなぁ…そんな期待を胸に。
まぁ、数秒も立たないうちに、そんな期待は打ち砕かれたけれど…。
「嘘でしょ…。」
目の前に映るのは、前世と変わらないウチの姿だった。
黒い髪に黒い瞳。
なぜですか神様!!!
前世のウチ、ミョウジ ナマエは高校生だった。
妹も母も、ましてや父も弟も皆顔はとびきり美しいわけではなかったが、美形だったらしい。他の人が言ってた。
我が妹に「コイツ…モテんのかよ…」と思ったことも多々ある。
だけど、ウチは違った。
他の兄弟と両親と違って、ウチは太っていたのだ。
ぶよぶよと膨れた手足に丸い顔。
昔は大きくてぱっちりした目は顔の大きさに比例して小さくなった。
重量に耐えきれなかったのか、もともと腰の弱い家系だったからなのか、ウチの死因は腰を骨折したことによるショック死。
信じられないと思うが本当だ。
それまでに腰のありとあらゆる病気にかかってきた。
しかし、腰くらいで死ぬはずがない。そう高をくくっていたのが駄目だったのかもしれない。
現世では、腰を大事にしよう。
そう決意し、もう一度鏡を見直した。
よく自分の顔を観察し、気付いたことがある。
なんか前世より可愛くね?
いや、ビジュアルが実写から二次元に変わった効果かもしれない。
だが、顔のパーツや位置など前世のウチそのものだ。
なら、なんで…?
そうやって鏡と睨めっこしていると、メイドの動揺している姿が映った。
「あの…、お嬢様…?」
「ア…ごめんなさい」
今はとりあえず身支度をしなくては。
*****
「わぁ、お嬢様今日もお美しいですね!」
んん~?
なかなか映える顔じゃない。
質素で露出の少ないドレスだが、おしゃれという物は顔で決まるとはこのこと。
前世の膨れたおデブは成りを潜め、大きな目に高い鼻を持つ顔の整った女が姿を現した。
文句をつけるところがあるとするのなら、野暮ったいだてメガネに悪役ような目つきの悪さ。目つきの悪さに関しては、前世もそうだったので許してほしい。
「お嬢様、侯爵様がお待ちです。」
「分かった。」
キラキラと瞳を輝かせこちらを見つめるメイド。
ユーリはウチが直々に選抜したからか、ものすごく信頼してくれるメイドの一人である。
鏡に映るウチは確かに前世よりはマシだ。
しかし、ユーリがあそこまで褒めるほどではない。
美しいプロポーションは露出が少ない…いや、野暮ったすぎるドレスによって…。そして悪女の如く整った顔はだてメガネによってよりキツイものへと。
要は、ファッションのセンスが皆無なのだ。
前世の記憶が戻る前のウチってなんて宝の持ち腐れなの??!
そんな主人、ウチをユーリは褒めちぎった。
しかも真面目に。なんてことなの…。
豊満な胸に、腰フェチのウチからしたら掴んでしまいたくなる様な美しいラインの腰。前世は贅肉に困ったことはなかったので、大きい乳はむしろいらないくらいなのだが、腰は嬉しい。
そう、現世のウチは超グラマスな体型だったのだ。
いや、前世より体脂肪が減ったからなのかもしれない。いや、確実に減っている。
おそらく、顔が整って見えるのも脂肪が減ったからに違いない。そりゃあ、家族全員整っててウチだけ…なんてことはあり得ないか。
あーあ、こんなに可愛くなれるならダイエットもうちょっと頑張れたのに!!
後悔で涙がちょちょぎれそうになった。
そんなこんなで、大きな扉の前へと着いた。
ユーリが扉を開け、ウチはその中へと入った。
「おはよう御座います。お父様。」
いや、タイムスリップなのかもしれない。
とにかく朝起きたら見知らぬ豪華な部屋にいて、「お嬢様、どういたしましたか?」というメイド。
これは転生した主人公が出くわす、テンプレのような展開だ。よって、ウチはきっと転生してしまったに違いない!!!
顎に手を当て思考を巡らせると、メイドのユーリがこちらを訝しげに見ていた。いや、だがそんなことはどうだっていい。問題は顔面だ!
ベッドから飛び降り、ドレッサーへと吸い寄せられるかのように近付いた。
美人だったらいいなぁ…そんな期待を胸に。
まぁ、数秒も立たないうちに、そんな期待は打ち砕かれたけれど…。
「嘘でしょ…。」
目の前に映るのは、前世と変わらないウチの姿だった。
黒い髪に黒い瞳。
なぜですか神様!!!
前世のウチ、ミョウジ ナマエは高校生だった。
妹も母も、ましてや父も弟も皆顔はとびきり美しいわけではなかったが、美形だったらしい。他の人が言ってた。
我が妹に「コイツ…モテんのかよ…」と思ったことも多々ある。
だけど、ウチは違った。
他の兄弟と両親と違って、ウチは太っていたのだ。
ぶよぶよと膨れた手足に丸い顔。
昔は大きくてぱっちりした目は顔の大きさに比例して小さくなった。
重量に耐えきれなかったのか、もともと腰の弱い家系だったからなのか、ウチの死因は腰を骨折したことによるショック死。
信じられないと思うが本当だ。
それまでに腰のありとあらゆる病気にかかってきた。
しかし、腰くらいで死ぬはずがない。そう高をくくっていたのが駄目だったのかもしれない。
現世では、腰を大事にしよう。
そう決意し、もう一度鏡を見直した。
よく自分の顔を観察し、気付いたことがある。
なんか前世より可愛くね?
いや、ビジュアルが実写から二次元に変わった効果かもしれない。
だが、顔のパーツや位置など前世のウチそのものだ。
なら、なんで…?
そうやって鏡と睨めっこしていると、メイドの動揺している姿が映った。
「あの…、お嬢様…?」
「ア…ごめんなさい」
今はとりあえず身支度をしなくては。
*****
「わぁ、お嬢様今日もお美しいですね!」
んん~?
なかなか映える顔じゃない。
質素で露出の少ないドレスだが、おしゃれという物は顔で決まるとはこのこと。
前世の膨れたおデブは成りを潜め、大きな目に高い鼻を持つ顔の整った女が姿を現した。
文句をつけるところがあるとするのなら、野暮ったいだてメガネに悪役ような目つきの悪さ。目つきの悪さに関しては、前世もそうだったので許してほしい。
「お嬢様、侯爵様がお待ちです。」
「分かった。」
キラキラと瞳を輝かせこちらを見つめるメイド。
ユーリはウチが直々に選抜したからか、ものすごく信頼してくれるメイドの一人である。
鏡に映るウチは確かに前世よりはマシだ。
しかし、ユーリがあそこまで褒めるほどではない。
美しいプロポーションは露出が少ない…いや、野暮ったすぎるドレスによって…。そして悪女の如く整った顔はだてメガネによってよりキツイものへと。
要は、ファッションのセンスが皆無なのだ。
前世の記憶が戻る前のウチってなんて宝の持ち腐れなの??!
そんな主人、ウチをユーリは褒めちぎった。
しかも真面目に。なんてことなの…。
豊満な胸に、腰フェチのウチからしたら掴んでしまいたくなる様な美しいラインの腰。前世は贅肉に困ったことはなかったので、大きい乳はむしろいらないくらいなのだが、腰は嬉しい。
そう、現世のウチは超グラマスな体型だったのだ。
いや、前世より体脂肪が減ったからなのかもしれない。いや、確実に減っている。
おそらく、顔が整って見えるのも脂肪が減ったからに違いない。そりゃあ、家族全員整っててウチだけ…なんてことはあり得ないか。
あーあ、こんなに可愛くなれるならダイエットもうちょっと頑張れたのに!!
後悔で涙がちょちょぎれそうになった。
そんなこんなで、大きな扉の前へと着いた。
ユーリが扉を開け、ウチはその中へと入った。
「おはよう御座います。お父様。」