第0章
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あの作戦の時、ウチはきっとグリムとエースの魔法に少なからず巻き込まれていただろう。
それを何故かは分からないが、ウチを弾き飛ばすことによってモンスターは助けてくれたのだ。少々やり方は荒い気がするが。
「…」
モンスターは黙りこくったままだ。
ツルハシは地面に放置され、黒い液体はドロドロと零れ落ち赤い服を濡らしている。
「…あれ…?」
ふと、ウチの脳内にドワーフの家が浮かぶ。
ドワーフの家は確実に七人の小人の家で、赤い服のドワーフと言えば…。
あぁ、そうか。そう言うことだったのか。
ウチの頭の中にあった疑問が全て解けた。
「怒りんぼだったんだね…。」
ウチがそう言えば、モンスターもとい怒りんぼは明らかに動揺した。どうやら正解のようだ。
しかし、どうして怒りんぼがこうなってしまったのか。
確実にオーバーブロットして戻れなくなっちゃった感じだろうけど、そのオーバーブロットした経緯はなんであったんだろうか。
「………ね………て」
「ん?」
試行錯誤している時だった。
脳内に綺麗な女の人の声が聞こえる。
辺りを見渡してみるが、女の人どころか人の一人もいない。
そりゃあそうだ、原作だって此処に出てくる人間はいないのだから。
「…ねが………すけ………」
再び聞こえる声。
そしてそれと同時にウチの瞳からはまた涙が。
悲しくはない。自分は悲しくはないと分かっていても悲しい。
複雑で妙な感じだ。
「…お願い…、彼を助けて…。」
今度は鮮明に聞こえた。
その声は間違いなく聞き覚えのある声だ。
幼いころ、憧れていたプリンセスの声。
「…白雪姫…?」
そう呟くと涙はピタリと止み、静寂が訪れる。
しかし、目の前の怒りんぼはウチの呟きに苦しみ、藻搔き始めた。
【アァ”アアア”アア…アァアアアアア”ア”ァ!!!!!!!!】
頭を抱えジタバタし始める怒りんぼ。
頭部を地面に打付けているせいか、インク壺の様な頭部はひび割れ、黒い液体は地面に伝う程流れ出した。
「や、やめて!!!そんなことしたら…!!」
しかし怒りんぼは止まるどころか、更に頭を打付け続ける。
【ア”…しら”…しらゆ”き”…ひ…め”…】
もしかして、思い出したのだろうか。
自分たちと共に暮らし、守ってきたプリンセスを。
怒りんぼの姿を見て、再びウチの瞳から涙が溢れ出す。
拭っても拭っても溢れ出すそれは、きっと白雪姫の物なのだろう。
正直、視界が悪くてうざったい。
「あぁ、もう!!!泣いたってなんにも解決しないよ!!!」
ウチがそう叫ぶと、涙が小さなものへと変わる。
しかし、ポロポロとそれでも落ちてくる。
他人思いのお姫様には余程悲しかったのだろう。
ウチはため息を吐く。
「はぁ…、泣きながら歌うのって大変なんだよ…。助けれるか分かんないけど、やってみるから。」
「もう泣かないで。」と付け足すと、今度は完全に涙が止まった。
全く、現金なお姫様だなぁ…。
ウチは木を支えにして、何とか立ち上がる。
背中とか、足とか、そんな事言ってられない程体が痛い。
だが、何とか根性で足を動かし、怒りんぼの近くまで近寄った。
___「大切な者を救う、何より貴方自身を守るためにも。歌うのだ。」___
闇の鏡の言葉を思い出す。
本当にウチに誰かを救えるだけの力はあるのだろうか。
しかし、やるしかない。
「歌を歌い ほほえむとき 苦しみは消えて 日が輝く~♪」
幼いころ何度も聞いた曲。
動物たちと戯れながら歌う白雪姫 の歌。
「歌を歌い ほほえむとき 喜びが 目を覚ます~♪」
いつの間にか森の奥から出てきたふくろうや、コオロギたち。
まるでウチの歌に共鳴するかのように鳴いて、その鳴き声が伴奏となる。
頭を打付けていた怒りんぼは、さっきの勢いが嘘かの様にじっと動かない。
「嵐のふく夜も じっとこえれば やがて朝がくる~♪
歌を歌い ほほえむとき 苦しみは消えて 日が輝く~♪」
歌い切った時、あんなに暗かった鉱山のが月で照らされ明るくなる。雲が何処かへ行ったようだ。
そして変化はもう一つ。
「あっ…」
怒りんぼの体が光りだしたのだ。
そしてサラサラと水に溶けていく砂糖の様に消えていく。
【ア…リガト…ゥ】
徐々にモンスターの時の声から、本来の怒りんぼの声へと変わっていく。
「白雪姫に…皆に会えるといいね。」
きっと彼女は天国で待っているに違いない。
そして他のドワーフたちも。
ウチがそう告げると、怒りんぼの体は完全光の粒子になり、完全になくなってしまった。
一瞬怒りんぼの笑顔が見えた気がした…。
いや、きっと気のせいだ。インク壺のような頭部がどうやって笑顔を作るのだ。
「おーい!ナマエ!!!!…って」
鉱山からボロボロになって出てくる三人。
手には大きな魔法石らしきものがある。
「何で立ってんだよ!!?」
「えぇ?」
エースの言葉に変な声が出た。
なんて言えばいいのだろうか。歌うために立ってました~、なんていうのはおかしいし。かと言って、さっきまでの出来事を一から話すのは面倒くさい。
「ふな?ってかあのモンスター、どこ行ったんだゾ?」
「確かに、僕たちの所にも襲って来なかった。」
グリムの疑問にデュースが頷いた。
やはり気になるらしい。
「…なんかどっか行っちゃった。」
適当な返事。
案の定、ウチの怪しい反応に三人はウチを探るように見つめる。
「そんな顔されても話してあげません!!!」
「だぁー!!超気になる!!てか、無理してないだろうな?」
エースの問いにウチは自信有り気にグーサインを突き出す…が。
「いてぇっ!!」
思いっきり動かしたせいで背中が痛んだ。
そんなウチに慌てて駆け寄る三人。
「やっぱ無理してただろ!」
「だから僕はナマエを一人にする事に反対したんだ!!」
「子分も学ばない奴なんだゾ!」
三人から口々にお説教を聞かされる。
てか、ウチの信用ってもしかしなくてもゼロ?
そう思うと何だか情けないような…腹立たしいような。
「そう言う三人もなんでそんなにボロボロなの?」
ウチが問いただすと、三人はバツが悪そうにそっぽを向く。
「ほら人の事言えないじゃん。」
「…僕らはただ転んだだけだ!!」
「言うなって!!!」
煽ってやるとデュースが口を滑らした。
そんなデュースを懸命に止めようとするエース。手遅れだったが。
グリムは開き直ったのか「痛かったんだゾ!!」と。
「あーあ、ウチら皆ボロボロじゃん…。」
皆揃って泥まみれな姿に何だか統一感があっていいな。
そう感じて口に出すが、瞳を輝かせるデュースと呆れた様子で此方を見るエース。
「おお!!確かに!!!仲間って感じだな!!!」
「いや、俺らは兎も角…ナマエは血まみれでもあるから!」
「傷は漢の勲章」と言えば、エースに「いや、お前は女だろ」と突っ込まれた。
皆でこうやって何かをやり遂げるって気持ちい。
元居た世界では感じたことのない変な気持ち。
「なぁ、早く帰って学園長に自慢するんだゾ!!そうすればオレ様も晴れてナイトレイブンカレッジの生徒に!」
今にも闇の鏡の方へと飛んでいきそうなグリムをエースが窘める。
まぁ、そんな野望はもう少しで叶うから楽しみにしててね。
と、心の中でニヤリと笑う。
「でも早く帰るのには賛成だ。明日も授業があるからな。」
「デュース達もだけど、ウチらも明日から掃除頑張んないと。」
正直凄く疲れた。早く家に帰って休みたい。
が本心である。
そうゆっくりと歩き出そうとした時だった。
「あっ!…と、ナマエは其処から動くな!お前その傷でまた動こうとしただろ。」
「別に大丈夫だよ。」
ウチが動かなかったらどうやって帰るんだ。
幸い今物凄く痛いのは背中だ。
歩くのに背中はいらないだろうし、血塗れの足は常々よく転ぶウチからしたら慣れた痛みなので問題ない。
「大丈夫じゃない。ほら、乗れよ。」
立ってしまえば後は動けるから本当に大丈夫なのに。
エースはウチの前で背中を向けて屈んだ。
おぶってくれるらしい。
「でも…」
「いいから」
断っても断り切れなさそうだ。
ここは腹を括って、甘えさせてもらおう。
「…分かったよ…」
大人しくエースの背中に身を委ねた。
しかし、立ち上がったエースはいきなり動かなくなってしまった。
「な、なに?!ウチそんなに重かった…?!」
前科がある為、そうエースに聞くがエースはゆっくりと首を横に振る。その理由が分からないグリムもデュースも首を傾げた。
「いや…っ…、ナマエが女子だって事…忘れてた…」
「は?」
おっと、少々殺気が混ざってしまった。
しかし、そんなウチの声に反応することなく、エースは下を向いてしまった。
その拍子に見えた耳が赤かったから、重かったけど女子だから言えなかったのかな…。なんだかそう思うと一気に申し訳なくなってしまう。
「別に歩けるから降ろしてもいいのに…。」
そう言えば、思い出したかのように顔を上げ歩き始めるエース。
「エース、顔が赤いぞ!!重いのか?」
「おいおい、デュース君口を慎み給え。」
「またキャラが変わってるんだゾ…」
そんなこんなでウチ達一行は、無事に魔法石を手に入れることが出来たのであった。
それを何故かは分からないが、ウチを弾き飛ばすことによってモンスターは助けてくれたのだ。少々やり方は荒い気がするが。
「…」
モンスターは黙りこくったままだ。
ツルハシは地面に放置され、黒い液体はドロドロと零れ落ち赤い服を濡らしている。
「…あれ…?」
ふと、ウチの脳内にドワーフの家が浮かぶ。
ドワーフの家は確実に七人の小人の家で、赤い服のドワーフと言えば…。
あぁ、そうか。そう言うことだったのか。
ウチの頭の中にあった疑問が全て解けた。
「怒りんぼだったんだね…。」
ウチがそう言えば、モンスターもとい怒りんぼは明らかに動揺した。どうやら正解のようだ。
しかし、どうして怒りんぼがこうなってしまったのか。
確実にオーバーブロットして戻れなくなっちゃった感じだろうけど、そのオーバーブロットした経緯はなんであったんだろうか。
「………ね………て」
「ん?」
試行錯誤している時だった。
脳内に綺麗な女の人の声が聞こえる。
辺りを見渡してみるが、女の人どころか人の一人もいない。
そりゃあそうだ、原作だって此処に出てくる人間はいないのだから。
「…ねが………すけ………」
再び聞こえる声。
そしてそれと同時にウチの瞳からはまた涙が。
悲しくはない。自分は悲しくはないと分かっていても悲しい。
複雑で妙な感じだ。
「…お願い…、彼を助けて…。」
今度は鮮明に聞こえた。
その声は間違いなく聞き覚えのある声だ。
幼いころ、憧れていたプリンセスの声。
「…白雪姫…?」
そう呟くと涙はピタリと止み、静寂が訪れる。
しかし、目の前の怒りんぼはウチの呟きに苦しみ、藻搔き始めた。
【アァ”アアア”アア…アァアアアアア”ア”ァ!!!!!!!!】
頭を抱えジタバタし始める怒りんぼ。
頭部を地面に打付けているせいか、インク壺の様な頭部はひび割れ、黒い液体は地面に伝う程流れ出した。
「や、やめて!!!そんなことしたら…!!」
しかし怒りんぼは止まるどころか、更に頭を打付け続ける。
【ア”…しら”…しらゆ”き”…ひ…め”…】
もしかして、思い出したのだろうか。
自分たちと共に暮らし、守ってきたプリンセスを。
怒りんぼの姿を見て、再びウチの瞳から涙が溢れ出す。
拭っても拭っても溢れ出すそれは、きっと白雪姫の物なのだろう。
正直、視界が悪くてうざったい。
「あぁ、もう!!!泣いたってなんにも解決しないよ!!!」
ウチがそう叫ぶと、涙が小さなものへと変わる。
しかし、ポロポロとそれでも落ちてくる。
他人思いのお姫様には余程悲しかったのだろう。
ウチはため息を吐く。
「はぁ…、泣きながら歌うのって大変なんだよ…。助けれるか分かんないけど、やってみるから。」
「もう泣かないで。」と付け足すと、今度は完全に涙が止まった。
全く、現金なお姫様だなぁ…。
ウチは木を支えにして、何とか立ち上がる。
背中とか、足とか、そんな事言ってられない程体が痛い。
だが、何とか根性で足を動かし、怒りんぼの近くまで近寄った。
___「大切な者を救う、何より貴方自身を守るためにも。歌うのだ。」___
闇の鏡の言葉を思い出す。
本当にウチに誰かを救えるだけの力はあるのだろうか。
しかし、やるしかない。
「歌を歌い ほほえむとき 苦しみは消えて 日が輝く~♪」
幼いころ何度も聞いた曲。
動物たちと戯れながら歌う
「歌を歌い ほほえむとき 喜びが 目を覚ます~♪」
いつの間にか森の奥から出てきたふくろうや、コオロギたち。
まるでウチの歌に共鳴するかのように鳴いて、その鳴き声が伴奏となる。
頭を打付けていた怒りんぼは、さっきの勢いが嘘かの様にじっと動かない。
「嵐のふく夜も じっとこえれば やがて朝がくる~♪
歌を歌い ほほえむとき 苦しみは消えて 日が輝く~♪」
歌い切った時、あんなに暗かった鉱山のが月で照らされ明るくなる。雲が何処かへ行ったようだ。
そして変化はもう一つ。
「あっ…」
怒りんぼの体が光りだしたのだ。
そしてサラサラと水に溶けていく砂糖の様に消えていく。
【ア…リガト…ゥ】
徐々にモンスターの時の声から、本来の怒りんぼの声へと変わっていく。
「白雪姫に…皆に会えるといいね。」
きっと彼女は天国で待っているに違いない。
そして他のドワーフたちも。
ウチがそう告げると、怒りんぼの体は完全光の粒子になり、完全になくなってしまった。
一瞬怒りんぼの笑顔が見えた気がした…。
いや、きっと気のせいだ。インク壺のような頭部がどうやって笑顔を作るのだ。
「おーい!ナマエ!!!!…って」
鉱山からボロボロになって出てくる三人。
手には大きな魔法石らしきものがある。
「何で立ってんだよ!!?」
「えぇ?」
エースの言葉に変な声が出た。
なんて言えばいいのだろうか。歌うために立ってました~、なんていうのはおかしいし。かと言って、さっきまでの出来事を一から話すのは面倒くさい。
「ふな?ってかあのモンスター、どこ行ったんだゾ?」
「確かに、僕たちの所にも襲って来なかった。」
グリムの疑問にデュースが頷いた。
やはり気になるらしい。
「…なんかどっか行っちゃった。」
適当な返事。
案の定、ウチの怪しい反応に三人はウチを探るように見つめる。
「そんな顔されても話してあげません!!!」
「だぁー!!超気になる!!てか、無理してないだろうな?」
エースの問いにウチは自信有り気にグーサインを突き出す…が。
「いてぇっ!!」
思いっきり動かしたせいで背中が痛んだ。
そんなウチに慌てて駆け寄る三人。
「やっぱ無理してただろ!」
「だから僕はナマエを一人にする事に反対したんだ!!」
「子分も学ばない奴なんだゾ!」
三人から口々にお説教を聞かされる。
てか、ウチの信用ってもしかしなくてもゼロ?
そう思うと何だか情けないような…腹立たしいような。
「そう言う三人もなんでそんなにボロボロなの?」
ウチが問いただすと、三人はバツが悪そうにそっぽを向く。
「ほら人の事言えないじゃん。」
「…僕らはただ転んだだけだ!!」
「言うなって!!!」
煽ってやるとデュースが口を滑らした。
そんなデュースを懸命に止めようとするエース。手遅れだったが。
グリムは開き直ったのか「痛かったんだゾ!!」と。
「あーあ、ウチら皆ボロボロじゃん…。」
皆揃って泥まみれな姿に何だか統一感があっていいな。
そう感じて口に出すが、瞳を輝かせるデュースと呆れた様子で此方を見るエース。
「おお!!確かに!!!仲間って感じだな!!!」
「いや、俺らは兎も角…ナマエは血まみれでもあるから!」
「傷は漢の勲章」と言えば、エースに「いや、お前は女だろ」と突っ込まれた。
皆でこうやって何かをやり遂げるって気持ちい。
元居た世界では感じたことのない変な気持ち。
「なぁ、早く帰って学園長に自慢するんだゾ!!そうすればオレ様も晴れてナイトレイブンカレッジの生徒に!」
今にも闇の鏡の方へと飛んでいきそうなグリムをエースが窘める。
まぁ、そんな野望はもう少しで叶うから楽しみにしててね。
と、心の中でニヤリと笑う。
「でも早く帰るのには賛成だ。明日も授業があるからな。」
「デュース達もだけど、ウチらも明日から掃除頑張んないと。」
正直凄く疲れた。早く家に帰って休みたい。
が本心である。
そうゆっくりと歩き出そうとした時だった。
「あっ!…と、ナマエは其処から動くな!お前その傷でまた動こうとしただろ。」
「別に大丈夫だよ。」
ウチが動かなかったらどうやって帰るんだ。
幸い今物凄く痛いのは背中だ。
歩くのに背中はいらないだろうし、血塗れの足は常々よく転ぶウチからしたら慣れた痛みなので問題ない。
「大丈夫じゃない。ほら、乗れよ。」
立ってしまえば後は動けるから本当に大丈夫なのに。
エースはウチの前で背中を向けて屈んだ。
おぶってくれるらしい。
「でも…」
「いいから」
断っても断り切れなさそうだ。
ここは腹を括って、甘えさせてもらおう。
「…分かったよ…」
大人しくエースの背中に身を委ねた。
しかし、立ち上がったエースはいきなり動かなくなってしまった。
「な、なに?!ウチそんなに重かった…?!」
前科がある為、そうエースに聞くがエースはゆっくりと首を横に振る。その理由が分からないグリムもデュースも首を傾げた。
「いや…っ…、ナマエが女子だって事…忘れてた…」
「は?」
おっと、少々殺気が混ざってしまった。
しかし、そんなウチの声に反応することなく、エースは下を向いてしまった。
その拍子に見えた耳が赤かったから、重かったけど女子だから言えなかったのかな…。なんだかそう思うと一気に申し訳なくなってしまう。
「別に歩けるから降ろしてもいいのに…。」
そう言えば、思い出したかのように顔を上げ歩き始めるエース。
「エース、顔が赤いぞ!!重いのか?」
「おいおい、デュース君口を慎み給え。」
「またキャラが変わってるんだゾ…」
そんなこんなでウチ達一行は、無事に魔法石を手に入れることが出来たのであった。