第0章
夢小説設定
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「「「「で、出たあああああ!!!」」」」
明らかに普通のモンスターではない風貌に、ウチも他の三人も叫び声を上げた。
原作知ってるなら驚く必要なくない?と、思うかもしれないが実際に目の前で見た方が恐ろしいんだという事を忘れないでほしい。
ひび割れたインク壺のような頭部。
そこからは黒い液体がドロドロと零れ落ちている。
そして、大きな体躯の手に握られているのは間違いなくツルハシで…。
「に、逃げろぉー!!!!」
ウチの言葉に、弾かれたように逃げだす三人。
もしかしなくても追いかけて来るモンスター。
「なんだ、あのヤバイの!?」
「ふな゛ぁあああ!!あんなのいるなんて聞いてねーんだゾ!」
規格外なモンスターの登場に焦りを隠せないデュースとグリム。
疲れた体に鞭を打って走っているからか、ウチはもう一言も話せない。
そんな中、エースが一人だけ何か真剣な表情を浮かべていた。
「…アイツ、石がどうとか言ってなかった…?」
「えぇ!?」
エースの呟きにグリムもデュースもエースに注目する。
ウチもよくよくモンスターの声に耳を傾けてみた。
【イジ……イシ、ハ……ワダサヌ……!!!】
確かに、石と言っている。
「もしかして、あのモンスターの後ろにっ??!」
魔法石がある。
そう言い終わる前にエースが悲痛な声を上げる。
「まじかよ!!あんなのどうしろって言うんだよ…!」
その時だった。
ウチの体が宙に浮いた。
「え…。」
ドサッと鈍い音がして全身が打付けられる感覚。
膝と顎が思いっきり石の床に叩きつけられ嫌な音を出す。
そして熱を持ったかと思えば、急に痛み出す体。
「ナマエッ!!!!」
ふと、エースの声が聞こえた。
焦ってる。
あれ、何で逃げないの?なんでそんなに…。
真っ白な頭で起き上がると後ろから聞こえる轟音。
【カエレ!カエレ!!カエレ!!!】
その轟音に、恐る恐る目を向けると間近に迫るあのモンスターがツルハシを大きく振り上げていた。
ひゅっと喉が鳴る。
頭ではわかっていても動けない。
エースたちが叫んでいる。けど、聞こえない。自分の心臓の音しか聞こえない。
ボォンッ!!!
振り降ろされたツルハシが空を切る音が聞こえた。
瞬間、目を瞑った。
あぁ、ごめんなさい学園長。ごめんなさいエース、デュース…。
ごめんね、一人にしてごめんね、グリム。
皆への懺悔の言葉を綴る。
しかし…。
一向に衝撃が来ない。
恐る恐る目を開ければ、ウチの頭上の数㎝上でツルハシが止まっていた。
【ア……ア”ァ……ア”ァアア”アアア…!!!】
ウチの顔を見たモンスターが呻き声を上げ始めた。
するとインク壺のような頭部からドロドロと溢れる黒い液体が洪水のように湧き出て来る。
「どうして…、」
泣いてるの?
そう問いかけようとした時だった。
「チ、チクショー!!やめるんだゾ~!!!」
グリムの叫び声と共にモンスターの体へと当たる三つの魔法。
もろに食らったモンスターは一気に体を後ろに押されるが、しかし傷一つ付いていない。
「嘘だろ!?全然気かねぇ!!!」
声の方向を見れば、マジカルペンを構えたエーデュースと泣きそうになっているグリムが。
「ナマエ、大丈夫かっ?!」
デュースがすかさず此方へと駆け寄り、起こしてくれる。
「ありがと、うっ…ぃつ!!!」
酷い転び方をしたからか、起き上がると体が痛んだ。
それを見てデュースが悲痛そうに顔を歪めながら、肩を貸してくれた。身長差はあるが、デュースがかがんでくれたおかげで楽だ。
「ナマエ、血が…!!」
グリムの言葉に下を向くと、膝から真っ赤な血が大量に出ていた。
違和感を感じたから顎も触ってみれば、手にはドロリとした血が。
「あはは…、やちゃった!」
出来るだけ心配させないように笑って見せるが、三人の表情は晴れない。よく転ぶウチからしても、この傷はまだ軽傷の方なのになぁ…。
「何笑ってんだよ!一先ず手当を…!」
本気で心配してくれたのか、デュースがすぐに傷の手当てをしようと二人に指示を出し始めた。
友達思いだなぁ…とほっこりしていると、モンスターの唸り声が。
【ォオオオ!!!!ワタサンゾォオオ!!】
どしどしと、足音が迫ってくる。
「オイ!ひ、ひとまず逃げるんだゾ!このままじゃ全員やられちまう!」
「そうだね!」
グリムの言葉に賛成し、逃げようとした時だった。
再び体が宙に浮いた。
また転んだのかと思いきや、体に回された手の感触でそうではないことに気付く。
「分かった、行くぞ!!!」
張り切るデュースの声が間近に聞こえる。
エースとグリムに視線を映せばポカンと口を開け、微動だにしない。
「…えっ、…えぇええええええええ?!!!!!」
今の自分の状況に驚いた。
あまりにも驚きすぎて声が出たが、そんな事構わずデュースは走り出した。
咄嗟にデュースの首に手を回し、落ちないように耐える。
そう、ウチはデュースにお姫様抱っこされているのだ。
いや、この怪我でも遅くなっちゃうけど走れますよ?!
驚きながらも付いてくるエースとグリム。
羞恥心が怖さより勝った逃走劇だった。
明らかに普通のモンスターではない風貌に、ウチも他の三人も叫び声を上げた。
原作知ってるなら驚く必要なくない?と、思うかもしれないが実際に目の前で見た方が恐ろしいんだという事を忘れないでほしい。
ひび割れたインク壺のような頭部。
そこからは黒い液体がドロドロと零れ落ちている。
そして、大きな体躯の手に握られているのは間違いなくツルハシで…。
「に、逃げろぉー!!!!」
ウチの言葉に、弾かれたように逃げだす三人。
もしかしなくても追いかけて来るモンスター。
「なんだ、あのヤバイの!?」
「ふな゛ぁあああ!!あんなのいるなんて聞いてねーんだゾ!」
規格外なモンスターの登場に焦りを隠せないデュースとグリム。
疲れた体に鞭を打って走っているからか、ウチはもう一言も話せない。
そんな中、エースが一人だけ何か真剣な表情を浮かべていた。
「…アイツ、石がどうとか言ってなかった…?」
「えぇ!?」
エースの呟きにグリムもデュースもエースに注目する。
ウチもよくよくモンスターの声に耳を傾けてみた。
【イジ……イシ、ハ……ワダサヌ……!!!】
確かに、石と言っている。
「もしかして、あのモンスターの後ろにっ??!」
魔法石がある。
そう言い終わる前にエースが悲痛な声を上げる。
「まじかよ!!あんなのどうしろって言うんだよ…!」
その時だった。
ウチの体が宙に浮いた。
「え…。」
ドサッと鈍い音がして全身が打付けられる感覚。
膝と顎が思いっきり石の床に叩きつけられ嫌な音を出す。
そして熱を持ったかと思えば、急に痛み出す体。
「ナマエッ!!!!」
ふと、エースの声が聞こえた。
焦ってる。
あれ、何で逃げないの?なんでそんなに…。
真っ白な頭で起き上がると後ろから聞こえる轟音。
【カエレ!カエレ!!カエレ!!!】
その轟音に、恐る恐る目を向けると間近に迫るあのモンスターがツルハシを大きく振り上げていた。
ひゅっと喉が鳴る。
頭ではわかっていても動けない。
エースたちが叫んでいる。けど、聞こえない。自分の心臓の音しか聞こえない。
ボォンッ!!!
振り降ろされたツルハシが空を切る音が聞こえた。
瞬間、目を瞑った。
あぁ、ごめんなさい学園長。ごめんなさいエース、デュース…。
ごめんね、一人にしてごめんね、グリム。
皆への懺悔の言葉を綴る。
しかし…。
一向に衝撃が来ない。
恐る恐る目を開ければ、ウチの頭上の数㎝上でツルハシが止まっていた。
【ア……ア”ァ……ア”ァアア”アアア…!!!】
ウチの顔を見たモンスターが呻き声を上げ始めた。
するとインク壺のような頭部からドロドロと溢れる黒い液体が洪水のように湧き出て来る。
「どうして…、」
泣いてるの?
そう問いかけようとした時だった。
「チ、チクショー!!やめるんだゾ~!!!」
グリムの叫び声と共にモンスターの体へと当たる三つの魔法。
もろに食らったモンスターは一気に体を後ろに押されるが、しかし傷一つ付いていない。
「嘘だろ!?全然気かねぇ!!!」
声の方向を見れば、マジカルペンを構えたエーデュースと泣きそうになっているグリムが。
「ナマエ、大丈夫かっ?!」
デュースがすかさず此方へと駆け寄り、起こしてくれる。
「ありがと、うっ…ぃつ!!!」
酷い転び方をしたからか、起き上がると体が痛んだ。
それを見てデュースが悲痛そうに顔を歪めながら、肩を貸してくれた。身長差はあるが、デュースがかがんでくれたおかげで楽だ。
「ナマエ、血が…!!」
グリムの言葉に下を向くと、膝から真っ赤な血が大量に出ていた。
違和感を感じたから顎も触ってみれば、手にはドロリとした血が。
「あはは…、やちゃった!」
出来るだけ心配させないように笑って見せるが、三人の表情は晴れない。よく転ぶウチからしても、この傷はまだ軽傷の方なのになぁ…。
「何笑ってんだよ!一先ず手当を…!」
本気で心配してくれたのか、デュースがすぐに傷の手当てをしようと二人に指示を出し始めた。
友達思いだなぁ…とほっこりしていると、モンスターの唸り声が。
【ォオオオ!!!!ワタサンゾォオオ!!】
どしどしと、足音が迫ってくる。
「オイ!ひ、ひとまず逃げるんだゾ!このままじゃ全員やられちまう!」
「そうだね!」
グリムの言葉に賛成し、逃げようとした時だった。
再び体が宙に浮いた。
また転んだのかと思いきや、体に回された手の感触でそうではないことに気付く。
「分かった、行くぞ!!!」
張り切るデュースの声が間近に聞こえる。
エースとグリムに視線を映せばポカンと口を開け、微動だにしない。
「…えっ、…えぇええええええええ?!!!!!」
今の自分の状況に驚いた。
あまりにも驚きすぎて声が出たが、そんな事構わずデュースは走り出した。
咄嗟にデュースの首に手を回し、落ちないように耐える。
そう、ウチはデュースにお姫様抱っこされているのだ。
いや、この怪我でも遅くなっちゃうけど走れますよ?!
驚きながらも付いてくるエースとグリム。
羞恥心が怖さより勝った逃走劇だった。