第0章
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森の木々を掻き分け、少し上り坂を上ると大きな洞窟のような場所が。
暗闇に包まれている内部と、明らかに人の手が入っていると考えられる様子に、ここが鉱山の入口だと言うことは一目で分かった。
「オレ様が隊長だ!お前ら、ついてくるんだゾ!」
道中、お化けやら何やらが現れなかったからかグリムが妙に張り切りだした。
いや、僅かに震えているから強がっているだけか…。
「ハイハイ…、着いていきますよー。」
どっちにしろ、残りの二人が反発しないのであればウチはどっちでもいい…。
呑気な声を上げ、ウチは三人と共にドワーフ鉱山へと入山したのだった。
*****
「うわっ、めっちゃ光ってる!」
魔法石を探す道中、岩壁に埋まる石ころを見つけた。
どれも眩い光を放ち、いかにも魔法石っぽいが…。
「それ、ただの石だよ。」
エースに諭された。
「あはは…、まぁこんな分かり易い所にはないよね…。」
マインク〇フトの様に分かり易い場所に生えてればいいのに…。
そう思ったところで、ウチの脳内に妙案が浮かび上がる。
「これ、宝石と偽って商売したら売れるかも!」
我ながらいいアイデアではないだろうか。
このビジネスに成功すれば、モストロラウンジの借金も返せるし、学園長にもお金を返せる!
早速実行に移そうと、軽い気持ちで石ころに近づく。
「ちょっ、そんな事したって石だってすぐバレるぞ!!」
すかさず制止の声を上げるエース。
ちぇっ、この世界の人間は目が肥えてやがるな。
不服の目線を送れば、エースは分かり易くため息を吐いた。
その時だった。
「静かにしろ。」
デュースが神妙な面持ちで、ウチとエースの前へ腕を伸ばす。
「なんだよ。」
「…何か、いる!」
ただならぬデュースの様子に、ウチもエースもデュースの視線の先を見た。
そこに居たのは…。
「びゃっ!?」
「っぶぐっっっ?!!!!」
変な奇声を上げ、グリムがウチへと飛び付いた。
ガタガタと震えるグリムの体…。きっと恐ろしい魔物がいるに違いない…!
そう考えたウチはグリムの体の隙間から、暗闇の方へ目を向けた。
「ヒーッヒヒ!10年ぶりのお客様だあ!」
「ゆっくりしていきなよ~永遠に!」
オンボロ寮にいるのと同じゴーストだった。
「は、寮にもいるじゃん!」
グリムの驚き様からもっと怖くてデカい奴を想像したが、期待外れだったようだ。
すっかり拍子抜けしたウチはため息をついた。
「え?!お前んトコ、ゴーストいんの?!」
「そんな事聞いてる場合か?!逃げるぞ!!!」
ウチの言葉に震え上がるエースと、そんなエースにツッコミを入れるデュース。
言い出しっぺのデュースはすぐ様ゴーストとは反対方向へと走り、そんなデュースを三人で追い掛けた。
ゴースト達も勿論追いかけてくる。
「ちょ、グリムっ!自分で走ってよ!」
「ふなっ…足に力が…」
完全にビビッたのか、全く微動だにしなくなってしまったグリム。
そんなグリムをすかさず抱え、ウチもゴーストから逃げる。
グリムを抱えて走ったのだから褒めて欲しい。
案の定、あまり運動が得意でないウチは、ものの数秒で疲労困憊となった。
「エース、デュース!魔法で何とか何ないの?!」
疲労で頭がおかしくなりそうな中、咄嗟に二人へと叫んだ。
「ま、魔法…?!」
「そう!行けるでしょ?!そのゴーストに思いっきり打ち込んでよ!!」
ゼェゼェとなる呼吸音。
駄目だ。これ以上走ると死ぬ。
本能的にピンチを感じた。
「だ、だが…」
デュースが難色の意を示す。
あぁ、校則か。と、ウチは胸中で納得した。
真面目で優等生キャラのデュース君は校則を破るのが嫌らしい。
しかし、疲れでイラついているウチにそんな事は関係ない。
「退学になる位なら、魔法使った方がまだマシでしょ?!しかも相手はゴーストだよ?!」
残りの余力を使ってデュースへと叫んだ。
これで動かなかったら呪う。
「無茶言うなよ…!?」
「…いや…」
ウチの言葉に反対の意を示すエース。
しかし、そんなエースの言葉をデュースがかき消す。
何事か、とエースと二人でデュースの方を見た。
「俺たちなら、いけるッ!!!!」
そこには、やる気という炎を目に宿らせたデュースがいた。
ぶんッと風を切る音と共に、デュースが自身のマジカルペンをゴーストへ振りかざす。
「ぐはっ?!」
「ぎゃあっ!!?」
魔法が次々とペン先から発射され、ゴーストたちは次々と消えていく。
「うぉおおおおおお!!!」
半ば暴走族のような雄叫びを上げ、デュースはゴーストたちを一掃する。
「す、すげーんだゾ!!!」
「よっ、流石優等生!!」
ウチとグリムが囃し立てると、デュースは満足げに鼻を鳴らし照れ臭そうに笑った。
「これ位、どうって事ない!」
ドヤるデュース。
そしてそんなデュースにジェラシーを感じたエースもゴーストへと攻撃を開始した。
「へんっ、俺の方がお前の魔法よりスゲーし!」
エースのマジカルペンから出た風の魔法がゴーストに辺り、轟音が鳴る。
やっぱり魔法が使えるってカッコいい!
そう思ったのと、ゴーストをやっつけてほしい気持ちもあってか、ウチはエースへの称賛の言葉を掛ける。
「僕の水魔法の方が、エースよりも大きかった!」
「はぁ?俺の方が威力も派手さもあってカッコよかっただろ!」
「おいおい、待つんだゾ!俺様の炎の方が大きくてカッコいいんだゾ!!」
いつの間にか喧嘩を始める三人。
というか、グリムは何で参加してるの…?魔法と言ってもグリムは何もしていなのに。
走りながらも器用に喧嘩をする三人を、ある意味尊敬する。いや、ほとんど呆れの感情しかないけど…。
その時だった…。
「…ん、?」
ウチの耳にかすかに音が流れ込んだ。
ボソボソ喋っていて、低い…そんな声が。
「だぁーかぁーらぁー!!俺の魔法の方が…、」
「しっ、静かに!!!」
エースの言葉に被せ、ウチは小さく叫んだ。
それと同時にピタリと足を止めると、他の二人もすぐさま足を止めた。
「…な、何だよ…?」
エースが緊張した面持ちでウチを見た。
「何か…聞こえる。」
ウチがそう告げると先程まで煩かった三人が一斉に静まった。
顔は強張っている。
【……さぬ………うぅ……ぬ………】
かすかに聞こえる声。
それはどんどん大きい物へと変わり、今では何処から聞こえてくるのかさえも判別できるほどの物へとなっていた。
「来る…」
体を声の方へと向ける。
そんなウチの様子に同調し、他の三人も同じ方を向いた。
「ゴ、ゴーストくらい、お、俺たちなら…!」
そうポジティブな空気へと持っていこうとしたエースの声は尻すぼみだ。何故なら…。
【ぃ…し……ウゥウウ…………オデノモノ…】
声が完全に聞こえるほど、大きくなっているからだ。
その声を聴いた三人は一斉に震え上がっていた。
そして、暗闇の中から出てきたのはゴーストの様な可愛らしい物ではなく…。
【イジハ………オデノモノダアアアアオオオオオオオ!!!!】
本物の化け物だった。
暗闇に包まれている内部と、明らかに人の手が入っていると考えられる様子に、ここが鉱山の入口だと言うことは一目で分かった。
「オレ様が隊長だ!お前ら、ついてくるんだゾ!」
道中、お化けやら何やらが現れなかったからかグリムが妙に張り切りだした。
いや、僅かに震えているから強がっているだけか…。
「ハイハイ…、着いていきますよー。」
どっちにしろ、残りの二人が反発しないのであればウチはどっちでもいい…。
呑気な声を上げ、ウチは三人と共にドワーフ鉱山へと入山したのだった。
*****
「うわっ、めっちゃ光ってる!」
魔法石を探す道中、岩壁に埋まる石ころを見つけた。
どれも眩い光を放ち、いかにも魔法石っぽいが…。
「それ、ただの石だよ。」
エースに諭された。
「あはは…、まぁこんな分かり易い所にはないよね…。」
マインク〇フトの様に分かり易い場所に生えてればいいのに…。
そう思ったところで、ウチの脳内に妙案が浮かび上がる。
「これ、宝石と偽って商売したら売れるかも!」
我ながらいいアイデアではないだろうか。
このビジネスに成功すれば、モストロラウンジの借金も返せるし、学園長にもお金を返せる!
早速実行に移そうと、軽い気持ちで石ころに近づく。
「ちょっ、そんな事したって石だってすぐバレるぞ!!」
すかさず制止の声を上げるエース。
ちぇっ、この世界の人間は目が肥えてやがるな。
不服の目線を送れば、エースは分かり易くため息を吐いた。
その時だった。
「静かにしろ。」
デュースが神妙な面持ちで、ウチとエースの前へ腕を伸ばす。
「なんだよ。」
「…何か、いる!」
ただならぬデュースの様子に、ウチもエースもデュースの視線の先を見た。
そこに居たのは…。
「びゃっ!?」
「っぶぐっっっ?!!!!」
変な奇声を上げ、グリムがウチへと飛び付いた。
ガタガタと震えるグリムの体…。きっと恐ろしい魔物がいるに違いない…!
そう考えたウチはグリムの体の隙間から、暗闇の方へ目を向けた。
「ヒーッヒヒ!10年ぶりのお客様だあ!」
「ゆっくりしていきなよ~永遠に!」
オンボロ寮にいるのと同じゴーストだった。
「は、寮にもいるじゃん!」
グリムの驚き様からもっと怖くてデカい奴を想像したが、期待外れだったようだ。
すっかり拍子抜けしたウチはため息をついた。
「え?!お前んトコ、ゴーストいんの?!」
「そんな事聞いてる場合か?!逃げるぞ!!!」
ウチの言葉に震え上がるエースと、そんなエースにツッコミを入れるデュース。
言い出しっぺのデュースはすぐ様ゴーストとは反対方向へと走り、そんなデュースを三人で追い掛けた。
ゴースト達も勿論追いかけてくる。
「ちょ、グリムっ!自分で走ってよ!」
「ふなっ…足に力が…」
完全にビビッたのか、全く微動だにしなくなってしまったグリム。
そんなグリムをすかさず抱え、ウチもゴーストから逃げる。
グリムを抱えて走ったのだから褒めて欲しい。
案の定、あまり運動が得意でないウチは、ものの数秒で疲労困憊となった。
「エース、デュース!魔法で何とか何ないの?!」
疲労で頭がおかしくなりそうな中、咄嗟に二人へと叫んだ。
「ま、魔法…?!」
「そう!行けるでしょ?!そのゴーストに思いっきり打ち込んでよ!!」
ゼェゼェとなる呼吸音。
駄目だ。これ以上走ると死ぬ。
本能的にピンチを感じた。
「だ、だが…」
デュースが難色の意を示す。
あぁ、校則か。と、ウチは胸中で納得した。
真面目で優等生キャラのデュース君は校則を破るのが嫌らしい。
しかし、疲れでイラついているウチにそんな事は関係ない。
「退学になる位なら、魔法使った方がまだマシでしょ?!しかも相手はゴーストだよ?!」
残りの余力を使ってデュースへと叫んだ。
これで動かなかったら呪う。
「無茶言うなよ…!?」
「…いや…」
ウチの言葉に反対の意を示すエース。
しかし、そんなエースの言葉をデュースがかき消す。
何事か、とエースと二人でデュースの方を見た。
「俺たちなら、いけるッ!!!!」
そこには、やる気という炎を目に宿らせたデュースがいた。
ぶんッと風を切る音と共に、デュースが自身のマジカルペンをゴーストへ振りかざす。
「ぐはっ?!」
「ぎゃあっ!!?」
魔法が次々とペン先から発射され、ゴーストたちは次々と消えていく。
「うぉおおおおおお!!!」
半ば暴走族のような雄叫びを上げ、デュースはゴーストたちを一掃する。
「す、すげーんだゾ!!!」
「よっ、流石優等生!!」
ウチとグリムが囃し立てると、デュースは満足げに鼻を鳴らし照れ臭そうに笑った。
「これ位、どうって事ない!」
ドヤるデュース。
そしてそんなデュースにジェラシーを感じたエースもゴーストへと攻撃を開始した。
「へんっ、俺の方がお前の魔法よりスゲーし!」
エースのマジカルペンから出た風の魔法がゴーストに辺り、轟音が鳴る。
やっぱり魔法が使えるってカッコいい!
そう思ったのと、ゴーストをやっつけてほしい気持ちもあってか、ウチはエースへの称賛の言葉を掛ける。
「僕の水魔法の方が、エースよりも大きかった!」
「はぁ?俺の方が威力も派手さもあってカッコよかっただろ!」
「おいおい、待つんだゾ!俺様の炎の方が大きくてカッコいいんだゾ!!」
いつの間にか喧嘩を始める三人。
というか、グリムは何で参加してるの…?魔法と言ってもグリムは何もしていなのに。
走りながらも器用に喧嘩をする三人を、ある意味尊敬する。いや、ほとんど呆れの感情しかないけど…。
その時だった…。
「…ん、?」
ウチの耳にかすかに音が流れ込んだ。
ボソボソ喋っていて、低い…そんな声が。
「だぁーかぁーらぁー!!俺の魔法の方が…、」
「しっ、静かに!!!」
エースの言葉に被せ、ウチは小さく叫んだ。
それと同時にピタリと足を止めると、他の二人もすぐさま足を止めた。
「…な、何だよ…?」
エースが緊張した面持ちでウチを見た。
「何か…聞こえる。」
ウチがそう告げると先程まで煩かった三人が一斉に静まった。
顔は強張っている。
【……さぬ………うぅ……ぬ………】
かすかに聞こえる声。
それはどんどん大きい物へと変わり、今では何処から聞こえてくるのかさえも判別できるほどの物へとなっていた。
「来る…」
体を声の方へと向ける。
そんなウチの様子に同調し、他の三人も同じ方を向いた。
「ゴ、ゴーストくらい、お、俺たちなら…!」
そうポジティブな空気へと持っていこうとしたエースの声は尻すぼみだ。何故なら…。
【ぃ…し……ウゥウウ…………オデノモノ…】
声が完全に聞こえるほど、大きくなっているからだ。
その声を聴いた三人は一斉に震え上がっていた。
そして、暗闇の中から出てきたのはゴーストの様な可愛らしい物ではなく…。
【イジハ………オデノモノダアアアアオオオオオオオ!!!!】
本物の化け物だった。