第0章
夢小説設定
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「ナマエ…!」
てちてちとウチに駆け寄り、足にしがみつくグリム。
足と言ってもドレス越しだが…。
「グリム…、一体何しちゃったの?」
グリムを抱き上げて、優しく問いかける。
するとグリムはシュンと落ち込んだ様子で口を開いた。
「…シャンデリアを…壊しちゃったんだゾ…。」
「そ、それに関しては俺からも説明させてくれ。」
グリムの言葉に被せ、エースもウチの元へとやってきた。
エースの話を聞くところによると、放課後に何故かエースはウチを探していた様だ。
そこでグリムと出会い、喧嘩勃発。
側にいたデュースも巻き込まれ、更に喧嘩は激しさを増しシャンデリアを壊すほどに…。
「ちょっと声掛けようと思って…」
「オレさまの悪口を言って来たんだゾ!」
「だからと言って、僕達がシャンデリアを壊した事実は無くならないぞ…」
口々に一匹と二人が事情を打ち明ける。
なんで仲良く出来ないのだろうか…。
「残念ですが、弁償で済むものではありませんよ。このシャンデリアはただのシャンデリアではありません。」
学園長の言葉に一匹と二人は首を傾げた。
「魔法を動力源とし永遠に尽きない蝋燭に炎の魔法が灯る魔法のシャンデリア。伝説の魔法マイスターに作らせた逸品です。学園建設当時からずっと大切に受け継がれてきたというのに……。」
ぐぐぐっ…と、鉤爪のある指で額を抑える学園長。
「歴史的価値を考えれば10億マドルは下らない品物ですよ。……それを弁償出来るとでも?」
「じゅ、10億マドル……!?」
思わぬ金額にデュースが声を上げる。
グリムとエースもあり得ない金額に目を丸くした。
「で、でもさ。先生の魔法でパパッと直せちゃったりとか……」
エースが縋り付く様な瞳で学園長を見上げるが、学園長はそれを遇らう。
「魔法は万能ではありません。出来ると言えば…」
パチンと学園長が指を鳴らす。
するとウチの周りに光が散らばったかと思えば…。
「わぁっ…!」
ウチのドレスは、たちまち動きやすい格好へと変わる。この長袖のトップスとスキニーは、学園長からの贈り物の中にあった服だ。
「魔法と言うのは、これぐらいしか出来ません。」
言葉とは逆に胸を張る学園長に、三人と一匹で拍手を送る。
最初は気分良く拍手を受け入れていたが、どうやら叱っている最中だと言うことを思い出したらしい。学園長はゴホンと一つ咳払いし、先程の真剣な声で続ける。
「しかし、魔法道具の心臓とも呼べる魔法石が壊れてしまった。魔法石に2つと同じものはない。…もう二度とこのシャンデリアは永遠に光が灯ることはないでしょう。」
キッパリとそう一匹と二人に言い放つ。
エースとデュースはしょんぼりと肩を落とし、ウチの腕の中にいるグリムは不服そうな顔をする。
仕方がない。
此処は、原作を知っているウチが力になってやろう。
「では、その魔法石を取って来ればいいんですね?」
ウチの言葉に学園長とデュース、そしてエースが驚きの表情を浮かべる。
「それ良い考えなんだゾ!」
しかし、グリムはウチの言葉に賛同する。
「魔法石に同じものは無い。でも、似ているものなら代用は可能では?」
「確かに… 同じ性質のものなら修理も可能かも知れません。」
「だったら!」と意気込むウチとグリムに、学園長は難しそうな顔をした。エースもデュースも、まだ意欲は湧かない様だ。
「……シャンデリアに使われた魔法石はドワーフ鉱山から発掘されたもの。閉山してからしばらく経ちますし、魔法石が全て掘り尽くされてしまっている可能性も高い。」
「此処で何もしないで追い出される方が嫌なんだゾ!」
学園長の声が低く、小さい物へと変わる。それを聞けば本当に難しい事だと言うことを嫌でも分かる。
だが、そんな所で躓いている様では一人前の大魔法士になんてなれる筈がない。そう感じたのか、グリムは食い下がらない。
勿論、ウチも。
「お任せ下さい。大魔法士さまの尻拭いはウチの役目ですから!」
「そうなんだゾ!」
ふんすと意気込むウチとグリム。
しかし、食い下がらないのは学園長も同じだった。
「魔法の使えない貴方が行けば怪我をするかもしれません!どうしてそこまでして…。」
「約束したじゃないですか。」
猛反対する学園長に、ウチは声を上げる。
「"ちゃんとお世話します"って。」
よしよしとグリムを撫でると、グリムがゴロゴロと喉を鳴らす。
これで言い返せないだろ。
得意気に笑うと、学園長はやれやれと首を横に振る。どうやらまだ反対な様だ。
なんでこんなに反対するんだろう?
「なら、僕も行きます」
「なら、俺も行く!」
とうとう行く気になってくれたのか、デュースとエースが手を上げた。
「貴方達まで何を…」
「魔法がない奴1人で行かせるより、魔法がある俺達と一緒ならまだ安心でしょ」
二人の加勢に学園長は更に頭を悩ませているようだ。
これ頑張れば押せるんじゃない?
何か強力な一手が欲しいが、そんな事駆け引きが苦手なウチが出来るはずがない。「約束」を出せば、許してくれるかな?
「どうしてそこまで反対なんですか?ウチは学園長との約束を守るために行こうと思ってるのに…。」
「うっ…!」
学園長が胸を抑えた。
目線は何処か彷徨っていて、冷や汗もかいている。
「で…ですが…」
「ダ…ダメですか…?」
未だ否定する学園長に焦りだすウチ。
ひょっとしなくても、ウチは行かせてもらえない感じなのだろうか?そう気になって落ち着かない。
ジッと学園長を見上げれば、学園長は更に視線を彷徨わせる。
てちてちとウチに駆け寄り、足にしがみつくグリム。
足と言ってもドレス越しだが…。
「グリム…、一体何しちゃったの?」
グリムを抱き上げて、優しく問いかける。
するとグリムはシュンと落ち込んだ様子で口を開いた。
「…シャンデリアを…壊しちゃったんだゾ…。」
「そ、それに関しては俺からも説明させてくれ。」
グリムの言葉に被せ、エースもウチの元へとやってきた。
エースの話を聞くところによると、放課後に何故かエースはウチを探していた様だ。
そこでグリムと出会い、喧嘩勃発。
側にいたデュースも巻き込まれ、更に喧嘩は激しさを増しシャンデリアを壊すほどに…。
「ちょっと声掛けようと思って…」
「オレさまの悪口を言って来たんだゾ!」
「だからと言って、僕達がシャンデリアを壊した事実は無くならないぞ…」
口々に一匹と二人が事情を打ち明ける。
なんで仲良く出来ないのだろうか…。
「残念ですが、弁償で済むものではありませんよ。このシャンデリアはただのシャンデリアではありません。」
学園長の言葉に一匹と二人は首を傾げた。
「魔法を動力源とし永遠に尽きない蝋燭に炎の魔法が灯る魔法のシャンデリア。伝説の魔法マイスターに作らせた逸品です。学園建設当時からずっと大切に受け継がれてきたというのに……。」
ぐぐぐっ…と、鉤爪のある指で額を抑える学園長。
「歴史的価値を考えれば10億マドルは下らない品物ですよ。……それを弁償出来るとでも?」
「じゅ、10億マドル……!?」
思わぬ金額にデュースが声を上げる。
グリムとエースもあり得ない金額に目を丸くした。
「で、でもさ。先生の魔法でパパッと直せちゃったりとか……」
エースが縋り付く様な瞳で学園長を見上げるが、学園長はそれを遇らう。
「魔法は万能ではありません。出来ると言えば…」
パチンと学園長が指を鳴らす。
するとウチの周りに光が散らばったかと思えば…。
「わぁっ…!」
ウチのドレスは、たちまち動きやすい格好へと変わる。この長袖のトップスとスキニーは、学園長からの贈り物の中にあった服だ。
「魔法と言うのは、これぐらいしか出来ません。」
言葉とは逆に胸を張る学園長に、三人と一匹で拍手を送る。
最初は気分良く拍手を受け入れていたが、どうやら叱っている最中だと言うことを思い出したらしい。学園長はゴホンと一つ咳払いし、先程の真剣な声で続ける。
「しかし、魔法道具の心臓とも呼べる魔法石が壊れてしまった。魔法石に2つと同じものはない。…もう二度とこのシャンデリアは永遠に光が灯ることはないでしょう。」
キッパリとそう一匹と二人に言い放つ。
エースとデュースはしょんぼりと肩を落とし、ウチの腕の中にいるグリムは不服そうな顔をする。
仕方がない。
此処は、原作を知っているウチが力になってやろう。
「では、その魔法石を取って来ればいいんですね?」
ウチの言葉に学園長とデュース、そしてエースが驚きの表情を浮かべる。
「それ良い考えなんだゾ!」
しかし、グリムはウチの言葉に賛同する。
「魔法石に同じものは無い。でも、似ているものなら代用は可能では?」
「確かに… 同じ性質のものなら修理も可能かも知れません。」
「だったら!」と意気込むウチとグリムに、学園長は難しそうな顔をした。エースもデュースも、まだ意欲は湧かない様だ。
「……シャンデリアに使われた魔法石はドワーフ鉱山から発掘されたもの。閉山してからしばらく経ちますし、魔法石が全て掘り尽くされてしまっている可能性も高い。」
「此処で何もしないで追い出される方が嫌なんだゾ!」
学園長の声が低く、小さい物へと変わる。それを聞けば本当に難しい事だと言うことを嫌でも分かる。
だが、そんな所で躓いている様では一人前の大魔法士になんてなれる筈がない。そう感じたのか、グリムは食い下がらない。
勿論、ウチも。
「お任せ下さい。大魔法士さまの尻拭いはウチの役目ですから!」
「そうなんだゾ!」
ふんすと意気込むウチとグリム。
しかし、食い下がらないのは学園長も同じだった。
「魔法の使えない貴方が行けば怪我をするかもしれません!どうしてそこまでして…。」
「約束したじゃないですか。」
猛反対する学園長に、ウチは声を上げる。
「"ちゃんとお世話します"って。」
よしよしとグリムを撫でると、グリムがゴロゴロと喉を鳴らす。
これで言い返せないだろ。
得意気に笑うと、学園長はやれやれと首を横に振る。どうやらまだ反対な様だ。
なんでこんなに反対するんだろう?
「なら、僕も行きます」
「なら、俺も行く!」
とうとう行く気になってくれたのか、デュースとエースが手を上げた。
「貴方達まで何を…」
「魔法がない奴1人で行かせるより、魔法がある俺達と一緒ならまだ安心でしょ」
二人の加勢に学園長は更に頭を悩ませているようだ。
これ頑張れば押せるんじゃない?
何か強力な一手が欲しいが、そんな事駆け引きが苦手なウチが出来るはずがない。「約束」を出せば、許してくれるかな?
「どうしてそこまで反対なんですか?ウチは学園長との約束を守るために行こうと思ってるのに…。」
「うっ…!」
学園長が胸を抑えた。
目線は何処か彷徨っていて、冷や汗もかいている。
「で…ですが…」
「ダ…ダメですか…?」
未だ否定する学園長に焦りだすウチ。
ひょっとしなくても、ウチは行かせてもらえない感じなのだろうか?そう気になって落ち着かない。
ジッと学園長を見上げれば、学園長は更に視線を彷徨わせる。