第0章
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「待って…どこに行けばいいんだろう?」
よく考えず鏡の間に来ては見たものの…どこに行けば?
ウチの目の前にある大きな鏡を見上げるが、反応は全くない。
「えええい、当たって砕けろ!雑草が捨てれるところに連れってください!!」
ウチが闇の鏡へ叫ぶと、闇の鏡が光だしそして…。
*****
ザザー…
「なんで…。」
光から抜け出すと、そこは海だった。
学園内の海なのかも分からない。
見た限り海岸ではなく、釣り場のようなところに飛ばされたらしい。
「ん?…ウチどうやって帰ればいいの…?」
辺りを見渡すが鏡がない。
その代わり、焼却炉があるではないか!!
「ま、いっか!!ゴミ捨ててから考えよっと!!」
ウチは釣り場を猛ダッシュした。
手に持っていたゴミを焼却炉にぶち込み、燃やす。
さーて、お仕事終わり!早くグリムの所に帰ろう!
再び元の位置に戻ろうと、釣り場を軽やかな足取りで戻る。
すると…。
「キュイ!」
「ん?」
なんと、海の中からイルカが顔を出しているではないか!!
いや、可愛い!!間近で見るともっと可愛い!
「やっほー!イルカさん!」
足を止めイルカに手を振れば、イルカはその場で大きくジャンプする。
ふと、よく周りを見ればイルカ以外にも他の魚たちが沢山寄ってきた。カニやクマノミ、エイや亀まで。
なんだかとっても楽しい気分になってきたウチは、周りに誰もいないことを良い事に一つ歌を歌う。
「貴方の傍ずっと 居たいな 傍に居たいの 微笑みかけて私に~♪」
釣り場の上でくるりとターンする。
なんだかノッてきた。
「歩いて 走って 日の光浴びながら自由に人間の世界で~♪」
太陽に手をかざしながら歌うと、海の住民たちは拍手と言わんばかりに鳴いたり飛び跳ねたりした。
「ありがとう、どうもありがとう。」
舞台に立つスターの様に、恭しくお辞儀をする。
すると、海の中に巨大な影が過るのが見えた。
人よりも大きい…そして細長い影。
それが見えたと同時に、海の住民達は蜘蛛の子を散らすように逃げて行ってしまった。
しかし、疑問に思っている間もなく…。
グラッ…
「わっ?!!!」
ウチの体は傾き、そのまま海へと落ちてしまった。
誰かに押されたような気が…。
「ぷはっ…!!!」
鼻にツンと水が入って痛い。それに目にも海水が染みて痛い。
水面にぷっかり顔を出すが、釣り場の上には誰もいない。
おかしいなぁ…、誰かに押されたと思ったのに…。
とりあえず上がろうと、釣り場に手を掛けた時…。
グイッ!
誰かに足を掴まれた。"水中"で。
「ゴボッ!!!」
息が出来ない!
ウチがもがけばもがく程、水中の何かはウチを海深くへと引きずり込もうとする。
ふと、その何かの力が弱まった。
呼吸的にも状況的にも危なかったウチは、急いで水面の方へと泳いだ。この時、はじめて水泳を習っておいて良かったと感じた。
お母さんありがとう。
「ガハッ!!」
ゼェゼェと肺が出してはいけない音を立てた。
あーあ、せっかく学園長に貰ったばかりの作業服が…。
ガッカリと肩を落としていると、デカい影がウチの上に掛かった。
「大丈夫ですか?」
ふと、上から聞いた事のある声がした。
声のする方を弾かれだように見上げると、長身の美形が…。
青緑色の髪に黒いメッシュ。
灰色と金色のオッドアイ。
左耳には青くキラキラと輝くピアス。
ジェイド•リーチ。
思わぬ人物の登場に、ウチは口をハクハクと動かした。
そんなウチにウツボ兄弟の多分マトモな方は、ニコニコと笑みを浮かべたまま言った。
「おやおや、そんな所で金魚になられては困ります。」
ニヤリと笑った口元には、ギザギザの歯がズラリ。ジェイドの言葉に何とか意識を現実に戻したウチ。
「そんな所にいては風邪をひいてしまいます。さぁ。」
そう手を差し出してくれる。
ん?何でこんな優しいんだ?
ウチの知ってるリーチ兄弟はこんなに人に優しい奴らじゃない。
大方、何かを企んでいる事は安易に想像出来た。
なんならウチを水の中に引きずり込んだのも、双子の仕業では?
しかし、ウチに選択権はない。
どっち道、助けて貰わないといけないからだ。
これでお金請求されたら…、そう思うと肝が冷えるがしょうがない。
「あ…ありがとうございます…。」
ウチがジェイドの手を取れば、軽々とウチを釣り場に引き揚げるジェイド。
体重は重い方のウチをこうも簡単に…。
べちゃりと服が体に張り付く感覚がなんとも気持ち悪いが、しょうがない。
「ありがとうございます…。」
体を起こし丁寧にお辞儀すると、ジェイドば「良いんですよ」と手を振った。
もしかして、本当に助けてくれただけ?
さっきは疑ってごめんなさい。
ウチは心の中で謝った。
「それにしても、この格好で学園に帰るわけにはいきませんね。」
「あ…」
確かに言う通りだ。
あの学園を水浸しにしてしまえば、それこそウチとグリムの仕事が増えてしまう。
「良ければご用意致しましょう。着いてきて下さい。」
ニコリとジェイドは、笑った。
な、なんて優しいんだ!
その笑顔にウチの警戒心は益々緩んで行くのだった。
「は、はい!」
歩き出すジェイドに、ウチは迷う事なく着いていく。後にこの選択を後悔する事も知らずに…。
よく考えず鏡の間に来ては見たものの…どこに行けば?
ウチの目の前にある大きな鏡を見上げるが、反応は全くない。
「えええい、当たって砕けろ!雑草が捨てれるところに連れってください!!」
ウチが闇の鏡へ叫ぶと、闇の鏡が光だしそして…。
*****
ザザー…
「なんで…。」
光から抜け出すと、そこは海だった。
学園内の海なのかも分からない。
見た限り海岸ではなく、釣り場のようなところに飛ばされたらしい。
「ん?…ウチどうやって帰ればいいの…?」
辺りを見渡すが鏡がない。
その代わり、焼却炉があるではないか!!
「ま、いっか!!ゴミ捨ててから考えよっと!!」
ウチは釣り場を猛ダッシュした。
手に持っていたゴミを焼却炉にぶち込み、燃やす。
さーて、お仕事終わり!早くグリムの所に帰ろう!
再び元の位置に戻ろうと、釣り場を軽やかな足取りで戻る。
すると…。
「キュイ!」
「ん?」
なんと、海の中からイルカが顔を出しているではないか!!
いや、可愛い!!間近で見るともっと可愛い!
「やっほー!イルカさん!」
足を止めイルカに手を振れば、イルカはその場で大きくジャンプする。
ふと、よく周りを見ればイルカ以外にも他の魚たちが沢山寄ってきた。カニやクマノミ、エイや亀まで。
なんだかとっても楽しい気分になってきたウチは、周りに誰もいないことを良い事に一つ歌を歌う。
「貴方の傍ずっと 居たいな 傍に居たいの 微笑みかけて私に~♪」
釣り場の上でくるりとターンする。
なんだかノッてきた。
「歩いて 走って 日の光浴びながら自由に人間の世界で~♪」
太陽に手をかざしながら歌うと、海の住民たちは拍手と言わんばかりに鳴いたり飛び跳ねたりした。
「ありがとう、どうもありがとう。」
舞台に立つスターの様に、恭しくお辞儀をする。
すると、海の中に巨大な影が過るのが見えた。
人よりも大きい…そして細長い影。
それが見えたと同時に、海の住民達は蜘蛛の子を散らすように逃げて行ってしまった。
しかし、疑問に思っている間もなく…。
グラッ…
「わっ?!!!」
ウチの体は傾き、そのまま海へと落ちてしまった。
誰かに押されたような気が…。
「ぷはっ…!!!」
鼻にツンと水が入って痛い。それに目にも海水が染みて痛い。
水面にぷっかり顔を出すが、釣り場の上には誰もいない。
おかしいなぁ…、誰かに押されたと思ったのに…。
とりあえず上がろうと、釣り場に手を掛けた時…。
グイッ!
誰かに足を掴まれた。"水中"で。
「ゴボッ!!!」
息が出来ない!
ウチがもがけばもがく程、水中の何かはウチを海深くへと引きずり込もうとする。
ふと、その何かの力が弱まった。
呼吸的にも状況的にも危なかったウチは、急いで水面の方へと泳いだ。この時、はじめて水泳を習っておいて良かったと感じた。
お母さんありがとう。
「ガハッ!!」
ゼェゼェと肺が出してはいけない音を立てた。
あーあ、せっかく学園長に貰ったばかりの作業服が…。
ガッカリと肩を落としていると、デカい影がウチの上に掛かった。
「大丈夫ですか?」
ふと、上から聞いた事のある声がした。
声のする方を弾かれだように見上げると、長身の美形が…。
青緑色の髪に黒いメッシュ。
灰色と金色のオッドアイ。
左耳には青くキラキラと輝くピアス。
ジェイド•リーチ。
思わぬ人物の登場に、ウチは口をハクハクと動かした。
そんなウチにウツボ兄弟の多分マトモな方は、ニコニコと笑みを浮かべたまま言った。
「おやおや、そんな所で金魚になられては困ります。」
ニヤリと笑った口元には、ギザギザの歯がズラリ。ジェイドの言葉に何とか意識を現実に戻したウチ。
「そんな所にいては風邪をひいてしまいます。さぁ。」
そう手を差し出してくれる。
ん?何でこんな優しいんだ?
ウチの知ってるリーチ兄弟はこんなに人に優しい奴らじゃない。
大方、何かを企んでいる事は安易に想像出来た。
なんならウチを水の中に引きずり込んだのも、双子の仕業では?
しかし、ウチに選択権はない。
どっち道、助けて貰わないといけないからだ。
これでお金請求されたら…、そう思うと肝が冷えるがしょうがない。
「あ…ありがとうございます…。」
ウチがジェイドの手を取れば、軽々とウチを釣り場に引き揚げるジェイド。
体重は重い方のウチをこうも簡単に…。
べちゃりと服が体に張り付く感覚がなんとも気持ち悪いが、しょうがない。
「ありがとうございます…。」
体を起こし丁寧にお辞儀すると、ジェイドば「良いんですよ」と手を振った。
もしかして、本当に助けてくれただけ?
さっきは疑ってごめんなさい。
ウチは心の中で謝った。
「それにしても、この格好で学園に帰るわけにはいきませんね。」
「あ…」
確かに言う通りだ。
あの学園を水浸しにしてしまえば、それこそウチとグリムの仕事が増えてしまう。
「良ければご用意致しましょう。着いてきて下さい。」
ニコリとジェイドは、笑った。
な、なんて優しいんだ!
その笑顔にウチの警戒心は益々緩んで行くのだった。
「は、はい!」
歩き出すジェイドに、ウチは迷う事なく着いていく。後にこの選択を後悔する事も知らずに…。