第0章
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ウチが幽霊の場所を教え、グリムがそこを攻撃する。
気付けば幽霊たちは居なくなっていた。
「あ、あれ?勝っ……た?」
ぽつんと取り残されたウチとグリム。
幽霊は一匹もいない!
「わぁ!やったよ!!グリム!!!」
「ふ、ふな‟ぁ~こ、怖かった…じゃなくて
グ、グリム様にかかればチョロいんだゾ!」
互いを抱きしめ合いながら喜んでいると、オンボロ寮内に拍手の音が響いた。
また幽霊?
グリムとほぼ同時に後ろを振り向くと、そこには学園長の姿が。
「実にお見事でした!まさか、モンスターを従わせる人がいるなんて。」
学園長の言葉に異を唱えようとするグリムの口をすかさず塞いだ。
グリムが入ると変に誤解されそうだからだ。
「いえ、これはグリムの魔法がなかったら成し得なかったことです。」
ジタバタと暴れていたグリムが、ピタリと動きを止める。
大きな瞳がウチをじぃーっと見ていることを感じながら、更に言葉を続けた。
「あの!グリムを学園に通わせて貰えないでしょうか?ウチがちゃんと面倒をみます!」
まるで親にペットを強請る子供のような言い文句だが、変な言葉の駆け引きはあいにく得意ではない。
「オンボロ寮も…二人で綺麗にします!だから…!」
「オマエ…」
深く頭を下げる。
これで断られてしまえばどうすれば…?
不安が脳裏にチラついて離れない。
「……ふぅ……仕方ありませんね。いいでしょう」
「っ!」
学園長の言葉に勢いよく頭を上げる。
「あ、ありがとうございます!!」
「…や…やったんだゾ!!」
グリムと二人で大喜びしながらも、学園長にお礼を言った。
良かった。
これでグリムの大魔法士への道は手の届くところまで来たんだ!
「しかし」
ウチの手とグリムの肉球がハイタッチすると同時に学園長が和やかなムードをすっぱりと断ち切った。
「闇の鏡に選ばれなかった……しかもモンスターの入学を許可するわけにはいきません。」
あぁ、そういうことか。
学園長が何を言おうとしているのか分かるウチは、平然としていられる。
しかし、グリムは学園長の言葉に分かりやすく落ちこんだ。
「何だぁ、ぬか喜びだぞ」
「まあ、話は最後まで聞きなさい」
そんなグリムを学園長は嗜める。
「とりあえず、当面の宿についてはここを無料でご提供します。ですが、衣食住については自分で支払って頂かねばなりません!」
ドドンッと効果音が付きそうな程、はっきりと学園長がそう言った。
やはり金か…。
ここでグリムと共に「掃除係」として内定が決まるんだっけ。
しかし、ここでまたまたウチの予想は大きく外れる。
「ひとまず「雑用係」はいかがですか?
そうすれば特別に学内に滞在する事を許可してさし上げます。私、優しいので。」
「えぇ~!?そんなの嫌なんだゾ!
オレ様もあのカッケー制服着て生徒になりたいんだゾ!」
「不満なら結構。また外に放り出すだけです」
「ふな!?わ、分かった!やればいいだろ!」
ん?
「…ウチも掃除係ですよね?」
学園長の口から一度も「二人で」が出てこない。
いや、その表現を使わず言っているのかもしれない、そうだと信じたい。
「ナマエさんは働かなくていいんですよ。」
「えぇ…?」
学園長が何食わぬ顔で言った。
まるで当たり前のことのように言われ、思わず気の抜けたような変な声を出してしまった。
「で、でも、グリムの面倒見るって言った手前ですし…。ウチもやります、掃除係!!」
任せろとばかりに息巻くと、学園長は唸る。
「ですが…」
「大丈夫です!恩返しとして精一杯頑張りますから!」
じーっとグリムと二人で学園長を見上げる。
学園長はしばらく不服そうな顔をしていたが、とうとう折れてくてた。
「…いいでしょう…
では2人共、明日からナイトレイブンカレッジの雑用係として励むように!」
「やったー!!」
大喜びではしゃぐウチと反対に、グリムは未だ不満そうだ。
「そうでした!
ナマエさん、荷物を用意したので見ていただけますか?」
思い出したように学園長がパンッと手を叩いた。
荷物ってなんだろう?
別に荷物を持ってこの世界に来たわけじゃないのに。
学園長の言葉に首を傾げる。
二人と一匹でオンボロ寮の談話室に戻ると…
「な、なんですかコレ???!!!!!!」
先ほどまでゴミか古い家具しかなかった談話室に沢山の箱が…。
しかも、それの大きさは様々で、どれも綺麗にラッピングされたものばかり。
これが荷物…?
現物を見たことによって更に困惑してしまった。
「すげー量なんだゾ!!」
「…い、一応聞きますけど…、これ全部ウチへの物じゃないですよね?」
恐る恐る聞くが、学園長はまったくいつも通りのトーンで、
「何を言っているんですか?全部あなたへの私からの贈り物です。」
うわお。
驚きと申し訳なさで押しつぶされそうだった。
どうみても高そうだし、量も多いからだ。
しかもなんの関係もない他人に…。
「…こんなに沢山、本当にいいんですか?!!!」
迫る勢いで聞き返すが、学園長はサラッと肯定する。
あれぇ?学園長って金にがめついんじゃなかったっけ?
原作と今の差で狼狽えているウチを余所に、グリムが贈り物の包装をビリビリと破いた。
「一体何が入ってるんだゾ?」
「あ、こら!グリム!」
ウチのストップは遅く、グリムが破いた箱からは綺麗なワンピースが…。
ワンピース?
「普段着です。」
平然とした口調だった。
しかし、明らかに高そうなソレを手に取る勇気は今のウチにはなかった。
箱にきちんと納まっている綺麗なワンピース。
夜空を切り取って服にしたかのようなデザインでとてもかわいいのだが…。
「…いつか、お金は返します。」
深々と学園長に頭を下げた。
よし、一杯稼ごう。
ここで生活する上での目標ができた。
気付けば幽霊たちは居なくなっていた。
「あ、あれ?勝っ……た?」
ぽつんと取り残されたウチとグリム。
幽霊は一匹もいない!
「わぁ!やったよ!!グリム!!!」
「ふ、ふな‟ぁ~こ、怖かった…じゃなくて
グ、グリム様にかかればチョロいんだゾ!」
互いを抱きしめ合いながら喜んでいると、オンボロ寮内に拍手の音が響いた。
また幽霊?
グリムとほぼ同時に後ろを振り向くと、そこには学園長の姿が。
「実にお見事でした!まさか、モンスターを従わせる人がいるなんて。」
学園長の言葉に異を唱えようとするグリムの口をすかさず塞いだ。
グリムが入ると変に誤解されそうだからだ。
「いえ、これはグリムの魔法がなかったら成し得なかったことです。」
ジタバタと暴れていたグリムが、ピタリと動きを止める。
大きな瞳がウチをじぃーっと見ていることを感じながら、更に言葉を続けた。
「あの!グリムを学園に通わせて貰えないでしょうか?ウチがちゃんと面倒をみます!」
まるで親にペットを強請る子供のような言い文句だが、変な言葉の駆け引きはあいにく得意ではない。
「オンボロ寮も…二人で綺麗にします!だから…!」
「オマエ…」
深く頭を下げる。
これで断られてしまえばどうすれば…?
不安が脳裏にチラついて離れない。
「……ふぅ……仕方ありませんね。いいでしょう」
「っ!」
学園長の言葉に勢いよく頭を上げる。
「あ、ありがとうございます!!」
「…や…やったんだゾ!!」
グリムと二人で大喜びしながらも、学園長にお礼を言った。
良かった。
これでグリムの大魔法士への道は手の届くところまで来たんだ!
「しかし」
ウチの手とグリムの肉球がハイタッチすると同時に学園長が和やかなムードをすっぱりと断ち切った。
「闇の鏡に選ばれなかった……しかもモンスターの入学を許可するわけにはいきません。」
あぁ、そういうことか。
学園長が何を言おうとしているのか分かるウチは、平然としていられる。
しかし、グリムは学園長の言葉に分かりやすく落ちこんだ。
「何だぁ、ぬか喜びだぞ」
「まあ、話は最後まで聞きなさい」
そんなグリムを学園長は嗜める。
「とりあえず、当面の宿についてはここを無料でご提供します。ですが、衣食住については自分で支払って頂かねばなりません!」
ドドンッと効果音が付きそうな程、はっきりと学園長がそう言った。
やはり金か…。
ここでグリムと共に「掃除係」として内定が決まるんだっけ。
しかし、ここでまたまたウチの予想は大きく外れる。
「ひとまず「雑用係」はいかがですか?
そうすれば特別に学内に滞在する事を許可してさし上げます。私、優しいので。」
「えぇ~!?そんなの嫌なんだゾ!
オレ様もあのカッケー制服着て生徒になりたいんだゾ!」
「不満なら結構。また外に放り出すだけです」
「ふな!?わ、分かった!やればいいだろ!」
ん?
「…ウチも掃除係ですよね?」
学園長の口から一度も「二人で」が出てこない。
いや、その表現を使わず言っているのかもしれない、そうだと信じたい。
「ナマエさんは働かなくていいんですよ。」
「えぇ…?」
学園長が何食わぬ顔で言った。
まるで当たり前のことのように言われ、思わず気の抜けたような変な声を出してしまった。
「で、でも、グリムの面倒見るって言った手前ですし…。ウチもやります、掃除係!!」
任せろとばかりに息巻くと、学園長は唸る。
「ですが…」
「大丈夫です!恩返しとして精一杯頑張りますから!」
じーっとグリムと二人で学園長を見上げる。
学園長はしばらく不服そうな顔をしていたが、とうとう折れてくてた。
「…いいでしょう…
では2人共、明日からナイトレイブンカレッジの雑用係として励むように!」
「やったー!!」
大喜びではしゃぐウチと反対に、グリムは未だ不満そうだ。
「そうでした!
ナマエさん、荷物を用意したので見ていただけますか?」
思い出したように学園長がパンッと手を叩いた。
荷物ってなんだろう?
別に荷物を持ってこの世界に来たわけじゃないのに。
学園長の言葉に首を傾げる。
二人と一匹でオンボロ寮の談話室に戻ると…
「な、なんですかコレ???!!!!!!」
先ほどまでゴミか古い家具しかなかった談話室に沢山の箱が…。
しかも、それの大きさは様々で、どれも綺麗にラッピングされたものばかり。
これが荷物…?
現物を見たことによって更に困惑してしまった。
「すげー量なんだゾ!!」
「…い、一応聞きますけど…、これ全部ウチへの物じゃないですよね?」
恐る恐る聞くが、学園長はまったくいつも通りのトーンで、
「何を言っているんですか?全部あなたへの私からの贈り物です。」
うわお。
驚きと申し訳なさで押しつぶされそうだった。
どうみても高そうだし、量も多いからだ。
しかもなんの関係もない他人に…。
「…こんなに沢山、本当にいいんですか?!!!」
迫る勢いで聞き返すが、学園長はサラッと肯定する。
あれぇ?学園長って金にがめついんじゃなかったっけ?
原作と今の差で狼狽えているウチを余所に、グリムが贈り物の包装をビリビリと破いた。
「一体何が入ってるんだゾ?」
「あ、こら!グリム!」
ウチのストップは遅く、グリムが破いた箱からは綺麗なワンピースが…。
ワンピース?
「普段着です。」
平然とした口調だった。
しかし、明らかに高そうなソレを手に取る勇気は今のウチにはなかった。
箱にきちんと納まっている綺麗なワンピース。
夜空を切り取って服にしたかのようなデザインでとてもかわいいのだが…。
「…いつか、お金は返します。」
深々と学園長に頭を下げた。
よし、一杯稼ごう。
ここで生活する上での目標ができた。