season1
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『ジマー!』
俺が空に向かってそう呼べば、一羽の鴉がやってきた。
その鴉、もといジマーは俺の相棒。
頭脳明細で探し物を見つけるのが得意な、飼い主より賢い憎らしい奴。
ジマーにノエルを探して貰おう。
『ノエルを探して』
そういえばコクリと頷いて夕焼け空に羽ばたくジマー。
しかし、すぐ見つかったのか、戻ってきたジマーに道案内を頼み、俺も走り出す。
「カァカァ!」
何かいたのか、ジマーは威嚇し始めた。
俺は建物の影に隠れ、奥の様子を伺った。
赤く色付いた街並み。
海の見える所にいる2人の男女。
一見ロマンチックな景色だが、そこにいたのは…
ノエルと、バロウズ市長の姿。
嫌な予感がする。
冷や汗が嫌に気持ち悪い。
二人の会話を探ろうと、耳に全神経を集中させた。
「だってわたくしは、常に、いつも…一番でなければならないんですもの……。
……そうやって…生きてきたんですもの…」
ノエルの悲痛な声が聞こえる。
今にも泣いてしまいそうなその声に、動きそうになる足を懸命に抑えた。
「…そうか。」
バロウズが相槌を打つと、ノエルはクルリとバロウズから背を向けた。
「……失礼しますわ…」
ヤバい!ノエルが来る!
あまりにも自分の方に真っ直ぐ向かって来そうになるノエル。
別に見つかって何かあるのかと言われれば無いだろうが…。
聞き耳を立てていたとノエルにバレれば嫌われてしまうかもしれない!
急いで離れようと足に力を入れた時だった。
「もしも、本当に諦めきれないのならば。」
「……え?」
バロウズの言葉にノエルと俺はピタリと足を止めた。
「今年の式典奏者の座を心の底から欲しいと思うのならば…
何が何でもジリアン君の先を歩みたいのならば……。」
バロウズが不気味な笑みを浮かべる。
「……今夜午前二時。一人で港のそばの廃ビルに来るといい。」
「………?い、いったいどう言うことですの?」
バロウズ…、何を考えているんだ…?
バロウズの腹の中に黒い物がある事は分かっていた。
しかしその黒い物の正体までは俺には分からない。
だからこそ嫌な予感がして仕方がない。
頭の中で警告音が止まらない。
「実は今年のコンクールでは、とある理由でその順位に大きな変更があったんだが……
……いや、ここから先は、キミが来れたら教えてあげよう。
本当に知りたいかどうか、ひとりでよく考えてみてくれたまえ。」
バロウズは先行くノエルを追い越し、続ける。
「だが、ひょっとしたら…今夜キミの人生が大きく変わるかもしれないよ。」
「わたくしの…人生が」
そうして押し黙るノエルを置いて、バロウズは姿を消した。
暫くバロウズの言葉に驚いて固まっていたノエルが俺の方へと歩き出す。
ササッ
反射的にすぐに俺は物陰へと隠れる…。
本当はここで止めるべきだったのに…。
コツコツとヒールを鳴らしてノエルが会場の方へと戻って行った。
その背中を見ながら、俺は決心した。
『今夜午前二時…港のそばの廃ビル…』
俺がノエルを守ることを。
行こう。
廃ビルに。
そう思い立ったが吉日。
早速廃ビルに移動!
そう思って足を踏み出した、その時…。
グイッ
『っは…?!』
その瞬間、誰かに手を掴まれた。
「おやおや、盗み聞きとは…」
それは先ほど去ったはずのバロウズ市長、本人であった。
掴まれた手に力が入った。
最悪だ。よりによってコイツに見つかるなんて。
ギリリと奥歯を噛みしめる。
バロウズは表情のない、冷酷な顔つきのまま俺を見つめる。
そして俺のフードを無理矢理取った。
『ッ』
「…⁉…」
フード越しではない、直接バロウズと目が合った。
「 …………ほぉ……ナマエ・レビール、君か…
ノエル君を追い掛けて来てこうなったと………」
そう言いながら不気味な笑みを浮かべるバロウズ。
グイッと腕を引かれ、バロウズの近くへと手繰り寄せられる。
しかし、そうはいかない。
両足で何とか踏ん張って耐える。
『離せっ!!』
バサッ
俺がそう叫んだと同時にジマーが羽を広げ、バロウズ市長の前を邪魔する。
バロウズの手の力が緩んだ隙に、俺は逃げ出した。
ジマーありがとう!
バサバサと羽音を立てる相棒に心の中で礼を言う。
「クソッ!なんだコイツは!」
バロウズの怒号が後ろから聞こえる。
しかし、ジマーは他のカラスとは違う。
だから大丈夫だろう。
そのまま走り続け、俺の裏路地 に入る。
暫く裏路地で警戒しながら歩いていると、ジマーが空から降りてきた。
『おかえり…。
ありがとうね、ジマー』
「かぁかぁ」
俺の腕に乗り、ジマーは誇らしげに一鳴き。
よし…二時まで待つとするか…。
ジマーと共に裏路地の奥へと入る。
頭の中でサイレンはなりっぱなしだ。
俺が空に向かってそう呼べば、一羽の鴉がやってきた。
その鴉、もといジマーは俺の相棒。
頭脳明細で探し物を見つけるのが得意な、飼い主より賢い憎らしい奴。
ジマーにノエルを探して貰おう。
『ノエルを探して』
そういえばコクリと頷いて夕焼け空に羽ばたくジマー。
しかし、すぐ見つかったのか、戻ってきたジマーに道案内を頼み、俺も走り出す。
「カァカァ!」
何かいたのか、ジマーは威嚇し始めた。
俺は建物の影に隠れ、奥の様子を伺った。
赤く色付いた街並み。
海の見える所にいる2人の男女。
一見ロマンチックな景色だが、そこにいたのは…
ノエルと、バロウズ市長の姿。
嫌な予感がする。
冷や汗が嫌に気持ち悪い。
二人の会話を探ろうと、耳に全神経を集中させた。
「だってわたくしは、常に、いつも…一番でなければならないんですもの……。
……そうやって…生きてきたんですもの…」
ノエルの悲痛な声が聞こえる。
今にも泣いてしまいそうなその声に、動きそうになる足を懸命に抑えた。
「…そうか。」
バロウズが相槌を打つと、ノエルはクルリとバロウズから背を向けた。
「……失礼しますわ…」
ヤバい!ノエルが来る!
あまりにも自分の方に真っ直ぐ向かって来そうになるノエル。
別に見つかって何かあるのかと言われれば無いだろうが…。
聞き耳を立てていたとノエルにバレれば嫌われてしまうかもしれない!
急いで離れようと足に力を入れた時だった。
「もしも、本当に諦めきれないのならば。」
「……え?」
バロウズの言葉にノエルと俺はピタリと足を止めた。
「今年の式典奏者の座を心の底から欲しいと思うのならば…
何が何でもジリアン君の先を歩みたいのならば……。」
バロウズが不気味な笑みを浮かべる。
「……今夜午前二時。一人で港のそばの廃ビルに来るといい。」
「………?い、いったいどう言うことですの?」
バロウズ…、何を考えているんだ…?
バロウズの腹の中に黒い物がある事は分かっていた。
しかしその黒い物の正体までは俺には分からない。
だからこそ嫌な予感がして仕方がない。
頭の中で警告音が止まらない。
「実は今年のコンクールでは、とある理由でその順位に大きな変更があったんだが……
……いや、ここから先は、キミが来れたら教えてあげよう。
本当に知りたいかどうか、ひとりでよく考えてみてくれたまえ。」
バロウズは先行くノエルを追い越し、続ける。
「だが、ひょっとしたら…今夜キミの人生が大きく変わるかもしれないよ。」
「わたくしの…人生が」
そうして押し黙るノエルを置いて、バロウズは姿を消した。
暫くバロウズの言葉に驚いて固まっていたノエルが俺の方へと歩き出す。
ササッ
反射的にすぐに俺は物陰へと隠れる…。
本当はここで止めるべきだったのに…。
コツコツとヒールを鳴らしてノエルが会場の方へと戻って行った。
その背中を見ながら、俺は決心した。
『今夜午前二時…港のそばの廃ビル…』
俺がノエルを守ることを。
行こう。
廃ビルに。
そう思い立ったが吉日。
早速廃ビルに移動!
そう思って足を踏み出した、その時…。
グイッ
『っは…?!』
その瞬間、誰かに手を掴まれた。
「おやおや、盗み聞きとは…」
それは先ほど去ったはずのバロウズ市長、本人であった。
掴まれた手に力が入った。
最悪だ。よりによってコイツに見つかるなんて。
ギリリと奥歯を噛みしめる。
バロウズは表情のない、冷酷な顔つきのまま俺を見つめる。
そして俺のフードを無理矢理取った。
『ッ』
「…⁉…」
フード越しではない、直接バロウズと目が合った。
「 …………ほぉ……ナマエ・レビール、君か…
ノエル君を追い掛けて来てこうなったと………」
そう言いながら不気味な笑みを浮かべるバロウズ。
グイッと腕を引かれ、バロウズの近くへと手繰り寄せられる。
しかし、そうはいかない。
両足で何とか踏ん張って耐える。
『離せっ!!』
バサッ
俺がそう叫んだと同時にジマーが羽を広げ、バロウズ市長の前を邪魔する。
バロウズの手の力が緩んだ隙に、俺は逃げ出した。
ジマーありがとう!
バサバサと羽音を立てる相棒に心の中で礼を言う。
「クソッ!なんだコイツは!」
バロウズの怒号が後ろから聞こえる。
しかし、ジマーは他のカラスとは違う。
だから大丈夫だろう。
そのまま走り続け、俺の
暫く裏路地で警戒しながら歩いていると、ジマーが空から降りてきた。
『おかえり…。
ありがとうね、ジマー』
「かぁかぁ」
俺の腕に乗り、ジマーは誇らしげに一鳴き。
よし…二時まで待つとするか…。
ジマーと共に裏路地の奥へと入る。
頭の中でサイレンはなりっぱなしだ。