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水晶の森5

私は男子が怖くてたまらない

あ、違った。正確には昔ね……ちょっと怖い目に遭ったんだ
その時の男性だけだけどね
思い出そうとすると、ガタガタ震えてしまい涙が出てくる

…私は……汚れているんだ…
いくら体を洗っても消えることはない
もう怖い目に遭いたくない
化粧もしない可愛いと思われるような服も着ない
髪もボサボサにして作業服を身にまとう
少しでも性欲対象から外れるように…
まずは見た目を変えていった




少し昔を思い出してブルブル震えていたら、私のボサボサ髪をなでてくれる森山くん。後ろから抱きしめられた状態で少し力が強めで痛い。
「……森山くん、ちょっと痛いよ…」
「…!すみません…結先輩」
力は緩めてくれたけど離してくれない。
さっきかずっとこんな状態だ

「森山くん、今日はちょっと長いよ(笑)そろそろ加工したいんだけど」
「…そんな状態じゃ危ないです。……震えてる」
「………」
森山くんが向きを変えて私を立ち上がらせて正面から抱きしめてくる。
少しして頬に触れられた
「…俺が怖いですか?」
緊張しているのだろう。精一杯の微笑みを浮かべる森山くん
「……怖くないよ。もう大丈夫だから…」
「……分かりました」

森山くんに抱きしめられると安心する。
腕が離されるとポカンと一気に涼しくなって少し物足りない。

「今日はもう帰りましょう。送っていきます」
「先に帰ってて大丈夫だよ。まだやり残した仕……」

森山くんとの唇の距離、約10㎝
「一緒に帰らないとキス、しちゃいますよ(笑)」

笑っているが瞳が真剣だ。仕方がない。今日は止めておこう。

「わかった。帰るよ」
「え?即答ですか(涙)もうちょっと、あの……結先輩っ」

拗ねている森山くんの髪をなでながら、二人で加工室を後にした。








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