取り合いシリーズ

一般ヒロインシリーズ
(雲雀VS骸)



「ですから、僕が彼女と2人きりで乗ります!!」

「誰がいつそんな身勝手な行為を許可したっていうの?」

『あ、あの…』

「コーヒーカップや1列4人の絶叫系はいいとして、観覧車だけは譲れません!!」

「…だからこんな群れるトコは反対だったんだよ。」

『ご、ごめんなさい雲雀さん…』

「別に君のせいじゃないよ、僕の怒りの対象は紛れも無くこの男だから。」

「おやおや、これは怖いですねぇ…」

「君、その台詞好きだよね。」

「クフフ……どんなに話が逸れようとも、僕は必ず彼女と2人で観覧車に乗ってみせます!」

「そんな勝手な事したら、問答無用で咬み殺す。」

『あのっ、どうか喧嘩は…』

「大丈夫だよ、ただの制裁だから。」

『(それが怖いのに…!)』


「彼女だって観覧車に乗りたいハズです!そうですよね?」

『は、はいまぁ……乗りたいです…』

「誰も君と、とは言ってないよね。」

「そこは照れくさくて省略してしまったんですよ、彼女は恥ずかしがり屋ですからね。」

「妄想は控えた方が良いよ。」

「本当だったらどうします…?僕と2人で乗りたい、しかし恥ずかしくて言えない……そんな状態だとしたら!!」

「……どうなの。」

『えっ…!?』

「素直に答えて良いよ、とりあえず聞くから。」

『えと…』


「僕と2人がいいですよね!?」
「黙っててくれる?」

『あのっ……雲雀さんは、観覧車嫌いですか!?』

「…嫌いじゃないよ。」

『じゃあ、その……お2人と1回ずつ、乗ってもいいですか?』


「おやおや、これは意外ですね。」
「僕は構わないよ。」

『あ、ありがとうございますっ…!!』

「では、僕が先に2人で乗りますね♪」

「…いいけど。」

「さぁ行きましょう。」

『きゃっ…骸さんっ…!』




引き分け…?



観覧車の中にて、
(実は、ですね……骸さんと2人で乗りたかったんです…)
(本当ですか!?クフフ、それは嬉しいです♪)
(でもあの、雲雀さんもいい人なので……その…、)
(君のその優しいところ、好きですよ)
(む、骸さんっ…!)






訂正。

勝者、骸



(雲雀君が知ったら掴み掛かって来そうですね)
(えっ…!)
(大丈夫ですよ、僕だけ殴ろうとするでしょうから)
(そ、それも嫌です…!!)


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