100万打記念(旧サイト)
「ただいま、」
『おかえり………あっ!』
駆け寄って、確認する。
まただ、またこんな酷い怪我して。
『待ってて、薬と包帯…』
「必要無いよ。」
そう言って、何ともないように着替えに行ってしまう。
着流しの方が楽だから、とか言うけれど、
あたしにとっては逆で。
スーツの時に見えない傷も見えてしまって、苦しさが増すばかり。
ねぇ、毎日何処でどんな戦いをしてるの?
私に出来ることは本当に何もないの?
「ねぇ、4日後のフライトのチケット……」
『えっ?あ、うん!取っておいたよ、はいっ。』
戦闘力が無い私には、サポート中心のデスクワークしか出来なくて。
こうして帰ってくる恭弥を、心配することも許されない。
だって恭弥はいつも「大丈夫」って言うから。
大丈夫じゃないハズなのに、私に優しく微笑むから。
「…どうかした?」
『恭弥っ………私…!』
急に怖くなって、私は恭弥の胸に顔を埋めた。
震えを止められない私の身体を、恭弥はいつものように優しく抱きしめる。
まるで子供をあやす様に髪を撫で、尋ねた。
「怖いの?」
大きく頷く。
私は、私の知らない所で恭弥がいなくなってしまいそうで怖いんだ。
「何ともないよ」って微笑んだその姿が最期になってしまいそうで、いつも送り出すのが嫌なんだ。
『…あのね、』
「うん、」
『また、ちゃんと帰ってきてね。』
「うん。」
『今度ハンバーグ作るから。』
「うん、」
『その次はお寿司食べに行く。』
「いいね。」
私がもっともっと強ければ、恭弥の隣で戦えたのかな?
一緒に現場に行って、恭弥を助けることも出来たのかな?
恭弥だけじゃない。
一緒の中学だったツナ君や獄寺君、山本君に笹川先輩も。
危ないことばっかりで、それなのに皆揃って「大丈夫」って。
「……ごめん。」
『へっ…?』
「けど君がココにいなきゃ、僕が帰ってくるトコ、無いでしょ。」
涙が、溢れた。
あぁきっと、こーゆートコが私の弱いトコなんだな…。
これじゃあいつまで経っても、一緒に戦えるワケないや。
『恭弥っ……』
また、4日後には私のいる場所から発ってしまうんだね。
今度はいつ、会えるんだろう。
「大丈夫。」
それが私の一番嫌いな言葉と知りながら、貴方は何度もそう言うんだ。
8人目の守護者になれたなら
貴方の傷を少しでも、減らせたのかもと悔やむばかり
fin.
『おかえり………あっ!』
駆け寄って、確認する。
まただ、またこんな酷い怪我して。
『待ってて、薬と包帯…』
「必要無いよ。」
そう言って、何ともないように着替えに行ってしまう。
着流しの方が楽だから、とか言うけれど、
あたしにとっては逆で。
スーツの時に見えない傷も見えてしまって、苦しさが増すばかり。
ねぇ、毎日何処でどんな戦いをしてるの?
私に出来ることは本当に何もないの?
「ねぇ、4日後のフライトのチケット……」
『えっ?あ、うん!取っておいたよ、はいっ。』
戦闘力が無い私には、サポート中心のデスクワークしか出来なくて。
こうして帰ってくる恭弥を、心配することも許されない。
だって恭弥はいつも「大丈夫」って言うから。
大丈夫じゃないハズなのに、私に優しく微笑むから。
「…どうかした?」
『恭弥っ………私…!』
急に怖くなって、私は恭弥の胸に顔を埋めた。
震えを止められない私の身体を、恭弥はいつものように優しく抱きしめる。
まるで子供をあやす様に髪を撫で、尋ねた。
「怖いの?」
大きく頷く。
私は、私の知らない所で恭弥がいなくなってしまいそうで怖いんだ。
「何ともないよ」って微笑んだその姿が最期になってしまいそうで、いつも送り出すのが嫌なんだ。
『…あのね、』
「うん、」
『また、ちゃんと帰ってきてね。』
「うん。」
『今度ハンバーグ作るから。』
「うん、」
『その次はお寿司食べに行く。』
「いいね。」
私がもっともっと強ければ、恭弥の隣で戦えたのかな?
一緒に現場に行って、恭弥を助けることも出来たのかな?
恭弥だけじゃない。
一緒の中学だったツナ君や獄寺君、山本君に笹川先輩も。
危ないことばっかりで、それなのに皆揃って「大丈夫」って。
「……ごめん。」
『へっ…?』
「けど君がココにいなきゃ、僕が帰ってくるトコ、無いでしょ。」
涙が、溢れた。
あぁきっと、こーゆートコが私の弱いトコなんだな…。
これじゃあいつまで経っても、一緒に戦えるワケないや。
『恭弥っ……』
また、4日後には私のいる場所から発ってしまうんだね。
今度はいつ、会えるんだろう。
「大丈夫。」
それが私の一番嫌いな言葉と知りながら、貴方は何度もそう言うんだ。
8人目の守護者になれたなら
貴方の傷を少しでも、減らせたのかもと悔やむばかり
fin.