🎼本編
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パンパーン!!
『へ…?』
軽い爆発音にビビって、気づいたら髪の毛に細い紙テープが引っかかっていた。
「お帰りなさい!柚子殿!」
「極限に頑張ったそうだな!良くやったぞ!!」
『バジルさん…了平さん……』
「ったく……人が折角音合わせ手伝ったってのに、2等とはな…」
『す、すみません獄寺さん……』
「充分凄いじゃないですか!!ねっ、イーピンちゃん♪」
「はい!おめでとうございます柚子さん!」
『ハルさん…イーピンちゃん……』
「柚子、キレーな箱持ってるもんね!ランボさんも!」
「こーら、ダメだよランボ。あ、おめでとう柚子姉!僕も聞きたかったなぁ、本選の演奏。」
『ランボ君…フゥ太君……』
皆さんが、クラッカーを持ってあたしを迎えてくれていた。
どうしよう…嬉しいっ……
泣きそうになるあたしの前に、ランボ君がタタタッと出て来る。
「柚子!ランボさんもそのキンピカな四角いの持ちたい!!」
『えっ?あ、この盾……重いけど、大丈夫?』
「大丈夫だもんね!!」
『じゃあ…はい、気をつけて。』
しゃがんでからランボ君に盾を渡す。
重いから転ばないといいけど……
「ガハハハ………ぐぴゃっ!!」
『ランボ君っ!?』
「お…も…い…」
持たせた瞬間、やっぱり重かったのかランボ君は後ろによろけ始めた。
皆が駆け寄ろうとするけど、ランボ君の足が何処に進むか分からず、あたふたする。
「ランボ、僕に盾を渡して!」
「ヤダ…もんねっ…!」
フゥ太君の差し出す手から、ランボ君は遠ざかる。
そんなに気に入ったのかな…その盾。
「ぐぴゃぁぁぁあ~~~!!」
「ら、ランボちゃんっ!!」
フラフラしていたランボ君は、ついに回り始めてしまった。
さすがにアレは危ない…!
どーしよ…あたしが盾を持たせちゃったから………
「ストップ。」
『あ…』
焦り始めたあたし達の前で、廊下の向こうからやってきた人が、ランボ君から盾を取り上げた。
「10代目!!」
『ツナさん…』
「ツナぁ……目、グルグル…だもんね~…」
「ったく、勝手に回ったからだろ?」
フゥ太君にランボ君のことを頼んだツナさんは、あたしの前まで歩いて来て。
「ほら、柚子。おめでとう。」
時々見せてくれる微笑と共に、盾を差し出した。
いつも通りだ…
最近素っ気なかったクセに……
『ありがとう、ございますっ…』
泣きそう…
苦しいのもある。
嬉しいのもある。
ごちゃごちゃし過ぎて、本当に泣きそう。
ツナさんから盾を受け取ったあたしは、そのまま俯いた。
やっぱり、まだ顔がまともに見れない。
そしたらツナさん、あたしの手を掴んで。
「リボーン、先に皆と大広間行って貰っていいか?」
「…しょーがねーな。15分超えたら撃つぞ。」
「分かった。」
『えっ、ちょっ…ツナさん!!?』
リボーンさんが承諾した瞬間、ツナさんはあたしの手を引いてスタスタ歩きだす。
荷物を骸さんに預けてしまってたあたしは、盾だけ抱える片腕に力を込める。
何処、行くんだろ…
この奥って、ツナさんの書斎?
『って……わわっ!』
ツナさんの早歩きに、ついにあたしの足はもつれた。
重い盾を持ってることもあって、重力にひっぱられる。
「柚子っ…!」
ボスッ、
『(あ……)』
痛く、ない。
床にぶつかるハズのあたしの身体は、ツナさんの腕の中に収められていた。
久々の感触に、恥ずかしさと嬉しさが入り乱れる。
「まったく、危なっかしいな…柚子は……」
頭の上から降って来た台詞は、初めて7号館に来た時と同じで。
やっぱり、ツナさんは出会った時から変わってない。
意識したせいでおかしくなったのは、あたしだけ。
そう思った瞬間、視界が滲んだ。
『ひぐっ…』
「柚子?」
何で、好きになっちゃったんだろう。
何で、ツナさんに出会ったんだろう。
何で、家政婦始めちゃったんだろう。
あたしとツナさんは、身分違いなのに。
絶対に交わらない2本の線が、少し近づいた……
それだけなのに。
思いつめるあたしは、髪を撫でられているのに気づいた。
「いつもみたいに、暴れないのか?」
『えっ…?』
「ま、俺としてはそれでもいーけど。」
得意気な口調に、あたしは数秒ポカンとした。
この、横暴ボスはっ…!!
人が真剣に悩んでるのに、何よその台詞!!
『じゃあ離して下さいっ!!』
「無理。だって柚子、このままでもいーんだろ?」
『なっ…何言ってるんですか!!///前々から言ってますけど、そーゆー発言は…』
「お前にしか、言わないよ。」
『へ…?』
今、ツナさん、何て…?
思いがけずフリーズするあたしを、ツナさんは抱きしめ直した。
「ちゃんと言わなくて、ごめんな。それと、気付けなくてごめん。」
『ツナさん…?』
「俺には、柚子が必要なんだ。だから絶対手放さない。」
そこでツナさんは腕を解いて、半分放心状態のあたしと目を合わせる。
「柚子が逃げても、捕まえてやるから。」
言った後に見せられたのは、いつもの腹黒スマイル……
バカだ、あたし。
いつもならココは怯えるトコなのに、
『………さんの、』
「ん?」
『ツナさんのバカぁっ!!』
「なっ…!」
あたし、いつからこんなに泣き虫になったのかな?
今日だけで、もう2回目だよ。
『横暴っ!腹黒っ!演技派っ……!』
「おい柚子、」
『自分勝手っ………プレイボーイっ……』
ぶにっ、
『ふぎゅっ…!』
言いたい事を全部言ってたら、ツナさんに両頬を潰された。
「いい度胸だな、柚子。」
『らって!!』
(だって!!)
涙流しっぱなしのあたしは、喋りやすいようにツナさんの手を片っぽ掴んだ。
ツナさんも、あたしが喋りたいのが分かったようで頬を潰してる力を弱める。
「だって、何だよ。」
『ツナさんっ、今日……来てくれなかったんですもんっ…!!』
目の前にいるのに、ツナさんの表情がハッキリ見えない。
激しさを増した涙は、滝のよう。
『ツナさんがっ……来てくれなかったせいですっ!!』
「柚子…」
控室で、貴方を呼んだ。
演奏中にも、貴方を想った。
あたしは……
貴方が考えてるよりもずっと、一緒に居たいと願ってるのに。
『金賞逃したのっ…ツナさんのせいなんですからぁーっ……』
盾を両腕で抱え込んで、思い切り訴えた。
お母さんやリボーンさん達が居たとは言え、演奏中のあたしの心はアウェー状態だったんだもの。
寂しくて、怖かった。
足も指も唇も、全部震えた。
あたし、頑張ったんですよ?
子供みたいに、うわんうわん泣いてしまった。
だけどツナさんは少し眉を下げただけで、ハンカチを取り出す。
「ホントに…ごめんな、柚子。」
『ひぐっ…』
優しく優しく、溢れる涙を拭ってくれた。
涙が止まり始めると、またゆっくりと抱きしめてくれた。
あったかい。
優しい。
柔らかくて、力強い。
あたしは……この感触が、この場所が、大好きなんだ。
「俺さ、7号館に引きこんだことが柚子を苦しめてるんだって、思ってた。」
『ち、違います!あたしっ…』
「うん、もう分かってる。だから、パーティーの後に全部話そう。」
『え?』
きょとんとするあたしに、ツナさんは腕時計を見せる。
「14分35秒……リボーンに撃たれるまであと25秒。」
『たっ、たたた大変です!!急ぎましょうっ!!』
「走るとコケるぞ……って、おい!」
『ぎゃっ…!』
急激に方向転換をして走りだしたあたしは、ヒールだという事を忘れていた。
でもって、4歩目で見事につまづく。
ガシッ、
「…だから言ったろ。」
『あ、はい……ごめんなさい……ありがとう、ございます…///』
危機一髪であたしを支えてくれたツナさんは、そのまま手を繋ぐ。
これならコケないから、と。
繋がれたその手を見て少し安心する。
と、ツナさんが急に意地悪口調になった。
「ほんっと、柚子はドジだよなー。」
『うっ…ドジですみませんでした!』
「拗ねんなって、可愛いけど。」
『で、ですからそーゆー発言は控えめにして下さい!!』
「可愛いモノを可愛いっつって、何が悪いんだよ。」
こ、この人は~~~~っ!!///
反論しようとしたちょうどその時、大広間に着いてしまった。
少し不服だったけど、お祝いモードな皆さんの雰囲気に圧倒される。
「じゃあ改めて、銀賞おめでとう、柚子。」
『はいっ!ありがとうございますっ♪』
ツナさんから聞くべき話、
伝えるべきあたしの気持ち、
未解決なことはまだ残ってたけど……でも、
いつもの空気が戻って来た。
前みたいに、笑顔になれる。
そのことがただ、嬉しかった。
ハレルヤ
クラッカーの音すら、まるで全てを讃えた歌みたいで
continue...
『へ…?』
軽い爆発音にビビって、気づいたら髪の毛に細い紙テープが引っかかっていた。
「お帰りなさい!柚子殿!」
「極限に頑張ったそうだな!良くやったぞ!!」
『バジルさん…了平さん……』
「ったく……人が折角音合わせ手伝ったってのに、2等とはな…」
『す、すみません獄寺さん……』
「充分凄いじゃないですか!!ねっ、イーピンちゃん♪」
「はい!おめでとうございます柚子さん!」
『ハルさん…イーピンちゃん……』
「柚子、キレーな箱持ってるもんね!ランボさんも!」
「こーら、ダメだよランボ。あ、おめでとう柚子姉!僕も聞きたかったなぁ、本選の演奏。」
『ランボ君…フゥ太君……』
皆さんが、クラッカーを持ってあたしを迎えてくれていた。
どうしよう…嬉しいっ……
泣きそうになるあたしの前に、ランボ君がタタタッと出て来る。
「柚子!ランボさんもそのキンピカな四角いの持ちたい!!」
『えっ?あ、この盾……重いけど、大丈夫?』
「大丈夫だもんね!!」
『じゃあ…はい、気をつけて。』
しゃがんでからランボ君に盾を渡す。
重いから転ばないといいけど……
「ガハハハ………ぐぴゃっ!!」
『ランボ君っ!?』
「お…も…い…」
持たせた瞬間、やっぱり重かったのかランボ君は後ろによろけ始めた。
皆が駆け寄ろうとするけど、ランボ君の足が何処に進むか分からず、あたふたする。
「ランボ、僕に盾を渡して!」
「ヤダ…もんねっ…!」
フゥ太君の差し出す手から、ランボ君は遠ざかる。
そんなに気に入ったのかな…その盾。
「ぐぴゃぁぁぁあ~~~!!」
「ら、ランボちゃんっ!!」
フラフラしていたランボ君は、ついに回り始めてしまった。
さすがにアレは危ない…!
どーしよ…あたしが盾を持たせちゃったから………
「ストップ。」
『あ…』
焦り始めたあたし達の前で、廊下の向こうからやってきた人が、ランボ君から盾を取り上げた。
「10代目!!」
『ツナさん…』
「ツナぁ……目、グルグル…だもんね~…」
「ったく、勝手に回ったからだろ?」
フゥ太君にランボ君のことを頼んだツナさんは、あたしの前まで歩いて来て。
「ほら、柚子。おめでとう。」
時々見せてくれる微笑と共に、盾を差し出した。
いつも通りだ…
最近素っ気なかったクセに……
『ありがとう、ございますっ…』
泣きそう…
苦しいのもある。
嬉しいのもある。
ごちゃごちゃし過ぎて、本当に泣きそう。
ツナさんから盾を受け取ったあたしは、そのまま俯いた。
やっぱり、まだ顔がまともに見れない。
そしたらツナさん、あたしの手を掴んで。
「リボーン、先に皆と大広間行って貰っていいか?」
「…しょーがねーな。15分超えたら撃つぞ。」
「分かった。」
『えっ、ちょっ…ツナさん!!?』
リボーンさんが承諾した瞬間、ツナさんはあたしの手を引いてスタスタ歩きだす。
荷物を骸さんに預けてしまってたあたしは、盾だけ抱える片腕に力を込める。
何処、行くんだろ…
この奥って、ツナさんの書斎?
『って……わわっ!』
ツナさんの早歩きに、ついにあたしの足はもつれた。
重い盾を持ってることもあって、重力にひっぱられる。
「柚子っ…!」
ボスッ、
『(あ……)』
痛く、ない。
床にぶつかるハズのあたしの身体は、ツナさんの腕の中に収められていた。
久々の感触に、恥ずかしさと嬉しさが入り乱れる。
「まったく、危なっかしいな…柚子は……」
頭の上から降って来た台詞は、初めて7号館に来た時と同じで。
やっぱり、ツナさんは出会った時から変わってない。
意識したせいでおかしくなったのは、あたしだけ。
そう思った瞬間、視界が滲んだ。
『ひぐっ…』
「柚子?」
何で、好きになっちゃったんだろう。
何で、ツナさんに出会ったんだろう。
何で、家政婦始めちゃったんだろう。
あたしとツナさんは、身分違いなのに。
絶対に交わらない2本の線が、少し近づいた……
それだけなのに。
思いつめるあたしは、髪を撫でられているのに気づいた。
「いつもみたいに、暴れないのか?」
『えっ…?』
「ま、俺としてはそれでもいーけど。」
得意気な口調に、あたしは数秒ポカンとした。
この、横暴ボスはっ…!!
人が真剣に悩んでるのに、何よその台詞!!
『じゃあ離して下さいっ!!』
「無理。だって柚子、このままでもいーんだろ?」
『なっ…何言ってるんですか!!///前々から言ってますけど、そーゆー発言は…』
「お前にしか、言わないよ。」
『へ…?』
今、ツナさん、何て…?
思いがけずフリーズするあたしを、ツナさんは抱きしめ直した。
「ちゃんと言わなくて、ごめんな。それと、気付けなくてごめん。」
『ツナさん…?』
「俺には、柚子が必要なんだ。だから絶対手放さない。」
そこでツナさんは腕を解いて、半分放心状態のあたしと目を合わせる。
「柚子が逃げても、捕まえてやるから。」
言った後に見せられたのは、いつもの腹黒スマイル……
バカだ、あたし。
いつもならココは怯えるトコなのに、
『………さんの、』
「ん?」
『ツナさんのバカぁっ!!』
「なっ…!」
あたし、いつからこんなに泣き虫になったのかな?
今日だけで、もう2回目だよ。
『横暴っ!腹黒っ!演技派っ……!』
「おい柚子、」
『自分勝手っ………プレイボーイっ……』
ぶにっ、
『ふぎゅっ…!』
言いたい事を全部言ってたら、ツナさんに両頬を潰された。
「いい度胸だな、柚子。」
『らって!!』
(だって!!)
涙流しっぱなしのあたしは、喋りやすいようにツナさんの手を片っぽ掴んだ。
ツナさんも、あたしが喋りたいのが分かったようで頬を潰してる力を弱める。
「だって、何だよ。」
『ツナさんっ、今日……来てくれなかったんですもんっ…!!』
目の前にいるのに、ツナさんの表情がハッキリ見えない。
激しさを増した涙は、滝のよう。
『ツナさんがっ……来てくれなかったせいですっ!!』
「柚子…」
控室で、貴方を呼んだ。
演奏中にも、貴方を想った。
あたしは……
貴方が考えてるよりもずっと、一緒に居たいと願ってるのに。
『金賞逃したのっ…ツナさんのせいなんですからぁーっ……』
盾を両腕で抱え込んで、思い切り訴えた。
お母さんやリボーンさん達が居たとは言え、演奏中のあたしの心はアウェー状態だったんだもの。
寂しくて、怖かった。
足も指も唇も、全部震えた。
あたし、頑張ったんですよ?
子供みたいに、うわんうわん泣いてしまった。
だけどツナさんは少し眉を下げただけで、ハンカチを取り出す。
「ホントに…ごめんな、柚子。」
『ひぐっ…』
優しく優しく、溢れる涙を拭ってくれた。
涙が止まり始めると、またゆっくりと抱きしめてくれた。
あったかい。
優しい。
柔らかくて、力強い。
あたしは……この感触が、この場所が、大好きなんだ。
「俺さ、7号館に引きこんだことが柚子を苦しめてるんだって、思ってた。」
『ち、違います!あたしっ…』
「うん、もう分かってる。だから、パーティーの後に全部話そう。」
『え?』
きょとんとするあたしに、ツナさんは腕時計を見せる。
「14分35秒……リボーンに撃たれるまであと25秒。」
『たっ、たたた大変です!!急ぎましょうっ!!』
「走るとコケるぞ……って、おい!」
『ぎゃっ…!』
急激に方向転換をして走りだしたあたしは、ヒールだという事を忘れていた。
でもって、4歩目で見事につまづく。
ガシッ、
「…だから言ったろ。」
『あ、はい……ごめんなさい……ありがとう、ございます…///』
危機一髪であたしを支えてくれたツナさんは、そのまま手を繋ぐ。
これならコケないから、と。
繋がれたその手を見て少し安心する。
と、ツナさんが急に意地悪口調になった。
「ほんっと、柚子はドジだよなー。」
『うっ…ドジですみませんでした!』
「拗ねんなって、可愛いけど。」
『で、ですからそーゆー発言は控えめにして下さい!!』
「可愛いモノを可愛いっつって、何が悪いんだよ。」
こ、この人は~~~~っ!!///
反論しようとしたちょうどその時、大広間に着いてしまった。
少し不服だったけど、お祝いモードな皆さんの雰囲気に圧倒される。
「じゃあ改めて、銀賞おめでとう、柚子。」
『はいっ!ありがとうございますっ♪』
ツナさんから聞くべき話、
伝えるべきあたしの気持ち、
未解決なことはまだ残ってたけど……でも、
いつもの空気が戻って来た。
前みたいに、笑顔になれる。
そのことがただ、嬉しかった。
ハレルヤ
クラッカーの音すら、まるで全てを讃えた歌みたいで
continue...