🎼本編
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『えぇっ!?バジルさんも一緒に!?』
「何だよ、悪いか?」
『いえいえそんな……って、どーしてツナさんが聞き返すんですかぁ!』
「俺の決定だから。」
おはようございます、柚子です。
昨晩は泣きまくりだったんで個室(めっちゃ広いトコ)で眠らせて貰いました。
で、今後のスケジュールについて話をしてたんです。
そしたら何と、バジルさんまで一緒に帰国(来日?)するって言うじゃないですか!
ビックリし過ぎて上の会話となったワケです。
「拙者、柚子殿のお手伝い一生懸命頑張りますので!」
『え?あたしの……手伝い、ですか?』
「はいっ!」
キラキラ輝くように笑って、あたしの手を握るバジルさん。
可愛い人…小犬みたい……
って、何失礼なこと考えてんのあたし!!
とりあえずお礼を言っておこう。
『ありがとうございますっ。』
「いえいえ!」
「つーワケで、柚子は今日1日自由時間、俺達は色々やんなきゃいけねー事があるから。」
『い…1日ですか!?本当ですか!?』
「……何ならコーヒー係ってことで一日中俺の隣に立って…」
『やったぁ!ツナさんっ、ありがとうございます!!優しいツナさん大好きです!!』
嬉しくて嬉しくて、ツナさんの発言を遮ったのにも、
ツナさんが目を見開いてフリーズしたのにも、気付かなかった。
とにかく、あたしってば一日中自由の身!!
何しよう……
イタリアに来てるんだから美味しいもの食べて、お買い物して、
あ!ハルさんにお土産買わなくちゃっ。
「あ、あのー…柚子殿、」
『へ?』
「沢田殿が……」
『ツナさん?』
バジルさんにつつかれて、ようやく気がついた。
ツナさん、何か知らないけど固まってる…。
『ツナさーんっ、』
「沢田殿っ、」
「えっ、ああ……ごめん。」
『大丈夫ですか?』
一応心配だから覗き込んでみるあたし。
ツナさんは数秒あたしを見つめ返してから、溜め息混じりに言った。
「………こんのバカ柚子。」
『な、何ですか急に!!』
「うるせ。んじゃバジル君、頼んだよ。」
「はいっ!」
ツナさんは、何だか力が抜けたように別室へ歩いて行った。
『バジルさんも、お仕事ですか?』
さっき“頼んだよ”とか言われてたし。
「仕事なんて、とんでもない!拙者は自分の意志で柚子殿をお守りするんですよ。」
『へ……?』
あたしの脳内をスルッと通り抜ける、嫌な予感。
ま、まさか……
『護衛みたいなこと、任されちゃってたり…?』
「柚子殿は沢田殿の大切な方ですから!」
あああああ!!!
やっぱりいぃぃいい!!
「柚子殿ならば必ずや外に出るだろうから、お供しろと。」
いやいや、ツナさんはそんな言い方しない…
“野放し状態にするな”程度に言われたんだろーな…。
ずーんと沈みかけたあたしは、ハッとした。
『(そーだ、バジルさんとお買い物しちゃえばいーんじゃないの!?)』
うん、これは良いアイディア。
バジルさんと親睦を深めるチャンスだし!
『あ、あの、バジルさんっ、』
「何処か出かけますか?」
『ええっ!?』
そんな、まさか…バジルさんも読心術属性……!?
「柚子殿のことは沢田殿から聞いておりましたので、何となくですが。」
『(あぁ、なんだー……よかったぁ。)』
ホッと一安心してあたしはバジルさんとお買い物&食べ歩きをしに外へ出た。
---
------
『バジルさんは、何か好きな食べ物とかあります?』
「はい!実は拙者、寿司が何より好きで……しかし最近は、湯豆腐にハマってます!」
『ゆ…湯豆腐ですか!?』
ううむ、和風……
「来日した暁には、是非生湯葉も頂きたいと思ってます。」
『あの、失礼ですがご出身は…?』
「イタリアです。」
おかしい……
外国の方が日本料理を好むってのは聞いたことあるけど、
バジルさんは相当な通……
ってゆーか、
一人称が古い!!
『日本のことは、誰から?』
「親方様…沢田殿のお父上からです!」
ツナさんのお父様ーーー!!?
あ、あの腹黒ツナさんのお父様って……
もっと腹黒で策略家に違いない!!
「柚子殿…?」
『へっ?あ、すみません!』
「ふふっ、面白いですね、柚子殿は。」
クスクスと笑い始めるバジルさんに、ちょっとドキッとしてしまった。
『そ、そんな笑わないで下さいよっ。一体何が…』
「あっ、すみません。ただ、沢田殿の言っていた通りだったので。」
『ツナ、さんが……?』
あの横暴腹黒ボス、一体どんな事を………
「万華鏡のように変化する表情が、とても魅力的だと。」
『………え?』
み、みりょく……??
待って柚子、よく考えるのよ。
あのツナさんがそんな言葉使うワケないじゃない。
バジルさんの変換結果よ。
『(そうよ、本当は“笑える”とか言われてたに違いない……)』
1人で勝手にそう納得したあたしの肩を、バジルさんは不意につついた。
「柚子殿、ここはいかがですか?」
『ほ、わぁーっ……!』
振り向いてみれば、そこには素敵な洋服店。
そのキラキラオーラに、思わず感嘆の声をあげた。
『よ、寄りますっ!』
「どうぞ♪」
店内で、ワンピースやらショートパンツやらを見て回る。
どれもこれもデザインが可愛い。
『(うわーっ、可愛い可愛いっ………あ、でもっ…)』
可愛い服に囲まれて、夢に浸るような感覚を味わってたあたしは、ふと現実を思い出した。
既に(不本意だけど)、山のような特注品がボンゴレ本部にある。
しかも、あたしがボンゴレに借金してるみたいな感じだし……
これ以上、買えないっ……。
「どうかしましたか柚子殿、買わないんですか?」
『あぅ……それが…』
何も買わないのはやっぱり失礼だと思ったから、とりあえず1000円のピンを買って、店を出た。
ホントは、ちゃんとした服を買いたかったんだけど……お金が…
再び街の中を歩き始めたあたしとバジルさん。
「柚子殿…?元気がないようですが…」
『だって…』
「拙者で宜しければ、お聞きしますよ?」
『バジルさん…』
山本さんとは別ジャンルの癒し笑顔を見せられて、あたしは口を開いた。
これまでのツナさんの身勝手ぶりも兼ねて、特注品の山について話した。
「そうでしたか……柚子殿は愛されてるんですね。」
『えっ……えぇぇえぇ!!?』
あれっ?
あたし、ちゃんと話したよね?
身勝手に服を買われた上、その代金を押し付けられたって。
「沢田殿が柚子殿の為に選んだ、という事ですから。」
『あ……』
バジルさんに言われて、ハッと気がつく。
そっか、
あたしってば、代金のことだけ考えて……
「拙者の来日も、柚子殿の負担を減らす為です。沢田殿は、柚子殿が考えているよりもずっと、柚子殿を想っているのではないでしょうか。」
『そ、そんな……』
そんなこと、気付かせないで。
どうしてあの横暴ボスは、分からないように優しくするの?
いつも分からないから、分かってしまった途端に混乱しちゃう。
「柚子殿は、沢田殿の大切な婚約者ではありませんか。」
そう、だよね…
あたしは今、婚約者役……
『あーーーっ!!』
「どっ、どうかされましたか!?」
『い、いえ!何でもありませんっ!ちょっと思い出し叫びを…』
「思い出し叫び、ですか…?」
そうよ、思い出した。
あたしは婚約者“役”であって、バジルさんは本物だって思い込んでるだけなんだ。
だったら、ツナさんがあたしを大事にしてる前提で考えるに決まってる!!
「柚子殿…?」
『大丈夫です!さぁバジルさん、何かピザでも食べに行きましょう。折角の本場ですから!』
「はぁ……」
あーぶない危ない。
騙されるとこだった。
気をしっかり持たなくちゃ!
「………本当に、お気づきにならないんですね…」
『へ?今何か…』
「いえ。」
歩き出すあたしの後ろで、バジルさんが何か呟いた気がしたけど、ごまかされた。
でもって、オススメされたピザ屋さんはまさに星5つなくらい美味しくて、とっても幸せな気分になった。
「柚子殿、」
『はい、何ですか?』
「出かける前、沢田殿が大好きとおっしゃってましたが……」
『ああああアレはですねぇ!!』
バジルさんてば、どーしていきなりそんな話題を……
不意打ちで掘り起こされてビックリしましたよ…
「相思相愛なのでは?」
『ち、違いますよっ……確かに優しいツナさんは好きですけど…普段はもっと意地悪なんですっ。』
言い終えてから、はむっとピザを口にした。
バジルさんは「そうですか……」と言ったきり、口を閉ざして何か考えていた。
それから何軒かお店巡りをしたけど、
やっぱりあたしの物はピン以外に何も買うこと無く、
ハルさんへのお土産として、可愛いブレスとポーチだけを買って帰った。
ユーモラス
第3者から見れば、何とも滑稽な勘違いをする婚約者役
continue...
「何だよ、悪いか?」
『いえいえそんな……って、どーしてツナさんが聞き返すんですかぁ!』
「俺の決定だから。」
おはようございます、柚子です。
昨晩は泣きまくりだったんで個室(めっちゃ広いトコ)で眠らせて貰いました。
で、今後のスケジュールについて話をしてたんです。
そしたら何と、バジルさんまで一緒に帰国(来日?)するって言うじゃないですか!
ビックリし過ぎて上の会話となったワケです。
「拙者、柚子殿のお手伝い一生懸命頑張りますので!」
『え?あたしの……手伝い、ですか?』
「はいっ!」
キラキラ輝くように笑って、あたしの手を握るバジルさん。
可愛い人…小犬みたい……
って、何失礼なこと考えてんのあたし!!
とりあえずお礼を言っておこう。
『ありがとうございますっ。』
「いえいえ!」
「つーワケで、柚子は今日1日自由時間、俺達は色々やんなきゃいけねー事があるから。」
『い…1日ですか!?本当ですか!?』
「……何ならコーヒー係ってことで一日中俺の隣に立って…」
『やったぁ!ツナさんっ、ありがとうございます!!優しいツナさん大好きです!!』
嬉しくて嬉しくて、ツナさんの発言を遮ったのにも、
ツナさんが目を見開いてフリーズしたのにも、気付かなかった。
とにかく、あたしってば一日中自由の身!!
何しよう……
イタリアに来てるんだから美味しいもの食べて、お買い物して、
あ!ハルさんにお土産買わなくちゃっ。
「あ、あのー…柚子殿、」
『へ?』
「沢田殿が……」
『ツナさん?』
バジルさんにつつかれて、ようやく気がついた。
ツナさん、何か知らないけど固まってる…。
『ツナさーんっ、』
「沢田殿っ、」
「えっ、ああ……ごめん。」
『大丈夫ですか?』
一応心配だから覗き込んでみるあたし。
ツナさんは数秒あたしを見つめ返してから、溜め息混じりに言った。
「………こんのバカ柚子。」
『な、何ですか急に!!』
「うるせ。んじゃバジル君、頼んだよ。」
「はいっ!」
ツナさんは、何だか力が抜けたように別室へ歩いて行った。
『バジルさんも、お仕事ですか?』
さっき“頼んだよ”とか言われてたし。
「仕事なんて、とんでもない!拙者は自分の意志で柚子殿をお守りするんですよ。」
『へ……?』
あたしの脳内をスルッと通り抜ける、嫌な予感。
ま、まさか……
『護衛みたいなこと、任されちゃってたり…?』
「柚子殿は沢田殿の大切な方ですから!」
あああああ!!!
やっぱりいぃぃいい!!
「柚子殿ならば必ずや外に出るだろうから、お供しろと。」
いやいや、ツナさんはそんな言い方しない…
“野放し状態にするな”程度に言われたんだろーな…。
ずーんと沈みかけたあたしは、ハッとした。
『(そーだ、バジルさんとお買い物しちゃえばいーんじゃないの!?)』
うん、これは良いアイディア。
バジルさんと親睦を深めるチャンスだし!
『あ、あの、バジルさんっ、』
「何処か出かけますか?」
『ええっ!?』
そんな、まさか…バジルさんも読心術属性……!?
「柚子殿のことは沢田殿から聞いておりましたので、何となくですが。」
『(あぁ、なんだー……よかったぁ。)』
ホッと一安心してあたしはバジルさんとお買い物&食べ歩きをしに外へ出た。
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『バジルさんは、何か好きな食べ物とかあります?』
「はい!実は拙者、寿司が何より好きで……しかし最近は、湯豆腐にハマってます!」
『ゆ…湯豆腐ですか!?』
ううむ、和風……
「来日した暁には、是非生湯葉も頂きたいと思ってます。」
『あの、失礼ですがご出身は…?』
「イタリアです。」
おかしい……
外国の方が日本料理を好むってのは聞いたことあるけど、
バジルさんは相当な通……
ってゆーか、
一人称が古い!!
『日本のことは、誰から?』
「親方様…沢田殿のお父上からです!」
ツナさんのお父様ーーー!!?
あ、あの腹黒ツナさんのお父様って……
もっと腹黒で策略家に違いない!!
「柚子殿…?」
『へっ?あ、すみません!』
「ふふっ、面白いですね、柚子殿は。」
クスクスと笑い始めるバジルさんに、ちょっとドキッとしてしまった。
『そ、そんな笑わないで下さいよっ。一体何が…』
「あっ、すみません。ただ、沢田殿の言っていた通りだったので。」
『ツナ、さんが……?』
あの横暴腹黒ボス、一体どんな事を………
「万華鏡のように変化する表情が、とても魅力的だと。」
『………え?』
み、みりょく……??
待って柚子、よく考えるのよ。
あのツナさんがそんな言葉使うワケないじゃない。
バジルさんの変換結果よ。
『(そうよ、本当は“笑える”とか言われてたに違いない……)』
1人で勝手にそう納得したあたしの肩を、バジルさんは不意につついた。
「柚子殿、ここはいかがですか?」
『ほ、わぁーっ……!』
振り向いてみれば、そこには素敵な洋服店。
そのキラキラオーラに、思わず感嘆の声をあげた。
『よ、寄りますっ!』
「どうぞ♪」
店内で、ワンピースやらショートパンツやらを見て回る。
どれもこれもデザインが可愛い。
『(うわーっ、可愛い可愛いっ………あ、でもっ…)』
可愛い服に囲まれて、夢に浸るような感覚を味わってたあたしは、ふと現実を思い出した。
既に(不本意だけど)、山のような特注品がボンゴレ本部にある。
しかも、あたしがボンゴレに借金してるみたいな感じだし……
これ以上、買えないっ……。
「どうかしましたか柚子殿、買わないんですか?」
『あぅ……それが…』
何も買わないのはやっぱり失礼だと思ったから、とりあえず1000円のピンを買って、店を出た。
ホントは、ちゃんとした服を買いたかったんだけど……お金が…
再び街の中を歩き始めたあたしとバジルさん。
「柚子殿…?元気がないようですが…」
『だって…』
「拙者で宜しければ、お聞きしますよ?」
『バジルさん…』
山本さんとは別ジャンルの癒し笑顔を見せられて、あたしは口を開いた。
これまでのツナさんの身勝手ぶりも兼ねて、特注品の山について話した。
「そうでしたか……柚子殿は愛されてるんですね。」
『えっ……えぇぇえぇ!!?』
あれっ?
あたし、ちゃんと話したよね?
身勝手に服を買われた上、その代金を押し付けられたって。
「沢田殿が柚子殿の為に選んだ、という事ですから。」
『あ……』
バジルさんに言われて、ハッと気がつく。
そっか、
あたしってば、代金のことだけ考えて……
「拙者の来日も、柚子殿の負担を減らす為です。沢田殿は、柚子殿が考えているよりもずっと、柚子殿を想っているのではないでしょうか。」
『そ、そんな……』
そんなこと、気付かせないで。
どうしてあの横暴ボスは、分からないように優しくするの?
いつも分からないから、分かってしまった途端に混乱しちゃう。
「柚子殿は、沢田殿の大切な婚約者ではありませんか。」
そう、だよね…
あたしは今、婚約者役……
『あーーーっ!!』
「どっ、どうかされましたか!?」
『い、いえ!何でもありませんっ!ちょっと思い出し叫びを…』
「思い出し叫び、ですか…?」
そうよ、思い出した。
あたしは婚約者“役”であって、バジルさんは本物だって思い込んでるだけなんだ。
だったら、ツナさんがあたしを大事にしてる前提で考えるに決まってる!!
「柚子殿…?」
『大丈夫です!さぁバジルさん、何かピザでも食べに行きましょう。折角の本場ですから!』
「はぁ……」
あーぶない危ない。
騙されるとこだった。
気をしっかり持たなくちゃ!
「………本当に、お気づきにならないんですね…」
『へ?今何か…』
「いえ。」
歩き出すあたしの後ろで、バジルさんが何か呟いた気がしたけど、ごまかされた。
でもって、オススメされたピザ屋さんはまさに星5つなくらい美味しくて、とっても幸せな気分になった。
「柚子殿、」
『はい、何ですか?』
「出かける前、沢田殿が大好きとおっしゃってましたが……」
『ああああアレはですねぇ!!』
バジルさんてば、どーしていきなりそんな話題を……
不意打ちで掘り起こされてビックリしましたよ…
「相思相愛なのでは?」
『ち、違いますよっ……確かに優しいツナさんは好きですけど…普段はもっと意地悪なんですっ。』
言い終えてから、はむっとピザを口にした。
バジルさんは「そうですか……」と言ったきり、口を閉ざして何か考えていた。
それから何軒かお店巡りをしたけど、
やっぱりあたしの物はピン以外に何も買うこと無く、
ハルさんへのお土産として、可愛いブレスとポーチだけを買って帰った。
ユーモラス
第3者から見れば、何とも滑稽な勘違いをする婚約者役
continue...