🎼本編
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おはようございます、柚子です。
『ん~っ、いい天気っ♪』
今日は日曜日です!久々の休日です!
そしていい天気なので洗濯日和です!
『大広間のカーテンでも洗おうかな…』
よし、思い立ったら即行動!
じゃないと、絶対後で面倒臭く思っちゃうし。
というワケで大広間に向かったはいいものの……
「……だから何で俺が!!」
『脚立に乗っても届かなかったんです~~っ!』
「こんのチビ!」
『そ、そりゃー獄寺さんよりチビに決まってるじゃないですかぁ…』
大広間のカーテンレールは思いのほか高いトコに存在していて、あたしの手は擦りもしなかった。
で、背の高い殿方にカーテン外してもらおうと思ったんですが…
ここでまた消去法が発動。
山本さん→野球の試合
了平さん→ボクシングの試合
骸さん→見返り求められそう
雲雀さん→恐怖
リボーンさん→電話中だった
ツナさん→恐怖
『……というワケです!』
「胸張って言うんじゃねぇ!」
『お願いします獄寺さんっ、今日の夕飯デザートつけますからっ!』
「俺がそんなんで釣られるか!!アホ柚子!」
『じゃあ獄寺さんの部屋のカーテンも洗いますから!』
「別にいーっての!」
とか何とか言いながら、きっちり脚立に上ってカーテンを外そうとしている獄寺さん。
やっぱ優しいんだなぁ、この人♪
「……ほらよ。」
『ありがとうございますっ♪助かります!』
「けっ。」
ブツブツ言いながら獄寺さんは部屋に戻ってしまったけど、
これであたしはカーテンが洗える!!
よしっ、頑張るぞ!
大きな布達を順番に折りたたみ、運びやすいように重ねて行く。
何枚もあるから結構な高さになった。
『よいしょっと!』
テーブルの上に重ねたカーテン達を、一気に持ち上げる。
あ、ヤバい。前が見えない。
だけど下ろしたらグチャってなっちゃうし……
そっか!壁伝いに歩けばいいんだ!!
あたしってば頭良いじゃん!
それで行こう。
ドアを出るまではフラフラ歩き、そこから壁伝いに洗濯室へ。
そうっと、そうっと、
綺麗に畳んだカーテンとレースを、崩さないように。
でもあたしは、忘れていたんです。
曲がり角という存在を!!!
ドンッ、
『きゃっ…!』
壁伝いにそうっと歩いてたハズなのに、いつの間にか調子に乗っていた。
誰も廊下通らないから、前が見えなくても早歩きしてみよう!なんて。
『いたたた…………はっ!カーテン!!』
前にぶちまけてしまったカーテン達は、これでもかってくらいグチャグチャになっていて。
折り畳まれていた面影すら残っていなかった。
あーん、ショック~……
仕方ないからもう一度1枚ずつ畳み直そうとした、その時。
もぞっ、
『(え…?)』
カーテンの山が、動いた。
そーだよ!あたし、誰かとぶつかったんじゃん!!
『だ、だだだ大丈夫ですかぁ!?息出来てますか!!?』
「暑い…」
『ご、ごめんなさいっ!!』
そりゃそーだよね、下は絨毯で上はカーテンの山。
暑苦しくもなりますよ。
ババッと布達を退けると、眉間に皺を寄せた雲雀さんが。
『ごごごごめんなさいいいい!!!完全にあたしの不注意でしたっ!!お怪我はないですか?どっか痛くないですかっ?』
「……柚子は?」
『あ、あたしは全然大丈夫ですっ。』
「…ならいいけど。」
あれ?怒られない感じ…?
トンファーも構えてない……?
「僕も書類見ながらだったから。」
『そ、そうでしたか!書類、折れてませんか?』
「うん。」
良かったぁ…命拾いした!
『えと…お怪我が無くて何よりです。』
「で、コレ何?」
『あ、カーテンを洗おうと思いまして……今日とってもいい天気ですし!』
「ふぅん。」
カーテンの山から出た雲雀さんはスッと立ち上がって、またしゃがんだ。
『雲雀さん…?』
「畳むんでしょ。」
『あ、ありがとうございますっ…!』
雲雀さん、どーしちゃったんだろ!?
今日すっごくいい人!
ヤバい!惚れそう!!
「別に僕は構わないよ。」
『なっ…!今の読んでたんですか!?///やめて下さいよっ!』
「聞こえた。」
『うぅぅ…じょっ、冗談ですよ…気にしないで下さい…///』
「……ふぅん…」
廊下の曲がり角で、大きな布を一緒に畳むあたしと雲雀さん。
雲雀さんが家事っぽい事やってる姿、レアなのかも。
「ねぇ柚子、」
『何ですか?』
「家政婦やってて、楽しいの?」
と、突然どーしたんだろ…
「いいから答えなよ。」
『はいっ!た、楽しいです!』
「満足してるの?」
『まぁ一応…』
お給料も貰えてるから、ツナさんが勝手に買ったドレス代(第5話参照)も、ちょっとずつ返せてるし……
新作コスメもちょっと買えるし、洋服も買えるし……
『な、何でですか?』
「別に。」
『まさか!新しいバイト候補あるんですかっ!?』
「別にって言ったでしょ。」
『はい…ごめんなさい……』
しゅんとしながら謝ると、クスッと小さく笑う声。
「ココより良いバイトなんて無いよ。」
『えぇーっ…ホントですかー?』
「そうだな……だったら、僕だけの家政婦になる?」
『へっ…?///』
あの…お願いですから…
そんなにお美しい微笑で心臓に悪い台詞言わないで下さい!!!///
「冗談だよ。」
『なっ……もーっ、やめて下さいよぉ…』
「はい、終わった。」
『あ、ありがとうございます!助かりました!!』
「…気をつけなよ。」
今日は、太陽がいつもよりポカポカしてる。
そのせいかどうか分からないけど、いつもとちょっと違う気がする。
『はいっ♪』
今度は最後まで慎重に歩き、無事洗濯室にたどり着いた。
大きな洗濯機だから、大量カーテンも何のその。
あっと言う間に洗い終え、今度は干す為に3階のベランダへ。
---
-------
バサッ、と広げたカーテン達。
たくさんの長ーい物干竿にかけていき、飛ばないように洗濯バサミで留める。
『出来たっ♪』
風に吹かれてハタハタ揺れるカーテン達を見ると、何だか気持ちが清々しくなってく。
暖かく降り注ぐ日差しも、そんな気分に味方して。
『さーて、掃除機でもかけよっかなー。』
日曜日は、廊下や個室じゃない部屋を掃除する日。
まだまだあたしの仕事はたくさんある。
『ん?』
ふと、階段を降りようとした時に、演奏室のドアが開いてるのに気がついた。
『誰かいらっしゃるんですかー?』
「その声は…僕の柚子っ!!」
あ…声掛けなきゃ良かった……
「そんな事言わないで下さいよーっ。」
『心ん中読まないで下さいっ!』
ブーッと膨れる骸さんにムキーッと反論した後、改めて尋ねる。
『どうかなさったんですか?探し物か何かですか?』
「その通りです!さすが柚子……僕の思考は丸分かりのようですね…///」
『いえ、あの…照れるのやめて下さい。違いますから、以心伝心の欠片もありませんから。』
「またまた~、恥ずかしがらなくてもいいんですよ?」
『………あたし、仕事に戻りまs…』
「ビオラの手入れ用の布を探してたんです!!」
行かないで、と懇願するようにあたしの腕を掴む骸さん。
『分かりました、一緒に探しますから。』
「柚子…!大好きです!!愛してまs…」
『何処にあるんでしょうかねー…?』
骸さんの叫びをスルーして、あたしは演奏室内を見回す。
普通だったらピアノの上に置きっぱなし…とかありそうだけど……
一昨日の練習会で獄寺さんが使ったばっかだし…
『いつもは何処に?』
「僕のビオラのケースの隣にフックがあるでしょう?あれに引っかかってる袋の中にしまってあるんですが…」
『普通ケースの中ですよね?』
「いーじゃないですか!」
『……まぁ、個人の自由ですけど…』
変な人だなと思いながら、再び演奏室内をキョロキョロ。
楽譜の中に埋もれてたりするのかなー?
だったらちょっと…探すの面倒臭いかも。
『あたし、知らないうちにお洗濯でもしちゃったんでしょうか…』
「それは無いでしょう。柚子でしたらその布が楽器用の物だと分かるでしょうから。」
『骸さん…』
「いいんです。失くなってしまったなら、また特注で……」
ガチャ、
「あれ?骸、柚子……何してんの?」
『ツナさん!実はですね、骸さんの探し物を…』
「探し物?あぁ、もしかしてコレ?」
ツナさんが差し出したのは、まさしく弦楽器お手入れ用の布。
「綱吉!それを一体何処で…」
「ごめん、今まで俺が使ってたんだよ。」
『えぇ!?』
ツナさん曰く、
バイオリンの手入れ布が汚れて来たから、特注したとか。
それで、品物が届くまでの間、骸さんのを使っていたとか。
『じゃあ、失くなったんじゃなかったんですね!良かったです♪』
「ごめんごめん、まさか同じタイミングで手入れするとは思わなくて。」
「まったく…まぁいいですけど。」
骸さんは布を受け取って部屋に戻って行った。
さて、あたしも掃除…
「そうだ、柚子、」
『な、何ですか?』
また何か横暴な指令を出されるんじゃ……
「掃除、ちょい丁寧にやっといて。」
『へ?何処か行かれるんですか?』
「うん、イタリア。」
マフィアの本拠地…?
つまり長期滞在!?
つまりあたしは自由の身!
「バーカ。柚子も行くんだよ。」
『えぇっ!?な、何で…どーしてですか!?』
「お披露目パーティーと演奏会、何処でやると思ってんだよ。」
『あ"………』
そうだよ。
お披露目って、勿論マフィアの方々に…だよね。
だったらイタリアでやるに決まってる!!
『あ…あたし正式に名乗るとか嫌ですよ!!』
「ダメ。もう俺が決めた。」
『そんなーっ!もし本物が決まったらどうするんですか!?お披露目し直すんですか!?』
「あー……じゃあそうしよっか。」
適当さ半端ない!!
うわーん!何であたし婚約者役とかになっちゃってんのー!?
いつからだっけ?あ、意外と前からだ…。
「それと、」
『ま、まだ何か…?』
ビクビクしながら返答すると、ツナさんはいつもの腹黒スマイルを見せて。
「柚子、お前は俺の家政婦だから。」
『へっ?』
ま、まさかさっきの……
---「だったら、僕だけの家政婦になる?」
『ツナさん、聞いてたんですか…?』
「何を?」
あー!あたしのバカ!!
自分で墓穴掘ってどーすんのさ!!
「だから、何を?」
『何でも無いです!気にしないで下さいっ!』
「無理、気になる。」
『きゃっ…!///』
走って逃げようとしたけれど、捕まって後ろから抱きしめられる。
こーなったら…せめてもの抵抗!
何言われたって赤面したりしないんだからっ!!
『(…………って、アレ…?)』
ツナさんは、何も言ってこなかった。
何で?どーして?どーゆー事?
『つ、ツナさん……?』
呼びかけたら、腕の力がキュゥと強くなった。
どうしよ…何だか……心配になっちゃうじゃん……
戸惑い始めるあたしの耳に、驚くほど微かな声。
「…ごめん、柚子………」
『えっ…?』
「…いつか……ちゃんと言うから…今は、まだ………」
『ツナ、さん……?』
次の瞬間、腕を解いたツナさんは、足早に行ってしまって。
『どういう、事……?』
あたしは暫く、その場から動けなかった。
ホリデー
普通じゃない休日に、ひたすら戸惑い心は休まず
continue…
『ん~っ、いい天気っ♪』
今日は日曜日です!久々の休日です!
そしていい天気なので洗濯日和です!
『大広間のカーテンでも洗おうかな…』
よし、思い立ったら即行動!
じゃないと、絶対後で面倒臭く思っちゃうし。
というワケで大広間に向かったはいいものの……
「……だから何で俺が!!」
『脚立に乗っても届かなかったんです~~っ!』
「こんのチビ!」
『そ、そりゃー獄寺さんよりチビに決まってるじゃないですかぁ…』
大広間のカーテンレールは思いのほか高いトコに存在していて、あたしの手は擦りもしなかった。
で、背の高い殿方にカーテン外してもらおうと思ったんですが…
ここでまた消去法が発動。
山本さん→野球の試合
了平さん→ボクシングの試合
骸さん→見返り求められそう
雲雀さん→恐怖
リボーンさん→電話中だった
ツナさん→恐怖
『……というワケです!』
「胸張って言うんじゃねぇ!」
『お願いします獄寺さんっ、今日の夕飯デザートつけますからっ!』
「俺がそんなんで釣られるか!!アホ柚子!」
『じゃあ獄寺さんの部屋のカーテンも洗いますから!』
「別にいーっての!」
とか何とか言いながら、きっちり脚立に上ってカーテンを外そうとしている獄寺さん。
やっぱ優しいんだなぁ、この人♪
「……ほらよ。」
『ありがとうございますっ♪助かります!』
「けっ。」
ブツブツ言いながら獄寺さんは部屋に戻ってしまったけど、
これであたしはカーテンが洗える!!
よしっ、頑張るぞ!
大きな布達を順番に折りたたみ、運びやすいように重ねて行く。
何枚もあるから結構な高さになった。
『よいしょっと!』
テーブルの上に重ねたカーテン達を、一気に持ち上げる。
あ、ヤバい。前が見えない。
だけど下ろしたらグチャってなっちゃうし……
そっか!壁伝いに歩けばいいんだ!!
あたしってば頭良いじゃん!
それで行こう。
ドアを出るまではフラフラ歩き、そこから壁伝いに洗濯室へ。
そうっと、そうっと、
綺麗に畳んだカーテンとレースを、崩さないように。
でもあたしは、忘れていたんです。
曲がり角という存在を!!!
ドンッ、
『きゃっ…!』
壁伝いにそうっと歩いてたハズなのに、いつの間にか調子に乗っていた。
誰も廊下通らないから、前が見えなくても早歩きしてみよう!なんて。
『いたたた…………はっ!カーテン!!』
前にぶちまけてしまったカーテン達は、これでもかってくらいグチャグチャになっていて。
折り畳まれていた面影すら残っていなかった。
あーん、ショック~……
仕方ないからもう一度1枚ずつ畳み直そうとした、その時。
もぞっ、
『(え…?)』
カーテンの山が、動いた。
そーだよ!あたし、誰かとぶつかったんじゃん!!
『だ、だだだ大丈夫ですかぁ!?息出来てますか!!?』
「暑い…」
『ご、ごめんなさいっ!!』
そりゃそーだよね、下は絨毯で上はカーテンの山。
暑苦しくもなりますよ。
ババッと布達を退けると、眉間に皺を寄せた雲雀さんが。
『ごごごごめんなさいいいい!!!完全にあたしの不注意でしたっ!!お怪我はないですか?どっか痛くないですかっ?』
「……柚子は?」
『あ、あたしは全然大丈夫ですっ。』
「…ならいいけど。」
あれ?怒られない感じ…?
トンファーも構えてない……?
「僕も書類見ながらだったから。」
『そ、そうでしたか!書類、折れてませんか?』
「うん。」
良かったぁ…命拾いした!
『えと…お怪我が無くて何よりです。』
「で、コレ何?」
『あ、カーテンを洗おうと思いまして……今日とってもいい天気ですし!』
「ふぅん。」
カーテンの山から出た雲雀さんはスッと立ち上がって、またしゃがんだ。
『雲雀さん…?』
「畳むんでしょ。」
『あ、ありがとうございますっ…!』
雲雀さん、どーしちゃったんだろ!?
今日すっごくいい人!
ヤバい!惚れそう!!
「別に僕は構わないよ。」
『なっ…!今の読んでたんですか!?///やめて下さいよっ!』
「聞こえた。」
『うぅぅ…じょっ、冗談ですよ…気にしないで下さい…///』
「……ふぅん…」
廊下の曲がり角で、大きな布を一緒に畳むあたしと雲雀さん。
雲雀さんが家事っぽい事やってる姿、レアなのかも。
「ねぇ柚子、」
『何ですか?』
「家政婦やってて、楽しいの?」
と、突然どーしたんだろ…
「いいから答えなよ。」
『はいっ!た、楽しいです!』
「満足してるの?」
『まぁ一応…』
お給料も貰えてるから、ツナさんが勝手に買ったドレス代(第5話参照)も、ちょっとずつ返せてるし……
新作コスメもちょっと買えるし、洋服も買えるし……
『な、何でですか?』
「別に。」
『まさか!新しいバイト候補あるんですかっ!?』
「別にって言ったでしょ。」
『はい…ごめんなさい……』
しゅんとしながら謝ると、クスッと小さく笑う声。
「ココより良いバイトなんて無いよ。」
『えぇーっ…ホントですかー?』
「そうだな……だったら、僕だけの家政婦になる?」
『へっ…?///』
あの…お願いですから…
そんなにお美しい微笑で心臓に悪い台詞言わないで下さい!!!///
「冗談だよ。」
『なっ……もーっ、やめて下さいよぉ…』
「はい、終わった。」
『あ、ありがとうございます!助かりました!!』
「…気をつけなよ。」
今日は、太陽がいつもよりポカポカしてる。
そのせいかどうか分からないけど、いつもとちょっと違う気がする。
『はいっ♪』
今度は最後まで慎重に歩き、無事洗濯室にたどり着いた。
大きな洗濯機だから、大量カーテンも何のその。
あっと言う間に洗い終え、今度は干す為に3階のベランダへ。
---
-------
バサッ、と広げたカーテン達。
たくさんの長ーい物干竿にかけていき、飛ばないように洗濯バサミで留める。
『出来たっ♪』
風に吹かれてハタハタ揺れるカーテン達を見ると、何だか気持ちが清々しくなってく。
暖かく降り注ぐ日差しも、そんな気分に味方して。
『さーて、掃除機でもかけよっかなー。』
日曜日は、廊下や個室じゃない部屋を掃除する日。
まだまだあたしの仕事はたくさんある。
『ん?』
ふと、階段を降りようとした時に、演奏室のドアが開いてるのに気がついた。
『誰かいらっしゃるんですかー?』
「その声は…僕の柚子っ!!」
あ…声掛けなきゃ良かった……
「そんな事言わないで下さいよーっ。」
『心ん中読まないで下さいっ!』
ブーッと膨れる骸さんにムキーッと反論した後、改めて尋ねる。
『どうかなさったんですか?探し物か何かですか?』
「その通りです!さすが柚子……僕の思考は丸分かりのようですね…///」
『いえ、あの…照れるのやめて下さい。違いますから、以心伝心の欠片もありませんから。』
「またまた~、恥ずかしがらなくてもいいんですよ?」
『………あたし、仕事に戻りまs…』
「ビオラの手入れ用の布を探してたんです!!」
行かないで、と懇願するようにあたしの腕を掴む骸さん。
『分かりました、一緒に探しますから。』
「柚子…!大好きです!!愛してまs…」
『何処にあるんでしょうかねー…?』
骸さんの叫びをスルーして、あたしは演奏室内を見回す。
普通だったらピアノの上に置きっぱなし…とかありそうだけど……
一昨日の練習会で獄寺さんが使ったばっかだし…
『いつもは何処に?』
「僕のビオラのケースの隣にフックがあるでしょう?あれに引っかかってる袋の中にしまってあるんですが…」
『普通ケースの中ですよね?』
「いーじゃないですか!」
『……まぁ、個人の自由ですけど…』
変な人だなと思いながら、再び演奏室内をキョロキョロ。
楽譜の中に埋もれてたりするのかなー?
だったらちょっと…探すの面倒臭いかも。
『あたし、知らないうちにお洗濯でもしちゃったんでしょうか…』
「それは無いでしょう。柚子でしたらその布が楽器用の物だと分かるでしょうから。」
『骸さん…』
「いいんです。失くなってしまったなら、また特注で……」
ガチャ、
「あれ?骸、柚子……何してんの?」
『ツナさん!実はですね、骸さんの探し物を…』
「探し物?あぁ、もしかしてコレ?」
ツナさんが差し出したのは、まさしく弦楽器お手入れ用の布。
「綱吉!それを一体何処で…」
「ごめん、今まで俺が使ってたんだよ。」
『えぇ!?』
ツナさん曰く、
バイオリンの手入れ布が汚れて来たから、特注したとか。
それで、品物が届くまでの間、骸さんのを使っていたとか。
『じゃあ、失くなったんじゃなかったんですね!良かったです♪』
「ごめんごめん、まさか同じタイミングで手入れするとは思わなくて。」
「まったく…まぁいいですけど。」
骸さんは布を受け取って部屋に戻って行った。
さて、あたしも掃除…
「そうだ、柚子、」
『な、何ですか?』
また何か横暴な指令を出されるんじゃ……
「掃除、ちょい丁寧にやっといて。」
『へ?何処か行かれるんですか?』
「うん、イタリア。」
マフィアの本拠地…?
つまり長期滞在!?
つまりあたしは自由の身!
「バーカ。柚子も行くんだよ。」
『えぇっ!?な、何で…どーしてですか!?』
「お披露目パーティーと演奏会、何処でやると思ってんだよ。」
『あ"………』
そうだよ。
お披露目って、勿論マフィアの方々に…だよね。
だったらイタリアでやるに決まってる!!
『あ…あたし正式に名乗るとか嫌ですよ!!』
「ダメ。もう俺が決めた。」
『そんなーっ!もし本物が決まったらどうするんですか!?お披露目し直すんですか!?』
「あー……じゃあそうしよっか。」
適当さ半端ない!!
うわーん!何であたし婚約者役とかになっちゃってんのー!?
いつからだっけ?あ、意外と前からだ…。
「それと、」
『ま、まだ何か…?』
ビクビクしながら返答すると、ツナさんはいつもの腹黒スマイルを見せて。
「柚子、お前は俺の家政婦だから。」
『へっ?』
ま、まさかさっきの……
---「だったら、僕だけの家政婦になる?」
『ツナさん、聞いてたんですか…?』
「何を?」
あー!あたしのバカ!!
自分で墓穴掘ってどーすんのさ!!
「だから、何を?」
『何でも無いです!気にしないで下さいっ!』
「無理、気になる。」
『きゃっ…!///』
走って逃げようとしたけれど、捕まって後ろから抱きしめられる。
こーなったら…せめてもの抵抗!
何言われたって赤面したりしないんだからっ!!
『(…………って、アレ…?)』
ツナさんは、何も言ってこなかった。
何で?どーして?どーゆー事?
『つ、ツナさん……?』
呼びかけたら、腕の力がキュゥと強くなった。
どうしよ…何だか……心配になっちゃうじゃん……
戸惑い始めるあたしの耳に、驚くほど微かな声。
「…ごめん、柚子………」
『えっ…?』
「…いつか……ちゃんと言うから…今は、まだ………」
『ツナ、さん……?』
次の瞬間、腕を解いたツナさんは、足早に行ってしまって。
『どういう、事……?』
あたしは暫く、その場から動けなかった。
ホリデー
普通じゃない休日に、ひたすら戸惑い心は休まず
continue…