🎼本編
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あのですね…
えっとですね……
『何でいるんですか?』
「僕もここに住んでるからです。」
あぁ何だコレ、すごくデジャブ。
今回は場所が玄関に移ったってだけで、やっぱりシチュエーションは変わらない。
『どうして、ここに立ってるんですか?』
「いけませんか?」
いやいやいや、邪魔なんですよ。
退いて欲しいわけですよ。
「柚子、僕も一緒に行きます!」
『……またですか。』
「だって柚子、僕には見せてくれなかったじゃないですか!5歳児になった時の姿!!」
『そ、それは…』
ツナさんが「ガードが緩い」だのなんだの言って、部屋から出してくれなかったから…
つか、正直それはそれで良かったと思う。
だってこの人に見られたりしたら……
「僕だって見たかったんです!!今も愛らしい柚子の!更に愛らしいであろう幼少期を!!!」
『はいはい、すみませんでした。分かりましたから、一緒に行きますから、退いて下さい。』
「さすが僕の柚子!物わかりが良いですね♪」
なんやかんやで、最近あたしは骸さんと2人で買い物に行く事が多い。
授業が終わった骸さんがダッシュで帰って来ると、ちょうど買い物に行こうとするあたしと鉢合わせするそうだ。
まぁ、荷物持ってくれるのは有り難いから……いーんだけどさー…
「柚子っ、コレ買ってくれませんか?」
『え、ちょっ…あの…』
ドサドサッ、
『うわっ!!』
普通に持てていたハズのカゴが急激に重くなる。
何を入れたのかと思いきや……
『骸さんっ!!またこんなにチョコ入れて~~~っ!!』
「いいじゃないですかぁ、柚子にもあげますから♪」
『あたしは今スイーツ削減中です!!』
「おやおや、そんな事しなくても。」
『とーにーかーく!10袋はダメです!5袋!!』
「柚子~~っ!」
一口チョコを5袋棚に戻し、あたしはお野菜のコーナーに向かう。
骸さんはしゅんとしながら仕方無さそうについて来た。
「今日の夕飯は何ですか?」
『えーっと、肉団子スープにでもしようかなって。』
「それはいいですね!」
パアアッと顔を輝かせる骸さん。
何だかちょっと子供みたいで可愛いな、と思った。
しいたけと白菜を買って、ひき肉も買って、あたしと骸さんは帰路につく。
時刻は6時半、少し暗くなり始めていた。
『今日、皆さん帰りが遅いんですよねー。』
「つまり、僕と柚子は2人きり…なんて素晴らしい!!」
『そーじゃなくて!夕飯が遅めになるって事です!』
んもーっ、骸さんはいつもこうだ。
つか、あたしはようやくこのテンションに慣れて来たけどさ、同じ授業の子とかはどうなんだろう?
だって、普通に見れば見た目はカッコいいワケだし………
「どうかしましたか?」
『あっ、いいえ!別にっ!』
行く前に約束してくれた通り買い物袋を持ってくれてる骸さん。
考え事しながらチラッと見たら、目が合った。
慌てて逸らしてみるものの、何だか恥ずかしくなって来る。
「おや、赤面ですか?可愛いですね♪」
『あーもー!黙ってて下さいっ!///』
普通の女の子とも、こんな感じで話してるのかな?
骸さんはタラシ体質なのかな…?
考えれば考える程、あたしは皆さんのスクールライフを知らないんだなぁ、と思う。
「柚子、」
『えっ?あ、何でしょう?』
「僕は………柚子だけですよ。」
『………へ?』
何だか、
いつもと違う感じがした。
骸さんはあたしの顔を覗き込むように話すのに、
今は、真直ぐ前だけ見て、あたしに言う。
「綱吉のモノだから気になった、というのもありましたけどね、最初は。」
ヘンタイ臭い笑みじゃない。
穏やかで、やんわりした微笑。
まだ空に少しだけ残るオレンジ色が、骸さんの横顔を僅かに照らした。
「そーです、柚子!」
『ぎょえっ!!』
突然こっちを向いて、いつものテンションに戻る骸さん。
思わずビビって一歩後退った。
『な、何ですか…?(ビックリしたぁ…)』
「ちょっと向こうの道を通っていきましょう!」
『えっ、でも皆さん帰って来ちゃう………わわっ!』
「クフフー♪」
空いてる手で、あたしの右手を引っぱって。
早歩きになった骸さんに、あたしは小走りっぽくなる。
『ちょっ…骸さんっ!??』
ホントにどうして7号館の人達は、
あたしを振り回すのがうまいんだろう。
それを一概に“横暴”って呼んでるけど、
間違ってはいないと思う。
振り回される方の身にもなってみろっての。
『何処行くんですかーっ!?』
「ほんの少し、寄り道です♪」
そんな事したらツナさんに怒られるのにーっ。
まったくもう!
つか、さっきの話も途中で終わっちゃったし。
---「柚子だけですよ。」
何がよ。
一体何があたし限定なんですか?
皆さんやっぱり、言葉が足りない。
あたしにソレを汲み取るのは、ほぼ不可能。
でもあの時、
骸さんが穏やかに微笑んでたあの瞬間、
ホントにホントにちょっとだけど、
あたし、見とれてた。
「ほら柚子、見て下さい。」
『え…?』
いつの間にか、階段を上ってた。
少し高台の、視界が開けた場所。
『わあっ…!』
まだ空の端っこには夕焼けが残ってて、
星がきらめく紺色の夜の空と交じる。
そんな中に浮かび上がる、街。
ポツリポツリと点き始めた、ネオンサイン。
『き、れい………』
「これを、柚子に見せたかったんです。」
横から聞こえる骸さんの声すら、
何だか景色に溶け込んでいくみたい。
『ありがとう、ございます…』
「気に入って頂けましたか?」
『何だか、骸さんがこんな場所知ってるとか……意外でした。』
そう言って笑うと、骸さんは少し口を尖らせた。
でもやっぱり最後には、こう言う。
「柚子は照れ屋ですね。本当は“感動して僕に抱きつきたい”とか思って……」
『ませんから!!///』
でも、感動したのはホントです。
だから、心の中だけでいっぱいいっぱい感謝しておきます。
『あっ!ツナさんに怒られます!急がなくちゃ!!』
「おやおや、怒られるのは柚子だけですよ?」
『だから何ですか!それが問題なんです!!』
骸さんを急かして、階段を駆け下りようとする。
「柚子、そんなに急ぐと転びますよーっ。」
『大丈夫ですっ………きゃっ!』
マ ジ で ?
漫画のようなタイミングで足がもつれ、あたしはふわりと宙に浮いた。
えっ、ヤバくない?
あと7段くらいあるんだけど。
こっから落ちたら軽く死ぬ…
「………おっと、」
ぐいっ、
落ちる感覚が途中で止まって、恐る恐る目を開ける。
『うわっ……!///』
「だから、言ったでしょう?」
買い物袋、割と重いはずなのに。
骸さんは袋を持ちながら、腕であたしの腰ら辺を抱き寄せてた。
『(つーか近いっ!!///)』
「足、ひねってませんか?」
『あっ、はい!大丈夫ですから!!///』
すぐ離れようとしたのに、骸さんは更にあたしを抱き寄せる。
『ちょっ…骸さんっ!?///』
「本当に、おかしいですね。」
『えっ?』
とりあえず放して欲しいんですが!!
片腕でギュウッと抱きしめられて、顔の熱ばかり上がってく。
「どうして、こんなにも………」
『骸、さん…?』
「……いえ、何でもありません。帰りましょうか。」
言ってすぐ、骸さんは腕を解いて歩き出した。
あたしはテコテコついて行く。
ダメだ、まだ……心臓が落ち着かない。
何なのよ、あたし。
分かってるのに。
骸さんはヘンタイで、危険人物。
ちょっと油断すれば、何されるか分からない。
『(それ、でも……)』
あたしは、分かり始めてるのかも知れない。
この人は、ただのヘンタイさんじゃない。
隠されている内面は、とっても良い人だって。
時折それが見え隠れするから、無駄に心拍数上がっちゃうんだって。
だから……
「ところで柚子、」
『な、何ですか?』
「先程思ったのですが、柚子は自分で思ってる程太ってはいないかと…」
『放っといて下さい!!!!』
………やっぱり、まだちょっとダメ。
『ただいま帰りましたー。』
「帰りましたー♪」
「遅いんだよ柚子。」
『ぎょえっ、ツナさん!』
玄関で仁王立ちとか……心配性のパパですか!?
「というか綱吉、僕はスルーですか。」
「柚子、何もされてないよな?」
「更にスルーですか。」
『あ、はいっ……だ、大丈夫です…』
アレは事故、だよね。
そうそう、ただの事故だよ。
「ったく…」
『ちょ、ちょっとツナさん!?///』
またやって来た、突然の抱擁。
『だからプレイボーイは……!』
「嫌われるんだろ?」
『分かってるならやめて下さいっ!』
「うるさい。バカ柚子。」
何でバカとか言われなくちゃいけないの!?
もうホントに意味不明!!
『あのー、夕飯作りたいんですけど……』
「あぁ、そうだったな。早くしろよ。」
パッと放したかと思ったら横暴発言。
骸さんは後ろの方で「柚子が取られたー!」って嘆いてるし。
『骸さん、ソレ下さい。』
買い物袋を指差して言うと、「キッチンまで持っていきましょうか?」とか言ってくれる。
そしたらツナさん、「俺が持ってくからいい」と。
うわ、ツナさんが自分から荷物持ちなんて……意外。
「ほら、キッチン行くぞ。」
『あ、はーい!』
ツナさんに急かされて、あたしはトトッと後を追う。
「僕の柚子ーっ…」
『あーはいはい、夕飯作りに行くだけですから。』
「また一緒に買い物行きましょうねーっ!」
『また荷物持って下さいねー。』
遠ざかりながらも骸さんと会話してたら、ツナさんに腕を引っぱられた。
「今度は俺と行こうな、柚子。」
『へ?でもお仕事とか授業……』
「んなもん、いくらでもどーにでもなる。」
『いーんですか!?』
「…いんだよ。」
それから、ツナさんはほんのちょっとだけ不機嫌だった。
…そんなにお買い物行きたかったのかな?
ネオン
教えてもらったあの景色は、多分ずっと忘れない
continue…
えっとですね……
『何でいるんですか?』
「僕もここに住んでるからです。」
あぁ何だコレ、すごくデジャブ。
今回は場所が玄関に移ったってだけで、やっぱりシチュエーションは変わらない。
『どうして、ここに立ってるんですか?』
「いけませんか?」
いやいやいや、邪魔なんですよ。
退いて欲しいわけですよ。
「柚子、僕も一緒に行きます!」
『……またですか。』
「だって柚子、僕には見せてくれなかったじゃないですか!5歳児になった時の姿!!」
『そ、それは…』
ツナさんが「ガードが緩い」だのなんだの言って、部屋から出してくれなかったから…
つか、正直それはそれで良かったと思う。
だってこの人に見られたりしたら……
「僕だって見たかったんです!!今も愛らしい柚子の!更に愛らしいであろう幼少期を!!!」
『はいはい、すみませんでした。分かりましたから、一緒に行きますから、退いて下さい。』
「さすが僕の柚子!物わかりが良いですね♪」
なんやかんやで、最近あたしは骸さんと2人で買い物に行く事が多い。
授業が終わった骸さんがダッシュで帰って来ると、ちょうど買い物に行こうとするあたしと鉢合わせするそうだ。
まぁ、荷物持ってくれるのは有り難いから……いーんだけどさー…
「柚子っ、コレ買ってくれませんか?」
『え、ちょっ…あの…』
ドサドサッ、
『うわっ!!』
普通に持てていたハズのカゴが急激に重くなる。
何を入れたのかと思いきや……
『骸さんっ!!またこんなにチョコ入れて~~~っ!!』
「いいじゃないですかぁ、柚子にもあげますから♪」
『あたしは今スイーツ削減中です!!』
「おやおや、そんな事しなくても。」
『とーにーかーく!10袋はダメです!5袋!!』
「柚子~~っ!」
一口チョコを5袋棚に戻し、あたしはお野菜のコーナーに向かう。
骸さんはしゅんとしながら仕方無さそうについて来た。
「今日の夕飯は何ですか?」
『えーっと、肉団子スープにでもしようかなって。』
「それはいいですね!」
パアアッと顔を輝かせる骸さん。
何だかちょっと子供みたいで可愛いな、と思った。
しいたけと白菜を買って、ひき肉も買って、あたしと骸さんは帰路につく。
時刻は6時半、少し暗くなり始めていた。
『今日、皆さん帰りが遅いんですよねー。』
「つまり、僕と柚子は2人きり…なんて素晴らしい!!」
『そーじゃなくて!夕飯が遅めになるって事です!』
んもーっ、骸さんはいつもこうだ。
つか、あたしはようやくこのテンションに慣れて来たけどさ、同じ授業の子とかはどうなんだろう?
だって、普通に見れば見た目はカッコいいワケだし………
「どうかしましたか?」
『あっ、いいえ!別にっ!』
行く前に約束してくれた通り買い物袋を持ってくれてる骸さん。
考え事しながらチラッと見たら、目が合った。
慌てて逸らしてみるものの、何だか恥ずかしくなって来る。
「おや、赤面ですか?可愛いですね♪」
『あーもー!黙ってて下さいっ!///』
普通の女の子とも、こんな感じで話してるのかな?
骸さんはタラシ体質なのかな…?
考えれば考える程、あたしは皆さんのスクールライフを知らないんだなぁ、と思う。
「柚子、」
『えっ?あ、何でしょう?』
「僕は………柚子だけですよ。」
『………へ?』
何だか、
いつもと違う感じがした。
骸さんはあたしの顔を覗き込むように話すのに、
今は、真直ぐ前だけ見て、あたしに言う。
「綱吉のモノだから気になった、というのもありましたけどね、最初は。」
ヘンタイ臭い笑みじゃない。
穏やかで、やんわりした微笑。
まだ空に少しだけ残るオレンジ色が、骸さんの横顔を僅かに照らした。
「そーです、柚子!」
『ぎょえっ!!』
突然こっちを向いて、いつものテンションに戻る骸さん。
思わずビビって一歩後退った。
『な、何ですか…?(ビックリしたぁ…)』
「ちょっと向こうの道を通っていきましょう!」
『えっ、でも皆さん帰って来ちゃう………わわっ!』
「クフフー♪」
空いてる手で、あたしの右手を引っぱって。
早歩きになった骸さんに、あたしは小走りっぽくなる。
『ちょっ…骸さんっ!??』
ホントにどうして7号館の人達は、
あたしを振り回すのがうまいんだろう。
それを一概に“横暴”って呼んでるけど、
間違ってはいないと思う。
振り回される方の身にもなってみろっての。
『何処行くんですかーっ!?』
「ほんの少し、寄り道です♪」
そんな事したらツナさんに怒られるのにーっ。
まったくもう!
つか、さっきの話も途中で終わっちゃったし。
---「柚子だけですよ。」
何がよ。
一体何があたし限定なんですか?
皆さんやっぱり、言葉が足りない。
あたしにソレを汲み取るのは、ほぼ不可能。
でもあの時、
骸さんが穏やかに微笑んでたあの瞬間、
ホントにホントにちょっとだけど、
あたし、見とれてた。
「ほら柚子、見て下さい。」
『え…?』
いつの間にか、階段を上ってた。
少し高台の、視界が開けた場所。
『わあっ…!』
まだ空の端っこには夕焼けが残ってて、
星がきらめく紺色の夜の空と交じる。
そんな中に浮かび上がる、街。
ポツリポツリと点き始めた、ネオンサイン。
『き、れい………』
「これを、柚子に見せたかったんです。」
横から聞こえる骸さんの声すら、
何だか景色に溶け込んでいくみたい。
『ありがとう、ございます…』
「気に入って頂けましたか?」
『何だか、骸さんがこんな場所知ってるとか……意外でした。』
そう言って笑うと、骸さんは少し口を尖らせた。
でもやっぱり最後には、こう言う。
「柚子は照れ屋ですね。本当は“感動して僕に抱きつきたい”とか思って……」
『ませんから!!///』
でも、感動したのはホントです。
だから、心の中だけでいっぱいいっぱい感謝しておきます。
『あっ!ツナさんに怒られます!急がなくちゃ!!』
「おやおや、怒られるのは柚子だけですよ?」
『だから何ですか!それが問題なんです!!』
骸さんを急かして、階段を駆け下りようとする。
「柚子、そんなに急ぐと転びますよーっ。」
『大丈夫ですっ………きゃっ!』
マ ジ で ?
漫画のようなタイミングで足がもつれ、あたしはふわりと宙に浮いた。
えっ、ヤバくない?
あと7段くらいあるんだけど。
こっから落ちたら軽く死ぬ…
「………おっと、」
ぐいっ、
落ちる感覚が途中で止まって、恐る恐る目を開ける。
『うわっ……!///』
「だから、言ったでしょう?」
買い物袋、割と重いはずなのに。
骸さんは袋を持ちながら、腕であたしの腰ら辺を抱き寄せてた。
『(つーか近いっ!!///)』
「足、ひねってませんか?」
『あっ、はい!大丈夫ですから!!///』
すぐ離れようとしたのに、骸さんは更にあたしを抱き寄せる。
『ちょっ…骸さんっ!?///』
「本当に、おかしいですね。」
『えっ?』
とりあえず放して欲しいんですが!!
片腕でギュウッと抱きしめられて、顔の熱ばかり上がってく。
「どうして、こんなにも………」
『骸、さん…?』
「……いえ、何でもありません。帰りましょうか。」
言ってすぐ、骸さんは腕を解いて歩き出した。
あたしはテコテコついて行く。
ダメだ、まだ……心臓が落ち着かない。
何なのよ、あたし。
分かってるのに。
骸さんはヘンタイで、危険人物。
ちょっと油断すれば、何されるか分からない。
『(それ、でも……)』
あたしは、分かり始めてるのかも知れない。
この人は、ただのヘンタイさんじゃない。
隠されている内面は、とっても良い人だって。
時折それが見え隠れするから、無駄に心拍数上がっちゃうんだって。
だから……
「ところで柚子、」
『な、何ですか?』
「先程思ったのですが、柚子は自分で思ってる程太ってはいないかと…」
『放っといて下さい!!!!』
………やっぱり、まだちょっとダメ。
『ただいま帰りましたー。』
「帰りましたー♪」
「遅いんだよ柚子。」
『ぎょえっ、ツナさん!』
玄関で仁王立ちとか……心配性のパパですか!?
「というか綱吉、僕はスルーですか。」
「柚子、何もされてないよな?」
「更にスルーですか。」
『あ、はいっ……だ、大丈夫です…』
アレは事故、だよね。
そうそう、ただの事故だよ。
「ったく…」
『ちょ、ちょっとツナさん!?///』
またやって来た、突然の抱擁。
『だからプレイボーイは……!』
「嫌われるんだろ?」
『分かってるならやめて下さいっ!』
「うるさい。バカ柚子。」
何でバカとか言われなくちゃいけないの!?
もうホントに意味不明!!
『あのー、夕飯作りたいんですけど……』
「あぁ、そうだったな。早くしろよ。」
パッと放したかと思ったら横暴発言。
骸さんは後ろの方で「柚子が取られたー!」って嘆いてるし。
『骸さん、ソレ下さい。』
買い物袋を指差して言うと、「キッチンまで持っていきましょうか?」とか言ってくれる。
そしたらツナさん、「俺が持ってくからいい」と。
うわ、ツナさんが自分から荷物持ちなんて……意外。
「ほら、キッチン行くぞ。」
『あ、はーい!』
ツナさんに急かされて、あたしはトトッと後を追う。
「僕の柚子ーっ…」
『あーはいはい、夕飯作りに行くだけですから。』
「また一緒に買い物行きましょうねーっ!」
『また荷物持って下さいねー。』
遠ざかりながらも骸さんと会話してたら、ツナさんに腕を引っぱられた。
「今度は俺と行こうな、柚子。」
『へ?でもお仕事とか授業……』
「んなもん、いくらでもどーにでもなる。」
『いーんですか!?』
「…いんだよ。」
それから、ツナさんはほんのちょっとだけ不機嫌だった。
…そんなにお買い物行きたかったのかな?
ネオン
教えてもらったあの景色は、多分ずっと忘れない
continue…