🎼本編
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『お、お車ですか!??』
「そう、車。」
『でもあのっ、そーゆーのはガソリンスタンドに行った方が早いんじゃ…』
「………オレンジジュース…」
『一生懸命やらせて頂きますっ!!!』
うわーん!
オレンジジュースのせいだ!!
骸さんのせいだ!!
あたしが…
生まれて初めて…
洗車する事になってしまったのは!!!
『(ツーナさんは横暴っ、横暴、横暴っ!)』
(↑「メリーさんの羊」に乗せて歌ってみて下さい/笑)
「随分楽しい歌作ったな、柚子。」
『ぎゃあああ!!!』
ぐるんっと振り向いた先にいたのは、
『リボーンさん…』
良かったぁ、ツナさんじゃなくて。
半殺しの刑に処されるトコだったよ。
「ホントにな。」
『う…』
「で、今度は何言われたんだ?」
『実はですねぇ……今度同盟ファミリーのボスがイタリアからいらっしゃるそうで。』
それを迎えにいく為には赤いフェラーリがいいんだとか。
で、わざわざ昨日レンタルして、
その上…
『あたしに洗えって言うんですよ!?女の子1人で!!』
酷いにもほどがある。
つーかオレンジジュースで脅すとか…マジあり得ない扱い。
確かに骸さん専用ジュースをフゥ太君達に出してしまったのは、あたしの不注意かもだけど。
「だったら手伝ってもらえばいーじゃねーか。1人でやれ、なんてツナは言ってねーだろ?」
『そ、そー言えば!!さすがリボーンさん!では早速…』
「俺はやんねーからな。」
間。
『…………え"?』
「俺が手伝ってやる、なんて言ってねーぞ。」
こ、この人~~~~っ!!!
信じられないっ!!
「打開策教えてやっただけでも感謝しやがれ。」
『はい…』
リボーンさんは普通に自室に戻ってしまった。
あー……ないわ、コレ。
どーしよ。
頼むったって、誰に?
だってさ…
今日、山本さんいないんだもんっ!!!
無理でしょ。
無理だよね!?コレ。
『でも1人は嫌ーっ…』
んで、結局……
「な、ん、で、俺が!!!」
『す、すみませんっ!消去法でいったら残ったんです!!』
「あぁ!?てめー柚子……俺はぜってーやんねーからな!!」
とか言いつつ、ちゃっかり車の前まで引っぱられて来た獄寺さん。
だって、
まずツナさん…無理。
リボーンさん…断られた。
雲雀さん…恐怖。
骸さん…恩着せがましい。
了平さん…不在。
山本さん…仕事中。
『お願いですーっ…もう獄寺さんしかいないんですっ!!』
「だから俺だって暇じゃねぇんだよ!!」
『じゃあどうしてタバコ吸いながらベランダで空見てたんですか!!?』
「そっ…それは、だなぁ…///」
ほーら暇人だ。
暇人なら手伝え~~~っ!
「柚子、キャラ壊れてんぞ。」
『あっ、はい!』
「………で、何で急に。」
『明日……じゃなくて明後日、イタリアからのお客様を迎えに行くそうです。』
「あぁ…そー言えば来るとか言ってたな。」
頭を掻きながら獄寺さんは思い出すように言う。
そして、そのまま手にかけていたゴムで髪を結んだ。
『ぉ……』
「あ?どした?」
『おぉーっ!』
「な、何だよ!!///」
だって、髪の毛結んでる獄寺さん、初めて見たんだもん!
すごい!何か素敵!!
「あんまジロジロ見ると手伝わねーぞ!」
『ご、ごめんなさいっ!』
謝りながら頭を下げると、
ゴンッ、
『い……ったぁ~…』
「おい柚子!?」
車に頭ぶつけた…。
あたしってば、バカになっちゃうよぉ…。
「ったく…ほら、見せろ。」
『ほへ?』
痛くて泣きそうになりながら、
両手で押さえてかろうじて堪えるあたし。
獄寺さんは突然あたしの手を掴んで、おでこから引きはがす。
『(ちっ…近い!!///)』
「赤くなってんじゃねーか……バーカ。」
『ば、バカってなんですか!!』
「そのまんまの意味だっての。」
皮肉を言ってから、獄寺さんはフッと笑う。
あ、笑顔初めて見た……
とか思ってボーッとする。
そんなあたしの額に、獄寺さんは手の平をピタッと当てて。
「柚子、これ以上バカにならねぇように気をつけろよ。」
と言った。
『こ、これ以上!??』
「お前がこれ以上鈍感バカになっちまったら、10代目が可哀想だ。」
『え?つ、ツナさん、ですか??』
まるで意味が分からない。
ただ、そのひんやりした手に額を預け、獄寺さんの表情を窺う。
『獄寺さんは…忠実ですよね。』
「あ?何だよ急に。」
だって、いつも“10代目10代目”言ってる。
それは学校にいるツナさんファンとは違って、
付き従う人……って感じ。
『どうしてですか?』
あんなに横暴なボスなのに。
自分の代わりに授業受けさせるような人なのに。
首を傾げて尋ねると、獄寺さんはスッと立ち上がって背を向けた。
「10代目は、偉大な方だからだ。」
額に微妙に残ってる、ひんやりした感覚が名残惜しい。
そこに風が吹きつけて、更に名残惜しくなる。
「柚子は、10代目が嫌いなのか?」
あぁ、前にも同じ事聞かれたな。
しかも、ツナさん本人に。
『嫌い…ではないと思います。』
あたしはまだ、こんな逃げるような答え方しか出来ない。
それは、どうして?
だって、
好きと言ったら変な意味にとられそうで。
嫌いと言ったら嘘になりそうで。
『こんな曖昧な答えじゃ、ダメですか?』
背中の向こうから聞こえる、柚子の声。
それが若干震えているのは、多分気のせいじゃない。
「いや…」
振り返ると、俯く柚子の姿。
見ているだけでは壊れそうで、思わず抱きしめた。
「悪くねぇよ。」
『獄寺さん…?』
嫌いじゃないなら、それでいい。
そのまま、柚子には10代目の側にいて欲しい。
本当に危ない時に10代目を救えるのは、
他でもない、柚子だけだから。
俺が、俺達が、どうしても救えなかったあの日の10代目を、
柚子だけが救う事が出来た。
動かす事が出来た。
だから…
「嫌いじゃないなら、ずっとココにいろよ。」
『えぇ!!?』
不満そうな声をあげる柚子に、
腕を解いてコツンとげんこつしてやった。
『てゆーか獄寺さん!あたしの質問には答えてくれないんですか!?』
「あぁ?答えたじゃねーか。」
『不十分ですっ。』
洗車を始めながら、柚子は口を尖らせる。
俺は仕方無くもう1度口を開く。
「10代目は、一人だった俺に手を差し伸べてくれたお方だ。」
『1人…?』
「もう、何年も前の話だけどな。」
柚子の表情を見るのが照れくさくて、俺は洗車に集中する。
ゴシゴシ、という音が辺りに響く。
『そうなんですかぁ…。』
柚子の小さな相槌が聞こえて、それきり会話は途切れた。
しばらくして、ホースを持った柚子が問いかける。
『もう、流しちゃっていいですかね?』
「あぁ…充分だろ。」
『うわぁ…車に水ぶっかけるとか、すごく楽しみだなっ♪』
一瞬言葉遣いが悪くなったのは、敢えて追及しないでおく。
ジャーッと泡を流し始める柚子。
俺はブラシとかバケツを片付ける。
『あ、ありがとうございます!』
こっちを向いてニコリと笑う柚子に、
「俺はこのまま戻るからな。」
とか言ってみる。
『はぅっ!酷いです!!置いていくんですか!?』
「けっ、もう1人で出来んだろ。」
『獄寺さんの横暴ーっ!!』
「るせぇ。」
後ろでギャーギャー騒ぐ柚子。
手伝ってやったんだから感謝しやがれってんだ。
『獄寺さーん!』
「何だよ、もう手伝わねーぞ。」
『今日は、本当にありがとうございましたー♪』
柚子は、満面の笑みで手を振った。
その瞬間、10代目がココに柚子を連れて来た理由が分かった気がした。
「(あんの…天然女め。)」
『今度夕食に獄寺さんだけデザートつけます!』
「バカ!んな事すんじゃねぇ!!」
『えーっ、どうしてですかー?』
こないだ言った事、もう忘れてやがる。
「俺を喜ばせたかったら、10代目の為に何かしろ!!」
『あ、そうだった!』
ったく…
いちいち世話の焼ける…
「(けど、よ……)」
ブラシやバケツや洗剤を片付けながら思う。
柚子のおかげで、ココは前よりにぎやかになったんじゃねーか、って。
その10分後、柚子は無事に洗車を終えて帰って来た。
『獄寺さん!チェリーとリンゴ、どっちがいいですか?』
「だからっ、俺は別にデザートなんて…」
「何?獄寺君だけサービス?」
『ひょえっ!ツナさん!!』
「じゅ、10代目!!」
「ズルいなー、俺も欲しいな。」
『うぅ…分かりましたぁ…。』
「抜け駆けは無しだよ、獄寺君。(黒笑)」
「しょ、承知してます!10代目ぇ!!」
タフネス
横暴ボスへの頑強な忠誠は、理由を聞いてもあたしには理解不能。
continue…
「そう、車。」
『でもあのっ、そーゆーのはガソリンスタンドに行った方が早いんじゃ…』
「………オレンジジュース…」
『一生懸命やらせて頂きますっ!!!』
うわーん!
オレンジジュースのせいだ!!
骸さんのせいだ!!
あたしが…
生まれて初めて…
洗車する事になってしまったのは!!!
『(ツーナさんは横暴っ、横暴、横暴っ!)』
(↑「メリーさんの羊」に乗せて歌ってみて下さい/笑)
「随分楽しい歌作ったな、柚子。」
『ぎゃあああ!!!』
ぐるんっと振り向いた先にいたのは、
『リボーンさん…』
良かったぁ、ツナさんじゃなくて。
半殺しの刑に処されるトコだったよ。
「ホントにな。」
『う…』
「で、今度は何言われたんだ?」
『実はですねぇ……今度同盟ファミリーのボスがイタリアからいらっしゃるそうで。』
それを迎えにいく為には赤いフェラーリがいいんだとか。
で、わざわざ昨日レンタルして、
その上…
『あたしに洗えって言うんですよ!?女の子1人で!!』
酷いにもほどがある。
つーかオレンジジュースで脅すとか…マジあり得ない扱い。
確かに骸さん専用ジュースをフゥ太君達に出してしまったのは、あたしの不注意かもだけど。
「だったら手伝ってもらえばいーじゃねーか。1人でやれ、なんてツナは言ってねーだろ?」
『そ、そー言えば!!さすがリボーンさん!では早速…』
「俺はやんねーからな。」
間。
『…………え"?』
「俺が手伝ってやる、なんて言ってねーぞ。」
こ、この人~~~~っ!!!
信じられないっ!!
「打開策教えてやっただけでも感謝しやがれ。」
『はい…』
リボーンさんは普通に自室に戻ってしまった。
あー……ないわ、コレ。
どーしよ。
頼むったって、誰に?
だってさ…
今日、山本さんいないんだもんっ!!!
無理でしょ。
無理だよね!?コレ。
『でも1人は嫌ーっ…』
んで、結局……
「な、ん、で、俺が!!!」
『す、すみませんっ!消去法でいったら残ったんです!!』
「あぁ!?てめー柚子……俺はぜってーやんねーからな!!」
とか言いつつ、ちゃっかり車の前まで引っぱられて来た獄寺さん。
だって、
まずツナさん…無理。
リボーンさん…断られた。
雲雀さん…恐怖。
骸さん…恩着せがましい。
了平さん…不在。
山本さん…仕事中。
『お願いですーっ…もう獄寺さんしかいないんですっ!!』
「だから俺だって暇じゃねぇんだよ!!」
『じゃあどうしてタバコ吸いながらベランダで空見てたんですか!!?』
「そっ…それは、だなぁ…///」
ほーら暇人だ。
暇人なら手伝え~~~っ!
「柚子、キャラ壊れてんぞ。」
『あっ、はい!』
「………で、何で急に。」
『明日……じゃなくて明後日、イタリアからのお客様を迎えに行くそうです。』
「あぁ…そー言えば来るとか言ってたな。」
頭を掻きながら獄寺さんは思い出すように言う。
そして、そのまま手にかけていたゴムで髪を結んだ。
『ぉ……』
「あ?どした?」
『おぉーっ!』
「な、何だよ!!///」
だって、髪の毛結んでる獄寺さん、初めて見たんだもん!
すごい!何か素敵!!
「あんまジロジロ見ると手伝わねーぞ!」
『ご、ごめんなさいっ!』
謝りながら頭を下げると、
ゴンッ、
『い……ったぁ~…』
「おい柚子!?」
車に頭ぶつけた…。
あたしってば、バカになっちゃうよぉ…。
「ったく…ほら、見せろ。」
『ほへ?』
痛くて泣きそうになりながら、
両手で押さえてかろうじて堪えるあたし。
獄寺さんは突然あたしの手を掴んで、おでこから引きはがす。
『(ちっ…近い!!///)』
「赤くなってんじゃねーか……バーカ。」
『ば、バカってなんですか!!』
「そのまんまの意味だっての。」
皮肉を言ってから、獄寺さんはフッと笑う。
あ、笑顔初めて見た……
とか思ってボーッとする。
そんなあたしの額に、獄寺さんは手の平をピタッと当てて。
「柚子、これ以上バカにならねぇように気をつけろよ。」
と言った。
『こ、これ以上!??』
「お前がこれ以上鈍感バカになっちまったら、10代目が可哀想だ。」
『え?つ、ツナさん、ですか??』
まるで意味が分からない。
ただ、そのひんやりした手に額を預け、獄寺さんの表情を窺う。
『獄寺さんは…忠実ですよね。』
「あ?何だよ急に。」
だって、いつも“10代目10代目”言ってる。
それは学校にいるツナさんファンとは違って、
付き従う人……って感じ。
『どうしてですか?』
あんなに横暴なボスなのに。
自分の代わりに授業受けさせるような人なのに。
首を傾げて尋ねると、獄寺さんはスッと立ち上がって背を向けた。
「10代目は、偉大な方だからだ。」
額に微妙に残ってる、ひんやりした感覚が名残惜しい。
そこに風が吹きつけて、更に名残惜しくなる。
「柚子は、10代目が嫌いなのか?」
あぁ、前にも同じ事聞かれたな。
しかも、ツナさん本人に。
『嫌い…ではないと思います。』
あたしはまだ、こんな逃げるような答え方しか出来ない。
それは、どうして?
だって、
好きと言ったら変な意味にとられそうで。
嫌いと言ったら嘘になりそうで。
『こんな曖昧な答えじゃ、ダメですか?』
背中の向こうから聞こえる、柚子の声。
それが若干震えているのは、多分気のせいじゃない。
「いや…」
振り返ると、俯く柚子の姿。
見ているだけでは壊れそうで、思わず抱きしめた。
「悪くねぇよ。」
『獄寺さん…?』
嫌いじゃないなら、それでいい。
そのまま、柚子には10代目の側にいて欲しい。
本当に危ない時に10代目を救えるのは、
他でもない、柚子だけだから。
俺が、俺達が、どうしても救えなかったあの日の10代目を、
柚子だけが救う事が出来た。
動かす事が出来た。
だから…
「嫌いじゃないなら、ずっとココにいろよ。」
『えぇ!!?』
不満そうな声をあげる柚子に、
腕を解いてコツンとげんこつしてやった。
『てゆーか獄寺さん!あたしの質問には答えてくれないんですか!?』
「あぁ?答えたじゃねーか。」
『不十分ですっ。』
洗車を始めながら、柚子は口を尖らせる。
俺は仕方無くもう1度口を開く。
「10代目は、一人だった俺に手を差し伸べてくれたお方だ。」
『1人…?』
「もう、何年も前の話だけどな。」
柚子の表情を見るのが照れくさくて、俺は洗車に集中する。
ゴシゴシ、という音が辺りに響く。
『そうなんですかぁ…。』
柚子の小さな相槌が聞こえて、それきり会話は途切れた。
しばらくして、ホースを持った柚子が問いかける。
『もう、流しちゃっていいですかね?』
「あぁ…充分だろ。」
『うわぁ…車に水ぶっかけるとか、すごく楽しみだなっ♪』
一瞬言葉遣いが悪くなったのは、敢えて追及しないでおく。
ジャーッと泡を流し始める柚子。
俺はブラシとかバケツを片付ける。
『あ、ありがとうございます!』
こっちを向いてニコリと笑う柚子に、
「俺はこのまま戻るからな。」
とか言ってみる。
『はぅっ!酷いです!!置いていくんですか!?』
「けっ、もう1人で出来んだろ。」
『獄寺さんの横暴ーっ!!』
「るせぇ。」
後ろでギャーギャー騒ぐ柚子。
手伝ってやったんだから感謝しやがれってんだ。
『獄寺さーん!』
「何だよ、もう手伝わねーぞ。」
『今日は、本当にありがとうございましたー♪』
柚子は、満面の笑みで手を振った。
その瞬間、10代目がココに柚子を連れて来た理由が分かった気がした。
「(あんの…天然女め。)」
『今度夕食に獄寺さんだけデザートつけます!』
「バカ!んな事すんじゃねぇ!!」
『えーっ、どうしてですかー?』
こないだ言った事、もう忘れてやがる。
「俺を喜ばせたかったら、10代目の為に何かしろ!!」
『あ、そうだった!』
ったく…
いちいち世話の焼ける…
「(けど、よ……)」
ブラシやバケツや洗剤を片付けながら思う。
柚子のおかげで、ココは前よりにぎやかになったんじゃねーか、って。
その10分後、柚子は無事に洗車を終えて帰って来た。
『獄寺さん!チェリーとリンゴ、どっちがいいですか?』
「だからっ、俺は別にデザートなんて…」
「何?獄寺君だけサービス?」
『ひょえっ!ツナさん!!』
「じゅ、10代目!!」
「ズルいなー、俺も欲しいな。」
『うぅ…分かりましたぁ…。』
「抜け駆けは無しだよ、獄寺君。(黒笑)」
「しょ、承知してます!10代目ぇ!!」
タフネス
横暴ボスへの頑強な忠誠は、理由を聞いてもあたしには理解不能。
continue…