🎼本編
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あのですね…
えっとですね…
『何でいるんですか?』
「僕もここに住んでるからです。」
いや、違くて。
そーゆー根本的な事を聞いているのではなくて。
『どうして、ここに立ってるんですか?』
「いけませんか?」
いや、それも違くて。
別に聞き返さなくてもいいからね。
『だーかーら……』
「はい?」
『どーしてあたしが自室のドア開けて1番最初に骸さんのドアップが目に映るんですかー!!!?』
「クフフ…そんなに答えて欲しいですか?」
『いえ、結構ですから退いて下さい。通れません。』
「照れなくてもいいですよ。」
『誰が。』
「柚子が♪」
あーもー!
どーしてこんな時に限ってツナさん早朝会議行っちゃうのーーー!!?
おかげでヘンタイの餌食だよ!
いっそこの場から消えてしまいたい!!
「柚子が消えたら僕は寂しいですよー。」
『知りませんっ!』
「実は、1つ尋ねたい事があったんです。」
急に真面目な顔になる骸さん。
あたしはちょっと吃驚して動きを止める。
「柚子が…」
『はい、』
「山本君に…」
ん?
ちょーっと話の流れがギャグちっくな方向に行ってるのは気のせいかな??
…とりあえず最後まで聞いてみよう。
『山本さんに、何ですか?』
「山本君に先日渡していたホルンは一体何処から持って来たんですか!!?」
えぇーーーっ!!?
何で骸さんがそんな事チェックしてるの!?
「山本君が突然サックスじゃない楽器を持って来て、僕は驚きました。」
『はぁ…』
「そして!このアジトの宅配記録を調べましたがそれらしき情報は出て来ないので不思議に思いました。」
普通そこまでする…?
いや、普通じゃないんだった、この人。
『それで…?』
「山本君に直接聞いてみたら何と!!柚子にもらったとか言うじゃないですか!!」
山本さんんんんん!!!
どうして暴露するの!
よりによってこの過剰反応者に!!!
「僕は不安になりました。」
『はい…?』
「そのホルンは…」
『ホルンは…?』
「まさか…」
『何ですか?』
やけに長ーい間が置かれる。
正直イライラする。
早く掃除したいんだけど。
ツナさんに怒られるんだけど。
「遠い昔!幼い柚子が使っていたのではないかと!!!」
間。
『…………はい?』
「さぁ答えて下さい柚子!!アレは何処から調達したんですか!?そして、幼き柚子はアレを使っていたんですか!?」
…鼻息が荒いです。
「そんな事はどうでもいいです!!」
『心読まないで下さい!!』
山本さんに渡したあのホルンは…
確か……
『あたしの父、ちょっと名の知れたフルート奏者だったんです。だから当然あたしにも音楽家としての期待がかけられて…』
小さい頃、たくさんの楽器が目の前に置かれた。
“弾きたい楽器を選びなさい”
と。
だけどあたしは真っ先に、父がよく吹いてくれてたフルートを選んだ記憶がある。
どれを選んだとしても、スパルタ教育させられる運命だったようだ。
だから…
フルートを選んで良かったな、と今は思ってる。
『だからあのホルンは…その時選ばれなかった楽器の中の一つです。あたしだって、山本さんに渡す時に初めて触れたんですよ。』
昔の事をちょっとだけ思い出して、
亡き父の記憶がふっと頭をよぎって、
どうやらあたしは哀しい笑みというモノを見せてしまったらしい。
「柚子……」
ぎゅぅ…
『ちょ、何するんですか骸さん!!』
「分かりませんか?」
いや、分かるけれども分かりたくない!!
恥ずかしいというか…
『セクハラで訴えますよ!?』
「そんな顔して、何言ってるんですか。」
えっ…?
『ど、どど、どーゆー意味ですか!?』
「嫌な事を思い出させてしまったみたいですね、柚子。」
『なっ…!』
この人…こんなに鋭い人なの?
し、知らなかった…。
ぽかんとするあたしの頭に、
骸さんのあったかい手の平が乗る。
それは、ゆっくりと髪を撫でて。
「哀しい顔で文句を言われても、強がっているようにしか見えませんよ。」
『何言ってるんですか!強がってなんかいません!』
だって、ずっとずっと前の事だもん。
蘇って来ても、すぐに胸の奥底にしまっておけるハズなのに。
『大丈夫ですっ!だから離して下さい!マジで訴えます!!』
「クフフ…柚子は本当に強いですね。」
何だろう…
変な感じ。
そんなつもり全然無いのに、
骸さんに慰められてるみたい……
『あ…頭撫でるの止めて下さいっ…!』
「柚子の髪の毛がサラサラなものですから♪」
『セクハラっ…!!』
「違います、柚子の事が好きなだけですよ♪」
何よ、この人。
調子狂うってば~っ!!
「柚子、無理はいけませんからね。」
『無理してませんっ。』
「亡きお父上と同じ楽器を演奏するのは、容易な事ではないでしょう。」
『そんな事っ…』
「ですから…」
おかしいな。
骸さんって、
こんなに優しい人だったっけ……?
「ですから、僕と一緒に愛の歌を練習しましょう♪」
見上げた先には、
いつも通りのヘンタイスマイル。
『あはは…』
一瞬でもグラッと来た自分が、
すんごくうざったい。
『あたし、これから掃除がありますので。』
「柚子~、やりましょうよ~。」
『大体愛の歌って何ですか!?ちなみにあたしはブラームスのピアノ連弾曲しか知りません!』
「でしたらそれを僕が編曲して…」
『とにかく腕を離して下さいっ!!!』
いつものようにパンチを決めて、走って逃げる。
「クフフっ、柚子ーっ♪」
『追って来ないで下さい!』
「ピアノ連弾しましょうよー。」
『ピアノは弾けません!獄寺さんとやったらどうですか!?』
「僕は柚子と弾きたいんです♪」
何なのさ、この人。
走って走って走るけど、追いつかれてしまう。
ガシッ、
『うっ…!』
「捕まえましたよ♪柚子。」
『だから、仕事が……』
「先程の続きですが、幼い柚子はあのホルンを使ってないんですよね?」
あ、それに戻るのか。
『はい…。』
「それは良かった…。」
ん?
何でそこで胸を撫で下ろすの??
「山本君と柚子が間接キス、なーんていうのは嫌ですからね。」
あぁ、神様…
どうしてあたしを骸さんと出会わせたんですか??
どうして彼はこの7号館にいたんですか??
『結局そんな事かいっ!!!』
「それと、もう1つ。」
『あの…あたし忙しいんですけど……』
「僕の部屋にちょっと来て下さい。」
『嫌です。』
首を盛大に振って拒否する。
何されるか分からないもん。
「どうして即答するんですかー。部屋の前に来てくれるだけでいいですからーっ。」
いや、そんな甘えた声を出されても…。
「柚子ーっ……。」
『あぁもう!分かりました!!行けばいいんですよね!?』
「はいっ!」
生き生きしてるなー。
ツナさんの腹黒スマイルみたい。
手を引かれるがままに骸さんの部屋の前へ。
ちょっと待っていて下さい、と言って部屋の中でごそごそしてから骸さんは何かを持って来た。
「どうぞ。」
『うさ耳は嫌です。』
「違いますよ。」
『猫もダメです。』
「耳ではありません。」
まぁ、考えてみれば手の平サイズだし……
渋々手を伸ばしてみる。
骸さんはソレをそうっとあたしの手の上に置いた。
『これ…』
「どうですか?この間僕の部屋の掃除を頑張ってくれたお礼です♪それといつも萌えという名の癒しを提供してくれているお礼で……」
ドゴッ、
後半部分は聞こえなかった事にして。
手に乗せられたのは、
何とも可愛らしいサボテンの花。
「先日花屋がタダで配っていましてね。」
『わぁーっ、骸さん花屋なんて寄るんですか。キャラじゃないですねー。』
「柚子、それは僕を攻めているんですか?僕はM設定ですか?」
『何か言いました?(怒)』
「…いえ。」
にしても、緑色の丸いサボテンの頂点に赤い花が小さく咲いているのは、何とも可愛らしくて、
あたしは思わず表情を緩ませる。
『骸さん、』
「何ですか?」
『ありがとうございますっ♪うさ耳なんかより全然嬉しいですっ!』
「…後半は聞こえなかった事にしましょう。」
『うさ耳なんかより…』
「繰り返さないで下さいよーっ。」
口を尖らせる骸さんを見て、軽く吹き出す。
そして、貰ったサボテンを大事に抱えて方向転換した。
とりあえず、
骸さんは変に鋭いトコもあるけど、
やっぱりヘンタイって事で!
『(お掃除しなくちゃーっ!!)』
サボテンを自室に飾ったあたしは、急いで掃除に取りかかった。
---
-----
「柚子ーっ!愛の歌の編曲が終わりましたよーっ♪」
『マジでやったんですか!?ちょ、嫌ですってばー!!』
「何してんだよ、骸。」
『愛の歌を弾きたいそうです。』
「ふーん…みんなで弾こうか、ソレ。人数分コピーしといて、骸。」
『えぇ!?』
シャルマン
7号館メンバーは、ツッコミどころ満載のクセに何処か魅力的なんだと思った。
continue…
えっとですね…
『何でいるんですか?』
「僕もここに住んでるからです。」
いや、違くて。
そーゆー根本的な事を聞いているのではなくて。
『どうして、ここに立ってるんですか?』
「いけませんか?」
いや、それも違くて。
別に聞き返さなくてもいいからね。
『だーかーら……』
「はい?」
『どーしてあたしが自室のドア開けて1番最初に骸さんのドアップが目に映るんですかー!!!?』
「クフフ…そんなに答えて欲しいですか?」
『いえ、結構ですから退いて下さい。通れません。』
「照れなくてもいいですよ。」
『誰が。』
「柚子が♪」
あーもー!
どーしてこんな時に限ってツナさん早朝会議行っちゃうのーーー!!?
おかげでヘンタイの餌食だよ!
いっそこの場から消えてしまいたい!!
「柚子が消えたら僕は寂しいですよー。」
『知りませんっ!』
「実は、1つ尋ねたい事があったんです。」
急に真面目な顔になる骸さん。
あたしはちょっと吃驚して動きを止める。
「柚子が…」
『はい、』
「山本君に…」
ん?
ちょーっと話の流れがギャグちっくな方向に行ってるのは気のせいかな??
…とりあえず最後まで聞いてみよう。
『山本さんに、何ですか?』
「山本君に先日渡していたホルンは一体何処から持って来たんですか!!?」
えぇーーーっ!!?
何で骸さんがそんな事チェックしてるの!?
「山本君が突然サックスじゃない楽器を持って来て、僕は驚きました。」
『はぁ…』
「そして!このアジトの宅配記録を調べましたがそれらしき情報は出て来ないので不思議に思いました。」
普通そこまでする…?
いや、普通じゃないんだった、この人。
『それで…?』
「山本君に直接聞いてみたら何と!!柚子にもらったとか言うじゃないですか!!」
山本さんんんんん!!!
どうして暴露するの!
よりによってこの過剰反応者に!!!
「僕は不安になりました。」
『はい…?』
「そのホルンは…」
『ホルンは…?』
「まさか…」
『何ですか?』
やけに長ーい間が置かれる。
正直イライラする。
早く掃除したいんだけど。
ツナさんに怒られるんだけど。
「遠い昔!幼い柚子が使っていたのではないかと!!!」
間。
『…………はい?』
「さぁ答えて下さい柚子!!アレは何処から調達したんですか!?そして、幼き柚子はアレを使っていたんですか!?」
…鼻息が荒いです。
「そんな事はどうでもいいです!!」
『心読まないで下さい!!』
山本さんに渡したあのホルンは…
確か……
『あたしの父、ちょっと名の知れたフルート奏者だったんです。だから当然あたしにも音楽家としての期待がかけられて…』
小さい頃、たくさんの楽器が目の前に置かれた。
“弾きたい楽器を選びなさい”
と。
だけどあたしは真っ先に、父がよく吹いてくれてたフルートを選んだ記憶がある。
どれを選んだとしても、スパルタ教育させられる運命だったようだ。
だから…
フルートを選んで良かったな、と今は思ってる。
『だからあのホルンは…その時選ばれなかった楽器の中の一つです。あたしだって、山本さんに渡す時に初めて触れたんですよ。』
昔の事をちょっとだけ思い出して、
亡き父の記憶がふっと頭をよぎって、
どうやらあたしは哀しい笑みというモノを見せてしまったらしい。
「柚子……」
ぎゅぅ…
『ちょ、何するんですか骸さん!!』
「分かりませんか?」
いや、分かるけれども分かりたくない!!
恥ずかしいというか…
『セクハラで訴えますよ!?』
「そんな顔して、何言ってるんですか。」
えっ…?
『ど、どど、どーゆー意味ですか!?』
「嫌な事を思い出させてしまったみたいですね、柚子。」
『なっ…!』
この人…こんなに鋭い人なの?
し、知らなかった…。
ぽかんとするあたしの頭に、
骸さんのあったかい手の平が乗る。
それは、ゆっくりと髪を撫でて。
「哀しい顔で文句を言われても、強がっているようにしか見えませんよ。」
『何言ってるんですか!強がってなんかいません!』
だって、ずっとずっと前の事だもん。
蘇って来ても、すぐに胸の奥底にしまっておけるハズなのに。
『大丈夫ですっ!だから離して下さい!マジで訴えます!!』
「クフフ…柚子は本当に強いですね。」
何だろう…
変な感じ。
そんなつもり全然無いのに、
骸さんに慰められてるみたい……
『あ…頭撫でるの止めて下さいっ…!』
「柚子の髪の毛がサラサラなものですから♪」
『セクハラっ…!!』
「違います、柚子の事が好きなだけですよ♪」
何よ、この人。
調子狂うってば~っ!!
「柚子、無理はいけませんからね。」
『無理してませんっ。』
「亡きお父上と同じ楽器を演奏するのは、容易な事ではないでしょう。」
『そんな事っ…』
「ですから…」
おかしいな。
骸さんって、
こんなに優しい人だったっけ……?
「ですから、僕と一緒に愛の歌を練習しましょう♪」
見上げた先には、
いつも通りのヘンタイスマイル。
『あはは…』
一瞬でもグラッと来た自分が、
すんごくうざったい。
『あたし、これから掃除がありますので。』
「柚子~、やりましょうよ~。」
『大体愛の歌って何ですか!?ちなみにあたしはブラームスのピアノ連弾曲しか知りません!』
「でしたらそれを僕が編曲して…」
『とにかく腕を離して下さいっ!!!』
いつものようにパンチを決めて、走って逃げる。
「クフフっ、柚子ーっ♪」
『追って来ないで下さい!』
「ピアノ連弾しましょうよー。」
『ピアノは弾けません!獄寺さんとやったらどうですか!?』
「僕は柚子と弾きたいんです♪」
何なのさ、この人。
走って走って走るけど、追いつかれてしまう。
ガシッ、
『うっ…!』
「捕まえましたよ♪柚子。」
『だから、仕事が……』
「先程の続きですが、幼い柚子はあのホルンを使ってないんですよね?」
あ、それに戻るのか。
『はい…。』
「それは良かった…。」
ん?
何でそこで胸を撫で下ろすの??
「山本君と柚子が間接キス、なーんていうのは嫌ですからね。」
あぁ、神様…
どうしてあたしを骸さんと出会わせたんですか??
どうして彼はこの7号館にいたんですか??
『結局そんな事かいっ!!!』
「それと、もう1つ。」
『あの…あたし忙しいんですけど……』
「僕の部屋にちょっと来て下さい。」
『嫌です。』
首を盛大に振って拒否する。
何されるか分からないもん。
「どうして即答するんですかー。部屋の前に来てくれるだけでいいですからーっ。」
いや、そんな甘えた声を出されても…。
「柚子ーっ……。」
『あぁもう!分かりました!!行けばいいんですよね!?』
「はいっ!」
生き生きしてるなー。
ツナさんの腹黒スマイルみたい。
手を引かれるがままに骸さんの部屋の前へ。
ちょっと待っていて下さい、と言って部屋の中でごそごそしてから骸さんは何かを持って来た。
「どうぞ。」
『うさ耳は嫌です。』
「違いますよ。」
『猫もダメです。』
「耳ではありません。」
まぁ、考えてみれば手の平サイズだし……
渋々手を伸ばしてみる。
骸さんはソレをそうっとあたしの手の上に置いた。
『これ…』
「どうですか?この間僕の部屋の掃除を頑張ってくれたお礼です♪それといつも萌えという名の癒しを提供してくれているお礼で……」
ドゴッ、
後半部分は聞こえなかった事にして。
手に乗せられたのは、
何とも可愛らしいサボテンの花。
「先日花屋がタダで配っていましてね。」
『わぁーっ、骸さん花屋なんて寄るんですか。キャラじゃないですねー。』
「柚子、それは僕を攻めているんですか?僕はM設定ですか?」
『何か言いました?(怒)』
「…いえ。」
にしても、緑色の丸いサボテンの頂点に赤い花が小さく咲いているのは、何とも可愛らしくて、
あたしは思わず表情を緩ませる。
『骸さん、』
「何ですか?」
『ありがとうございますっ♪うさ耳なんかより全然嬉しいですっ!』
「…後半は聞こえなかった事にしましょう。」
『うさ耳なんかより…』
「繰り返さないで下さいよーっ。」
口を尖らせる骸さんを見て、軽く吹き出す。
そして、貰ったサボテンを大事に抱えて方向転換した。
とりあえず、
骸さんは変に鋭いトコもあるけど、
やっぱりヘンタイって事で!
『(お掃除しなくちゃーっ!!)』
サボテンを自室に飾ったあたしは、急いで掃除に取りかかった。
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「柚子ーっ!愛の歌の編曲が終わりましたよーっ♪」
『マジでやったんですか!?ちょ、嫌ですってばー!!』
「何してんだよ、骸。」
『愛の歌を弾きたいそうです。』
「ふーん…みんなで弾こうか、ソレ。人数分コピーしといて、骸。」
『えぇ!?』
シャルマン
7号館メンバーは、ツッコミどころ満載のクセに何処か魅力的なんだと思った。
continue…