ヴァリアー編
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煙の中から現れた、
今までとは違う人物。
「あ、あれが…………20年後の……」
20年後のランボ
『う…わぁ………』
その雰囲気に、思わず息を飲んだ。
「やれやれ、この現象……夢でないとすれば、随分久しぶりに10年バズーカで過去へ来たようだ。」
口調は同じ。
やっぱりランボちゃんだ………
「ホントにアホ牛か?」
「何だかランボ……頼もしいよ。」
ツナと隼人の声を聞き、ランボちゃんはそちらを向く。
「貴方達にまた会えるとは……懐かしい………何て懐かしい面々…」
そう言って目を細める。
「泣きそうだが、感傷に浸っている場合ではなさそうだ。野蛮そうなのが酷く睨んでる。」
「お前が誰だろうと、消すまでだ。」
『レヴィ……ランボちゃん……』
カプセルの中で、拳を握りしめる。
ふと、ランボちゃんがこちらを向いた。
「貴女は………檸檬さん。今も昔もお美しい。」
『へ…?』
「これに勝てば、檸檬さんを救えるのかな?」
そう言ってランボちゃんは、落ちていたリングを拾った。
「昔の俺は相当てこずったようだが………俺はそうは行かないぜ。」
「ほざけ。」
2人とも、強い眼力。
と、次の瞬間、レヴィが先制攻撃をする。
「消えろ!!」
背中から飛び出す傘。
空中で広がり、ランボちゃんに狙いを定める。
「やばい!またあの技だ!」
『(レヴィ・ボルタ……!)』
「傘を開かせちゃったら決まりだな。」
「レヴィ・ボルタを回避する事は不可能。」
---
------
------------
ある日の任務………
檸檬とレヴィとマーモンは、大量の敵に追われていた。
「この先は、袋小路だよ。」
『面倒臭いなぁ、そこで片付ける?』
「檸檬が手を出すまでもない。」
『え?』
袋小路に逃げ込んだ3人に、敵は一斉に詰め寄る。
だが、
ドシュッ、
ババッ、
『何?アレ。』
「レヴィのパラボラだよ。」
『パラボラ??』
敵の周囲を死角なく覆い、次の瞬間、一斉に雷が放たれた。
『わーお♪』
「これで焼け死んだ。」
「まさに、一撃必殺だね。」
『すごいじゃん、レヴィ!!さすがっ!』
「い…いや………///」
「レヴィ、ベルに言い付けるよ。」
「ぬ!!?」
---
------
-----------
レヴィはこの技でヴァリアー幹部になったって聞いた。
だから…物凄く強力な技って事。
「死ね。」
「ぐわっ!!」
パラボラの電気が叩き込まれる。
と、同時に、
避雷針にも雷が落ちた。
「レヴィ・ボルタの効果に加え、エレットゥリコ・サーキットの電撃も浴びた。」
『ダメージは………何倍にも跳ね上がる………。』
屋上は、物凄い光に包まれる。
フィールドの中央で、何が起こってるのか分からない。
「電気の逃げ場がねぇ!!」
「ランボ!!」
「奴は焦げ死んだ。この電光、ボスに見せたかった。」
背を向け、立ち去ろうとするレヴィ。
あたしは透視を使って中心を見つめた。
『まだだよ………』
「ぬ?」
「その通りだ。何処へ行く?」
聞こえて来たのは、元気そうなランボちゃんの声。
「なにぃ!!」
「見な。」
ランボちゃんの目つきが鋭くなる。
「エレットゥリコ・リバース!!」
地面に手を付くランボちゃん。
すると、
ランボちゃんを包んでいた電気は、全部地面に流れていった。
その衝撃で、学校の窓が割れて行く音がした。
「あれだけの電流を地面に!?」
『す、すごい!!』
ふと見ると、あたしのカプセルにもヒビが。
ちょっとちょっと、電撃には強いように作られてるんじゃなかったの??
軽くチェルベッロを恨んで、再び観戦する。
「電気は俺にとっちゃ仔猫ちゃんみたいなもんだ。分かるかい?俺は完璧な“電撃皮膚”を完成させている。」
「すごい!これが20年後のランボ!!」
「まさに避雷針だな。」
ツナ、隼人、武も、開いた口が塞がってない。(笑)
と、そこに………
「遠い将来開花するかもしれない、この才能に賭けてみたんだが……俺の見込み以上のようだな。」
「父さん!」
「お父様!!」
『(家光さんとバジルだ。)』
いつの間にか、2人がツナ達の隣にいた。
「よく分からんが、圧倒してるぞ!!」
「あぁ、この勝負貰ったぜ!!」
「よ、よかったぁ。」
「貴方達に喜ばれると、照れる。」
それでも…
まだレヴィは倒れてない。
勝負は最後まで分からないよ、みんな。
「何としてもお前は消す!心臓に直接電撃をくらえ!」
「やれやれ………ん?」
傘を構えるレヴィにため息をつき、ランボちゃんは何かを見つける。
『(角………?)』
投げられた傘を、拾った角で防ぐ。
「こんなトコにあったとは。」
『あの角…』
「今の攻撃でニスがはがれ、また顔を出したか。幼少の頃、獄寺氏に書かれた、屈辱的な文字が……」
ランボちゃんの手の中にある角には、
“アホ牛”と。
「あれは俺がさっき書いた……!」
「どーゆー事!?」
「あれは、20年後のランボの角だ。1週間前、現在のボヴィーノのボスが持たせてくれた。」
「父さんに!?」
そっか、
ヒントだったんだね。
大人ランボちゃんは気付かなかったけど、結果オーライって事か。
「次は逃がさん!」
「逃げるつもりはないさ。」
ランボちゃんは、拾った角を頭に付ける。
「やはりスペアの角よりしっくり来る。これで思いっきり出来そうだ。」
嬉しそうな笑みを浮かべて。
「サンダーセット!」
角に、さっきよりもたくさんの電気を集めて、
「電撃角!!!」
再びレヴィに突進していく。
「愚かな。その技は見切った。致命的な弱点があるからな。」
「弱点!?」
「リーチが短ぇんだ。角に当たらないと効果がねーからな。」
「そう言えば!ヤバいよ!!」
それでも、ランボちゃんの余裕な笑みは消える事はなく。
「昔の話さ。」
と。
次の瞬間、長く伸びる電撃の角。
「伸びた!?」
それは、レヴィの傘と凄い勢いでぶつかった。
「ぬあっ!ぐあ"あ"あ"!!!」
『レヴィ!!』
レヴィの悲鳴が響き渡る。
「年季が違う、出直して来い。」
「そんな………バカな!こ…こんな……所で!!」
レヴィにとって、負けは絶対に許されない事。
負けたりしたら、自分で自分を許せない。
「もう一度俺を誉めてくれ…………ボス!!」
「剣を引け………これ以上やるとお前の命が……」
ランボちゃんが言いかけたその時。
ボフンッ
『あっ………!!』
何の前触れも無しに立ち篭める煙。
これは、まさか…
「ぐぴゃあぁあ!!!」
「「「ああ!!!」」」
『ランボちゃんっ!!!』
大きな叫び声をあげて、ランボちゃんはそのまま倒れた。
「どうやらバズーカの効果は、最初の1発が当たってから5分間のようだな。」
「そ、そんなあ!!」
それだけじゃない、
今、最大の問題は………
「ランボが!動かない!!」
つらそうに目を閉じたランボちゃんは、ピクリとも動かなかった。
レヴィはゆっくりと近付く。
『だ、ダメ………』
「やはり、雷の守護者に相応しいのは、お前でなく俺だ。」
ランボちゃんの前に立ったレヴィ。
多分、手加減とかしないでランボちゃんを痛めつける気だ。
「あぁっ!危ない!!」
「いかん!」
「あんにゃろ!!」
「待て。手を出せば失格になるぞ。」
そう、誰もランボちゃんを助けられない。
一番近くにいる、
あたしも……………
「“電撃皮膚”がどうした。消えろ!」
次の瞬間、レヴィはランボちゃんを踏みつぶすように蹴りまくる。
「ランボ!!」
『…………めて』
ガッ、
ふっ飛ばされるランボちゃん。
「ああ…!ランボ!!」
『やめてぇーーーっ!!!』
こんなに叫んだら、
並盛に加担してるって思われちゃうかもしれない。
そしたら、
ツナ達は失格になっちゃうかもしれない。
だけど…
ランボちゃんを殺して欲しくない気持ちは、
抑えきれなくて。
『レヴィ!もうレヴィは勝ったんだよ!!ランボちゃん殺す事ないじゃない!!お願いだからもうやめて!リング貰ってそれで終わってよ!!』
「檸檬様、沢田氏側に加担するのですか?」
「檸檬様が加担したとみなした瞬間、沢田氏側は失格となります。」
『んな事分かってんのよ!あたしが言いたいのは、負けても生かしておいて欲しいって事!!』
だから晴戦で、ルッスーリアを庇ったのに……!
『レヴィの……………分からず屋ーっ!!!』
叫ぶと同時に、涙が溢れた。
お願い、お願いだよ。
ランボちゃんを殺さないで。
泣叫ぶ檸檬を見て、走り出すツナ。
「何処行くんだ?失格になるぞ。」
「分かってる………でも!俺、ランボを護らなきゃ!!」
檸檬があんなに抗議してる。
中立の立場にいなくちゃいけない檸檬が!
なのに…
仲間の俺が動かないでどうすんだよ!!
「しょーがねー奴だな。」
リボーンはぽつりと呟いた。
その間にレヴィは、1本の傘に雷を呼び、それをランボちゃんに向けた。
『レヴィ、やめて!!』
「とどめだ。」
ダメだ…
一瞬でも引けをとった相手を、レヴィが見逃すはずかない。
「やめろー!!」
隼人が叫ぶ一方で、
「えぐい死体が見れそうだね。」
「う"おぉい、とっとと焼けぇ。」
“エンディング”に期待するヴァリアー。
そして、
「死ね。」
『いやぁーっ!!!』
ランボちゃんに傘が振り下ろされた。
グラッ、
グラッ、
『え?』
「なに!?」
突然倒れて来た、フィールドの周りの避雷針。
まるで、ランボちゃんを護るように。
レヴィは咄嗟に後ろに下がる。
「風……じゃなさそうだ。」
「あぁ、あの曲がり方は、、熱だね。熱が避雷針の細く弱いトコを溶かして曲げている。」
“熱”?
熱ってまさか……!
ふと気が付くと、避雷針のせいでカプセルが半壊していた。
あたしは急いで抜け出して、そうっとランボちゃんに駆け寄る。
『ランボちゃんっ、』
「………………檸檬……」
よかった、まだ息がある。
『頑張ったね、ランボちゃん。』
小さな守護者を、ぎゅっと抱きしめた。
「エレットゥリコ・サーキット全体が熱を帯びている。熱伝導……?」
「サーキットの外に…………」
チェルベッロの言葉に、全員がそちらを向く。
ランボちゃんの10年バズーカとは、
違う煙。
シュウゥウウゥ………
それがだんだん消えて行き、
中心に人影が1つ。
『あれは…!』
額には、見慣れた色の炎を宿して
「目の前で大事な仲間を失ったら………………」
その手にも、
同じ色の炎を纏って
「死んでも死にきれねぇ。」
いつもと違う、
あの雰囲気。
一度だけ見た、
あの瞳。
『ツナ…………』
今までとは違う人物。
「あ、あれが…………20年後の……」
20年後のランボ
『う…わぁ………』
その雰囲気に、思わず息を飲んだ。
「やれやれ、この現象……夢でないとすれば、随分久しぶりに10年バズーカで過去へ来たようだ。」
口調は同じ。
やっぱりランボちゃんだ………
「ホントにアホ牛か?」
「何だかランボ……頼もしいよ。」
ツナと隼人の声を聞き、ランボちゃんはそちらを向く。
「貴方達にまた会えるとは……懐かしい………何て懐かしい面々…」
そう言って目を細める。
「泣きそうだが、感傷に浸っている場合ではなさそうだ。野蛮そうなのが酷く睨んでる。」
「お前が誰だろうと、消すまでだ。」
『レヴィ……ランボちゃん……』
カプセルの中で、拳を握りしめる。
ふと、ランボちゃんがこちらを向いた。
「貴女は………檸檬さん。今も昔もお美しい。」
『へ…?』
「これに勝てば、檸檬さんを救えるのかな?」
そう言ってランボちゃんは、落ちていたリングを拾った。
「昔の俺は相当てこずったようだが………俺はそうは行かないぜ。」
「ほざけ。」
2人とも、強い眼力。
と、次の瞬間、レヴィが先制攻撃をする。
「消えろ!!」
背中から飛び出す傘。
空中で広がり、ランボちゃんに狙いを定める。
「やばい!またあの技だ!」
『(レヴィ・ボルタ……!)』
「傘を開かせちゃったら決まりだな。」
「レヴィ・ボルタを回避する事は不可能。」
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ある日の任務………
檸檬とレヴィとマーモンは、大量の敵に追われていた。
「この先は、袋小路だよ。」
『面倒臭いなぁ、そこで片付ける?』
「檸檬が手を出すまでもない。」
『え?』
袋小路に逃げ込んだ3人に、敵は一斉に詰め寄る。
だが、
ドシュッ、
ババッ、
『何?アレ。』
「レヴィのパラボラだよ。」
『パラボラ??』
敵の周囲を死角なく覆い、次の瞬間、一斉に雷が放たれた。
『わーお♪』
「これで焼け死んだ。」
「まさに、一撃必殺だね。」
『すごいじゃん、レヴィ!!さすがっ!』
「い…いや………///」
「レヴィ、ベルに言い付けるよ。」
「ぬ!!?」
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レヴィはこの技でヴァリアー幹部になったって聞いた。
だから…物凄く強力な技って事。
「死ね。」
「ぐわっ!!」
パラボラの電気が叩き込まれる。
と、同時に、
避雷針にも雷が落ちた。
「レヴィ・ボルタの効果に加え、エレットゥリコ・サーキットの電撃も浴びた。」
『ダメージは………何倍にも跳ね上がる………。』
屋上は、物凄い光に包まれる。
フィールドの中央で、何が起こってるのか分からない。
「電気の逃げ場がねぇ!!」
「ランボ!!」
「奴は焦げ死んだ。この電光、ボスに見せたかった。」
背を向け、立ち去ろうとするレヴィ。
あたしは透視を使って中心を見つめた。
『まだだよ………』
「ぬ?」
「その通りだ。何処へ行く?」
聞こえて来たのは、元気そうなランボちゃんの声。
「なにぃ!!」
「見な。」
ランボちゃんの目つきが鋭くなる。
「エレットゥリコ・リバース!!」
地面に手を付くランボちゃん。
すると、
ランボちゃんを包んでいた電気は、全部地面に流れていった。
その衝撃で、学校の窓が割れて行く音がした。
「あれだけの電流を地面に!?」
『す、すごい!!』
ふと見ると、あたしのカプセルにもヒビが。
ちょっとちょっと、電撃には強いように作られてるんじゃなかったの??
軽くチェルベッロを恨んで、再び観戦する。
「電気は俺にとっちゃ仔猫ちゃんみたいなもんだ。分かるかい?俺は完璧な“電撃皮膚”を完成させている。」
「すごい!これが20年後のランボ!!」
「まさに避雷針だな。」
ツナ、隼人、武も、開いた口が塞がってない。(笑)
と、そこに………
「遠い将来開花するかもしれない、この才能に賭けてみたんだが……俺の見込み以上のようだな。」
「父さん!」
「お父様!!」
『(家光さんとバジルだ。)』
いつの間にか、2人がツナ達の隣にいた。
「よく分からんが、圧倒してるぞ!!」
「あぁ、この勝負貰ったぜ!!」
「よ、よかったぁ。」
「貴方達に喜ばれると、照れる。」
それでも…
まだレヴィは倒れてない。
勝負は最後まで分からないよ、みんな。
「何としてもお前は消す!心臓に直接電撃をくらえ!」
「やれやれ………ん?」
傘を構えるレヴィにため息をつき、ランボちゃんは何かを見つける。
『(角………?)』
投げられた傘を、拾った角で防ぐ。
「こんなトコにあったとは。」
『あの角…』
「今の攻撃でニスがはがれ、また顔を出したか。幼少の頃、獄寺氏に書かれた、屈辱的な文字が……」
ランボちゃんの手の中にある角には、
“アホ牛”と。
「あれは俺がさっき書いた……!」
「どーゆー事!?」
「あれは、20年後のランボの角だ。1週間前、現在のボヴィーノのボスが持たせてくれた。」
「父さんに!?」
そっか、
ヒントだったんだね。
大人ランボちゃんは気付かなかったけど、結果オーライって事か。
「次は逃がさん!」
「逃げるつもりはないさ。」
ランボちゃんは、拾った角を頭に付ける。
「やはりスペアの角よりしっくり来る。これで思いっきり出来そうだ。」
嬉しそうな笑みを浮かべて。
「サンダーセット!」
角に、さっきよりもたくさんの電気を集めて、
「電撃角!!!」
再びレヴィに突進していく。
「愚かな。その技は見切った。致命的な弱点があるからな。」
「弱点!?」
「リーチが短ぇんだ。角に当たらないと効果がねーからな。」
「そう言えば!ヤバいよ!!」
それでも、ランボちゃんの余裕な笑みは消える事はなく。
「昔の話さ。」
と。
次の瞬間、長く伸びる電撃の角。
「伸びた!?」
それは、レヴィの傘と凄い勢いでぶつかった。
「ぬあっ!ぐあ"あ"あ"!!!」
『レヴィ!!』
レヴィの悲鳴が響き渡る。
「年季が違う、出直して来い。」
「そんな………バカな!こ…こんな……所で!!」
レヴィにとって、負けは絶対に許されない事。
負けたりしたら、自分で自分を許せない。
「もう一度俺を誉めてくれ…………ボス!!」
「剣を引け………これ以上やるとお前の命が……」
ランボちゃんが言いかけたその時。
ボフンッ
『あっ………!!』
何の前触れも無しに立ち篭める煙。
これは、まさか…
「ぐぴゃあぁあ!!!」
「「「ああ!!!」」」
『ランボちゃんっ!!!』
大きな叫び声をあげて、ランボちゃんはそのまま倒れた。
「どうやらバズーカの効果は、最初の1発が当たってから5分間のようだな。」
「そ、そんなあ!!」
それだけじゃない、
今、最大の問題は………
「ランボが!動かない!!」
つらそうに目を閉じたランボちゃんは、ピクリとも動かなかった。
レヴィはゆっくりと近付く。
『だ、ダメ………』
「やはり、雷の守護者に相応しいのは、お前でなく俺だ。」
ランボちゃんの前に立ったレヴィ。
多分、手加減とかしないでランボちゃんを痛めつける気だ。
「あぁっ!危ない!!」
「いかん!」
「あんにゃろ!!」
「待て。手を出せば失格になるぞ。」
そう、誰もランボちゃんを助けられない。
一番近くにいる、
あたしも……………
「“電撃皮膚”がどうした。消えろ!」
次の瞬間、レヴィはランボちゃんを踏みつぶすように蹴りまくる。
「ランボ!!」
『…………めて』
ガッ、
ふっ飛ばされるランボちゃん。
「ああ…!ランボ!!」
『やめてぇーーーっ!!!』
こんなに叫んだら、
並盛に加担してるって思われちゃうかもしれない。
そしたら、
ツナ達は失格になっちゃうかもしれない。
だけど…
ランボちゃんを殺して欲しくない気持ちは、
抑えきれなくて。
『レヴィ!もうレヴィは勝ったんだよ!!ランボちゃん殺す事ないじゃない!!お願いだからもうやめて!リング貰ってそれで終わってよ!!』
「檸檬様、沢田氏側に加担するのですか?」
「檸檬様が加担したとみなした瞬間、沢田氏側は失格となります。」
『んな事分かってんのよ!あたしが言いたいのは、負けても生かしておいて欲しいって事!!』
だから晴戦で、ルッスーリアを庇ったのに……!
『レヴィの……………分からず屋ーっ!!!』
叫ぶと同時に、涙が溢れた。
お願い、お願いだよ。
ランボちゃんを殺さないで。
泣叫ぶ檸檬を見て、走り出すツナ。
「何処行くんだ?失格になるぞ。」
「分かってる………でも!俺、ランボを護らなきゃ!!」
檸檬があんなに抗議してる。
中立の立場にいなくちゃいけない檸檬が!
なのに…
仲間の俺が動かないでどうすんだよ!!
「しょーがねー奴だな。」
リボーンはぽつりと呟いた。
その間にレヴィは、1本の傘に雷を呼び、それをランボちゃんに向けた。
『レヴィ、やめて!!』
「とどめだ。」
ダメだ…
一瞬でも引けをとった相手を、レヴィが見逃すはずかない。
「やめろー!!」
隼人が叫ぶ一方で、
「えぐい死体が見れそうだね。」
「う"おぉい、とっとと焼けぇ。」
“エンディング”に期待するヴァリアー。
そして、
「死ね。」
『いやぁーっ!!!』
ランボちゃんに傘が振り下ろされた。
グラッ、
グラッ、
『え?』
「なに!?」
突然倒れて来た、フィールドの周りの避雷針。
まるで、ランボちゃんを護るように。
レヴィは咄嗟に後ろに下がる。
「風……じゃなさそうだ。」
「あぁ、あの曲がり方は、、熱だね。熱が避雷針の細く弱いトコを溶かして曲げている。」
“熱”?
熱ってまさか……!
ふと気が付くと、避雷針のせいでカプセルが半壊していた。
あたしは急いで抜け出して、そうっとランボちゃんに駆け寄る。
『ランボちゃんっ、』
「………………檸檬……」
よかった、まだ息がある。
『頑張ったね、ランボちゃん。』
小さな守護者を、ぎゅっと抱きしめた。
「エレットゥリコ・サーキット全体が熱を帯びている。熱伝導……?」
「サーキットの外に…………」
チェルベッロの言葉に、全員がそちらを向く。
ランボちゃんの10年バズーカとは、
違う煙。
シュウゥウウゥ………
それがだんだん消えて行き、
中心に人影が1つ。
『あれは…!』
額には、見慣れた色の炎を宿して
「目の前で大事な仲間を失ったら………………」
その手にも、
同じ色の炎を纏って
「死んでも死にきれねぇ。」
いつもと違う、
あの雰囲気。
一度だけ見た、
あの瞳。
『ツナ…………』