ヴァリアー編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あの坊やね。」
「あいつか~~~。」
ルッスーリアと了平さんが睨み合う。
そして、
校舎の前には、大きなスポットライトが付いたリングがあった。
笹川了平VSルッスーリア
「何あれーっ!!!」
リングを見たツナが叫ぶ。
「晴の守護者の為に我々が用意した特設リングです。」
「争奪戦では各守護者ごとに特別な戦闘エリアを設置致します。」
「んなー!!あんな大がかりな物を~~!!?」
再び叫ぶツナ。
あたしは、ヴァリアーの方を見る。
「ケッコー金かかってんね。」
「でも勝負は見えてるんだ、無駄遣いだよ。」
ベルとマーモンが話してた。
と、その時。
『!!?』
何かが飛んで来るのを感じて、あたしは俊足でかわす。
「檸檬っ!!?」
あたしが突然動いた事で、ツナは驚いたようだった。
しかも…
地面には丸くて黒い焦げ跡。
『レーザー光線……?』
「んなっ!?」
あたしが首をかしげてると、再び気配がした。
『(狙われてんのは、あたしか。)』
俊敏な動きでレーザーを避け続ける檸檬。
当たったら多分、火傷を負うだろう。
『ちょっと!これはどーゆー事!!?』
チェルベッロに抗議してみるが、彼女達は黙って檸檬を観察しているだけ。
次第にイライラしてきた檸檬は、超五感を発動させた。
『(レーザーの来る方向は………そっちか!!)』
3台の機械を見つけ、順番に壊して行く。
無駄な動きは一切なく、蹴りを1発ずつ入れて。
ドガッ、
グシャッ、
バキッ、
その姿を見ていたヴァリアー一同は、やはり口角を上げて。
「やっぱり、流石だね。」
「相変わらずだな。」
「速くなってるわねぇんvV」
「う"お"ぉい!!」
「十分ヴァリアー幹部になれるじゃん♪」
と、口々に言った。
スタッ、
『ふぅっ。』
地面に着地した檸檬は、チェルベッロにツカツカ歩み寄る。
『さぁ、説明してもらいましょうか?』
「ザンザス様の御命令で、檸檬様の戦闘能力が落ちていないか調べさせて頂きました。」
『ボスが?ふぅん、そう…』
少しだけ納得した檸檬がツナ達の方に戻ろうとすると、チェルベッロが引き止めた。
「お待ち下さい、檸檬様。」
『ん?』
振り向く檸檬に、チェルベッロは言った。
「今回の戦いで檸檬様は中立です。よって、沢田氏側で観戦する事は許されません。」
『はい!!?』
「檸檬様には、試合中、あちらのカプセルに入って頂きます。」
『カプセル………?』
リングの中を良く見てみると、隅っこに、球状のカプセルが設置されていた。
その中には、椅子が1つ備え付けられている。
「あれ……リングの中じゃん!!檸檬が危ないよ!」
ツナが抗議する。
「御心配なく。あのカプセルは外からの攻撃では壊れないよう頑丈に作られております。」
「でもっ…!」
『ツナ。』
反論しようとするツナを、檸檬は抑制した。
「檸檬…」
『チェルベッロは審判だよ?逆らっちゃダメだって。』
そう言って檸檬は、にっこり笑った。
「ありがとうございます。」
「あのカプセルは、リングが1つに組み合わさった瞬間、開く仕掛けになっておりますので。」
『分かった。んじゃ、頑張って下さい、了平さん♪』
「あぁ、任せとけ。」
ぐっと拳を握りしめた了平に、檸檬はもう一度笑顔を見せた。
『うはー……。』
カプセルに入った檸檬。
「それでは晴の守護者、リングの中央に来て下さい。」
チェルベッロがコールをする。
「遊んで来るわねーvV」
「楽しませてもらうよ、ルッスーリア。」
「とっとと殺れぇ。」
ルッスーリアがリングに入って来た。
ふと、目が合う。
「久しぶりね、檸檬。」
『うん、久しぶり♪』
「すぐ出してあげるから、待っててねvV」
『OK。でも、手ぇ抜くと痛い目見るかもよ?』
「ほほっ!大丈夫よん。」
ルッスーリアはにっこりと笑った。
一方、並盛サイドでは……
「行って来る!任せとけ!」
「お、お兄さん………」
心配そうに見送るツナの後ろで、山本が言う。
「なぁ、円陣とか組まねーの?」
「あぁ?」
「え?」
すると了平が、
「そいつは燃えるな!一度やってみたかったんだ!!」
と。
反対しようとするツナと獄寺だが、山本と了平に引っ張られ、無理矢理円陣を組まされる。
そして…
「了平ーッ、ファイッ!」
「オー!!」
「おー…………」
『(ぷ。楽しそう♪)』
思わず笑みがこぼれた。
「よーし、極限力がみなぎって来たぞ!」
「(ったく、これだから体育会系は………)」
「(自分で“了平ファイッ”って言ったよ………)」
こうして、了平もリングに足を踏み入れた。
---
------
------------
校門前。
ガッ、
何かを殴る音がして、男が1人倒れる。
「やはり、並盛中学校は完全に9代目の手の者に封鎖されてますね。」
「校内は世間とは隔離された世界ってワケか…」
倒れた男の前に、2つの人影。
「まぁだが、見学ぐらいはさせてもらうぜ。」
家光とバジルだった。
---
------
------------
「間違いありません。」
「正真正銘の晴のハーフボンゴレリングと確認しました。」
『(いよいよ…始まるんだ……)』
「リングは、原則として首から下げる事とします。」
「そして、相手を倒しリングを奪った者が勝ちです。」
了平さんが上着を脱ぐ。
すると、
「あらぁ?んまぁ!」
ルッスーリアが声を上げた。
「よく見りゃあなた、いい肉体してるじゃない!!好みだわぁ~~~vV」
「何!?」
『(そー言えばそーだった…)』
ルッスーリアは均整とれた体が好きなんだよねぇ。
特に男の人の。
「アイツ今、何て言いました?」
「さ…さぁ………?」
ツナと隼人はどん引き。
しかも、
「お持ち帰り決定vV」
とか言っちゃったから、また吃驚。
「滅多にいないよ、ルッスーリアのお眼鏡に適う奴なんて……」
「あのガキ、ついてないな。」
マーモンとレヴィが呟いていた。
「何を言ってるか分からんが、俺は正々堂々戦うだけだ。」
拳を握り、構える了平さん。
「んまぁ、そのポーズはボクシングかしらvVまたイケてないわねー。」
そう言ってルッスーリアもコートを脱いだ。
「このルッスーリアが、立ち技最強のムエタイで遊んであげるvV」
「なにぃ……!!」
ルッスーリアを睨む了平さん。
「やはり、ヴァリアーも晴の守護者は格闘家か。」
「“やはり”?」
「歴代のファミリーを見ても、晴の守護者は皆、強力な拳や足を持っていた。」
---ファミリーを襲う逆境を自らの肉体で砕き、明るく照らす日輪となる
それが、晴の守護者の指命。
「では、晴のリング:ルッスーリアVS笹川了平、勝負開始!!!」
「貴様!!ボクシングへの侮辱は許さんぞ!」
「んっふふっ。」
その次の瞬間、備え付けてあったライトが一斉に光り、リング全体が眩しい太陽のようになった。
『うっわ!!』
「な……何これーっ!リングが光ってるー!!!」
あたしは透視を発動させ、何とか2人の位置関係を捉える。
『(バトルの間、ずっと発動させてるのって………疲れるかも。)』
でも、それくらいしょうがないか。
この争奪戦で、あたしの将来も決まるんだし。
「この特設リングは、晴の守護者の決戦に相応しく設計された、疑似太陽により照らし出された“日輪のコロシアム”なのです。」
「(むぅ……目が開けられぬ………これでは戦う事など………)」
目を瞑ったままの了平さんに、近付くルッスーリア。
そう言えば、サングラスしてたっけ。
ツナ達はリボーンのサングラス借りてるみたいだけど……
(よくそんなにサングラス持ってるね、リボーン)
ヤバい……
了平さんが圧倒的不利だ。
ドッ、
「ぐあっ!!」
了平さんの腹部にケリが入れられる。
ツナがサングラスを渡したがってたけど、チェルベッロが許すワケない。
「そんな…!!」
「キタネーぞ!!」
まぁ、これも…
分かってた事。
チェルベッロは、
ツナ達に不利なように公平を保とうとする。
「あーら、この感触。思ったよりいい肉体してるわ。ますますタイプvV」
にんまりと笑うルッスーリア。
「どこだ!!?」
了平さんは、適当にパンチをくり出す。
しかし…
「こっちよ。」
ルッスーリアのパンチが当たり、了平さんはロープにもたれかかる。
と、その瞬間。
「ぐわあぁあ!!」
『了平さんっ!!?』
悲鳴をあげて、倒れた了平さん。
あたしは思わず叫んでしまった。
「ロープは、電熱の鉄線で何百度にも熱せられています。」
「そんな…滅茶苦茶だよ~~~!」
『(立って…了平さん!)』
「ん~~~vV私の完璧な理想の肉体に近付いて来たわ~~~。」
そう言って、了平さんに歩み寄るルッスーリア。
「私の思う究極の肉体美とは、朽ち果てた冷たくて動かない肉体vvV」
すなわち…
死体。
「くっ………ふざけるな!」
立ち上がった了平さんは、左手でパンチを決める。
でも…
「ルッスーリア、本当に遊んでるね。」
「当たったんじゃなくて、当たりに行ったんだよ。」
ベルとマーモンが言う。
確かに、その通りだった。
ルッスーリアは、くるっと空中で回転して、再び了平さんに迫る。
「いじめちゃいや~~~んvV」
「今の感触………奴は空中!」
了平さんはぐっと構え直す。
「次は逃がさん!!」
その時あたしには、
嫌な予感しかしなかった。
「もらった!!」
「ムフv」
ヤバい…
ルッスーリアは……
了平さんの腕を潰す気だ。
ガッ、
了平さんの拳と、
ルッスーリアの左膝が、
衝突した……………。
「うおぉ!」
次の瞬間、了平さんの左腕からは、大量の血が溢れ出る。
その衝撃によってよろめけば、後ろの電熱線の餌食になる。
「ぐあっ!腕があぁ!!」
「あぁっ!」
『(何て事……)』
こんな事になっても、
あたしは指をくわえて見てる事しか出来ない。
そんなの、
イヤなのに。
「うぐっ……!」
再び倒れる了平さん。
あたしは堪えきれずに目をぎゅっと瞑る。
「晴の守護者らしく、逆境を跳ね返してみせたのよんvV」
ルッスーリアは得意気に言う。
「私の左足は、鋼鉄が埋め込まれたメタルニーなの。もうあなたの拳は使い物にならないわvV」
「なに!!」
「お兄さんの手が………!」
焦り出すツナと隼人。
そして、リボーンが付け加える。
「やべーのはそれだけじゃねーぞ。了平の奴、ライトの熱にやられて、脱水症状が始まってる。」
『(ホントだ…!)』
了平さんの体からは、おびただしい量の汗が。
「そんな!このままじゃ……!」
「立てコラ!!!」
『(この声……)』
「『コロネロ!!』」
ペットと共に、飛んで来たコロネロ。
どうやら、京子に寝かしつけられていたそうで。
コロネロを見たアロちゃんは、ちょっと驚いたようだった。
「あのチビは、アルコバレーノのコロネロだぜぇ。何故奴がここに?」
「そろそろ頃合だぜ。お前の本当の力を見せてやれ、了平!!」
サングラスの下に見える、コロネロの鋭い視線。
「今更誰が何を言っても無駄よ。この子はもう終わりv 頂くわvV」
ペロッと唇をなめるルッスーリア。
だけど…
「コロネロ………師匠………!!」
荒い息の中、了平さんはコロネロの名前を呼ぶ。
そして、ゆっくりと起き上がる。
「その言葉を、待っていたぞ!!」
その口元には、
微かな笑みさえ見えた。
「あいつか~~~。」
ルッスーリアと了平さんが睨み合う。
そして、
校舎の前には、大きなスポットライトが付いたリングがあった。
笹川了平VSルッスーリア
「何あれーっ!!!」
リングを見たツナが叫ぶ。
「晴の守護者の為に我々が用意した特設リングです。」
「争奪戦では各守護者ごとに特別な戦闘エリアを設置致します。」
「んなー!!あんな大がかりな物を~~!!?」
再び叫ぶツナ。
あたしは、ヴァリアーの方を見る。
「ケッコー金かかってんね。」
「でも勝負は見えてるんだ、無駄遣いだよ。」
ベルとマーモンが話してた。
と、その時。
『!!?』
何かが飛んで来るのを感じて、あたしは俊足でかわす。
「檸檬っ!!?」
あたしが突然動いた事で、ツナは驚いたようだった。
しかも…
地面には丸くて黒い焦げ跡。
『レーザー光線……?』
「んなっ!?」
あたしが首をかしげてると、再び気配がした。
『(狙われてんのは、あたしか。)』
俊敏な動きでレーザーを避け続ける檸檬。
当たったら多分、火傷を負うだろう。
『ちょっと!これはどーゆー事!!?』
チェルベッロに抗議してみるが、彼女達は黙って檸檬を観察しているだけ。
次第にイライラしてきた檸檬は、超五感を発動させた。
『(レーザーの来る方向は………そっちか!!)』
3台の機械を見つけ、順番に壊して行く。
無駄な動きは一切なく、蹴りを1発ずつ入れて。
ドガッ、
グシャッ、
バキッ、
その姿を見ていたヴァリアー一同は、やはり口角を上げて。
「やっぱり、流石だね。」
「相変わらずだな。」
「速くなってるわねぇんvV」
「う"お"ぉい!!」
「十分ヴァリアー幹部になれるじゃん♪」
と、口々に言った。
スタッ、
『ふぅっ。』
地面に着地した檸檬は、チェルベッロにツカツカ歩み寄る。
『さぁ、説明してもらいましょうか?』
「ザンザス様の御命令で、檸檬様の戦闘能力が落ちていないか調べさせて頂きました。」
『ボスが?ふぅん、そう…』
少しだけ納得した檸檬がツナ達の方に戻ろうとすると、チェルベッロが引き止めた。
「お待ち下さい、檸檬様。」
『ん?』
振り向く檸檬に、チェルベッロは言った。
「今回の戦いで檸檬様は中立です。よって、沢田氏側で観戦する事は許されません。」
『はい!!?』
「檸檬様には、試合中、あちらのカプセルに入って頂きます。」
『カプセル………?』
リングの中を良く見てみると、隅っこに、球状のカプセルが設置されていた。
その中には、椅子が1つ備え付けられている。
「あれ……リングの中じゃん!!檸檬が危ないよ!」
ツナが抗議する。
「御心配なく。あのカプセルは外からの攻撃では壊れないよう頑丈に作られております。」
「でもっ…!」
『ツナ。』
反論しようとするツナを、檸檬は抑制した。
「檸檬…」
『チェルベッロは審判だよ?逆らっちゃダメだって。』
そう言って檸檬は、にっこり笑った。
「ありがとうございます。」
「あのカプセルは、リングが1つに組み合わさった瞬間、開く仕掛けになっておりますので。」
『分かった。んじゃ、頑張って下さい、了平さん♪』
「あぁ、任せとけ。」
ぐっと拳を握りしめた了平に、檸檬はもう一度笑顔を見せた。
『うはー……。』
カプセルに入った檸檬。
「それでは晴の守護者、リングの中央に来て下さい。」
チェルベッロがコールをする。
「遊んで来るわねーvV」
「楽しませてもらうよ、ルッスーリア。」
「とっとと殺れぇ。」
ルッスーリアがリングに入って来た。
ふと、目が合う。
「久しぶりね、檸檬。」
『うん、久しぶり♪』
「すぐ出してあげるから、待っててねvV」
『OK。でも、手ぇ抜くと痛い目見るかもよ?』
「ほほっ!大丈夫よん。」
ルッスーリアはにっこりと笑った。
一方、並盛サイドでは……
「行って来る!任せとけ!」
「お、お兄さん………」
心配そうに見送るツナの後ろで、山本が言う。
「なぁ、円陣とか組まねーの?」
「あぁ?」
「え?」
すると了平が、
「そいつは燃えるな!一度やってみたかったんだ!!」
と。
反対しようとするツナと獄寺だが、山本と了平に引っ張られ、無理矢理円陣を組まされる。
そして…
「了平ーッ、ファイッ!」
「オー!!」
「おー…………」
『(ぷ。楽しそう♪)』
思わず笑みがこぼれた。
「よーし、極限力がみなぎって来たぞ!」
「(ったく、これだから体育会系は………)」
「(自分で“了平ファイッ”って言ったよ………)」
こうして、了平もリングに足を踏み入れた。
---
------
------------
校門前。
ガッ、
何かを殴る音がして、男が1人倒れる。
「やはり、並盛中学校は完全に9代目の手の者に封鎖されてますね。」
「校内は世間とは隔離された世界ってワケか…」
倒れた男の前に、2つの人影。
「まぁだが、見学ぐらいはさせてもらうぜ。」
家光とバジルだった。
---
------
------------
「間違いありません。」
「正真正銘の晴のハーフボンゴレリングと確認しました。」
『(いよいよ…始まるんだ……)』
「リングは、原則として首から下げる事とします。」
「そして、相手を倒しリングを奪った者が勝ちです。」
了平さんが上着を脱ぐ。
すると、
「あらぁ?んまぁ!」
ルッスーリアが声を上げた。
「よく見りゃあなた、いい肉体してるじゃない!!好みだわぁ~~~vV」
「何!?」
『(そー言えばそーだった…)』
ルッスーリアは均整とれた体が好きなんだよねぇ。
特に男の人の。
「アイツ今、何て言いました?」
「さ…さぁ………?」
ツナと隼人はどん引き。
しかも、
「お持ち帰り決定vV」
とか言っちゃったから、また吃驚。
「滅多にいないよ、ルッスーリアのお眼鏡に適う奴なんて……」
「あのガキ、ついてないな。」
マーモンとレヴィが呟いていた。
「何を言ってるか分からんが、俺は正々堂々戦うだけだ。」
拳を握り、構える了平さん。
「んまぁ、そのポーズはボクシングかしらvVまたイケてないわねー。」
そう言ってルッスーリアもコートを脱いだ。
「このルッスーリアが、立ち技最強のムエタイで遊んであげるvV」
「なにぃ……!!」
ルッスーリアを睨む了平さん。
「やはり、ヴァリアーも晴の守護者は格闘家か。」
「“やはり”?」
「歴代のファミリーを見ても、晴の守護者は皆、強力な拳や足を持っていた。」
---ファミリーを襲う逆境を自らの肉体で砕き、明るく照らす日輪となる
それが、晴の守護者の指命。
「では、晴のリング:ルッスーリアVS笹川了平、勝負開始!!!」
「貴様!!ボクシングへの侮辱は許さんぞ!」
「んっふふっ。」
その次の瞬間、備え付けてあったライトが一斉に光り、リング全体が眩しい太陽のようになった。
『うっわ!!』
「な……何これーっ!リングが光ってるー!!!」
あたしは透視を発動させ、何とか2人の位置関係を捉える。
『(バトルの間、ずっと発動させてるのって………疲れるかも。)』
でも、それくらいしょうがないか。
この争奪戦で、あたしの将来も決まるんだし。
「この特設リングは、晴の守護者の決戦に相応しく設計された、疑似太陽により照らし出された“日輪のコロシアム”なのです。」
「(むぅ……目が開けられぬ………これでは戦う事など………)」
目を瞑ったままの了平さんに、近付くルッスーリア。
そう言えば、サングラスしてたっけ。
ツナ達はリボーンのサングラス借りてるみたいだけど……
(よくそんなにサングラス持ってるね、リボーン)
ヤバい……
了平さんが圧倒的不利だ。
ドッ、
「ぐあっ!!」
了平さんの腹部にケリが入れられる。
ツナがサングラスを渡したがってたけど、チェルベッロが許すワケない。
「そんな…!!」
「キタネーぞ!!」
まぁ、これも…
分かってた事。
チェルベッロは、
ツナ達に不利なように公平を保とうとする。
「あーら、この感触。思ったよりいい肉体してるわ。ますますタイプvV」
にんまりと笑うルッスーリア。
「どこだ!!?」
了平さんは、適当にパンチをくり出す。
しかし…
「こっちよ。」
ルッスーリアのパンチが当たり、了平さんはロープにもたれかかる。
と、その瞬間。
「ぐわあぁあ!!」
『了平さんっ!!?』
悲鳴をあげて、倒れた了平さん。
あたしは思わず叫んでしまった。
「ロープは、電熱の鉄線で何百度にも熱せられています。」
「そんな…滅茶苦茶だよ~~~!」
『(立って…了平さん!)』
「ん~~~vV私の完璧な理想の肉体に近付いて来たわ~~~。」
そう言って、了平さんに歩み寄るルッスーリア。
「私の思う究極の肉体美とは、朽ち果てた冷たくて動かない肉体vvV」
すなわち…
死体。
「くっ………ふざけるな!」
立ち上がった了平さんは、左手でパンチを決める。
でも…
「ルッスーリア、本当に遊んでるね。」
「当たったんじゃなくて、当たりに行ったんだよ。」
ベルとマーモンが言う。
確かに、その通りだった。
ルッスーリアは、くるっと空中で回転して、再び了平さんに迫る。
「いじめちゃいや~~~んvV」
「今の感触………奴は空中!」
了平さんはぐっと構え直す。
「次は逃がさん!!」
その時あたしには、
嫌な予感しかしなかった。
「もらった!!」
「ムフv」
ヤバい…
ルッスーリアは……
了平さんの腕を潰す気だ。
ガッ、
了平さんの拳と、
ルッスーリアの左膝が、
衝突した……………。
「うおぉ!」
次の瞬間、了平さんの左腕からは、大量の血が溢れ出る。
その衝撃によってよろめけば、後ろの電熱線の餌食になる。
「ぐあっ!腕があぁ!!」
「あぁっ!」
『(何て事……)』
こんな事になっても、
あたしは指をくわえて見てる事しか出来ない。
そんなの、
イヤなのに。
「うぐっ……!」
再び倒れる了平さん。
あたしは堪えきれずに目をぎゅっと瞑る。
「晴の守護者らしく、逆境を跳ね返してみせたのよんvV」
ルッスーリアは得意気に言う。
「私の左足は、鋼鉄が埋め込まれたメタルニーなの。もうあなたの拳は使い物にならないわvV」
「なに!!」
「お兄さんの手が………!」
焦り出すツナと隼人。
そして、リボーンが付け加える。
「やべーのはそれだけじゃねーぞ。了平の奴、ライトの熱にやられて、脱水症状が始まってる。」
『(ホントだ…!)』
了平さんの体からは、おびただしい量の汗が。
「そんな!このままじゃ……!」
「立てコラ!!!」
『(この声……)』
「『コロネロ!!』」
ペットと共に、飛んで来たコロネロ。
どうやら、京子に寝かしつけられていたそうで。
コロネロを見たアロちゃんは、ちょっと驚いたようだった。
「あのチビは、アルコバレーノのコロネロだぜぇ。何故奴がここに?」
「そろそろ頃合だぜ。お前の本当の力を見せてやれ、了平!!」
サングラスの下に見える、コロネロの鋭い視線。
「今更誰が何を言っても無駄よ。この子はもう終わりv 頂くわvV」
ペロッと唇をなめるルッスーリア。
だけど…
「コロネロ………師匠………!!」
荒い息の中、了平さんはコロネロの名前を呼ぶ。
そして、ゆっくりと起き上がる。
「その言葉を、待っていたぞ!!」
その口元には、
微かな笑みさえ見えた。