ヴァリアー編
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みんながヴァリアーと接触した時。
それは、
あたしがヴァリアーに再会する時。
邂逅
「みんなーっ!」
フゥ太達の危機を救ってくれた獄寺、山本、了平に駆け寄るツナ。
「10代目!」
「何か久しぶりだな。」
「オス!」
それぞれ軽く挨拶をかわす。
「ツナ兄~っ!怖かったよーっ!」
「大丈夫だったか?って、イーピン怪我してんじゃん!戦ったの!?」
イーピンを心配するツナに、おんぶをねだるランボ。
路上に寝転がるランボを見て、ツナは呆れる。
「お前、頭ん中にリングひっかけて…………(これのせいで狙われてるとも知らずに…)」
その横で、獄寺が文句を言う。
「俺には全く理解出来ないっスよ!何でこんなアホにリングが!」
「まーまー、いーじゃねーか。まずは無事って事で。」
「しかし思ったより骨のない連中だったな。楽勝だぞ!」
了平が言うと、リボーンが反論した。
「そいつは甘ぇぞ。こいつらはヴァリアーの中でも下っ端だ。本当に怖ぇのは………」
と、その時。
リボーンは何かの気配を感じ取った。
「来るぞ…!」
次の瞬間、闇に包まれた上空に、1つの影が。
それは、ツナたちがいる道の脇の高台に降り立った。
そして、静かに言う。
「………………お前達がやったのか。」
黒い衣装を身に纏い、細い棒のようなものを背中にたくさん備え付けた男だった。
レヴィ・ア・タン雷撃隊の隊長、レヴィである。
彼の突然の登場に驚くツナ達。
だが彼は、ランボだけをみて言った。
「雷のリングを持つ俺の相手は………パーマのガキだな。」
その殺気に、ランボはツナにしがみつきながらゴクリと唾を飲む。
「邪魔だてすれば、皆消す。」
レヴィは背中の棒を握った。
相手が戦闘体勢に入ると察した獄寺、山本、了平は、ぐっと身構えた。
その頃。
部屋で音楽を聞いている檸檬。
だが、それは気を紛らわす事も出来ないまま、檸檬の耳の中を通り抜けていく。
『もう、そろそろかな…。』
ふと窓の外を見て、呟いた。
『(超五感、発動。)』
特に聴覚に神経を集中させて、外の様子を測る。
---「待てェ、レヴィ!」
『(あ、レヴィが接触したんだ………。この声は、アロちゃん?)』
---「1人で狩っちゃダメよ。」
『(ルッスーリアだ。)』
---「他のリングの守護者もそこにいるみたいなんだ。」
『(マーモンだ。)』
---「うわわわ……こんなに…………!」
『ツナ……』
ツナが少し怯えてるのが分かった。
あたしはやっぱり、罪悪感を覚える。
---「う"お"ぉい!!!よくも騙してくれたなぁ?カスども!」
アロちゃんだ。
え?まさか…
その場所でツナ達を殺す気!!?
『やばっ!!』
あたしは、CDプレーヤーを止めて部屋を飛び出した。
あたしに何が出来るか分からない。
何が言えるか分からない。
だけど、
時間稼ぎくらいは、
ほんの少し、出来る気がしたから。
すると、廊下で奈々さんに呼び止められる。
「檸檬ちゃん、ツナ知らない?」
『えっと……今探して来ます!』
「あら…ごめんなさいね、ありがとう。もうすぐ夕飯だからね。」
『はいっ!行ってきます♪』
いつも通りの笑顔で、あたしは家を出た。
『(俊足、発動!)』
久しぶりに使う、マックスパワーの俊足。
50メートルを2秒足らず。
『(急がなきゃ……!)』
風が、いつもより冷たいように感じた。
---
-------
------------
その頃。
「出たな………まさかまた奴を見る日が来るとはな……」
ヴァリアーが集う中から姿を現した人物を見て、リボーンが呟く。
「XANXUS。」
派手なエクステを付けて、顔に傷がある男。
その眼力はすさまじかった。
「ひいっ!」
ツナは尻餅を付き、獄寺達も動けなくなった。
そんなツナ達を見て、ザンザスは呟く。
「沢田綱吉…………」
彼が左手を構えると、風が起こったかのように辺りの物がふわりと舞い上がった。
その姿を見て、ヴァリアー側も少し驚く。
「まさかボス、いきなりアレを……!」
「俺達まで殺す気かぁ!?」
そして、リボーンも。
「やべーぞ!逃げろ!!」
「ええ!?」
それでも、ツナ達はザンザスの威圧感に一歩も動けない。
「死ね。」
その目は完全に怒りに染まっていた。
.殺される、
ツナ達全員がそう思った。
その時。
『待って!!』
「(この声……!)」
次の瞬間、俺達とヴァリアーの間に、1つの人影が。
「あ……!」
自分達を庇うように、すっと伸ばされた左手。
足下にはやはり、摩擦による黒い焦げ跡。
頬に当たる風は、彼女の髪も揺らして。
「檸檬……っ!」
『遅くなってごめんね、ツナ。』
檸檬は振り向かずにそう言った。
途端に、少しだけ安心した。
檸檬がいれば、きっと大丈夫だって思ったんだ。
なのに。
「んまぁ!檸檬じゃない!」
「本当にいたんだな。」
「だから言っただろーがぁ!!」
「うしし♪」
「久しぶりだね。」
「え…?」
俺は自分の、耳を疑った。
ヒ、サ、シ、ブ、リ??
ふと見ると、驚いてるのが俺だけじゃない事が分かった。
獄寺君は目を見開いて、
山本は口を開けて、
お兄さんは疑問符を浮かべている。
でも、
次の瞬間、俺達はもっと驚いたんだ。
『会えて嬉しいよ、みんな♪』
そう言って、檸檬がにっこり笑ったんだ。
何で…?
「おいっ!檸檬!どーゆー事だよ!!」
獄寺君が叫んだ。無理もないと思うけど。
そしたら檸檬は、獄寺君をキッと睨んで、こう言ったんだ。
『絶対にあたしの前に出ないで、隼人。』
もしかしたら、睨んだんじゃなくて、ただ強い視線を送っただけなのかもしれない。
獄寺君は、檸檬のその目つきにも驚いていた。
そしたら、ヴァリアーの1人(サングラスかけた人)が言った。
「檸檬、どうしてその左手、下ろさないの?」
その言葉に、檸檬は獄寺君からヴァリアーに視線を戻す。
すると、小さい赤ん坊みたいな人が言った。
「そう言えばそうだね。檸檬はこっちの人間じゃないか。そこを退かないとボスの攻撃が当たるよ?」
『分かってる。』
檸檬は、退かなかった。
そしたら今度は、ザンザスが言ったんだ。
「檸檬、退け。」
『出来ない。』
きりりとした檸檬の返答に、ザンザスは一瞬だけ驚いたようだった。
「一緒に殺るぞ。」
『ボスってば、忘れちゃった?あたしは“避けるプロ”だよ?』
「ハッ!そのカスどもが居てもか?」
『勿論♪』
檸檬はにっこりと笑った。
『今ここでは、何もして欲しくないの!』
檸檬が叫ぶ。
「何故そんな奴らを庇う。」
『日本でできた……大切な仲間だから。』
「やっぱり…てめぇは温いな……。」
『そうかもね♪』
檸檬の左手はまだ真横に伸ばされていて、俺達を庇ってくれていた。
右手では、拳が作られていた。
「(檸檬…)」
「バカが。」
ザンザスが再び左手を構える。
檸檬は数センチだけ後ずさりした。
と、その時。
「ザンザス、檸檬、そこまでだ。」
途端にざわつくヴァリアー達。
「た、助かったの…?」
『あっ!』
檸檬が驚いた声をあげたから、俺もそっちを向いた。
え?
何で??
「父さん!!?」
『家光さんっ!!』
「ここからは俺が取り仕切らせてもらう。」
父さんとバジル君達がヴァリアーがいるトコよりも更に高台に立っていた。
途端に檸檬は左手を下ろして、軽くお辞儀をした。
何でだろ…
父さん、檸檬より偉いのかな…?
俺がそんな事を考えてる間に、父さんが2つの巻物っぽい物を取り出して、言った。
「俺は、近頃のお前達のやり方と、それを容認している9代目に疑問を持ってな。9代目に意義申立の質問状を送っていた。そして、その回答ととれる勅命が、今届いた。」
父さんの言葉を、ザンザスも黙って聞いている。
混乱してるのは、俺だけ!??
「何の話かさっぱり分からないよ~~っ!つーか何で父さんが!?」
俺が堪えきれず聞くと、リボーンが言った。
「“門外顧問”、それが家光のボンゴレでの役職だ。」
「え?」
「ボンゴレであってボンゴレでない者。ファミリーの非常時においてボスに次ぐ権限を持つ、実質No.2だ。」
「と、父さんがNo.2!!?」
突然聞かされた事実に、叫ばずにはいられなかった。
リボーンによると、父さんがやってる門外顧問は、ハーフボンゴレリングの半分を後継者に授ける権限を持ってるらしい。
7つのボンゴレリングは、2つが揃って初めて、ちゃんとした後継者の証になるらしい。
「と、父さんがそんな凄いなんて………!!」
「それだけじゃねーぞ。」
「え?」
リボーンが付け足そうとすると、檸檬が振り向いた。
『家光さんは、あたしが9代目以外に仕える、唯一の人なの。』
「なっ……はぁ~~!!?」
それで檸檬は父さんの事知ってたんだ!
そうだよな、ボンゴレなんだもんな……
そうしているうちに、バジル君が俺に巻物の1つを渡して来た。
「沢田殿、これが9代目からの勅命です。」
「ちょくめい………?」
恐る恐る開くと、便せんの一番上に死ぬ気の炎が現れた。
「それは9代目の死炎印。間違いない、本物だね。」
ヴァリアーの1人が言った。
ってか…
「イタリア語、読めないよ~~。」
「要約すると、こう書いてある。」
---今まで自分は、後継者にふさわしいのは家光の息子である沢田綱吉だと考えてそのように仕向けて来た。
だが最近、死期が近いせいか、私の直感は冴え渡り、他によりふさわしい後継者を見つけるに至った。
我が息子XANXUSである。
彼こそが、真に10代目にふさわしい。
だが、この変更に不服な者もいるだろう。
現に家光はXANXUSへのリングの継承を拒んだ。
かと言って私は、ファミリー同士の無益な抗争に突入する事を望まない。
そこで、皆が納得するボンゴレ公認の決闘をここに開始する。---
「つまりこーゆーこった………」
俺はごくりと唾を飲んだ。
「同じ種類のリングを持つ者同士の、1対1のガチンコバトルだ。」
それは、
あたしがヴァリアーに再会する時。
邂逅
「みんなーっ!」
フゥ太達の危機を救ってくれた獄寺、山本、了平に駆け寄るツナ。
「10代目!」
「何か久しぶりだな。」
「オス!」
それぞれ軽く挨拶をかわす。
「ツナ兄~っ!怖かったよーっ!」
「大丈夫だったか?って、イーピン怪我してんじゃん!戦ったの!?」
イーピンを心配するツナに、おんぶをねだるランボ。
路上に寝転がるランボを見て、ツナは呆れる。
「お前、頭ん中にリングひっかけて…………(これのせいで狙われてるとも知らずに…)」
その横で、獄寺が文句を言う。
「俺には全く理解出来ないっスよ!何でこんなアホにリングが!」
「まーまー、いーじゃねーか。まずは無事って事で。」
「しかし思ったより骨のない連中だったな。楽勝だぞ!」
了平が言うと、リボーンが反論した。
「そいつは甘ぇぞ。こいつらはヴァリアーの中でも下っ端だ。本当に怖ぇのは………」
と、その時。
リボーンは何かの気配を感じ取った。
「来るぞ…!」
次の瞬間、闇に包まれた上空に、1つの影が。
それは、ツナたちがいる道の脇の高台に降り立った。
そして、静かに言う。
「………………お前達がやったのか。」
黒い衣装を身に纏い、細い棒のようなものを背中にたくさん備え付けた男だった。
レヴィ・ア・タン雷撃隊の隊長、レヴィである。
彼の突然の登場に驚くツナ達。
だが彼は、ランボだけをみて言った。
「雷のリングを持つ俺の相手は………パーマのガキだな。」
その殺気に、ランボはツナにしがみつきながらゴクリと唾を飲む。
「邪魔だてすれば、皆消す。」
レヴィは背中の棒を握った。
相手が戦闘体勢に入ると察した獄寺、山本、了平は、ぐっと身構えた。
その頃。
部屋で音楽を聞いている檸檬。
だが、それは気を紛らわす事も出来ないまま、檸檬の耳の中を通り抜けていく。
『もう、そろそろかな…。』
ふと窓の外を見て、呟いた。
『(超五感、発動。)』
特に聴覚に神経を集中させて、外の様子を測る。
---「待てェ、レヴィ!」
『(あ、レヴィが接触したんだ………。この声は、アロちゃん?)』
---「1人で狩っちゃダメよ。」
『(ルッスーリアだ。)』
---「他のリングの守護者もそこにいるみたいなんだ。」
『(マーモンだ。)』
---「うわわわ……こんなに…………!」
『ツナ……』
ツナが少し怯えてるのが分かった。
あたしはやっぱり、罪悪感を覚える。
---「う"お"ぉい!!!よくも騙してくれたなぁ?カスども!」
アロちゃんだ。
え?まさか…
その場所でツナ達を殺す気!!?
『やばっ!!』
あたしは、CDプレーヤーを止めて部屋を飛び出した。
あたしに何が出来るか分からない。
何が言えるか分からない。
だけど、
時間稼ぎくらいは、
ほんの少し、出来る気がしたから。
すると、廊下で奈々さんに呼び止められる。
「檸檬ちゃん、ツナ知らない?」
『えっと……今探して来ます!』
「あら…ごめんなさいね、ありがとう。もうすぐ夕飯だからね。」
『はいっ!行ってきます♪』
いつも通りの笑顔で、あたしは家を出た。
『(俊足、発動!)』
久しぶりに使う、マックスパワーの俊足。
50メートルを2秒足らず。
『(急がなきゃ……!)』
風が、いつもより冷たいように感じた。
---
-------
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その頃。
「出たな………まさかまた奴を見る日が来るとはな……」
ヴァリアーが集う中から姿を現した人物を見て、リボーンが呟く。
「XANXUS。」
派手なエクステを付けて、顔に傷がある男。
その眼力はすさまじかった。
「ひいっ!」
ツナは尻餅を付き、獄寺達も動けなくなった。
そんなツナ達を見て、ザンザスは呟く。
「沢田綱吉…………」
彼が左手を構えると、風が起こったかのように辺りの物がふわりと舞い上がった。
その姿を見て、ヴァリアー側も少し驚く。
「まさかボス、いきなりアレを……!」
「俺達まで殺す気かぁ!?」
そして、リボーンも。
「やべーぞ!逃げろ!!」
「ええ!?」
それでも、ツナ達はザンザスの威圧感に一歩も動けない。
「死ね。」
その目は完全に怒りに染まっていた。
.殺される、
ツナ達全員がそう思った。
その時。
『待って!!』
「(この声……!)」
次の瞬間、俺達とヴァリアーの間に、1つの人影が。
「あ……!」
自分達を庇うように、すっと伸ばされた左手。
足下にはやはり、摩擦による黒い焦げ跡。
頬に当たる風は、彼女の髪も揺らして。
「檸檬……っ!」
『遅くなってごめんね、ツナ。』
檸檬は振り向かずにそう言った。
途端に、少しだけ安心した。
檸檬がいれば、きっと大丈夫だって思ったんだ。
なのに。
「んまぁ!檸檬じゃない!」
「本当にいたんだな。」
「だから言っただろーがぁ!!」
「うしし♪」
「久しぶりだね。」
「え…?」
俺は自分の、耳を疑った。
ヒ、サ、シ、ブ、リ??
ふと見ると、驚いてるのが俺だけじゃない事が分かった。
獄寺君は目を見開いて、
山本は口を開けて、
お兄さんは疑問符を浮かべている。
でも、
次の瞬間、俺達はもっと驚いたんだ。
『会えて嬉しいよ、みんな♪』
そう言って、檸檬がにっこり笑ったんだ。
何で…?
「おいっ!檸檬!どーゆー事だよ!!」
獄寺君が叫んだ。無理もないと思うけど。
そしたら檸檬は、獄寺君をキッと睨んで、こう言ったんだ。
『絶対にあたしの前に出ないで、隼人。』
もしかしたら、睨んだんじゃなくて、ただ強い視線を送っただけなのかもしれない。
獄寺君は、檸檬のその目つきにも驚いていた。
そしたら、ヴァリアーの1人(サングラスかけた人)が言った。
「檸檬、どうしてその左手、下ろさないの?」
その言葉に、檸檬は獄寺君からヴァリアーに視線を戻す。
すると、小さい赤ん坊みたいな人が言った。
「そう言えばそうだね。檸檬はこっちの人間じゃないか。そこを退かないとボスの攻撃が当たるよ?」
『分かってる。』
檸檬は、退かなかった。
そしたら今度は、ザンザスが言ったんだ。
「檸檬、退け。」
『出来ない。』
きりりとした檸檬の返答に、ザンザスは一瞬だけ驚いたようだった。
「一緒に殺るぞ。」
『ボスってば、忘れちゃった?あたしは“避けるプロ”だよ?』
「ハッ!そのカスどもが居てもか?」
『勿論♪』
檸檬はにっこりと笑った。
『今ここでは、何もして欲しくないの!』
檸檬が叫ぶ。
「何故そんな奴らを庇う。」
『日本でできた……大切な仲間だから。』
「やっぱり…てめぇは温いな……。」
『そうかもね♪』
檸檬の左手はまだ真横に伸ばされていて、俺達を庇ってくれていた。
右手では、拳が作られていた。
「(檸檬…)」
「バカが。」
ザンザスが再び左手を構える。
檸檬は数センチだけ後ずさりした。
と、その時。
「ザンザス、檸檬、そこまでだ。」
途端にざわつくヴァリアー達。
「た、助かったの…?」
『あっ!』
檸檬が驚いた声をあげたから、俺もそっちを向いた。
え?
何で??
「父さん!!?」
『家光さんっ!!』
「ここからは俺が取り仕切らせてもらう。」
父さんとバジル君達がヴァリアーがいるトコよりも更に高台に立っていた。
途端に檸檬は左手を下ろして、軽くお辞儀をした。
何でだろ…
父さん、檸檬より偉いのかな…?
俺がそんな事を考えてる間に、父さんが2つの巻物っぽい物を取り出して、言った。
「俺は、近頃のお前達のやり方と、それを容認している9代目に疑問を持ってな。9代目に意義申立の質問状を送っていた。そして、その回答ととれる勅命が、今届いた。」
父さんの言葉を、ザンザスも黙って聞いている。
混乱してるのは、俺だけ!??
「何の話かさっぱり分からないよ~~っ!つーか何で父さんが!?」
俺が堪えきれず聞くと、リボーンが言った。
「“門外顧問”、それが家光のボンゴレでの役職だ。」
「え?」
「ボンゴレであってボンゴレでない者。ファミリーの非常時においてボスに次ぐ権限を持つ、実質No.2だ。」
「と、父さんがNo.2!!?」
突然聞かされた事実に、叫ばずにはいられなかった。
リボーンによると、父さんがやってる門外顧問は、ハーフボンゴレリングの半分を後継者に授ける権限を持ってるらしい。
7つのボンゴレリングは、2つが揃って初めて、ちゃんとした後継者の証になるらしい。
「と、父さんがそんな凄いなんて………!!」
「それだけじゃねーぞ。」
「え?」
リボーンが付け足そうとすると、檸檬が振り向いた。
『家光さんは、あたしが9代目以外に仕える、唯一の人なの。』
「なっ……はぁ~~!!?」
それで檸檬は父さんの事知ってたんだ!
そうだよな、ボンゴレなんだもんな……
そうしているうちに、バジル君が俺に巻物の1つを渡して来た。
「沢田殿、これが9代目からの勅命です。」
「ちょくめい………?」
恐る恐る開くと、便せんの一番上に死ぬ気の炎が現れた。
「それは9代目の死炎印。間違いない、本物だね。」
ヴァリアーの1人が言った。
ってか…
「イタリア語、読めないよ~~。」
「要約すると、こう書いてある。」
---今まで自分は、後継者にふさわしいのは家光の息子である沢田綱吉だと考えてそのように仕向けて来た。
だが最近、死期が近いせいか、私の直感は冴え渡り、他によりふさわしい後継者を見つけるに至った。
我が息子XANXUSである。
彼こそが、真に10代目にふさわしい。
だが、この変更に不服な者もいるだろう。
現に家光はXANXUSへのリングの継承を拒んだ。
かと言って私は、ファミリー同士の無益な抗争に突入する事を望まない。
そこで、皆が納得するボンゴレ公認の決闘をここに開始する。---
「つまりこーゆーこった………」
俺はごくりと唾を飲んだ。
「同じ種類のリングを持つ者同士の、1対1のガチンコバトルだ。」