ヴァリアー編
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その日あたしは、
どうもツナの家に帰る気が起きなくて、
病院に泊まる事にした。
沢田家光
『ん…ふぁ~あ。』
窓から差した朝日で、目が覚める。
どうやら座ったまま寝ちゃったらしく、色んなトコが痛かった。
そして、
目の前には傷だらけのバジルが眠っていた。
『おはよう、バジル。』
まだ起きる気配はない。
ため息をついて氷を替えにいった。
「おぅ檸檬、おはよう。」
『ロマさん、おはよう。』
「付きっきりで、大変だったろ?」
『ううん、平気。ってか寝ちゃった。』
すっかり溶けた氷水を流し、新しい氷を入れた。
そして、ロマさんと一緒に病室へ戻る。
『じゃぁロマさん、ちょっと任せていいかな?』
「あぁ、構わないぜ。」
『ありがと♪』
チュッ、
『また来るから!』
檸檬はぐっと覚悟を決めて、ツナの家に戻って行った。
やっぱり、
言わなくちゃダメだよね。
ツナ、どんな顔するんだろう。
不安になりながらも、俊足で家まで飛ばした。
その頃。
自分の首にペンダントとなったリングが下げられている事に驚き、リボーンを問いただすツナ。
「ボンゴレリングは。次期ボンゴレボスの証だぞ。」
「な、何だって~~!!?そんなの冗談じゃないよ!!」
いつものように頭を抱え込むツナ。
「俺だってお前にはまだ早いと思うが、緊急事態になっちまったんだ。」
「緊急事態……?」
「ボンゴレ正統後継者の証であるそのリングを、とんでもねー連中が狙いだしたんだ。」
リボーンの言葉を聞き、ツナはピンと来る。
「それってもしかして…………」
「昨日戦ったロン毛だぞ。あいつはS・スクアーロといって、ボンゴレで最強と謳われる独立暗殺部隊ヴァリアーのメンバーなんだ。」
「ボンゴレ最強!!?」
だから獄寺君と山本も勝てなかったんだ……。
それに、
檸檬も………。
リボーンの話では、ヴァリアーは今まで表舞台に立って来なかったようだ。
“ある男”が現れてから、暴走するようになったそうだ。
そんなのに狙われてるリングを、どーして俺が持ってなくちゃいけないんだよ~~~。
俺の気分は、朝っぱらから悪くなっていった。
---
--------
--------------
同刻、イタリア。
大きな部屋に、大きな机とイス。
そこに座るのは、ヴァリアーの幹部である7人。
「チェックメイトねvV」
「まさか向こうからハーフボンゴレリングをぶら下げて来るとは、手間が省けたんじゃね?」
「あとはスクアーロの帰りを待つだけだね。」
「やはり正統後継者は、ボス、あなたです。」
すると、一番奥に座る男が、机に足を掛けながら一言発した。
「はぁ?」
「それにさぁ、スクアーロの話じゃ、お姫様が見付かったんだって。」
「ぬ!!本当か!?」
「吃驚だね。」
「嬉しいわぁ、あれから1年半以上も立つのねぇん……。」
1人がしみじみと窓の外を見る。
「ボンゴレリングが完成したら、向こうの奴らは用無しだな。」
「手っ取り早く消しましょうかvV」
「そしたらさ、心置きなく本入隊させられんじゃん♪」
「………檸檬を、さ。」
---
--------
---------------
「ってかちょっと待てよ!!もしロン毛が奪ってったリングが偽物ってバレたらどーなんの!?」
「そりゃ、本物を奪い返しに来るだろうな。」
さらっと答えるリボーン。
「ってことは、コレ持ってたら殺されんじゃん!!」
「心配すんな。あの偽物、相当良く出来てて10日はバレねぇ。」
「すぐじゃん!」
「お前はバジルが作った貴重な10日を無駄にする気か?」
「え?」
リボーンの目が、いつになく真剣なモノになった。
「この10日間でみっちり鍛えて、ヴァリアーを迎え撃つぞ。」
「き、鍛える~~~!!?無茶言うなよ!!」
「まぁ、遅かれ早かれボスになるには避けて通れねぇ道だしな。」
リボーンはコーヒーを啜る。
「そのリングを護り、ボンゴレ10代目になるのはお前だぞ。」
「知らないって!こんなの持ってたら命がいくつあっても足りないし!!」
急いで着替えはじめるツナ。
「ディーノさんに返して来る!!」
制服に着替えたツナは、玄関から走り出す。
庭では、父・家光が障子を張り替えていた。
「おっ、ツナ!何でも父さんに打ち明けてみろ。」
「いっ、いいって!!」
先程も同じように言われたのだが、急にそんな事を言われても、ツナは混乱するだけであった。
「(父さんにマフィアの話してもしょうがないし。)」
ツナはディーノがいる病院へと走り出す。
と、そこに…
『ツナっ!』
「あれ?檸檬!?」
俊足で帰って来た檸檬と、玄関先でバッタリ会った。
『学校行くの?』
「えっと……病院に。」
『そう………気を付けてね♪いってらっしゃい。』
チュッ、
「え!?あ、うん。」
走り出すツナを見送る檸檬。
だが、ツナはふっと振り返った。
「檸檬……大丈夫?」
『え…??』
檸檬が聞き返すと、ツナは慌てて首を振った。
「いや、その、何でもない!ごめんっ。」
『ツナ………』
「えっと…何かあったのかなって思っただけだから!その……とにかく何でもない!気にしないで。」
ツナは走り去って行った。
後に残された檸檬は、その場に立ち尽くす。
『(あれが、超直感………)』
分かっちゃうのかな?
ってゆーか、
言おうと思ってた事、言いそびれちゃった。
少し後悔しながら、あたしがボーッとしていると、急に後ろから声をかけられた。
「よっ!久しぶりだな、檸檬。」
吃驚して振り向くと、そこには懐かしい人が。
『家光さん………!』
塀の上にはリボーンもいる。
「あれが俺のせがれだぜ…。大きくなっちゃってな……。」
「知ってるぞ。俺達がずっと面倒見て来たんだからな。」
さらっと返すリボーンに、にかっと笑う家光さん。
「ありがとよ、感謝してるぜ♪リボーン、檸檬。」
『い、いえ!そんな……!』
あたしが首をふると、家光さんはあたしの頭にふわっと手を乗せた。
吃驚して、そのまま固まる。
「檸檬、どーだ?こっちの生活は。」
『えっと……とっても楽しいです!ツナはとってもあったかくて…他の仲間もいい人達ばかりで…この街が大好きで………あたし……』
言葉にすればする程、あたしは震えて来た。
すると、家光さんのあったかい手があたしの頭を撫でた。
「檸檬、分かってると思うが……今回の事は檸檬にとって相当つらい展開になってくる。」
『はい………』
「ボンゴレリングを狙って、ザンザスが10代目ボスになろうとしてるんだ。」
『やっぱり……そうだと思ってました………。』
あたしは、力無く笑った。
『家光さんの事は、ツナには言わないんですか?』
「ん~……準備は出来てるんだが上手くいかなくてな~。」
『あたしも同じです。』
どんな表情をしてるのか、自分でも分からない。
そんなあたしの頭から手を退けて、家光さんは言った。
「ま、なるようになるだろ!配るモンも配っちまったし。」
そして、家に入って行く。
「奈々~、メシ~~。」
リボーンもその後に続いた。
「檸檬、家に入らないのか?」
『うん。あたし、やっぱり病院にとどまるよ。』
「……そうか。」
くるっと方向転換をして、病院に戻った。
家に入ったリボーンは、家光に言う。
「檸檬は……相当なダメージ受けてんな。」
「あぁ。」
奈々がキッチンにいる事を確信し、家光は応える。
「檸檬にとって、ヴァリアーの存在は大きい。俺達が思っている以上にな。」
「何でだ?」
家光は緑茶を一口飲み、静かに答えた。
「檸檬は色んな役職を転々としていたが………本入隊を檸檬自ら申請したのは、ヴァリアーだけだったんだ。」
「本入隊?」
「あぁ、檸檬は全て仮入隊として仕事適正チェックをしていた。期間は様々だったが、ヴァリアーにはおよそ1ヶ月間滞在していたらしい。」
「1ヶ月か……。」
「よほど気に入ったらしく、9代目にこう言ったそうだ。」
---『とりあえず、全部の役職に仮入隊します。けど、それが終わったその時は、あたしをヴァリアーに入れて下さい。』
「それでも、ヴァリアーは独立暗殺部隊だ。9代目としては檸檬に殺しをして欲しくなかったんだろう。」
「それで、長い任務として家庭教師補佐を命じたワケか。」
「あぁ、そうみたいだ。」
話を聞き終わったリボーンは、病院に向かう。
ツナの遅い足でも、そろそろ病院に着くだろう。
---
-------
-------------
その頃、病院に着いたツナは獄寺と山本に遭遇し、驚いていた。
「んな事より妙な事があってさ。」
「そーなんスよ!」
「え?」
獄寺と山本はポケットから何かを取り出した。
「ポストにこんなもんが入っててさ。」
「もしかしたら昨日の奴がらみかと思いまして。跳ね馬にここの場所は聞いてたんで。」
2人が持っていたのは、小さなリング。
「ああ~~~!!そのリングってまさか~~!!!」
ツナの頭に、嫌な予感が走る。
「何だツナ、これ知ってたのか。」
「やっぱり10代目も持ってるんですね!」
「やぱいって!それ持ってると狙われるんだよ!!」
2人を説得しようとするツナ。
「つーか何で!?何で獄寺君と山本にも……!?」
「選ばれたからだぞ。」
3人とは別の声がして、そちらを見ると…
「ディーノさん!!リボーンも!!」
ディーノが立っている横の窓枠に、リボーンが座っていた。
「ボンゴレリングは全部で7つあるんだ。そして7人のファミリーが持って初めて意味を持つんだからな。」
リボーンの突然の説明に、戸惑うツナ。
「お前以外の6つのリングは………次期ボンゴレボス沢田綱吉を守護するにふさわしい6名に届けられたぞ。」
隣の病室でバジルを看病しながら、檸檬はツナ達の会話を聞いていた。
『ねぇ、バジル………あたし、どうすればいいかなぁ……?』
目覚めないバジルに尋ねても、答えは返って来ない。
否、今の自分に欲しい言葉なんてあるのだろうか。
窓の外の空は、憎らしいほど青い。
大好きなんだ。
こっちの仲間に負けないくらい、
大切なんだ。
ツナ、ごめんね。
今回はツナ達の味方だけやるのは無理かも……。
『バジル……あたしの分まで、ツナ達を応援してあげてね……。』
どちらに付くか迷うなら、
どちらにも付かなければいい。
それが、
あたしの答え。
どうもツナの家に帰る気が起きなくて、
病院に泊まる事にした。
沢田家光
『ん…ふぁ~あ。』
窓から差した朝日で、目が覚める。
どうやら座ったまま寝ちゃったらしく、色んなトコが痛かった。
そして、
目の前には傷だらけのバジルが眠っていた。
『おはよう、バジル。』
まだ起きる気配はない。
ため息をついて氷を替えにいった。
「おぅ檸檬、おはよう。」
『ロマさん、おはよう。』
「付きっきりで、大変だったろ?」
『ううん、平気。ってか寝ちゃった。』
すっかり溶けた氷水を流し、新しい氷を入れた。
そして、ロマさんと一緒に病室へ戻る。
『じゃぁロマさん、ちょっと任せていいかな?』
「あぁ、構わないぜ。」
『ありがと♪』
チュッ、
『また来るから!』
檸檬はぐっと覚悟を決めて、ツナの家に戻って行った。
やっぱり、
言わなくちゃダメだよね。
ツナ、どんな顔するんだろう。
不安になりながらも、俊足で家まで飛ばした。
その頃。
自分の首にペンダントとなったリングが下げられている事に驚き、リボーンを問いただすツナ。
「ボンゴレリングは。次期ボンゴレボスの証だぞ。」
「な、何だって~~!!?そんなの冗談じゃないよ!!」
いつものように頭を抱え込むツナ。
「俺だってお前にはまだ早いと思うが、緊急事態になっちまったんだ。」
「緊急事態……?」
「ボンゴレ正統後継者の証であるそのリングを、とんでもねー連中が狙いだしたんだ。」
リボーンの言葉を聞き、ツナはピンと来る。
「それってもしかして…………」
「昨日戦ったロン毛だぞ。あいつはS・スクアーロといって、ボンゴレで最強と謳われる独立暗殺部隊ヴァリアーのメンバーなんだ。」
「ボンゴレ最強!!?」
だから獄寺君と山本も勝てなかったんだ……。
それに、
檸檬も………。
リボーンの話では、ヴァリアーは今まで表舞台に立って来なかったようだ。
“ある男”が現れてから、暴走するようになったそうだ。
そんなのに狙われてるリングを、どーして俺が持ってなくちゃいけないんだよ~~~。
俺の気分は、朝っぱらから悪くなっていった。
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同刻、イタリア。
大きな部屋に、大きな机とイス。
そこに座るのは、ヴァリアーの幹部である7人。
「チェックメイトねvV」
「まさか向こうからハーフボンゴレリングをぶら下げて来るとは、手間が省けたんじゃね?」
「あとはスクアーロの帰りを待つだけだね。」
「やはり正統後継者は、ボス、あなたです。」
すると、一番奥に座る男が、机に足を掛けながら一言発した。
「はぁ?」
「それにさぁ、スクアーロの話じゃ、お姫様が見付かったんだって。」
「ぬ!!本当か!?」
「吃驚だね。」
「嬉しいわぁ、あれから1年半以上も立つのねぇん……。」
1人がしみじみと窓の外を見る。
「ボンゴレリングが完成したら、向こうの奴らは用無しだな。」
「手っ取り早く消しましょうかvV」
「そしたらさ、心置きなく本入隊させられんじゃん♪」
「………檸檬を、さ。」
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「ってかちょっと待てよ!!もしロン毛が奪ってったリングが偽物ってバレたらどーなんの!?」
「そりゃ、本物を奪い返しに来るだろうな。」
さらっと答えるリボーン。
「ってことは、コレ持ってたら殺されんじゃん!!」
「心配すんな。あの偽物、相当良く出来てて10日はバレねぇ。」
「すぐじゃん!」
「お前はバジルが作った貴重な10日を無駄にする気か?」
「え?」
リボーンの目が、いつになく真剣なモノになった。
「この10日間でみっちり鍛えて、ヴァリアーを迎え撃つぞ。」
「き、鍛える~~~!!?無茶言うなよ!!」
「まぁ、遅かれ早かれボスになるには避けて通れねぇ道だしな。」
リボーンはコーヒーを啜る。
「そのリングを護り、ボンゴレ10代目になるのはお前だぞ。」
「知らないって!こんなの持ってたら命がいくつあっても足りないし!!」
急いで着替えはじめるツナ。
「ディーノさんに返して来る!!」
制服に着替えたツナは、玄関から走り出す。
庭では、父・家光が障子を張り替えていた。
「おっ、ツナ!何でも父さんに打ち明けてみろ。」
「いっ、いいって!!」
先程も同じように言われたのだが、急にそんな事を言われても、ツナは混乱するだけであった。
「(父さんにマフィアの話してもしょうがないし。)」
ツナはディーノがいる病院へと走り出す。
と、そこに…
『ツナっ!』
「あれ?檸檬!?」
俊足で帰って来た檸檬と、玄関先でバッタリ会った。
『学校行くの?』
「えっと……病院に。」
『そう………気を付けてね♪いってらっしゃい。』
チュッ、
「え!?あ、うん。」
走り出すツナを見送る檸檬。
だが、ツナはふっと振り返った。
「檸檬……大丈夫?」
『え…??』
檸檬が聞き返すと、ツナは慌てて首を振った。
「いや、その、何でもない!ごめんっ。」
『ツナ………』
「えっと…何かあったのかなって思っただけだから!その……とにかく何でもない!気にしないで。」
ツナは走り去って行った。
後に残された檸檬は、その場に立ち尽くす。
『(あれが、超直感………)』
分かっちゃうのかな?
ってゆーか、
言おうと思ってた事、言いそびれちゃった。
少し後悔しながら、あたしがボーッとしていると、急に後ろから声をかけられた。
「よっ!久しぶりだな、檸檬。」
吃驚して振り向くと、そこには懐かしい人が。
『家光さん………!』
塀の上にはリボーンもいる。
「あれが俺のせがれだぜ…。大きくなっちゃってな……。」
「知ってるぞ。俺達がずっと面倒見て来たんだからな。」
さらっと返すリボーンに、にかっと笑う家光さん。
「ありがとよ、感謝してるぜ♪リボーン、檸檬。」
『い、いえ!そんな……!』
あたしが首をふると、家光さんはあたしの頭にふわっと手を乗せた。
吃驚して、そのまま固まる。
「檸檬、どーだ?こっちの生活は。」
『えっと……とっても楽しいです!ツナはとってもあったかくて…他の仲間もいい人達ばかりで…この街が大好きで………あたし……』
言葉にすればする程、あたしは震えて来た。
すると、家光さんのあったかい手があたしの頭を撫でた。
「檸檬、分かってると思うが……今回の事は檸檬にとって相当つらい展開になってくる。」
『はい………』
「ボンゴレリングを狙って、ザンザスが10代目ボスになろうとしてるんだ。」
『やっぱり……そうだと思ってました………。』
あたしは、力無く笑った。
『家光さんの事は、ツナには言わないんですか?』
「ん~……準備は出来てるんだが上手くいかなくてな~。」
『あたしも同じです。』
どんな表情をしてるのか、自分でも分からない。
そんなあたしの頭から手を退けて、家光さんは言った。
「ま、なるようになるだろ!配るモンも配っちまったし。」
そして、家に入って行く。
「奈々~、メシ~~。」
リボーンもその後に続いた。
「檸檬、家に入らないのか?」
『うん。あたし、やっぱり病院にとどまるよ。』
「……そうか。」
くるっと方向転換をして、病院に戻った。
家に入ったリボーンは、家光に言う。
「檸檬は……相当なダメージ受けてんな。」
「あぁ。」
奈々がキッチンにいる事を確信し、家光は応える。
「檸檬にとって、ヴァリアーの存在は大きい。俺達が思っている以上にな。」
「何でだ?」
家光は緑茶を一口飲み、静かに答えた。
「檸檬は色んな役職を転々としていたが………本入隊を檸檬自ら申請したのは、ヴァリアーだけだったんだ。」
「本入隊?」
「あぁ、檸檬は全て仮入隊として仕事適正チェックをしていた。期間は様々だったが、ヴァリアーにはおよそ1ヶ月間滞在していたらしい。」
「1ヶ月か……。」
「よほど気に入ったらしく、9代目にこう言ったそうだ。」
---『とりあえず、全部の役職に仮入隊します。けど、それが終わったその時は、あたしをヴァリアーに入れて下さい。』
「それでも、ヴァリアーは独立暗殺部隊だ。9代目としては檸檬に殺しをして欲しくなかったんだろう。」
「それで、長い任務として家庭教師補佐を命じたワケか。」
「あぁ、そうみたいだ。」
話を聞き終わったリボーンは、病院に向かう。
ツナの遅い足でも、そろそろ病院に着くだろう。
---
-------
-------------
その頃、病院に着いたツナは獄寺と山本に遭遇し、驚いていた。
「んな事より妙な事があってさ。」
「そーなんスよ!」
「え?」
獄寺と山本はポケットから何かを取り出した。
「ポストにこんなもんが入っててさ。」
「もしかしたら昨日の奴がらみかと思いまして。跳ね馬にここの場所は聞いてたんで。」
2人が持っていたのは、小さなリング。
「ああ~~~!!そのリングってまさか~~!!!」
ツナの頭に、嫌な予感が走る。
「何だツナ、これ知ってたのか。」
「やっぱり10代目も持ってるんですね!」
「やぱいって!それ持ってると狙われるんだよ!!」
2人を説得しようとするツナ。
「つーか何で!?何で獄寺君と山本にも……!?」
「選ばれたからだぞ。」
3人とは別の声がして、そちらを見ると…
「ディーノさん!!リボーンも!!」
ディーノが立っている横の窓枠に、リボーンが座っていた。
「ボンゴレリングは全部で7つあるんだ。そして7人のファミリーが持って初めて意味を持つんだからな。」
リボーンの突然の説明に、戸惑うツナ。
「お前以外の6つのリングは………次期ボンゴレボス沢田綱吉を守護するにふさわしい6名に届けられたぞ。」
隣の病室でバジルを看病しながら、檸檬はツナ達の会話を聞いていた。
『ねぇ、バジル………あたし、どうすればいいかなぁ……?』
目覚めないバジルに尋ねても、答えは返って来ない。
否、今の自分に欲しい言葉なんてあるのだろうか。
窓の外の空は、憎らしいほど青い。
大好きなんだ。
こっちの仲間に負けないくらい、
大切なんだ。
ツナ、ごめんね。
今回はツナ達の味方だけやるのは無理かも……。
『バジル……あたしの分まで、ツナ達を応援してあげてね……。』
どちらに付くか迷うなら、
どちらにも付かなければいい。
それが、
あたしの答え。