黒曜編
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自分の意志を、
仲間の声を、
平和な未来を糧にして、
今、立ち上がる。
===============
「そうか………アルコバレーノ、君の仕業だな。」
「ちげーぞ。」
リボーンは、無数の光る糸の中心にある球体のレオンを見上げた。
「こいつは形状記憶カメレオンのレオン。俺の生徒が成長すると羽化する、俺の相棒だぞ。どーゆーワケか、生徒に試練が訪れるのを予知すると繭になるんだ。」
「そ、そーだったの!?」
驚くツナに対し、骸は自分にくっついた糸を千切りながら笑った。
「クフフ、それは面白い。」
「最後に何を見せられるかと思えば、ペットの羽化ですか。」
「まったく君達はユニークですね。クハハハハハ!」
「笑われてんじゃん!!」
「見てみろ。」
リボーンに促され、ツナがレオンを見てみると、膨らんだレオンが口の中で何かを咀嚼していた。
「新(ニュー)アイテムを吐き出すぞ。俺の生徒である、お前専用のな。」
少し嬉しい情報に、驚くツナ。
ちなみに、ディーノの時は“跳ね馬の鞭”と“エンツィオ”を吐き出したらしい。
しかし……
「いつまでも君達の遊びに付き合っていられません。小休止はこれくらいにして、仕上げです。」
犬が武器を持ってツナの方に駆け寄って来た。
「来るぞ。」
「ぶっ!」
リボーンに蹴飛ばされ、その場から離れるツナ。
すると犬は、そのままそこに残されたレオンを切り裂いた。
「れ、レオン!」
「心配ねーぞ。それより、上に何か弾かれたぞ。」
「あ!!」
ツナの真上の光の中に、黒い物体が2つ浮いていた。
「無事みてーだな。」
「あれが………」
浮いていたそれは、ゆっくりとツナの頭の上に落ちて来た。
ぽふん、
「え?あれ??」
予想外の感触が額に残る。
頭でワンクッションしたそれを、手の中に収めるツナ。
「こ、これって………」
思わず、目を見開いた。
「毛糸の手袋~~~~!!?」
それは、ちゃんと“27”と描かれている、毛糸の手袋。
期待外れ……
その言葉が、ツナの脳裏に走る。
「こんなんでどーやって戦うんだよ!?エンツィオとか武器出るんじゃないのかよ!?手の血行良くしてどーすんだよ!!」
ツッコミ体質のツナにとって、それはもうツッコミどころ満載であった。
だがリボーンは真剣な顔で、
「とりあえず付けとけ。」
と言う。
そしてその直後、犬が再びツナに攻め寄って来た。
「最後まで面白かったですよ、君達は。」
「ひいっ!」
振り回される剣に怯えながらも、手袋をはめた手で咄嗟に受け止めたツナ。
ガキッ、
という音がして、ツナは吹っ飛ばされる。
骸の方は、少しだけ驚いていた。
「攻撃を弾かれたのか…?」
「た、助かった~………ん?中に何か詰まってるぞ。」
手袋の中に何か違和感を感じたツナは、一度外してひっくり返してみた。
すると………
ポロ……
「た……弾だ!!!」
その手の中に落ちて来たのは、一つの銃弾。
「(特殊弾!!?)」
骸は少しだけ表情を歪ませ、
「そいつだな……」
リボーンは嬉しそうにニッと笑った。
『(大丈夫だ、深呼吸して……)』
まだ脳に違和感を覚えている檸檬だったが、呼吸を整えて何とか立ち上がった。
ツナが危険な目に遭っている。
ならば9代目直属の自分は何としても彼を護らなくては。
ツナの援護をしようとする檸檬の行く手を阻んだのは、骸が憑依したビアンキだった。
「させませんよ、檸檬。」
『意地でも通る。』
「君の悲痛な叫びを聞き入れなかったボンゴレに、これ以上何を奉仕する必要があるのです。」
『ツナがボンゴレだから護るんじゃない。ツナが……あたしに、あったかさを教えてくれたから。』
「……偽りだとしても、ですか。」
『偽りかどうかはもういい。疑って傷つけるくらいなら、信じて傷つく方がマシだって、分かったの。』
「ふっ……やはり甘いですね。マフィアにしておくには勿体ないと思っていましたが、僕の見込み違いでしたか。」
呆れるように溜め息をつく骸だが、檸檬は動じなかった。
「しかしもう手遅れですよ。能力を使えない君では、ボムの応酬からボンゴレを救うことなどできまい。」
にやりと笑ったビアンキの背後では、獄寺がひたすらツナにボムを投げる。
リボーンは距離を置いたところで銃に弾を装填していて。
『(ダメ…あのボムは当たる…!)』
予測できてしまっても、悪足掻きのように叫ぶしかなく。
『危ない逃げて…!』
「うわあああ!!!」
ツナの悲鳴が聞こえた。
リボーンは、爆発の直前に構えたけど、
隼人はうっすらと怪しげな笑みを浮かべて、
「間に合うものか。」
って。
ドガガガガ、
大量のダイナマイトが一斉に爆発する。
『ツナーっ!!』
あたしの声は、爆発音によってかき消された。
爆風がおさまった後、千種、犬、ビアンキがゆっくりと近付く。
「ボムをまともに食らいましたね。」
「おやおや、これは重傷だ。」
そこには、黒焦げになったツナが倒れていた。
「何の変化も表れないところを見ると、特殊弾も外したようですね。」
「さぁ、虫の息のその体を、早く引き取りましょう。」
骸が何を言っても、ツナはピクリとも動かず、リボーンは一言も話さなかった。
『させないっ…!』
「おや、俊足を使えるまでに回復していましたか。」
「やはりボンゴレ9代目直属は一味違いますねぇ。」
千種たちと倒れているツナとの間に、俊足で回り込んで立ちはだかる。
あたしが、護るんだ。
あたしは、償うんだ。
大丈夫、あたしは誰よりも強い。
脳が全回復してなくたって、言うこと聞かせてやる。
それこそが、あたしの真骨頂なんだから。
『これ以上……させない。』
「脳が壊れたことで思考力もなくなりましたか。君一人でこの場を制圧するなど不可能ですよ、檸檬。」
『無理でも、やる……』
「不思議ですねぇ、一体何が君をそこまでの愚行に走らせるのでしょう。」
何で諦めないかって?
今更だよ、決まってるじゃない。
奥にあるソファの傍で気を失っている恭弥を一瞥して、骸を真っ直ぐ見た。
『帰る場所を、貰ったから。』
---
------
痛い…
体中が痛いよぉ……
もう、死ぬのかな…
もう、いいよな…
良くやったよな……
みんなごめん、俺…
ここまでだ……
もう、たくさんだ。
こんな痛いのも、
こんな怖いのも…
諦めようとする俺の耳に、聞き慣れた声が聞こえる。
-「んまぁ、この服っ!!ツナったら散らかしたまま出掛けて~~っ。自分の事は自分でしなさいって言ってるのに~~!」
夢かと思うくらいにリアルに聞こえ、リアルに見える。
-「何だよ、これ?日直日誌に沢田のテストまぎれてんじゃん!しかも……2点!!!」
あ、国語のテストだ………
それは、クラスメイトの黒川だった。
-「あいつマジでダメツナだな~~っ。京子をモノにしたいんなら、もーちょっとしっかりしろよ~~っ。」
つーか何で黒川の悪口が?
素朴な疑問に答えたのは、リボーン。
「特殊弾の効果みてーだな。」
「え?」
「お前が感じてるのは、リアルタイムで届くみんなからお前への、小言だ。」
何でこんな時に小言聞かされなきゃならないんだよ……
最後の最後にまたダメツナって思い知らされるのかよ……
ますますがっかりして、気力も削がれてく気分だ。
-「はひー!!何やってるんですか!?犯人のアジトに乗り込むなんて正気じゃありません!」
げっ、ハルだ…
ハルと一緒に見えて来たのは、ランボとイーピン。
-「ガハハ!ハル、泣いてるもんね!」
-「な、泣いてません!!ハルはマフィアのボスの妻になるんです。こんな事で泣きませんよ。」
ぐっと涙を拭うハル。
-「ツナさん、頑張って下さい!」
その言葉に、何かが崩れ始める。
-「落ち着け、京子。」
-「だって…シャマル先生が、ツナ君達が乗り込んだって……」
見えて来たのは、病院にいる了平と京子。
-「心配するな。あいつは俺が手を合わせた中で、最も強い男だ。負けて帰って来たら俺が許さん。」
-「そうだよね、大丈夫だよね…」
京子は窓から空を見上げる。
-「ツナ君、元気で帰って来てね。」
無意識に歯を食いしばる。
-「俺と同じ過ちを繰り返すな。」
見えて来たのは、手当てをして木の側に寝かせておいたランチア。
-「仲間を護れ。お前がその手で、ファミリーを護るんだ。」
そして最後に見えるのは、
他でもない、自分の家庭教師。
「俺の小言は言う間でもねーな。」
次の瞬間、ツナはカッと目を開いた。
決意に満ちた、強い瞳。
「ほう、この期に及んでそんな目をしますか。」
『ツナ…!』
千種のその言葉に、檸檬も振り返る。
「ですがもう終わりにしましょう。檸檬、君もここまでですよ。」
『何を………っ!?』
次の瞬間その場に崩れ落ちるように倒れた檸檬。
リボーンはその様子をやや深刻な表情で見ていたが、構わず骸は言う。
「このまま死なれても困りますからね。」
千種がツナに剣を振り降ろした。
しかしその一撃は、ツナの手に受け止められて。
「な………!!?」
はめていた手袋が、皮のグローブに変化していく。
そして、3本あった剣の先を、1本折った。
危機感を覚えた千種は、そのまま剣を引く。
すると、
うつ伏せで寝ていたツナが、ゆっくりと起き上がった。
そして、ゆっくりと口が開かれる。
「骸………お前を倒さなければ……」
膝立ち状態になって、
強い瞳で骸を捉えて、
額からは、
いつものように死ぬ気の炎が。
「死んでも死に切れねぇ。」
変容を遂げたツナの雰囲気に骸は愉しそうに笑い、「なるほど…」と呟く。
「ボンゴレには引き際を知らない人間が多いらしい。」
「では僕も、更に素晴らしいセッティングをもって君を乗っ取ることにしましょう。」
「セッティング…?」
その単語にリボーンが反応したのとほぼ同時だった。
『う…』
倒れていた檸檬がスッと起き上がる。
そして、ツナに向かい……
妖しい笑みを見せた。
『さあ、狂った踊りを始めましょうか。』
仲間の声を、
平和な未来を糧にして、
今、立ち上がる。
===============
「そうか………アルコバレーノ、君の仕業だな。」
「ちげーぞ。」
リボーンは、無数の光る糸の中心にある球体のレオンを見上げた。
「こいつは形状記憶カメレオンのレオン。俺の生徒が成長すると羽化する、俺の相棒だぞ。どーゆーワケか、生徒に試練が訪れるのを予知すると繭になるんだ。」
「そ、そーだったの!?」
驚くツナに対し、骸は自分にくっついた糸を千切りながら笑った。
「クフフ、それは面白い。」
「最後に何を見せられるかと思えば、ペットの羽化ですか。」
「まったく君達はユニークですね。クハハハハハ!」
「笑われてんじゃん!!」
「見てみろ。」
リボーンに促され、ツナがレオンを見てみると、膨らんだレオンが口の中で何かを咀嚼していた。
「新(ニュー)アイテムを吐き出すぞ。俺の生徒である、お前専用のな。」
少し嬉しい情報に、驚くツナ。
ちなみに、ディーノの時は“跳ね馬の鞭”と“エンツィオ”を吐き出したらしい。
しかし……
「いつまでも君達の遊びに付き合っていられません。小休止はこれくらいにして、仕上げです。」
犬が武器を持ってツナの方に駆け寄って来た。
「来るぞ。」
「ぶっ!」
リボーンに蹴飛ばされ、その場から離れるツナ。
すると犬は、そのままそこに残されたレオンを切り裂いた。
「れ、レオン!」
「心配ねーぞ。それより、上に何か弾かれたぞ。」
「あ!!」
ツナの真上の光の中に、黒い物体が2つ浮いていた。
「無事みてーだな。」
「あれが………」
浮いていたそれは、ゆっくりとツナの頭の上に落ちて来た。
ぽふん、
「え?あれ??」
予想外の感触が額に残る。
頭でワンクッションしたそれを、手の中に収めるツナ。
「こ、これって………」
思わず、目を見開いた。
「毛糸の手袋~~~~!!?」
それは、ちゃんと“27”と描かれている、毛糸の手袋。
期待外れ……
その言葉が、ツナの脳裏に走る。
「こんなんでどーやって戦うんだよ!?エンツィオとか武器出るんじゃないのかよ!?手の血行良くしてどーすんだよ!!」
ツッコミ体質のツナにとって、それはもうツッコミどころ満載であった。
だがリボーンは真剣な顔で、
「とりあえず付けとけ。」
と言う。
そしてその直後、犬が再びツナに攻め寄って来た。
「最後まで面白かったですよ、君達は。」
「ひいっ!」
振り回される剣に怯えながらも、手袋をはめた手で咄嗟に受け止めたツナ。
ガキッ、
という音がして、ツナは吹っ飛ばされる。
骸の方は、少しだけ驚いていた。
「攻撃を弾かれたのか…?」
「た、助かった~………ん?中に何か詰まってるぞ。」
手袋の中に何か違和感を感じたツナは、一度外してひっくり返してみた。
すると………
ポロ……
「た……弾だ!!!」
その手の中に落ちて来たのは、一つの銃弾。
「(特殊弾!!?)」
骸は少しだけ表情を歪ませ、
「そいつだな……」
リボーンは嬉しそうにニッと笑った。
『(大丈夫だ、深呼吸して……)』
まだ脳に違和感を覚えている檸檬だったが、呼吸を整えて何とか立ち上がった。
ツナが危険な目に遭っている。
ならば9代目直属の自分は何としても彼を護らなくては。
ツナの援護をしようとする檸檬の行く手を阻んだのは、骸が憑依したビアンキだった。
「させませんよ、檸檬。」
『意地でも通る。』
「君の悲痛な叫びを聞き入れなかったボンゴレに、これ以上何を奉仕する必要があるのです。」
『ツナがボンゴレだから護るんじゃない。ツナが……あたしに、あったかさを教えてくれたから。』
「……偽りだとしても、ですか。」
『偽りかどうかはもういい。疑って傷つけるくらいなら、信じて傷つく方がマシだって、分かったの。』
「ふっ……やはり甘いですね。マフィアにしておくには勿体ないと思っていましたが、僕の見込み違いでしたか。」
呆れるように溜め息をつく骸だが、檸檬は動じなかった。
「しかしもう手遅れですよ。能力を使えない君では、ボムの応酬からボンゴレを救うことなどできまい。」
にやりと笑ったビアンキの背後では、獄寺がひたすらツナにボムを投げる。
リボーンは距離を置いたところで銃に弾を装填していて。
『(ダメ…あのボムは当たる…!)』
予測できてしまっても、悪足掻きのように叫ぶしかなく。
『危ない逃げて…!』
「うわあああ!!!」
ツナの悲鳴が聞こえた。
リボーンは、爆発の直前に構えたけど、
隼人はうっすらと怪しげな笑みを浮かべて、
「間に合うものか。」
って。
ドガガガガ、
大量のダイナマイトが一斉に爆発する。
『ツナーっ!!』
あたしの声は、爆発音によってかき消された。
爆風がおさまった後、千種、犬、ビアンキがゆっくりと近付く。
「ボムをまともに食らいましたね。」
「おやおや、これは重傷だ。」
そこには、黒焦げになったツナが倒れていた。
「何の変化も表れないところを見ると、特殊弾も外したようですね。」
「さぁ、虫の息のその体を、早く引き取りましょう。」
骸が何を言っても、ツナはピクリとも動かず、リボーンは一言も話さなかった。
『させないっ…!』
「おや、俊足を使えるまでに回復していましたか。」
「やはりボンゴレ9代目直属は一味違いますねぇ。」
千種たちと倒れているツナとの間に、俊足で回り込んで立ちはだかる。
あたしが、護るんだ。
あたしは、償うんだ。
大丈夫、あたしは誰よりも強い。
脳が全回復してなくたって、言うこと聞かせてやる。
それこそが、あたしの真骨頂なんだから。
『これ以上……させない。』
「脳が壊れたことで思考力もなくなりましたか。君一人でこの場を制圧するなど不可能ですよ、檸檬。」
『無理でも、やる……』
「不思議ですねぇ、一体何が君をそこまでの愚行に走らせるのでしょう。」
何で諦めないかって?
今更だよ、決まってるじゃない。
奥にあるソファの傍で気を失っている恭弥を一瞥して、骸を真っ直ぐ見た。
『帰る場所を、貰ったから。』
---
------
痛い…
体中が痛いよぉ……
もう、死ぬのかな…
もう、いいよな…
良くやったよな……
みんなごめん、俺…
ここまでだ……
もう、たくさんだ。
こんな痛いのも、
こんな怖いのも…
諦めようとする俺の耳に、聞き慣れた声が聞こえる。
-「んまぁ、この服っ!!ツナったら散らかしたまま出掛けて~~っ。自分の事は自分でしなさいって言ってるのに~~!」
夢かと思うくらいにリアルに聞こえ、リアルに見える。
-「何だよ、これ?日直日誌に沢田のテストまぎれてんじゃん!しかも……2点!!!」
あ、国語のテストだ………
それは、クラスメイトの黒川だった。
-「あいつマジでダメツナだな~~っ。京子をモノにしたいんなら、もーちょっとしっかりしろよ~~っ。」
つーか何で黒川の悪口が?
素朴な疑問に答えたのは、リボーン。
「特殊弾の効果みてーだな。」
「え?」
「お前が感じてるのは、リアルタイムで届くみんなからお前への、小言だ。」
何でこんな時に小言聞かされなきゃならないんだよ……
最後の最後にまたダメツナって思い知らされるのかよ……
ますますがっかりして、気力も削がれてく気分だ。
-「はひー!!何やってるんですか!?犯人のアジトに乗り込むなんて正気じゃありません!」
げっ、ハルだ…
ハルと一緒に見えて来たのは、ランボとイーピン。
-「ガハハ!ハル、泣いてるもんね!」
-「な、泣いてません!!ハルはマフィアのボスの妻になるんです。こんな事で泣きませんよ。」
ぐっと涙を拭うハル。
-「ツナさん、頑張って下さい!」
その言葉に、何かが崩れ始める。
-「落ち着け、京子。」
-「だって…シャマル先生が、ツナ君達が乗り込んだって……」
見えて来たのは、病院にいる了平と京子。
-「心配するな。あいつは俺が手を合わせた中で、最も強い男だ。負けて帰って来たら俺が許さん。」
-「そうだよね、大丈夫だよね…」
京子は窓から空を見上げる。
-「ツナ君、元気で帰って来てね。」
無意識に歯を食いしばる。
-「俺と同じ過ちを繰り返すな。」
見えて来たのは、手当てをして木の側に寝かせておいたランチア。
-「仲間を護れ。お前がその手で、ファミリーを護るんだ。」
そして最後に見えるのは、
他でもない、自分の家庭教師。
「俺の小言は言う間でもねーな。」
次の瞬間、ツナはカッと目を開いた。
決意に満ちた、強い瞳。
「ほう、この期に及んでそんな目をしますか。」
『ツナ…!』
千種のその言葉に、檸檬も振り返る。
「ですがもう終わりにしましょう。檸檬、君もここまでですよ。」
『何を………っ!?』
次の瞬間その場に崩れ落ちるように倒れた檸檬。
リボーンはその様子をやや深刻な表情で見ていたが、構わず骸は言う。
「このまま死なれても困りますからね。」
千種がツナに剣を振り降ろした。
しかしその一撃は、ツナの手に受け止められて。
「な………!!?」
はめていた手袋が、皮のグローブに変化していく。
そして、3本あった剣の先を、1本折った。
危機感を覚えた千種は、そのまま剣を引く。
すると、
うつ伏せで寝ていたツナが、ゆっくりと起き上がった。
そして、ゆっくりと口が開かれる。
「骸………お前を倒さなければ……」
膝立ち状態になって、
強い瞳で骸を捉えて、
額からは、
いつものように死ぬ気の炎が。
「死んでも死に切れねぇ。」
変容を遂げたツナの雰囲気に骸は愉しそうに笑い、「なるほど…」と呟く。
「ボンゴレには引き際を知らない人間が多いらしい。」
「では僕も、更に素晴らしいセッティングをもって君を乗っ取ることにしましょう。」
「セッティング…?」
その単語にリボーンが反応したのとほぼ同時だった。
『う…』
倒れていた檸檬がスッと起き上がる。
そして、ツナに向かい……
妖しい笑みを見せた。
『さあ、狂った踊りを始めましょうか。』