日常編
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『はーやーとっ!』
「あ、暑いからひっつくなよ檸檬!」
『あぁ、ごめんねぇ』
ホントに隼人の顔は真っ赤だったから、あたしはパッと離れた。
ついさっき、町中で隼人に会って、今一緒に買い物をしていたところ。
「大体何でついて来るんだよっ」
『ダメ~?』
「なっ!べ、別にダメじゃねーけどよぉ……」
『じゃぁ、いいじゃんっ!』
あたしは隼人にひょこひょこついて行く。
ふと気がつくと、何か妙な気配がした。
『ねぇ、隼人』
「わーってるよ」
『だよね』
誰かがついて来ている。
「しょーがねぇな……」
隼人は一言呟くと、細い路地に入った。あたしもそれに続く。
そしたらほら、聞こえて来た。
隼人を尾行して来た人達の、焦るような足音が。
「檸檬、下がってろ」
『はぁい』
あたしは奥へと下がる。
隼人はついて来たヤツらを簡単に倒し、その1人を捕まえた。
「このクソ暑いのにうぜーんだよ。何だ、てめぇら」
『きゃー、怖い怖い』
捕まえた人の口の中に、ダイナマイトを入れて脅す隼人。
「誰の指図だ?言わねーと…「俺だよ。」
ん?この声は…
「『ディーノ!!』」
ダイナマイトの導火線を鞭で切り、現れたのはディーノだった。
『わーいっ!ディーノだ!!』
ギューッ
ちゅ
「檸檬っ、お前なぁ!」
真っ赤になりながらため息をつくディーノ。
「てめー、何の用だ?」
「さっきイタリアから来たトコだ。悪くない話を持ってきだぜ。檸檬も聞くか?」
『うんっ!』
それからディーノとレストランに行った。
「しょ…昇進?」
「ああ、9代目からのお達しでな、ボンゴレの第6幹部に異例の大抜擢だ。2つのカジノと80名の部下はお前のもんだ。こいつはすげー話だぜ」
『へぇ~、やったじゃん。隼人!』
「つーか待て!!てめーはキャバッローネだろ!!」
ボンゴレの知らせをキャバッローネであるディーノが持ってきた事に少し疑問を抱く隼人。
『ボンゴレとキャバッローネって、そういう関係なんだよ♪』
でも…そんな話、あるはずないと思うんだけどなぁ。
隼人は今まで1人でやって来たんでしょ?
なのに、いきなり幹部??
何か怪しい…。
何となく疑問を持ちつつ、話を聞き続けるあたし。
「じゃぁ、荷物まとめとけよ。明日イタリアへ帰るからな」
「『え?』」
「若年とは言え幹部になるんだ。イタリア本土へ行って9代目のサポートをするのが仕事だぜ」
それを聞いた隼人は、ディーノに向かって怒鳴る。
「冗談じゃねぇ!俺は9代目に仕えてんじゃなく10代目に仕えてんだ!!そんな条件なら俺は降りる!」
「そー来ると思ったぜ…」
『どーゆー事??』
「大人になれよ、スモーキン・ボム。今のボンゴレの繁栄が、回り回って将来のツナの為になるんだ」
『どーするの?隼人』
あたしが聞くと、隼人はぐっと拳を握った。
「檸檬、先に帰ってろ」
『分かった…』
隼人はレストランを飛び出して行った。
『…何処行くんだろ』
「追うのか?」
『うーん…』
隼人を追うのも面白そうだけど…
久しぶりにディーノに会えたし。
『ディーノっ、どっか行こうっ!!』
「あぁ、いいぜ」
あたしはディーノの腕にきゅっとしがみついた。
あ、さっき隼人が暑いって言ってたっけ。(笑)
でもいーや。
「(ったく、こいつは…)」
ディーノが隼人と同じくらい真っ赤になっていたなんて、あたしは知らなかった。
『ディーノっ、何処行く?』
「檸檬が選んでいーぜ」
『うーんとねぇ、じゃぁねぇ……』
一生懸命考えるけど、こんな時に限って何も思い付かない。
『う"ー…』
あたしがしばらく悩んでいると、
「ははっ!ったく、しょーがねぇなー」
ディーノが笑い出した。
「俺の行きたいトコでいーか?」
『う、うんっ』
何てゆーか、
綺麗で、綺麗で、見とれちゃった…。
どうしよう、ちょっと赤くなったかも。
ディーノはあたしの手を引っ張って、お金払って、レストランを出た。
何か、楽しいな♪
『へへっ』
「何だ?」
『嬉しいのっ!』
檸檬がそう言って笑えば、俺は目を見開くしかねぇ。
太陽より眩しく輝いて、俺をあたためる。
『何処行くの?ディーノ』
「そのうち分かるさ」
あたしの手を引っ張って、走り出すディーノ。
途中1回だけずっこけたりしたけど、あとは問題無し!
『ねぇー、どこ行くのぉーっ!?』
「もう少しだぜ!」
檸檬、お前に…見せてぇもんがあるんだ。
お前はスタミナあるから、長距離走っても平気だろ?
俺は、多分大丈夫だから。
『山登りーっ!?』
「ちょっと頑張れ!」
『了解っ!!』
檸檬の手は握ったまま、絶対離さねぇ。
上へ上へと、走り続ける。
『ディーノ、まだぁ~??』
「あと少し!」
ここから見る景色は、最高なんだぜ?
「到着!!」
『う、わぁーーーっ!!!』
檸檬の声は、歓喜に満ちていた。
そこは、陽光が美を織り成す世界。
山の中に光が溢れて、
葉っぱは一枚一枚違う緑に染まって、
綺麗で、綺麗で、ため息が出た。
「どーだ?」
ディーノの声が、横から聞こえる。
『ありがとう……初めて見たよ。こんな綺麗な景色』
あたしは嬉しくって嬉しくって、やんわりと笑った。
ディーノも優しく微笑み返してくれた。
本当にありがとう。
吸い込まれそうだった。
「檸檬、」
『何?』
「手、伸ばしてみろよ」
『え?』
言われた通りに、両手を伸ばしてみる。
するとそこに、木漏れ日が綺麗に舞い踊り始めて。
あたしの髪が風に揺れれば、木漏れ日の踊りは激しさを増す。
「綺麗だろっ!?」
『うんっ!』
ディーノを見上げれば、その金髪がキラキラと光る。
そこにも木漏れ日が住んでるみたい。
『ありがとう、ディーノ』
感謝の気持ちを込めて、あたしはディーノの頬にキスをした。
ディーノもあたしに、小さなキスを返してくれる。
しばらくそこにいて、夕陽が織り成す新しい絵も見た後に、あたし達は家路についた。
再びしっかりと、手を握って。
『今日はありがと、ディーノ』
「いーんだよ、ってか、たくさん走らせちまって悪かったな」
『ううん!いーの。あんな綺麗な景色が見れたんだもんっ!』
檸檬はにっこりと笑った。
「そっか、じゃぁ良かった。俺も楽しかったぜ」
檸檬と一緒に見れて、な。
『じゃぁ、バイバイ!』
「あぁ」
『また今度ね~!』
その言葉に、一瞬ドキッとした。
檸檬は、俺に会いたがってくれてんのかな。
そう思うと嬉しくて、
「あぁ、またな!」
笑みがこぼれた。
---
------
-------------
『ただいまーっ!』
「お帰り、檸檬」
『あれ?隼人は??』
絶対こっちにいると思ったんだけど…。
「入れ違いになったみたいだよ。さっき帰ったから」
ツナは縁側に出る。
『ツナ…?』
あたしは後に続いた。
ツナの隣に静かに座る。
「ちゃおっス、檸檬」
『あ、リボーン。いーなー、アイス』
「もう1つあるぞ」
『ありがと』
あたしはリボーンからアイスを受け取り、ツナに聞く。
『元気、ない?』
「ぐったりしてるぞ。どーしたんだ?」
「んー…」
ツナは縁側に寝っ転がって、目を閉じる。
『隼人が行っちゃって、寂しいの?』
「ははっ、まさか。せーせーしてるよ」
---「は!?」
あれ?今の声…
『(超五感、発動)』
少しだけ荒い息遣い。
……隼人だ。
盗み聞きなんて趣味悪いなぁ。
「怖いし、トラブルばっかり起こすし、獄寺君といると、命いくつあっても足んないもん」
---「なっ!」
『(ふふっ)』
隼人が聞いていると思うと、あたしは可笑しくなって来た。
「なぁ、獄寺君って、俺を10代目としては慕ってくれてたけど、友達としてはどうだったのかなぁ…」
『ツナ…』
そーだよね、やっぱりそこは気になるよね。
「俺は、獄寺君と山本と、海行ったり屋台だしたり、花火見たりしてさ……そーゆー事出来る友達っていなかったから、俺、すげー楽しくてさ」
そっか…ツナも、リボーンが来るまで独りだったんだ…。
起き上がって、体育座りをするツナ。
その表情は、少し見えにくくなった。
「何つーかそーゆー時って、くだらねー事だべったり、意味もなくぼさっとしてんのが楽しいって分かったし、本当の仲間みたいな気がしたりして………」
耳をすましてみると、隼人の呼吸は落ち着いているようだった。
多分、ツナの言葉を聞いて、しんみりしてるんだろう。
今のあたしみたいに…
「獄寺君は昇進して、マフィアとしてイタリアに帰るつもりだから、俺は何も言うつもりないけど、友達としてはすっげー………行って欲しくない…かも」
ずびーっ!
『(隼人だ…)』
「だ、誰かいるの?」
「こ、コーン!」
「キツネー!!?」
『あははっ(変な隼人)』
隼人は走り去ってしまった。
でも、良かったね。
必要とされて、居場所があって。
本当に良かったね。
『ねぇ、ツナ……』
「ん?何、檸檬」
気がついたら、変な事を口走っていた。
『もし……もしあたしが代わりに行くって言ったら、どうする?』
「え!?」
『隼人の仕事、代わりに引き受けるって言ったら、どうする?』
何で聞いてるのか分からなかった。
隼人の居場所がある事を思い知って、自分の居場所に不安を感じたのかもしれない。
でも、あたしはそういう世界で生きて来た。
別に、今ここで任務をやっているってだけの話。
ここが居場所だとは限らない。
だから、大した答えは求めていなかった……のに。
「そ…そんなの、ヤダよ!」
『え?』
吃驚してツナの方を見ると、俯いていた。
「だ、だって……檸檬も、大事な仲間だから……」
『ツナ……』
「それに、その……俺達みんな、檸檬の事…大好きだから…」
ツゥーッ…
『あ、あれ??』
涙…??
慌てて両手で目を覆う。
「檸檬っ!?だ、大丈夫!!?」
「最低だな、檸檬泣かせやがって」
「なっ、リボーン!!」
『違うの……』
自分で聞いた事なのに、
マイナスばっか考えてて、
不意打ちだったの。
ツナの、あったかさが。
「あの、ご、ごめん……」
『違うってばぁ……。あたし、バカだね。自分で聞いたのに』
「檸檬…」
『これ……嬉し涙だよ』
ホントだよ。
あたしはまだ弱いみたいだ。
仲間、とか
大好き、とか
昔のあたしには縁のなかった言葉に。
「あ、暑いからひっつくなよ檸檬!」
『あぁ、ごめんねぇ』
ホントに隼人の顔は真っ赤だったから、あたしはパッと離れた。
ついさっき、町中で隼人に会って、今一緒に買い物をしていたところ。
「大体何でついて来るんだよっ」
『ダメ~?』
「なっ!べ、別にダメじゃねーけどよぉ……」
『じゃぁ、いいじゃんっ!』
あたしは隼人にひょこひょこついて行く。
ふと気がつくと、何か妙な気配がした。
『ねぇ、隼人』
「わーってるよ」
『だよね』
誰かがついて来ている。
「しょーがねぇな……」
隼人は一言呟くと、細い路地に入った。あたしもそれに続く。
そしたらほら、聞こえて来た。
隼人を尾行して来た人達の、焦るような足音が。
「檸檬、下がってろ」
『はぁい』
あたしは奥へと下がる。
隼人はついて来たヤツらを簡単に倒し、その1人を捕まえた。
「このクソ暑いのにうぜーんだよ。何だ、てめぇら」
『きゃー、怖い怖い』
捕まえた人の口の中に、ダイナマイトを入れて脅す隼人。
「誰の指図だ?言わねーと…「俺だよ。」
ん?この声は…
「『ディーノ!!』」
ダイナマイトの導火線を鞭で切り、現れたのはディーノだった。
『わーいっ!ディーノだ!!』
ギューッ
ちゅ
「檸檬っ、お前なぁ!」
真っ赤になりながらため息をつくディーノ。
「てめー、何の用だ?」
「さっきイタリアから来たトコだ。悪くない話を持ってきだぜ。檸檬も聞くか?」
『うんっ!』
それからディーノとレストランに行った。
「しょ…昇進?」
「ああ、9代目からのお達しでな、ボンゴレの第6幹部に異例の大抜擢だ。2つのカジノと80名の部下はお前のもんだ。こいつはすげー話だぜ」
『へぇ~、やったじゃん。隼人!』
「つーか待て!!てめーはキャバッローネだろ!!」
ボンゴレの知らせをキャバッローネであるディーノが持ってきた事に少し疑問を抱く隼人。
『ボンゴレとキャバッローネって、そういう関係なんだよ♪』
でも…そんな話、あるはずないと思うんだけどなぁ。
隼人は今まで1人でやって来たんでしょ?
なのに、いきなり幹部??
何か怪しい…。
何となく疑問を持ちつつ、話を聞き続けるあたし。
「じゃぁ、荷物まとめとけよ。明日イタリアへ帰るからな」
「『え?』」
「若年とは言え幹部になるんだ。イタリア本土へ行って9代目のサポートをするのが仕事だぜ」
それを聞いた隼人は、ディーノに向かって怒鳴る。
「冗談じゃねぇ!俺は9代目に仕えてんじゃなく10代目に仕えてんだ!!そんな条件なら俺は降りる!」
「そー来ると思ったぜ…」
『どーゆー事??』
「大人になれよ、スモーキン・ボム。今のボンゴレの繁栄が、回り回って将来のツナの為になるんだ」
『どーするの?隼人』
あたしが聞くと、隼人はぐっと拳を握った。
「檸檬、先に帰ってろ」
『分かった…』
隼人はレストランを飛び出して行った。
『…何処行くんだろ』
「追うのか?」
『うーん…』
隼人を追うのも面白そうだけど…
久しぶりにディーノに会えたし。
『ディーノっ、どっか行こうっ!!』
「あぁ、いいぜ」
あたしはディーノの腕にきゅっとしがみついた。
あ、さっき隼人が暑いって言ってたっけ。(笑)
でもいーや。
「(ったく、こいつは…)」
ディーノが隼人と同じくらい真っ赤になっていたなんて、あたしは知らなかった。
『ディーノっ、何処行く?』
「檸檬が選んでいーぜ」
『うーんとねぇ、じゃぁねぇ……』
一生懸命考えるけど、こんな時に限って何も思い付かない。
『う"ー…』
あたしがしばらく悩んでいると、
「ははっ!ったく、しょーがねぇなー」
ディーノが笑い出した。
「俺の行きたいトコでいーか?」
『う、うんっ』
何てゆーか、
綺麗で、綺麗で、見とれちゃった…。
どうしよう、ちょっと赤くなったかも。
ディーノはあたしの手を引っ張って、お金払って、レストランを出た。
何か、楽しいな♪
『へへっ』
「何だ?」
『嬉しいのっ!』
檸檬がそう言って笑えば、俺は目を見開くしかねぇ。
太陽より眩しく輝いて、俺をあたためる。
『何処行くの?ディーノ』
「そのうち分かるさ」
あたしの手を引っ張って、走り出すディーノ。
途中1回だけずっこけたりしたけど、あとは問題無し!
『ねぇー、どこ行くのぉーっ!?』
「もう少しだぜ!」
檸檬、お前に…見せてぇもんがあるんだ。
お前はスタミナあるから、長距離走っても平気だろ?
俺は、多分大丈夫だから。
『山登りーっ!?』
「ちょっと頑張れ!」
『了解っ!!』
檸檬の手は握ったまま、絶対離さねぇ。
上へ上へと、走り続ける。
『ディーノ、まだぁ~??』
「あと少し!」
ここから見る景色は、最高なんだぜ?
「到着!!」
『う、わぁーーーっ!!!』
檸檬の声は、歓喜に満ちていた。
そこは、陽光が美を織り成す世界。
山の中に光が溢れて、
葉っぱは一枚一枚違う緑に染まって、
綺麗で、綺麗で、ため息が出た。
「どーだ?」
ディーノの声が、横から聞こえる。
『ありがとう……初めて見たよ。こんな綺麗な景色』
あたしは嬉しくって嬉しくって、やんわりと笑った。
ディーノも優しく微笑み返してくれた。
本当にありがとう。
吸い込まれそうだった。
「檸檬、」
『何?』
「手、伸ばしてみろよ」
『え?』
言われた通りに、両手を伸ばしてみる。
するとそこに、木漏れ日が綺麗に舞い踊り始めて。
あたしの髪が風に揺れれば、木漏れ日の踊りは激しさを増す。
「綺麗だろっ!?」
『うんっ!』
ディーノを見上げれば、その金髪がキラキラと光る。
そこにも木漏れ日が住んでるみたい。
『ありがとう、ディーノ』
感謝の気持ちを込めて、あたしはディーノの頬にキスをした。
ディーノもあたしに、小さなキスを返してくれる。
しばらくそこにいて、夕陽が織り成す新しい絵も見た後に、あたし達は家路についた。
再びしっかりと、手を握って。
『今日はありがと、ディーノ』
「いーんだよ、ってか、たくさん走らせちまって悪かったな」
『ううん!いーの。あんな綺麗な景色が見れたんだもんっ!』
檸檬はにっこりと笑った。
「そっか、じゃぁ良かった。俺も楽しかったぜ」
檸檬と一緒に見れて、な。
『じゃぁ、バイバイ!』
「あぁ」
『また今度ね~!』
その言葉に、一瞬ドキッとした。
檸檬は、俺に会いたがってくれてんのかな。
そう思うと嬉しくて、
「あぁ、またな!」
笑みがこぼれた。
---
------
-------------
『ただいまーっ!』
「お帰り、檸檬」
『あれ?隼人は??』
絶対こっちにいると思ったんだけど…。
「入れ違いになったみたいだよ。さっき帰ったから」
ツナは縁側に出る。
『ツナ…?』
あたしは後に続いた。
ツナの隣に静かに座る。
「ちゃおっス、檸檬」
『あ、リボーン。いーなー、アイス』
「もう1つあるぞ」
『ありがと』
あたしはリボーンからアイスを受け取り、ツナに聞く。
『元気、ない?』
「ぐったりしてるぞ。どーしたんだ?」
「んー…」
ツナは縁側に寝っ転がって、目を閉じる。
『隼人が行っちゃって、寂しいの?』
「ははっ、まさか。せーせーしてるよ」
---「は!?」
あれ?今の声…
『(超五感、発動)』
少しだけ荒い息遣い。
……隼人だ。
盗み聞きなんて趣味悪いなぁ。
「怖いし、トラブルばっかり起こすし、獄寺君といると、命いくつあっても足んないもん」
---「なっ!」
『(ふふっ)』
隼人が聞いていると思うと、あたしは可笑しくなって来た。
「なぁ、獄寺君って、俺を10代目としては慕ってくれてたけど、友達としてはどうだったのかなぁ…」
『ツナ…』
そーだよね、やっぱりそこは気になるよね。
「俺は、獄寺君と山本と、海行ったり屋台だしたり、花火見たりしてさ……そーゆー事出来る友達っていなかったから、俺、すげー楽しくてさ」
そっか…ツナも、リボーンが来るまで独りだったんだ…。
起き上がって、体育座りをするツナ。
その表情は、少し見えにくくなった。
「何つーかそーゆー時って、くだらねー事だべったり、意味もなくぼさっとしてんのが楽しいって分かったし、本当の仲間みたいな気がしたりして………」
耳をすましてみると、隼人の呼吸は落ち着いているようだった。
多分、ツナの言葉を聞いて、しんみりしてるんだろう。
今のあたしみたいに…
「獄寺君は昇進して、マフィアとしてイタリアに帰るつもりだから、俺は何も言うつもりないけど、友達としてはすっげー………行って欲しくない…かも」
ずびーっ!
『(隼人だ…)』
「だ、誰かいるの?」
「こ、コーン!」
「キツネー!!?」
『あははっ(変な隼人)』
隼人は走り去ってしまった。
でも、良かったね。
必要とされて、居場所があって。
本当に良かったね。
『ねぇ、ツナ……』
「ん?何、檸檬」
気がついたら、変な事を口走っていた。
『もし……もしあたしが代わりに行くって言ったら、どうする?』
「え!?」
『隼人の仕事、代わりに引き受けるって言ったら、どうする?』
何で聞いてるのか分からなかった。
隼人の居場所がある事を思い知って、自分の居場所に不安を感じたのかもしれない。
でも、あたしはそういう世界で生きて来た。
別に、今ここで任務をやっているってだけの話。
ここが居場所だとは限らない。
だから、大した答えは求めていなかった……のに。
「そ…そんなの、ヤダよ!」
『え?』
吃驚してツナの方を見ると、俯いていた。
「だ、だって……檸檬も、大事な仲間だから……」
『ツナ……』
「それに、その……俺達みんな、檸檬の事…大好きだから…」
ツゥーッ…
『あ、あれ??』
涙…??
慌てて両手で目を覆う。
「檸檬っ!?だ、大丈夫!!?」
「最低だな、檸檬泣かせやがって」
「なっ、リボーン!!」
『違うの……』
自分で聞いた事なのに、
マイナスばっか考えてて、
不意打ちだったの。
ツナの、あったかさが。
「あの、ご、ごめん……」
『違うってばぁ……。あたし、バカだね。自分で聞いたのに』
「檸檬…」
『これ……嬉し涙だよ』
ホントだよ。
あたしはまだ弱いみたいだ。
仲間、とか
大好き、とか
昔のあたしには縁のなかった言葉に。