日常編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「海ーーー!!!」
「やっぱ夏はいいやなー」
「じじいか、てめーは」
山本と獄寺が言い合う中、ツナは海での初クロールに緊張している。
すると…
「見ろよ。あの2人、超可愛くね?」
「雑誌モデル」
「声かけてみちゃう?」
辺りが少しざわつく。ツナがそちらを見ると、
「おまたせー」
「着替えて来ましたー」
京子とハルが自分達に向かって歩いて来ていた。
「(超可愛い!!)」
周りの男達は、2人に連れがいる事にがっかりしている様子。
今日は、ライフセイバーをやっている了平の誘いで、皆で海に来たのだ。
「って、あれ?檸檬は?」
「檸檬ちゃんは日焼け止め塗り込んでから来るって」
「もうちょっとかかるから先に行ってて、って言われました」
「そ、そっか」
「ちぇ、お楽しみって事か!」
「何言ってんだよ、野球バカ!!」
獄寺が叫ぶ。何だかんだ言って、3人とも檸檬の水着姿が楽しみなのだ。
「良く来たな!お前達!!ライオンパンチニストで並盛のランブルフィッシュは、夏の一時をライフセイバー見習いとして過ごすのだ!!」
了平登場。ライフセイバー専用の高い椅子に乗って大きな声で話しかけて来た。
「ちーっス」
「あの妙な動きで溺れたヤツを助けられんのか?」
「ハハ…」
ツナが苦笑いをしていると…
「うわっ!可愛い!!」
「何処のコだろ?」
「綺麗な人~~っ!」
「ヤバいって!超ヤバい!!」
再びざわつく浜辺。
「ん?」
皆はそちらを向いてみる。と、
『ごめんねー、遅くなって』
「(う、うわぁ…)」
白い日傘をさして、マリンブルーの可愛い花柄ビキニを着た檸檬が、ツナ達に向かって歩いて来ていた。
『あれ?皆どうしたの??』
自分の姿に周りが見愡れていたとはつゆ知らず、檸檬は首をかしげた。
「よぉ、檸檬!超可愛いぜっ!」
「ホントです~っ!檸檬ちゃん綺麗です!!」
『そ、そんな事ないって!』
山本とハルに褒められ、少し照れる檸檬。
「すごく…似合ってるよ、檸檬」
『ありがと、ツナ♪』
えへへ、と照れ笑いをする檸檬は、また可愛い。
「じゃぁ、みんなそろった所で俺の仲間を紹介しよう。と、その前に少し夏バテ気味の、パオパオ老師だ」
「ぱ……」
「(だれ過ぎーー!!!)」
『(リボーン!?何で!?)』
「そして、」
了平はキョロキョロと辺りを見回す。
「ライフセイバーの先輩だ」
「うぃ~~っス」
了平に紹介されたのは、真っ黒に肌を焼いた、怖い顔のお兄さん達。
話によると、元ボクシング部らしい。
とにかく、彼らの第一印象は最悪だった。
「お、もしかしてコレが了平の妹?」
「ってか、隣にいるコ、超可愛くね?」
「俺もーらいっ」
彼らはあっという間に檸檬、京子、ハルの肩に腕を回し、連れて行こうとした。
「ちょっ、まっ…『汚い手で触らないでよ』
ドカッ
バキッ
ボコッ
「え…?」
『京子、ハル、こっち!』
檸檬は京子とハルを自分の後ろに隠し、ライフセイバー達と向き合った。
「あの…檸檬??」
『何で貴方達と遊ばなくちゃいけないの。地球がひっくり返ったってお断り』
檸檬の強気な物言いに、一瞬躊躇う先輩達。だが、
「いーから来いよ!」
檸檬の腕をガシッと掴み、強引に引っ張る。
『ちょっ、痛いっ!』
「待てよ」
山本がそれを阻止した。
『武……』
「檸檬がすぐ手ぇ出しちまったのは謝りますから、俺達は普通に遊びに来ただけですし」
それでも引き下がる先輩達ではない。
浜辺一可愛いと言っていいほどの檸檬と遊べる機会を、絶対逃そうとしない。
「そんなにイヤか?檸檬ちゃんよぉ」
『イ、ヤ』
ふいっとそっぽを向く檸檬。
すると、先輩はある提案をした。
「じゃあこうしようぜ、俺達とそっちの男3人がスイム勝負して、勝った方が女の子達と遊ぶ。どうだ?」
『はぁ!?何でそんな事しなくちゃいけないのよ!あたし達は本来、この3人と遊びに来たんだから!そんな勝負する必要、何処にもない!!』
無視しようとする檸檬に、
「逃げんのか?」
挑発する先輩。
『……んですってぇ!??』
そーか、そーか。
あたしに喧嘩売ってんのね。
『分かった、受けて立つ!!』
「おいっ、檸檬!」
「何言ってんだよ~~っ!」
「あのバカ…」
パオパオ老師は1人でニッと笑っていたとか。
「じゃ、決まりだな」
「そんな!!」
ツナは檸檬を引っ張って行った。
『ツナ!?』
「何て事してんだよ檸檬!!」
『だって、ツナも泳げるようになったし、いっかな?とか思って』
「『思って。』じゃないよーーー!!!めちゃめちゃ不安だよ俺!」
ツナが頭を抱え込むと、檸檬は少し屈んでツナの頬にキスを落とす。
『大丈夫だよ、頑張って♪』
「(檸檬…)」
こうなっては頑張るしかないツナ。山本と獄寺もやる気になった。
「ったく、檸檬!後でかき氷奢れよ!」
『はぁい!期待してるからね、隼人!』
「なっ?!お、おう」
『武も、頑張ってね!』
「わーってるって」
山本と相手の一番手はスタートラインに立った。
了平がピストルを構える。
「第一泳者、ヨーイ…」
ダァンッ!
武の泳ぎは絶好調。
『(うん、いいリズム……)』
野球部のトレーニングのおかげかな?運動神経に恵まれてるっていいよねぇ。
しかし…武は、岩の折り返し地点から帰って来なかった。
『(汚い…)』
ふつふつと沸き起こって来る怒り。
だけど、折角のスイム勝負にあたしが釘を刺すワケにはいかない。
黙って見ている事しか出来なかった。
結局相手しか帰って来ないまま、第2泳者がスタートした。
『(隼人…頑張って!気を付けて!)』
隼人も、先輩に引けを取っていなかった。
互角のまま折り返し地点に差し掛かる。
だが…やはり帰って来なかった。
『(最悪、こいつら)』
ますます頭に血が登る檸檬。かろうじて手を出さないで待っている。
『ツナ、頑張って。きっと、きっと大丈夫だから』
「う、うん」
頷きながらも、ツナは物凄く不安そうな顔をしていた。
「第3泳者、ヨーイ…」
ダァンッ!
「さぁ行こうか、ツナさんよ」
「そんな~~~マジで~~~!!つーかぶっつけで泳げるのか~~~~??」
『(ツナ、気を付けて!)』
今更だけど、あたしのせいだなって思い始めた。
「すごーいツナ君!」
「すごい上達です!!」
京子とハルはツナが泳げている事に感動してる。
あたしは少し罪悪感を抱えつつ、その光景を見ていた。
と、その時。
「誰かーー!うちの子を助けてーーー!」
ツナ達が泳いでる先に、子供が流されていた。
「一時休戦にしましょう」
「はぁ?ナンパ目的のライフセイバーで危険な沖まで行くわけねーだろ!あーゆーバカなガキが溺れ死ぬのは自業自得っつーの」
「なっ、そんなー!?あ~も~!!」
「「『ツナ(君/さん)!?』」」
子供に向かって泳いで行くツナ。何て偉い!!
家庭教師補佐として、ちょっと感動…。
だが、子供の元に辿り着いた瞬間、体力が切れて沈んで行くツナ。
『ツナっ!』
「ボンゴレ的だな」
ズガン!
側にいたリボーンが、死ぬ気弾を撃った。
「復活!!死ぬ気で救助活動!!!」
子供を連れて浜辺へ戻って行くツナ。それと同時に、あたしは“ある気配”を感じた。
『(隼人と…武…!!)』
「へっ、そーはいくか。岩影には後輩がたんまりいるんだ」
「ぼこぼこにしてやれ」
変な事をほざいている先輩達。
「後輩ってのは、コイツらの事か?」
振り向かなくても分かる。
武の声。
「「なにーーー!!!?」」
『随分と、卑怯なマネをしたみたいだけど、どう説明するつもり?』
「先輩方、」
「可愛がってくれたお礼、しなくちゃな」
指を鳴らす隼人の前に、あたしは腕を伸ばした。
「檸檬??」
『ごめんね、こうなったのはあたしのせい。最後くらい、落とし前付けさせてよ』
「なっ…」
『一瞬で終わるからさ♪』
あたしはゆるりと口角を上げた。
「この女!」
「言わせておけば!」
ヒュッ……ドスドスッ
襲い掛かって来た2人の間に入り、同時とび蹴りを食らわせる。
先輩達はいとも容易く倒れた。
「すげぇ……」
「ハハハ!流石だな、檸檬!」
2人に満面の笑みを見せ、あとはツナが帰って来るのを待つだけ。中で先輩のトップに何か邪魔されたようだけど、顔を殴り、1発KO。
無事、浜に戻って来た。
『ツナ、ごめんね。ありがとう』
「いいよ!ってか、泳げるようになって嬉しかったってのしかなかったかな……」
少し赤くなってそう言うツナに、あたしはちょっと救われた気がした。
『隼人、武、ツナ、かき氷は何味がいい?』
「いいの!?じゃあ……メロン」
「俺も」
「じゃぁ俺もそれでいーぜ!」
あたしはその後、3人にかき氷を奢ってあげた。
今日はとても楽しかったな。
====================
おまけ
その夜…
『あぁーーーーっ!!!!』
風呂場から檸檬の叫び声が響いた。
「ど、どしたの!?檸檬!」
気になるけど、ドアを開けられないまま外から尋ねるツナ。
その直後に聞こえて来た、檸檬の弱々しい声。
『ツナぁ、日焼けしちゃった……』
「え?」
檸檬は腕だけドアの外に出す。
『ね?』
「(いや、『ね?』って言われても…全く分からないんだけど…)」
『ツナ??』
「だ、大丈夫だと思うよ!俺は全然分かんないし。あんまり気にする事ないよ」
ツナの優しい言葉に心打たれる檸檬。
『ありがと、ツナ。』
大人しく腕を引っ込めて、あんまり気にしない事にした。
後に残されたツナは、
「(にしても檸檬って白いんだなー……)」
とか思っていて、
「何ぼーっと突っ立ってんだ?」
とリボーンに聞かれ、慌てて部屋に戻ったと言う。
「やっぱ夏はいいやなー」
「じじいか、てめーは」
山本と獄寺が言い合う中、ツナは海での初クロールに緊張している。
すると…
「見ろよ。あの2人、超可愛くね?」
「雑誌モデル」
「声かけてみちゃう?」
辺りが少しざわつく。ツナがそちらを見ると、
「おまたせー」
「着替えて来ましたー」
京子とハルが自分達に向かって歩いて来ていた。
「(超可愛い!!)」
周りの男達は、2人に連れがいる事にがっかりしている様子。
今日は、ライフセイバーをやっている了平の誘いで、皆で海に来たのだ。
「って、あれ?檸檬は?」
「檸檬ちゃんは日焼け止め塗り込んでから来るって」
「もうちょっとかかるから先に行ってて、って言われました」
「そ、そっか」
「ちぇ、お楽しみって事か!」
「何言ってんだよ、野球バカ!!」
獄寺が叫ぶ。何だかんだ言って、3人とも檸檬の水着姿が楽しみなのだ。
「良く来たな!お前達!!ライオンパンチニストで並盛のランブルフィッシュは、夏の一時をライフセイバー見習いとして過ごすのだ!!」
了平登場。ライフセイバー専用の高い椅子に乗って大きな声で話しかけて来た。
「ちーっス」
「あの妙な動きで溺れたヤツを助けられんのか?」
「ハハ…」
ツナが苦笑いをしていると…
「うわっ!可愛い!!」
「何処のコだろ?」
「綺麗な人~~っ!」
「ヤバいって!超ヤバい!!」
再びざわつく浜辺。
「ん?」
皆はそちらを向いてみる。と、
『ごめんねー、遅くなって』
「(う、うわぁ…)」
白い日傘をさして、マリンブルーの可愛い花柄ビキニを着た檸檬が、ツナ達に向かって歩いて来ていた。
『あれ?皆どうしたの??』
自分の姿に周りが見愡れていたとはつゆ知らず、檸檬は首をかしげた。
「よぉ、檸檬!超可愛いぜっ!」
「ホントです~っ!檸檬ちゃん綺麗です!!」
『そ、そんな事ないって!』
山本とハルに褒められ、少し照れる檸檬。
「すごく…似合ってるよ、檸檬」
『ありがと、ツナ♪』
えへへ、と照れ笑いをする檸檬は、また可愛い。
「じゃぁ、みんなそろった所で俺の仲間を紹介しよう。と、その前に少し夏バテ気味の、パオパオ老師だ」
「ぱ……」
「(だれ過ぎーー!!!)」
『(リボーン!?何で!?)』
「そして、」
了平はキョロキョロと辺りを見回す。
「ライフセイバーの先輩だ」
「うぃ~~っス」
了平に紹介されたのは、真っ黒に肌を焼いた、怖い顔のお兄さん達。
話によると、元ボクシング部らしい。
とにかく、彼らの第一印象は最悪だった。
「お、もしかしてコレが了平の妹?」
「ってか、隣にいるコ、超可愛くね?」
「俺もーらいっ」
彼らはあっという間に檸檬、京子、ハルの肩に腕を回し、連れて行こうとした。
「ちょっ、まっ…『汚い手で触らないでよ』
ドカッ
バキッ
ボコッ
「え…?」
『京子、ハル、こっち!』
檸檬は京子とハルを自分の後ろに隠し、ライフセイバー達と向き合った。
「あの…檸檬??」
『何で貴方達と遊ばなくちゃいけないの。地球がひっくり返ったってお断り』
檸檬の強気な物言いに、一瞬躊躇う先輩達。だが、
「いーから来いよ!」
檸檬の腕をガシッと掴み、強引に引っ張る。
『ちょっ、痛いっ!』
「待てよ」
山本がそれを阻止した。
『武……』
「檸檬がすぐ手ぇ出しちまったのは謝りますから、俺達は普通に遊びに来ただけですし」
それでも引き下がる先輩達ではない。
浜辺一可愛いと言っていいほどの檸檬と遊べる機会を、絶対逃そうとしない。
「そんなにイヤか?檸檬ちゃんよぉ」
『イ、ヤ』
ふいっとそっぽを向く檸檬。
すると、先輩はある提案をした。
「じゃあこうしようぜ、俺達とそっちの男3人がスイム勝負して、勝った方が女の子達と遊ぶ。どうだ?」
『はぁ!?何でそんな事しなくちゃいけないのよ!あたし達は本来、この3人と遊びに来たんだから!そんな勝負する必要、何処にもない!!』
無視しようとする檸檬に、
「逃げんのか?」
挑発する先輩。
『……んですってぇ!??』
そーか、そーか。
あたしに喧嘩売ってんのね。
『分かった、受けて立つ!!』
「おいっ、檸檬!」
「何言ってんだよ~~っ!」
「あのバカ…」
パオパオ老師は1人でニッと笑っていたとか。
「じゃ、決まりだな」
「そんな!!」
ツナは檸檬を引っ張って行った。
『ツナ!?』
「何て事してんだよ檸檬!!」
『だって、ツナも泳げるようになったし、いっかな?とか思って』
「『思って。』じゃないよーーー!!!めちゃめちゃ不安だよ俺!」
ツナが頭を抱え込むと、檸檬は少し屈んでツナの頬にキスを落とす。
『大丈夫だよ、頑張って♪』
「(檸檬…)」
こうなっては頑張るしかないツナ。山本と獄寺もやる気になった。
「ったく、檸檬!後でかき氷奢れよ!」
『はぁい!期待してるからね、隼人!』
「なっ?!お、おう」
『武も、頑張ってね!』
「わーってるって」
山本と相手の一番手はスタートラインに立った。
了平がピストルを構える。
「第一泳者、ヨーイ…」
ダァンッ!
武の泳ぎは絶好調。
『(うん、いいリズム……)』
野球部のトレーニングのおかげかな?運動神経に恵まれてるっていいよねぇ。
しかし…武は、岩の折り返し地点から帰って来なかった。
『(汚い…)』
ふつふつと沸き起こって来る怒り。
だけど、折角のスイム勝負にあたしが釘を刺すワケにはいかない。
黙って見ている事しか出来なかった。
結局相手しか帰って来ないまま、第2泳者がスタートした。
『(隼人…頑張って!気を付けて!)』
隼人も、先輩に引けを取っていなかった。
互角のまま折り返し地点に差し掛かる。
だが…やはり帰って来なかった。
『(最悪、こいつら)』
ますます頭に血が登る檸檬。かろうじて手を出さないで待っている。
『ツナ、頑張って。きっと、きっと大丈夫だから』
「う、うん」
頷きながらも、ツナは物凄く不安そうな顔をしていた。
「第3泳者、ヨーイ…」
ダァンッ!
「さぁ行こうか、ツナさんよ」
「そんな~~~マジで~~~!!つーかぶっつけで泳げるのか~~~~??」
『(ツナ、気を付けて!)』
今更だけど、あたしのせいだなって思い始めた。
「すごーいツナ君!」
「すごい上達です!!」
京子とハルはツナが泳げている事に感動してる。
あたしは少し罪悪感を抱えつつ、その光景を見ていた。
と、その時。
「誰かーー!うちの子を助けてーーー!」
ツナ達が泳いでる先に、子供が流されていた。
「一時休戦にしましょう」
「はぁ?ナンパ目的のライフセイバーで危険な沖まで行くわけねーだろ!あーゆーバカなガキが溺れ死ぬのは自業自得っつーの」
「なっ、そんなー!?あ~も~!!」
「「『ツナ(君/さん)!?』」」
子供に向かって泳いで行くツナ。何て偉い!!
家庭教師補佐として、ちょっと感動…。
だが、子供の元に辿り着いた瞬間、体力が切れて沈んで行くツナ。
『ツナっ!』
「ボンゴレ的だな」
ズガン!
側にいたリボーンが、死ぬ気弾を撃った。
「復活!!死ぬ気で救助活動!!!」
子供を連れて浜辺へ戻って行くツナ。それと同時に、あたしは“ある気配”を感じた。
『(隼人と…武…!!)』
「へっ、そーはいくか。岩影には後輩がたんまりいるんだ」
「ぼこぼこにしてやれ」
変な事をほざいている先輩達。
「後輩ってのは、コイツらの事か?」
振り向かなくても分かる。
武の声。
「「なにーーー!!!?」」
『随分と、卑怯なマネをしたみたいだけど、どう説明するつもり?』
「先輩方、」
「可愛がってくれたお礼、しなくちゃな」
指を鳴らす隼人の前に、あたしは腕を伸ばした。
「檸檬??」
『ごめんね、こうなったのはあたしのせい。最後くらい、落とし前付けさせてよ』
「なっ…」
『一瞬で終わるからさ♪』
あたしはゆるりと口角を上げた。
「この女!」
「言わせておけば!」
ヒュッ……ドスドスッ
襲い掛かって来た2人の間に入り、同時とび蹴りを食らわせる。
先輩達はいとも容易く倒れた。
「すげぇ……」
「ハハハ!流石だな、檸檬!」
2人に満面の笑みを見せ、あとはツナが帰って来るのを待つだけ。中で先輩のトップに何か邪魔されたようだけど、顔を殴り、1発KO。
無事、浜に戻って来た。
『ツナ、ごめんね。ありがとう』
「いいよ!ってか、泳げるようになって嬉しかったってのしかなかったかな……」
少し赤くなってそう言うツナに、あたしはちょっと救われた気がした。
『隼人、武、ツナ、かき氷は何味がいい?』
「いいの!?じゃあ……メロン」
「俺も」
「じゃぁ俺もそれでいーぜ!」
あたしはその後、3人にかき氷を奢ってあげた。
今日はとても楽しかったな。
====================
おまけ
その夜…
『あぁーーーーっ!!!!』
風呂場から檸檬の叫び声が響いた。
「ど、どしたの!?檸檬!」
気になるけど、ドアを開けられないまま外から尋ねるツナ。
その直後に聞こえて来た、檸檬の弱々しい声。
『ツナぁ、日焼けしちゃった……』
「え?」
檸檬は腕だけドアの外に出す。
『ね?』
「(いや、『ね?』って言われても…全く分からないんだけど…)」
『ツナ??』
「だ、大丈夫だと思うよ!俺は全然分かんないし。あんまり気にする事ないよ」
ツナの優しい言葉に心打たれる檸檬。
『ありがと、ツナ。』
大人しく腕を引っ込めて、あんまり気にしない事にした。
後に残されたツナは、
「(にしても檸檬って白いんだなー……)」
とか思っていて、
「何ぼーっと突っ立ってんだ?」
とリボーンに聞かれ、慌てて部屋に戻ったと言う。