日常編
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「(あいつら10代目の命を狙ってやがるな……。そーはさせないぜ。この俺が!!)」
1人で盛り上がっている隼人。
あたしは再び超五感で外の様子を察知する。
---「やはりあのチビ、我々を見てませんか?」
---「おいおい、ヴェルデ様直属の光学迷彩部隊ともあろう者がビビったのか?」
---「バカを言わないで下さい。私が一度でも暗殺に失敗した事がありますか?今まで1236回、一度でもこの変死注射をさせなかった事がありますか?」
---「ウヒヒ、そーさなぁ。俺達の去った後に残るのはボスの変死体のみ。部下達は口あんぐり。“何!?何故死んだの?”ってな」
会話の後に聞こえて来る、2人の嫌な高笑い。
「……ちゃん、檸檬ちゃん!」
『何!?京子』
超五感を発動させている間に、近くの人に話し掛けられると、すごく吃驚する。
「大丈夫?」
『え?う、うん。それより、あの子は??』
あの子というのは、勿論隼人の事。
「分かりました10代目!んじゃ俺、勝手に片付けて来ます!」
「ちょっ、ダメだって!!」
「な、何故っスか?」
どうやら混乱しまくっている模様。こんな時に暗殺者に乗り込まれたら、こっちが迷惑する。だけど…
『(気配は分かるけど、正確な位置を特定する事は難しいし……こっちから行くのは不利だよね…。せめて隼人が自分の状況に気付いてくれればいいんだけど……)』
無理だよね。(笑)
ま、可愛いからいっか。
と、そこに…
「よぉっ、宿題すすんでっか?」
「山本!」
『武、いらっしゃい♪どしたの?』
「同じ班の連中が、ツナの班を偵察して来いってさ。」
ツナの方をちらっと見ると、苦笑いをしていた。
「今日は2階じゃねーの?」
「いや…ちょっと俺の部屋は立て込んでて!」
ん?そう言えばどうしてだろ?
気になるものは追求すべし!!
あたしはキッチンを出て、2階のツナの部屋に向かった。
コンコン、
「入っていいぞ」
リボーンの声がした。
『失礼しまーす…わぁっ!!』
ツナの部屋にはありとあらゆる武器が並べられていた。
『何これ、どうしたの?』
「武器チューナーのジャンニーニに改造してもらってたんだけどな、こいつ全部武器を使えなくしちまったんだ」
「今、直しているのです」
ポヨヨ……と現れたのは、恐らくジャンニーニ。あたしは軽くお辞儀をした。
『初めまして。雨宮檸檬です』
「あぁ、あなたが雨宮様ですか」
『あたしの事、知ってるんですか?』
「それはもう、9代目が色々とお話して下さいました」
『そうなんだぁ…』
少し嬉しくなった。
そうだ、この人なら分かるかもしれない。
『ねぇ、ジャンニーニ。光学迷彩ってどんなの?』
「光学迷彩を知っておられるのですか!?」
「最近各地で起こってる、ボスの変死事件と何か関係があるのか?」
リボーンの言葉にあたしは頷く。
『さっき、聞こえたの。外からツナの命を狙ってる人達の会話が。けど、怪しい奴は何処にも見えなくて……。超五感を使っても光学迷彩ってのは見破れないみたいで』
「それはそうでしょう。そのように作られているのですから」
『じゃぁ、どうして隼人には見えるの…?』
「獄寺に何か他と違うところはないのか?」
違う、所……??
『ちっこいから!??』
「恐らくそうでしょうな」
『そうだリボーン、ヴェルデって知ってる??』
「知ってるぞ。アルコバレーノの1人だ」
そっか、そう考えれば納得が行く!!
『ありがと、2人とも』
2人の頬にキスを落とし、あたしは1階へと向かった。
『(ツナを……守らなきゃ!)』
「縮んでるーー!!!」
隼人の叫びが聞こえた。気付いたんだね。
あたしはキッチンに駆け込む。
「檸檬!何処行ってたの?」
『ちょっと2階に。あの子は?』
「山本が……」
隼人は武に持ち上げられつつ気を失っていた。
『(こんな時に~~~!!!)』
気配はすぐそこにある。でも、気配だけでは正確な位置が掴めない。
『起きて!起きてよ!!』
武から隼人をひったくり、思いっきり揺さぶる。
「う……」
『起きたっ!!』
「檸檬!!?な、何でっ!」
あ、リンゴみたい。
じゃなくて!!
『何処!?』
「は?」
『奴らは何処!!?』
「檸檬お前……分かるのか!?」
隼人は部屋を見回す。
「やばい!!10代目が!!」
「え!?お…俺のせい……!?」
少しだけ青ざめるツナ。
あたしはすかさず聞いた。
『ツナの近くのどの辺!?』
「向かって左だ!少し奥にいやがる!」
『OK!』
隼人もダイナマイトを構えるが、武にタバコを取られてしまう。
あたしが殺るしかないようだね♪
「い、急げ、檸檬!!」
『ツナ!動かないでーっ!!!』
「ひいっ!檸檬!!や、やめてーーー!!」
身構えるツナ。別にツナに当てるわけじゃないんだけど……。
『(隼人、信じるよ!)』
ヒュッ!
ドカッ!
あたしは回し蹴りで敵を捉えた。
ツナには当たらないように寸留めをして。
「ひい~っ…こ、怖かったぁ……」
『あ、当たった!!』
「は?」
確かに当たった。人体の感触がした。
でも、まだ見えない。
「(くそっ、どーすりゃいいんだ!?)」
『(しょーがない、超五感で捉えるか……)』
超五感を使えば、汗の匂いなどで正確な位置をつかめる。
疲れるから、1日にあまり多く使いたくないけど、大事なツナのピンチだし、そんな事は言ってられない。
『(発動!!)』
神経を集中させて、敵を追った。
案の定、すぐに見つかった。
ツナに近付く、注射を持った暗殺者。
「まさか、腹いせに家を破壊するつもりじゃ…」
隼人は武とキャッチボールを始めようとしている。
『邪魔だよ…』
「「なっ………!!」」
檸檬の声に反応し、その言葉に驚く2人。檸檬は、ツナの後ろに回り込んで注射を打とうとしている暗殺者に、とび蹴りを入れた。
「ぐわぶっ!!」
「へ?」
ドサッ
檸檬はそいつの胸ぐらを掴んだ。
「檸檬…この人、誰??」
「知り合いか?」
「何言ってんだ野球バカ!」
「何でこんな変なカッコしてるの?」
周りの反応はお構い無し。
檸檬は次の能力を発動させた。
『(“剛腕”、発動!)』
ぐいっとそいつを持ち上げ、もう1人がいる方に向かって投げる。
「んなーっ!投げたーーー!!!」
「ぎゃあああああ!!」
ドカッ
ドサッ
「もう1人落ちて来たーーー!!」
『(発動解除っ、)ふー』
「こ、この人達どなたーーー!!?」
頭を抱え込むツナ。檸檬は言った。
『ツナを狙って来た暗殺者だよ』
「えーっ!」
「ナイス!檸檬!」
『ありがと♪』
にっこり笑う檸檬に、獄寺は少し頬を染める。
「やっぱ強ぇな、檸檬」
「『リボーン!!』」
リボーンの登場に、動揺を隠せない暗殺者達。
「あれが、ボンゴレの殺し屋リボーン!」
「お前ら、電柱にへばりついてた奴だな」
「何故それを!!」
「恐らく敢えてお子様に見えるように設計してあるのでしょう」
ジャンニーニ登場。
「何だ、ありゃ」
「わあ、面白ーい」
「出てくんなよ、ジャンニーニ!」
ジャンニーニが変なカッコをしている為、ツナは少し恥ずかしがっていた。
『観念したら?』
檸檬は冷たく言い放った。
「(やっぱ檸檬怖ぇーっ!!味方で良かったぁ…)」
ところが…
「こうなったら!」
「直接殺しましょう!!」
拳銃を構える暗殺者達。
「ひいっ、嘘っ!!助けて!!」
「のやろ!10代目に何を!」
駆け寄る獄寺も、すぐに蹴飛ばされてしまう。
「ふわっ!」
『キャッチ♪』
「檸檬!!」
『武、ちょっとこの子お願いね』
「あ、あぁ…」
「さあ終わりだ!ボンゴレ10代目!!」
「お助け~~~っ!!!」
銃を向けられて絶体絶命のツナ。
それを檸檬が黙って見ているはずもなく。
『あなた達が終わりだよ♪』
ヒュッ、
隠し持っているナイフを投げ、小さい方の相手のスーツを壁に止める。
「なっ、くそ!!動けない!」
その拳銃を奪い取り、大きい方の相手に向け、彼がツナに向けている拳銃は蹴り上げた。
それは見事に檸檬の手中に収まり、檸檬は両手に拳銃を持ち、相手の動きを封じた。
「ば、バカな……!!」
それは、一瞬の出来事。
「檸檬…!」
『言ったでしょ?終わりなのは、あなた達の方だって♪』
黒い笑みを浮かべてキッチンに立つ檸檬。
暗殺者がその威圧感に勝てるはずもなく。
「「す、すみませんでしたぁ!!」」
大人しく帰るほかなかった。
「すげーな檸檬!泥棒退治しやがった!」
「すごいよ、檸檬ちゃん!」
『へへっ、ありがと。でもね、泥棒が潜んでる事を教えてくれたのは…この子だよ♪』
そう言って檸檬は獄寺を抱え上げた。
「うわっ!な、何しやがる檸檬!!」
照れつつも、少し誇らしげにする獄寺だった。
『ところでそれ、いつ戻るの?』
「………………さぁ?」
首をかしげるツナに、青ざめる獄寺。
「ジャ、ジャンニーニとアホ牛めーーーー!!!」
夕焼けの中に獄寺の声が響き渡ったと言う。
---
------
------------
翌日。
『届いた~っ!』
「何が?」
『イタリアからの資料。あたしの過去についての、ね。ほら、昔の事について調べるの、あたしちゃんと自分の事詳しく分かってなかったから』
「いいの?みんなにバラして…」
ツナが心配そうにするので、檸檬は笑って答えた。
『平気平気!ツナは本当に優しいね♪ありがとう』
あ、そう言えば……
『恭弥の所に行かなくちゃ』
「へ?雲雀さん??」
『うん。資料届いたらおいでって』
「そ、そう…(よっぽど気に入ってるんだなぁ……)」
ツナは心の中で苦笑いをした。
『じゃ、行って来るね』
「うん、行ってらっしゃい」
イタリアから届いた資料を持って、檸檬は応接室に向かった。
『(休日なのに、いるのかな…?)』
コンコン
「誰?」
ワォ、いたよ。
あ、恭弥が移っちゃったよ。(笑)
『雨宮…「入っていいよ」
……即答だし。
『失礼します。おはようっ!恭弥っ!』
いつものように抱きついてキスをする。
雲雀は優しく檸檬の髪を撫でる。
「おはよう、檸檬。休日なのにどうしたの?」
『あのね、イタリアから資料が届いたから、見せに来たの!』
檸檬がそう言うと、雲雀は少しだけ目を丸くした。
「ふぅん」
『で、ホントに見るの??』
「うん」
『(我が儘王子……)はい、コレ』
檸檬はA4の封筒を丸ごと雲雀に渡した。
『(マフィア関係の事は向こうが削除してるはずだから…大丈夫よね。)』
自分を納得させ、1人で頷く檸檬。雲雀は構わず封筒を開ける。
そして、書類に目を通し始めた。
「檸檬、」
『何?』
「暇になるだろうから、冷蔵庫のケーキ、食べてていいよ」
途端に檸檬の顔は輝く。
『ありがとうっ!』
雲雀の頬にキスを落とし、檸檬は応接室の奥へと駆けていった。
後に残された雲雀は、5枚ほどしかないその資料を眺めていた。
書類に書かれている中に、気になるものを見つけた。
「イタリアで備え付けた……“6つの能力”?」
『何?どしたの、恭弥』
「コレ……何?」
雲雀が指差したところを、檸檬はひょこっと覗く。
そして、『げっ』という顔をした。
『(な、何でコレが書いてあるのーーー!!?コレは書いてもいい事柄なのーー!?)』
「ねぇ檸檬、どういう事?」
『えっとぉ……』
檸檬は迷った。
正直に言うか、言わないか。
だが、これまで雲雀にはたくさん嘘をついてしまった。
『(これくらい、いっか)』
腹を括った。
「ねぇ、檸檬」
『分かった分かった!言うから!!』
檸檬は深呼吸を1つした。
『あのね、あたしはアメリカで戦い方を覚えたって言ったでしょ?』
「うん」
『イタリアではね、そのサポートをする能力を与えられたの。まぁ、与えられたって言ってもちゃんと修行したんだけどね』
「どんなの?」
雲雀の探るような目で見つめられ、檸檬は思わず下を向いた。
『俊足、超五感、透視、剛腕、解毒、抵抗、の6つ』
それから、1つ1つの説明をした。
「すごいんだ」
『えっ!?そ、そんな事ないよ~』
褒められて少し赤くなる檸檬。
雲雀はそれを見て微笑んだ。
「(やっぱり檸檬は、僕のモノにしなくちゃね)」
1人で盛り上がっている隼人。
あたしは再び超五感で外の様子を察知する。
---「やはりあのチビ、我々を見てませんか?」
---「おいおい、ヴェルデ様直属の光学迷彩部隊ともあろう者がビビったのか?」
---「バカを言わないで下さい。私が一度でも暗殺に失敗した事がありますか?今まで1236回、一度でもこの変死注射をさせなかった事がありますか?」
---「ウヒヒ、そーさなぁ。俺達の去った後に残るのはボスの変死体のみ。部下達は口あんぐり。“何!?何故死んだの?”ってな」
会話の後に聞こえて来る、2人の嫌な高笑い。
「……ちゃん、檸檬ちゃん!」
『何!?京子』
超五感を発動させている間に、近くの人に話し掛けられると、すごく吃驚する。
「大丈夫?」
『え?う、うん。それより、あの子は??』
あの子というのは、勿論隼人の事。
「分かりました10代目!んじゃ俺、勝手に片付けて来ます!」
「ちょっ、ダメだって!!」
「な、何故っスか?」
どうやら混乱しまくっている模様。こんな時に暗殺者に乗り込まれたら、こっちが迷惑する。だけど…
『(気配は分かるけど、正確な位置を特定する事は難しいし……こっちから行くのは不利だよね…。せめて隼人が自分の状況に気付いてくれればいいんだけど……)』
無理だよね。(笑)
ま、可愛いからいっか。
と、そこに…
「よぉっ、宿題すすんでっか?」
「山本!」
『武、いらっしゃい♪どしたの?』
「同じ班の連中が、ツナの班を偵察して来いってさ。」
ツナの方をちらっと見ると、苦笑いをしていた。
「今日は2階じゃねーの?」
「いや…ちょっと俺の部屋は立て込んでて!」
ん?そう言えばどうしてだろ?
気になるものは追求すべし!!
あたしはキッチンを出て、2階のツナの部屋に向かった。
コンコン、
「入っていいぞ」
リボーンの声がした。
『失礼しまーす…わぁっ!!』
ツナの部屋にはありとあらゆる武器が並べられていた。
『何これ、どうしたの?』
「武器チューナーのジャンニーニに改造してもらってたんだけどな、こいつ全部武器を使えなくしちまったんだ」
「今、直しているのです」
ポヨヨ……と現れたのは、恐らくジャンニーニ。あたしは軽くお辞儀をした。
『初めまして。雨宮檸檬です』
「あぁ、あなたが雨宮様ですか」
『あたしの事、知ってるんですか?』
「それはもう、9代目が色々とお話して下さいました」
『そうなんだぁ…』
少し嬉しくなった。
そうだ、この人なら分かるかもしれない。
『ねぇ、ジャンニーニ。光学迷彩ってどんなの?』
「光学迷彩を知っておられるのですか!?」
「最近各地で起こってる、ボスの変死事件と何か関係があるのか?」
リボーンの言葉にあたしは頷く。
『さっき、聞こえたの。外からツナの命を狙ってる人達の会話が。けど、怪しい奴は何処にも見えなくて……。超五感を使っても光学迷彩ってのは見破れないみたいで』
「それはそうでしょう。そのように作られているのですから」
『じゃぁ、どうして隼人には見えるの…?』
「獄寺に何か他と違うところはないのか?」
違う、所……??
『ちっこいから!??』
「恐らくそうでしょうな」
『そうだリボーン、ヴェルデって知ってる??』
「知ってるぞ。アルコバレーノの1人だ」
そっか、そう考えれば納得が行く!!
『ありがと、2人とも』
2人の頬にキスを落とし、あたしは1階へと向かった。
『(ツナを……守らなきゃ!)』
「縮んでるーー!!!」
隼人の叫びが聞こえた。気付いたんだね。
あたしはキッチンに駆け込む。
「檸檬!何処行ってたの?」
『ちょっと2階に。あの子は?』
「山本が……」
隼人は武に持ち上げられつつ気を失っていた。
『(こんな時に~~~!!!)』
気配はすぐそこにある。でも、気配だけでは正確な位置が掴めない。
『起きて!起きてよ!!』
武から隼人をひったくり、思いっきり揺さぶる。
「う……」
『起きたっ!!』
「檸檬!!?な、何でっ!」
あ、リンゴみたい。
じゃなくて!!
『何処!?』
「は?」
『奴らは何処!!?』
「檸檬お前……分かるのか!?」
隼人は部屋を見回す。
「やばい!!10代目が!!」
「え!?お…俺のせい……!?」
少しだけ青ざめるツナ。
あたしはすかさず聞いた。
『ツナの近くのどの辺!?』
「向かって左だ!少し奥にいやがる!」
『OK!』
隼人もダイナマイトを構えるが、武にタバコを取られてしまう。
あたしが殺るしかないようだね♪
「い、急げ、檸檬!!」
『ツナ!動かないでーっ!!!』
「ひいっ!檸檬!!や、やめてーーー!!」
身構えるツナ。別にツナに当てるわけじゃないんだけど……。
『(隼人、信じるよ!)』
ヒュッ!
ドカッ!
あたしは回し蹴りで敵を捉えた。
ツナには当たらないように寸留めをして。
「ひい~っ…こ、怖かったぁ……」
『あ、当たった!!』
「は?」
確かに当たった。人体の感触がした。
でも、まだ見えない。
「(くそっ、どーすりゃいいんだ!?)」
『(しょーがない、超五感で捉えるか……)』
超五感を使えば、汗の匂いなどで正確な位置をつかめる。
疲れるから、1日にあまり多く使いたくないけど、大事なツナのピンチだし、そんな事は言ってられない。
『(発動!!)』
神経を集中させて、敵を追った。
案の定、すぐに見つかった。
ツナに近付く、注射を持った暗殺者。
「まさか、腹いせに家を破壊するつもりじゃ…」
隼人は武とキャッチボールを始めようとしている。
『邪魔だよ…』
「「なっ………!!」」
檸檬の声に反応し、その言葉に驚く2人。檸檬は、ツナの後ろに回り込んで注射を打とうとしている暗殺者に、とび蹴りを入れた。
「ぐわぶっ!!」
「へ?」
ドサッ
檸檬はそいつの胸ぐらを掴んだ。
「檸檬…この人、誰??」
「知り合いか?」
「何言ってんだ野球バカ!」
「何でこんな変なカッコしてるの?」
周りの反応はお構い無し。
檸檬は次の能力を発動させた。
『(“剛腕”、発動!)』
ぐいっとそいつを持ち上げ、もう1人がいる方に向かって投げる。
「んなーっ!投げたーーー!!!」
「ぎゃあああああ!!」
ドカッ
ドサッ
「もう1人落ちて来たーーー!!」
『(発動解除っ、)ふー』
「こ、この人達どなたーーー!!?」
頭を抱え込むツナ。檸檬は言った。
『ツナを狙って来た暗殺者だよ』
「えーっ!」
「ナイス!檸檬!」
『ありがと♪』
にっこり笑う檸檬に、獄寺は少し頬を染める。
「やっぱ強ぇな、檸檬」
「『リボーン!!』」
リボーンの登場に、動揺を隠せない暗殺者達。
「あれが、ボンゴレの殺し屋リボーン!」
「お前ら、電柱にへばりついてた奴だな」
「何故それを!!」
「恐らく敢えてお子様に見えるように設計してあるのでしょう」
ジャンニーニ登場。
「何だ、ありゃ」
「わあ、面白ーい」
「出てくんなよ、ジャンニーニ!」
ジャンニーニが変なカッコをしている為、ツナは少し恥ずかしがっていた。
『観念したら?』
檸檬は冷たく言い放った。
「(やっぱ檸檬怖ぇーっ!!味方で良かったぁ…)」
ところが…
「こうなったら!」
「直接殺しましょう!!」
拳銃を構える暗殺者達。
「ひいっ、嘘っ!!助けて!!」
「のやろ!10代目に何を!」
駆け寄る獄寺も、すぐに蹴飛ばされてしまう。
「ふわっ!」
『キャッチ♪』
「檸檬!!」
『武、ちょっとこの子お願いね』
「あ、あぁ…」
「さあ終わりだ!ボンゴレ10代目!!」
「お助け~~~っ!!!」
銃を向けられて絶体絶命のツナ。
それを檸檬が黙って見ているはずもなく。
『あなた達が終わりだよ♪』
ヒュッ、
隠し持っているナイフを投げ、小さい方の相手のスーツを壁に止める。
「なっ、くそ!!動けない!」
その拳銃を奪い取り、大きい方の相手に向け、彼がツナに向けている拳銃は蹴り上げた。
それは見事に檸檬の手中に収まり、檸檬は両手に拳銃を持ち、相手の動きを封じた。
「ば、バカな……!!」
それは、一瞬の出来事。
「檸檬…!」
『言ったでしょ?終わりなのは、あなた達の方だって♪』
黒い笑みを浮かべてキッチンに立つ檸檬。
暗殺者がその威圧感に勝てるはずもなく。
「「す、すみませんでしたぁ!!」」
大人しく帰るほかなかった。
「すげーな檸檬!泥棒退治しやがった!」
「すごいよ、檸檬ちゃん!」
『へへっ、ありがと。でもね、泥棒が潜んでる事を教えてくれたのは…この子だよ♪』
そう言って檸檬は獄寺を抱え上げた。
「うわっ!な、何しやがる檸檬!!」
照れつつも、少し誇らしげにする獄寺だった。
『ところでそれ、いつ戻るの?』
「………………さぁ?」
首をかしげるツナに、青ざめる獄寺。
「ジャ、ジャンニーニとアホ牛めーーーー!!!」
夕焼けの中に獄寺の声が響き渡ったと言う。
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翌日。
『届いた~っ!』
「何が?」
『イタリアからの資料。あたしの過去についての、ね。ほら、昔の事について調べるの、あたしちゃんと自分の事詳しく分かってなかったから』
「いいの?みんなにバラして…」
ツナが心配そうにするので、檸檬は笑って答えた。
『平気平気!ツナは本当に優しいね♪ありがとう』
あ、そう言えば……
『恭弥の所に行かなくちゃ』
「へ?雲雀さん??」
『うん。資料届いたらおいでって』
「そ、そう…(よっぽど気に入ってるんだなぁ……)」
ツナは心の中で苦笑いをした。
『じゃ、行って来るね』
「うん、行ってらっしゃい」
イタリアから届いた資料を持って、檸檬は応接室に向かった。
『(休日なのに、いるのかな…?)』
コンコン
「誰?」
ワォ、いたよ。
あ、恭弥が移っちゃったよ。(笑)
『雨宮…「入っていいよ」
……即答だし。
『失礼します。おはようっ!恭弥っ!』
いつものように抱きついてキスをする。
雲雀は優しく檸檬の髪を撫でる。
「おはよう、檸檬。休日なのにどうしたの?」
『あのね、イタリアから資料が届いたから、見せに来たの!』
檸檬がそう言うと、雲雀は少しだけ目を丸くした。
「ふぅん」
『で、ホントに見るの??』
「うん」
『(我が儘王子……)はい、コレ』
檸檬はA4の封筒を丸ごと雲雀に渡した。
『(マフィア関係の事は向こうが削除してるはずだから…大丈夫よね。)』
自分を納得させ、1人で頷く檸檬。雲雀は構わず封筒を開ける。
そして、書類に目を通し始めた。
「檸檬、」
『何?』
「暇になるだろうから、冷蔵庫のケーキ、食べてていいよ」
途端に檸檬の顔は輝く。
『ありがとうっ!』
雲雀の頬にキスを落とし、檸檬は応接室の奥へと駆けていった。
後に残された雲雀は、5枚ほどしかないその資料を眺めていた。
書類に書かれている中に、気になるものを見つけた。
「イタリアで備え付けた……“6つの能力”?」
『何?どしたの、恭弥』
「コレ……何?」
雲雀が指差したところを、檸檬はひょこっと覗く。
そして、『げっ』という顔をした。
『(な、何でコレが書いてあるのーーー!!?コレは書いてもいい事柄なのーー!?)』
「ねぇ檸檬、どういう事?」
『えっとぉ……』
檸檬は迷った。
正直に言うか、言わないか。
だが、これまで雲雀にはたくさん嘘をついてしまった。
『(これくらい、いっか)』
腹を括った。
「ねぇ、檸檬」
『分かった分かった!言うから!!』
檸檬は深呼吸を1つした。
『あのね、あたしはアメリカで戦い方を覚えたって言ったでしょ?』
「うん」
『イタリアではね、そのサポートをする能力を与えられたの。まぁ、与えられたって言ってもちゃんと修行したんだけどね』
「どんなの?」
雲雀の探るような目で見つめられ、檸檬は思わず下を向いた。
『俊足、超五感、透視、剛腕、解毒、抵抗、の6つ』
それから、1つ1つの説明をした。
「すごいんだ」
『えっ!?そ、そんな事ないよ~』
褒められて少し赤くなる檸檬。
雲雀はそれを見て微笑んだ。
「(やっぱり檸檬は、僕のモノにしなくちゃね)」