日常編
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「これは戦争だぞ。俺達島にいるマフィアと、カルカッサファミリーとのな」
「あんらー!やばいよ、聞いてないよ、戦争なんてー!」
「嘘だろ~~~!?」
リボーンの言葉に慌てふためくツナとロンシャン。そんな中檸檬は…
『リボーンとコロネロの知り合いって事は、アルコバレーノだ!!楽しみだな~っ!』
1人浮かれていた。
ともあれ、コロネロの話では、島の警備をするはずのファミリーが、ボスの命日でいないとの事。
「どーすんだよーーー!」
「勿論俺がいる限りヤツらの好きにはさせん!だが…お昼寝の時間だぜ……」
そう言って鼻ちょうちんを膨らますコロネロ。
「うおい!!」
力一杯つっこむツナ。
『あらら。可愛い~~っ!』
「この状況でどーしてそんなにのほほんとしてられるの!!?」
『のほほんなんてしてないよ!』
檸檬が反論したので、ツナは少したじろいだ。
「え…?」
『だって…だって……』
檸檬はぐっと唇を噛み締める。
『こんなに可愛いお昼寝姿見れるなんて!!感動させ過ぎるのにも程があるよ~~~!!!』
ズベベーーーッ!!
物凄い勢いでコケたツナ。
「コロネロと檸檬はほっとけ。ママン達が心配だから地下鉄でマフィアランドに戻るぞ……よ」
「ぞよ?」
クピーッ
鼻ちょうちんを作るリボーン。
「お前もかーーー!!」
ツナのツッコミが響く。
『2人とも可愛過ぎるーっ!!』
檸檬は2人の目の前にしゃがみ込んで動かない。
「檸檬!俺達今、攻撃受けてんだぞ!そんな事してる暇ないって!!」
『…そう?大丈夫じゃない?』
「で、でもほら、リボーンが知り合いだって言ってたじゃん……だから、強いかもしれないし…みんなが心配だし……」
檸檬はツナをじーっと見つめていた。
「え?な、何?」
『ツナ、ちょっとずつカッコよくなってきてるね~♪嬉しい』
笑顔になる檸檬。真っ赤になるツナ。
『そうと決まれば、行きますか!』
地下鉄が止まってしまったので、線路を歩いて行く事にした檸檬、ツナ、ロンシャン。
『何でロンシャンもいるの』
「いいじゃんいいじゃん!!もう見えてきたし!」
「ホントだ…」
トンネルの向こうには、お城がありました。
『すっごーいっ!』
「マフィアランドの象徴、マフィア城!!」
大きな城を初めて見た檸檬は、ぽかんと口を開けていた。
すると、
「ロンシャン君、こっちこっち!!早く城の中に!」
「マングスタ!」
『(出たよ…)』
「(ひぃぃいい!!檸檬から黒いオーラが!!)」
「ボンゴレも一緒かあああ!」
「ど、どーも…」
『悪い?』
ドス黒いオーラを放つ檸檬に、マングスタが口答え出来るわけもなく。
「ど、どーぞお入り下さいっ!!」
『(ふんっ)』
「(やっぱ檸檬ってすげーっ!)」
大きな扉から城の中に入った3人。
「島にいたほとんどの人がこの城に集結しています」
「うわーお仲間だね!連合軍だね!!」
「すごい人~~っ」
『これ、みーんなマフィアかぁ…』
中にいた大勢の人に、ただただ唖然とする3人。と、そこに…
「ツナ!」
「母さん!」
『奈々さん!』
「あ、良かったわ。檸檬ちゃんも一緒だったのね。……ところで、このお城で敵マフィアを迎え撃つんでしょ?」
「なっ!母さんまでマフィアとか~!?」
『そうなんですよ!』
「ちょっ、檸檬!!」
「面白いイベントね」
にっこり笑う奈々。
「山本的ーー!!」
その笑顔の後ろに山本の笑顔が見えてしまったツナ。檸檬は奈々の勘違いに対して爆笑中。
どうやら女性陣は後方でおにぎりを作るらしい。
『頑張って下さいっ!』
「あら?檸檬ちゃんはやらないの?」
『あたしはツナを見張ってますから♪』
「んなっ!」
「そう、宜しくね」
奈々さんとビア姉さんを見送り、あたしはツナに言った。
『そーゆーワケだから、あたしはツナ達と一緒に戦うよ。定期的に動かないと体がなまっちゃうからね』
「あ、ありがと檸檬……。(確かに、檸檬がいれば心強いかも)」
不意に、後ろから誰かが怒鳴る声が聞こえてきた。
「スパイを島に入れたトマゾの8代目ってのはお前か!」
「(ロンシャンの事だ!殺されるぞ!!)」
焦るツナ。しかし…
「良くやった!」
「えらい!!」
「なーーー!!?」
リゾート気分に飽き飽きしていたマフィア達は、“戦争上等!!”な雰囲気をかもし出していた。
「(何なのこの人達ーーー!!!)」
『まぁ、マフィアとして当然の反応だね』
「(や、やっぱりマフィアって人種には付いていけない~~~っ!!)」
すると今度は、指揮を取る大将についての言い争いが始まった。
『あ~あ、やっぱりこうなっちゃったか』
「何でそんなに冷めてるの~っ?!何とかしなくちゃ!ってか怖いよ~~っ!!」
檸檬の後ろで震えるツナ。そこに…
「10代目~~~!御無事でしたか!あ、檸檬もいたのかよ」
「ご…獄寺君……」
『隼人ってば!あたしをオマケみたいに言わないでよっ!ってか、どーやって来たの!?』
「そ、それは秘密だ!」
「おい、まぎらわしーぞガキ……10代目とか変なあだ名つけんじゃねぇ!」
「あだ名じゃねぇ!沢田さんはボスだコラ!」
「ほー。何所の馬の骨のファミリーかな?」
「ボンゴレで文句あるか!?」
『(隼人ってば、ホントに喧嘩起こし上手なんだから…)』
獄寺の挑発的な発言に、半ば呆れる檸檬。相変わらず震えるツナ。
しかし、“ボンゴレ”の名を聞いたマフィア達は、途端にざわつき始めた。
「(何?何が起こってんの…??)」
ツナが首をかしげていると、マフィアの1人が檸檬に聞いた。
「もしや貴方は……“CRAZY DANCER”ではありませんか…?」
「何!?あの、ボンゴレ9代目秘蔵の女マフィアの!」
「と言う事は、そこの男は、本当にボンゴレ10代目…」
『そーだよっ!その通り名はあんまり好きじゃなけど…あたしはボンゴレ9代目直属、雨宮檸檬。彼はボンゴレ10代目、沢田綱吉さんっ!』
「なっ、檸檬!!俺は……!」
撤回しようとしたツナに、詰め寄るマフィア達。
「これは、とんだ御無礼を!」
「これで、我々の大将決まったな」
「うむ」
「伝統、格式、規模、勢力!全てにおいてボンゴレは別格!!」
「え!?ちょっ、まさか……「「「皆の者!!我らが大将ボンゴレ10代目に続けーーーー!!」」」
「はあーーーー!?」
『(当然っ♪)』
戸惑うツナの横で、檸檬はくすっと、獄寺は誇らしげに笑ったとか。
その直後に、大砲か何かが撃ち込まれた音がした。
「ひいっ!」
「おい!敵さんが攻めて来たぜー!!」
外から来たマフィアの1人が叫ぶ。
『……ツナ?』
「檸檬……俺、無理だよ……」
泣きそうになるツナ。
檸檬はにっこりと微笑んだ。
『指示を下さい、10代目』
「へ?」
『ツナが無理ならあたしがやるよ。だけど、その為にはツナから正式に依頼されなくちゃいけないから』
「……いいの?」
『勿論っ♪』
ツナは恥ずかしそうに小さな声で言った。
「俺…分かんないからさ……檸檬に任せるよ。でも、俺が出来る事はやるから!」
『了解しました、10代目』
檸檬はきちっと一礼して、すうっと息を吸い込んだ。
『只今より、防衛作戦を計画します!皆さん、一度静粛に!!』
途端に辺りは静まる。
「檸檬!?」
驚く獄寺。
「(す、すげー……)」
呆然とするツナ。
檸檬は言った。
『たった今、ボンゴレ10代目より現場指揮を任されました!あたし、雨宮檸檬の決定を10代目の決定と思って下さい』
「「「は、はい!」」」
『それでは、敵の侵攻状況は!?』
「城の正面から陸軍が、島の周りには物凄い規模の海軍が攻めて来ています!」
『では、まず3分の1に分かれ、Aチームは城の壁を盾にしつつ陸軍の侵入をここで食い止める。Bチームは島の周囲に回ってこれ以上の敵の上陸を防ぐ。Cチームは更に二手に別れ、遊園地の保護と、森林からの侵攻に対する防衛を行う。5秒で分かれて下さい!』
「「「はいっ!!」」」
バッと分かれたマフィア達。ツナは驚き、言葉もでない。
『隼人はここに残って』
「わ、分かった」
『ツナは、どうする?』
「え?俺は……『あたしと一緒に森に行こっか。』
「う、うん」
檸檬はツナの腕を引き、走り出した。
「(マジで凄い……半端ないや…)」
檸檬は本当に超一流の“人間”だ。
マフィアとかじゃなくて、本当に、本当に凄い。
「檸檬、」
『ん?』
「ありがとう」
『いーのいーの!あたしはツナの命令に従っただけ。勝手にやっちゃって、ホントごめんね』
ぺろっと舌を出す檸檬。
違うよ、本当に…
本当に感謝してるよ。
俺はまだ、マフィアになろうなんて思ってないけど、
それ以前に、リーダーシップを持ってないから…。
『ツナ、』
「へ?」
『今度戦いがあったら、ツナが自分でやるんだよ?』
「え…っと…」
『今日はその為のお手本♪役に立った?』
「う、うん。ホントに、ありがとう」
『どーいたしましてっ!』
にっこり笑う檸檬に、約束しようと思う。
マフィアのボスにはなりたくないけど、1人の人間として、
誰かを引っ張って行く力は付けようと、
自分で行動を起こす力を付けようと。
『さぁっ、着いたよ』
「う、うん…」
ごくりとつばを飲むツナ。
ふと耳に入って来る悲鳴。
見上げると、たくさんの人が放り投げられて行く。
「えー!?」
『一体誰が…??』
檸檬も少し緊張して来た。
バキバキッ
目の前の木が次々となぎ倒されていく。
深い森の奥から現れたのは…
「アルコバレーノ!!」
マフィアの1人が叫ぶ。ツナは首をかしげ、檸檬は目を輝かせた。
「あれは、カルカッサファミリーの軍師スカル!!」
「えーーー!あのちっこいのがーーー!?」
『紫のおしゃぶり…アルコバレーノだーっ!!』
「ちょっ、檸檬!?」
アルコバレーノ、虹色のおしゃぶりを1つずつ持っている。
そしてそれは、マフィア界にいる最強の赤ん坊達の証!!
黙って見ていられない!
だって、可愛いんだものっ!!!
「スカルは巨大ヨロイダコを操ると聞いた事がある!」
「夢だ!夢を見ているに違いない!」
ツナが現実逃避をしている間にも、スカルの指の動きに連動して、タコは人を投げ飛ばしていく。
『夢だったら困るよ、せっかくアルコバレーノに会えたのに』
「檸檬!?」
檸檬は突然ダッシュし始めた。
スカルに向かって突っ込んで行く。
「あ、危な……!!」
檸檬がタコなんかに捕まるワケがない。
その8本の足を綺麗に上手くかわして、スカルの目の前に降り立った。
「な、何だ貴様は!!」
『あたし、雨宮檸檬!アルコバレーノのファンなの!』
「……は?」
ヘルメットをかぶった赤ん坊は、頭上に疑問符を浮かべている。
『と、言うワケで♪』
ギューッ
「な、何をする!」
『だーかーら、言ったでしょ?アルコバレーノのファンだって。7人全員をギューッてするのが夢なのっ!』
そう言って檸檬は、更にスカルを抱き締める。
「お、おいっ…「なんだ、そのタコまだ食ってなかったのか。きっとうめーのに」
「『リボーン!!』」
突然現れたのは、昼寝から目が覚めたリボーン。
『おはよう、リボーン!』
「ちゃおっス。檸檬、そいつをちょっとの間放してやってくれ」
『え?いいけど……』
檸檬がパッと放すと、スカルは指を動かし、リボーンを捉えた。
「ああ!」
「リボーンさん!」
ツナとマフィア達は青ざめる。助っ人のリボーンが捕まってしまったのだ。
だが次の瞬間、銃を撃つリボーン。
「くっ、左手を……流石早撃ちだな、少し油断した。だが、片手あれば十分だ!」
ぐっとリボーンを締め付ける。
『ダメッ!可愛い子同士で喧嘩なんてしないでよ!』
檸檬が叫ぶ。
『あたしが遊んであげるからーっ』
「なっ!お前は黙ってろ!!ともかく…リボーン、どーだ!俺は昔のスカルではないんだ!死ね!」
ところがタコは、全く動かなかった。
「うんしょっと」
ゆっくりと抜け出すリボーン。
「な、何をしている!!どーしたんだタコ!?」
「こいつ、戸惑ってるよーだな。お前の左手のそんな姿見た事ねーだろーからな」
「ん……?でかっ!」
『(さっすがリボーン♪)』
スカルの左手は、とっても大きい拳になっていた。
「そーか!死ぬ気弾をこぶしに撃てば、ゲンコツ弾!!タコは命令の意味が分からず動けないんだ!!」
普段撃たれ慣れてる(?)ツナがやっと理解する。
「俺の番だぞ」
「ゲッ」
リボーンはスカルに攻め寄る。
バキッと1回殴れば、もうお終い。
スカルは木に叩き付けられ、戦艦に命令を出す。
「そいつは無理だぞ。コロネロも起きただろーからな」
「なっ、コロネロ先輩もここに!?」
その頃、リボーンの予測通りにコロネロは全艦撃沈させていた。
「行くぜコラ。SHOT!!」
「コロネロのライフルが火を噴いたな」
「(あの兵隊チビもメチャツヨかよーっ)」
『と、言うワケで、あたしと遊ぼーっ!!スカルーっ!!』
「わっ!く、来るな~~っ!!」
スカルを追い回す檸檬。
その光景を見たリボーンはぽつりと呟いた。
「アホだな」
「ってかリボーン、最初からやってくれればいいのに」
「文句言うな。お前は今回戦ってねーだろ」
「え?(もしかして、俺の事守ってくれた…?)」
「俺のパシリは俺が締める」
「(出たっ!!!リボーン美学!!!)」
ある意味感心するツナ。
『スっカルーっ!!』
「来るな~っ!!」
「楽しそうだな。良かったじゃねーか、スカル」
「良くねぇ~っ!!」
『遊ぼーよーっ、ってかだっこさせて~』
追いかけっこは、日が暮れるまで続いたと言う。
結局檸檬が勝って、スカルを抱きしめ続けたと言う。
そして、ツナと獄寺は何も出来ないままマフィアランドとお別れしてしまったと言う…。
『良かったね、勝って』
「う、うん…。(遊びたかった…)」
『隼人は?』
「さぁ…?」
獄寺が荷物置き場で過ごしていたとは、誰も知らない。
「あんらー!やばいよ、聞いてないよ、戦争なんてー!」
「嘘だろ~~~!?」
リボーンの言葉に慌てふためくツナとロンシャン。そんな中檸檬は…
『リボーンとコロネロの知り合いって事は、アルコバレーノだ!!楽しみだな~っ!』
1人浮かれていた。
ともあれ、コロネロの話では、島の警備をするはずのファミリーが、ボスの命日でいないとの事。
「どーすんだよーーー!」
「勿論俺がいる限りヤツらの好きにはさせん!だが…お昼寝の時間だぜ……」
そう言って鼻ちょうちんを膨らますコロネロ。
「うおい!!」
力一杯つっこむツナ。
『あらら。可愛い~~っ!』
「この状況でどーしてそんなにのほほんとしてられるの!!?」
『のほほんなんてしてないよ!』
檸檬が反論したので、ツナは少したじろいだ。
「え…?」
『だって…だって……』
檸檬はぐっと唇を噛み締める。
『こんなに可愛いお昼寝姿見れるなんて!!感動させ過ぎるのにも程があるよ~~~!!!』
ズベベーーーッ!!
物凄い勢いでコケたツナ。
「コロネロと檸檬はほっとけ。ママン達が心配だから地下鉄でマフィアランドに戻るぞ……よ」
「ぞよ?」
クピーッ
鼻ちょうちんを作るリボーン。
「お前もかーーー!!」
ツナのツッコミが響く。
『2人とも可愛過ぎるーっ!!』
檸檬は2人の目の前にしゃがみ込んで動かない。
「檸檬!俺達今、攻撃受けてんだぞ!そんな事してる暇ないって!!」
『…そう?大丈夫じゃない?』
「で、でもほら、リボーンが知り合いだって言ってたじゃん……だから、強いかもしれないし…みんなが心配だし……」
檸檬はツナをじーっと見つめていた。
「え?な、何?」
『ツナ、ちょっとずつカッコよくなってきてるね~♪嬉しい』
笑顔になる檸檬。真っ赤になるツナ。
『そうと決まれば、行きますか!』
地下鉄が止まってしまったので、線路を歩いて行く事にした檸檬、ツナ、ロンシャン。
『何でロンシャンもいるの』
「いいじゃんいいじゃん!!もう見えてきたし!」
「ホントだ…」
トンネルの向こうには、お城がありました。
『すっごーいっ!』
「マフィアランドの象徴、マフィア城!!」
大きな城を初めて見た檸檬は、ぽかんと口を開けていた。
すると、
「ロンシャン君、こっちこっち!!早く城の中に!」
「マングスタ!」
『(出たよ…)』
「(ひぃぃいい!!檸檬から黒いオーラが!!)」
「ボンゴレも一緒かあああ!」
「ど、どーも…」
『悪い?』
ドス黒いオーラを放つ檸檬に、マングスタが口答え出来るわけもなく。
「ど、どーぞお入り下さいっ!!」
『(ふんっ)』
「(やっぱ檸檬ってすげーっ!)」
大きな扉から城の中に入った3人。
「島にいたほとんどの人がこの城に集結しています」
「うわーお仲間だね!連合軍だね!!」
「すごい人~~っ」
『これ、みーんなマフィアかぁ…』
中にいた大勢の人に、ただただ唖然とする3人。と、そこに…
「ツナ!」
「母さん!」
『奈々さん!』
「あ、良かったわ。檸檬ちゃんも一緒だったのね。……ところで、このお城で敵マフィアを迎え撃つんでしょ?」
「なっ!母さんまでマフィアとか~!?」
『そうなんですよ!』
「ちょっ、檸檬!!」
「面白いイベントね」
にっこり笑う奈々。
「山本的ーー!!」
その笑顔の後ろに山本の笑顔が見えてしまったツナ。檸檬は奈々の勘違いに対して爆笑中。
どうやら女性陣は後方でおにぎりを作るらしい。
『頑張って下さいっ!』
「あら?檸檬ちゃんはやらないの?」
『あたしはツナを見張ってますから♪』
「んなっ!」
「そう、宜しくね」
奈々さんとビア姉さんを見送り、あたしはツナに言った。
『そーゆーワケだから、あたしはツナ達と一緒に戦うよ。定期的に動かないと体がなまっちゃうからね』
「あ、ありがと檸檬……。(確かに、檸檬がいれば心強いかも)」
不意に、後ろから誰かが怒鳴る声が聞こえてきた。
「スパイを島に入れたトマゾの8代目ってのはお前か!」
「(ロンシャンの事だ!殺されるぞ!!)」
焦るツナ。しかし…
「良くやった!」
「えらい!!」
「なーーー!!?」
リゾート気分に飽き飽きしていたマフィア達は、“戦争上等!!”な雰囲気をかもし出していた。
「(何なのこの人達ーーー!!!)」
『まぁ、マフィアとして当然の反応だね』
「(や、やっぱりマフィアって人種には付いていけない~~~っ!!)」
すると今度は、指揮を取る大将についての言い争いが始まった。
『あ~あ、やっぱりこうなっちゃったか』
「何でそんなに冷めてるの~っ?!何とかしなくちゃ!ってか怖いよ~~っ!!」
檸檬の後ろで震えるツナ。そこに…
「10代目~~~!御無事でしたか!あ、檸檬もいたのかよ」
「ご…獄寺君……」
『隼人ってば!あたしをオマケみたいに言わないでよっ!ってか、どーやって来たの!?』
「そ、それは秘密だ!」
「おい、まぎらわしーぞガキ……10代目とか変なあだ名つけんじゃねぇ!」
「あだ名じゃねぇ!沢田さんはボスだコラ!」
「ほー。何所の馬の骨のファミリーかな?」
「ボンゴレで文句あるか!?」
『(隼人ってば、ホントに喧嘩起こし上手なんだから…)』
獄寺の挑発的な発言に、半ば呆れる檸檬。相変わらず震えるツナ。
しかし、“ボンゴレ”の名を聞いたマフィア達は、途端にざわつき始めた。
「(何?何が起こってんの…??)」
ツナが首をかしげていると、マフィアの1人が檸檬に聞いた。
「もしや貴方は……“CRAZY DANCER”ではありませんか…?」
「何!?あの、ボンゴレ9代目秘蔵の女マフィアの!」
「と言う事は、そこの男は、本当にボンゴレ10代目…」
『そーだよっ!その通り名はあんまり好きじゃなけど…あたしはボンゴレ9代目直属、雨宮檸檬。彼はボンゴレ10代目、沢田綱吉さんっ!』
「なっ、檸檬!!俺は……!」
撤回しようとしたツナに、詰め寄るマフィア達。
「これは、とんだ御無礼を!」
「これで、我々の大将決まったな」
「うむ」
「伝統、格式、規模、勢力!全てにおいてボンゴレは別格!!」
「え!?ちょっ、まさか……「「「皆の者!!我らが大将ボンゴレ10代目に続けーーーー!!」」」
「はあーーーー!?」
『(当然っ♪)』
戸惑うツナの横で、檸檬はくすっと、獄寺は誇らしげに笑ったとか。
その直後に、大砲か何かが撃ち込まれた音がした。
「ひいっ!」
「おい!敵さんが攻めて来たぜー!!」
外から来たマフィアの1人が叫ぶ。
『……ツナ?』
「檸檬……俺、無理だよ……」
泣きそうになるツナ。
檸檬はにっこりと微笑んだ。
『指示を下さい、10代目』
「へ?」
『ツナが無理ならあたしがやるよ。だけど、その為にはツナから正式に依頼されなくちゃいけないから』
「……いいの?」
『勿論っ♪』
ツナは恥ずかしそうに小さな声で言った。
「俺…分かんないからさ……檸檬に任せるよ。でも、俺が出来る事はやるから!」
『了解しました、10代目』
檸檬はきちっと一礼して、すうっと息を吸い込んだ。
『只今より、防衛作戦を計画します!皆さん、一度静粛に!!』
途端に辺りは静まる。
「檸檬!?」
驚く獄寺。
「(す、すげー……)」
呆然とするツナ。
檸檬は言った。
『たった今、ボンゴレ10代目より現場指揮を任されました!あたし、雨宮檸檬の決定を10代目の決定と思って下さい』
「「「は、はい!」」」
『それでは、敵の侵攻状況は!?』
「城の正面から陸軍が、島の周りには物凄い規模の海軍が攻めて来ています!」
『では、まず3分の1に分かれ、Aチームは城の壁を盾にしつつ陸軍の侵入をここで食い止める。Bチームは島の周囲に回ってこれ以上の敵の上陸を防ぐ。Cチームは更に二手に別れ、遊園地の保護と、森林からの侵攻に対する防衛を行う。5秒で分かれて下さい!』
「「「はいっ!!」」」
バッと分かれたマフィア達。ツナは驚き、言葉もでない。
『隼人はここに残って』
「わ、分かった」
『ツナは、どうする?』
「え?俺は……『あたしと一緒に森に行こっか。』
「う、うん」
檸檬はツナの腕を引き、走り出した。
「(マジで凄い……半端ないや…)」
檸檬は本当に超一流の“人間”だ。
マフィアとかじゃなくて、本当に、本当に凄い。
「檸檬、」
『ん?』
「ありがとう」
『いーのいーの!あたしはツナの命令に従っただけ。勝手にやっちゃって、ホントごめんね』
ぺろっと舌を出す檸檬。
違うよ、本当に…
本当に感謝してるよ。
俺はまだ、マフィアになろうなんて思ってないけど、
それ以前に、リーダーシップを持ってないから…。
『ツナ、』
「へ?」
『今度戦いがあったら、ツナが自分でやるんだよ?』
「え…っと…」
『今日はその為のお手本♪役に立った?』
「う、うん。ホントに、ありがとう」
『どーいたしましてっ!』
にっこり笑う檸檬に、約束しようと思う。
マフィアのボスにはなりたくないけど、1人の人間として、
誰かを引っ張って行く力は付けようと、
自分で行動を起こす力を付けようと。
『さぁっ、着いたよ』
「う、うん…」
ごくりとつばを飲むツナ。
ふと耳に入って来る悲鳴。
見上げると、たくさんの人が放り投げられて行く。
「えー!?」
『一体誰が…??』
檸檬も少し緊張して来た。
バキバキッ
目の前の木が次々となぎ倒されていく。
深い森の奥から現れたのは…
「アルコバレーノ!!」
マフィアの1人が叫ぶ。ツナは首をかしげ、檸檬は目を輝かせた。
「あれは、カルカッサファミリーの軍師スカル!!」
「えーーー!あのちっこいのがーーー!?」
『紫のおしゃぶり…アルコバレーノだーっ!!』
「ちょっ、檸檬!?」
アルコバレーノ、虹色のおしゃぶりを1つずつ持っている。
そしてそれは、マフィア界にいる最強の赤ん坊達の証!!
黙って見ていられない!
だって、可愛いんだものっ!!!
「スカルは巨大ヨロイダコを操ると聞いた事がある!」
「夢だ!夢を見ているに違いない!」
ツナが現実逃避をしている間にも、スカルの指の動きに連動して、タコは人を投げ飛ばしていく。
『夢だったら困るよ、せっかくアルコバレーノに会えたのに』
「檸檬!?」
檸檬は突然ダッシュし始めた。
スカルに向かって突っ込んで行く。
「あ、危な……!!」
檸檬がタコなんかに捕まるワケがない。
その8本の足を綺麗に上手くかわして、スカルの目の前に降り立った。
「な、何だ貴様は!!」
『あたし、雨宮檸檬!アルコバレーノのファンなの!』
「……は?」
ヘルメットをかぶった赤ん坊は、頭上に疑問符を浮かべている。
『と、言うワケで♪』
ギューッ
「な、何をする!」
『だーかーら、言ったでしょ?アルコバレーノのファンだって。7人全員をギューッてするのが夢なのっ!』
そう言って檸檬は、更にスカルを抱き締める。
「お、おいっ…「なんだ、そのタコまだ食ってなかったのか。きっとうめーのに」
「『リボーン!!』」
突然現れたのは、昼寝から目が覚めたリボーン。
『おはよう、リボーン!』
「ちゃおっス。檸檬、そいつをちょっとの間放してやってくれ」
『え?いいけど……』
檸檬がパッと放すと、スカルは指を動かし、リボーンを捉えた。
「ああ!」
「リボーンさん!」
ツナとマフィア達は青ざめる。助っ人のリボーンが捕まってしまったのだ。
だが次の瞬間、銃を撃つリボーン。
「くっ、左手を……流石早撃ちだな、少し油断した。だが、片手あれば十分だ!」
ぐっとリボーンを締め付ける。
『ダメッ!可愛い子同士で喧嘩なんてしないでよ!』
檸檬が叫ぶ。
『あたしが遊んであげるからーっ』
「なっ!お前は黙ってろ!!ともかく…リボーン、どーだ!俺は昔のスカルではないんだ!死ね!」
ところがタコは、全く動かなかった。
「うんしょっと」
ゆっくりと抜け出すリボーン。
「な、何をしている!!どーしたんだタコ!?」
「こいつ、戸惑ってるよーだな。お前の左手のそんな姿見た事ねーだろーからな」
「ん……?でかっ!」
『(さっすがリボーン♪)』
スカルの左手は、とっても大きい拳になっていた。
「そーか!死ぬ気弾をこぶしに撃てば、ゲンコツ弾!!タコは命令の意味が分からず動けないんだ!!」
普段撃たれ慣れてる(?)ツナがやっと理解する。
「俺の番だぞ」
「ゲッ」
リボーンはスカルに攻め寄る。
バキッと1回殴れば、もうお終い。
スカルは木に叩き付けられ、戦艦に命令を出す。
「そいつは無理だぞ。コロネロも起きただろーからな」
「なっ、コロネロ先輩もここに!?」
その頃、リボーンの予測通りにコロネロは全艦撃沈させていた。
「行くぜコラ。SHOT!!」
「コロネロのライフルが火を噴いたな」
「(あの兵隊チビもメチャツヨかよーっ)」
『と、言うワケで、あたしと遊ぼーっ!!スカルーっ!!』
「わっ!く、来るな~~っ!!」
スカルを追い回す檸檬。
その光景を見たリボーンはぽつりと呟いた。
「アホだな」
「ってかリボーン、最初からやってくれればいいのに」
「文句言うな。お前は今回戦ってねーだろ」
「え?(もしかして、俺の事守ってくれた…?)」
「俺のパシリは俺が締める」
「(出たっ!!!リボーン美学!!!)」
ある意味感心するツナ。
『スっカルーっ!!』
「来るな~っ!!」
「楽しそうだな。良かったじゃねーか、スカル」
「良くねぇ~っ!!」
『遊ぼーよーっ、ってかだっこさせて~』
追いかけっこは、日が暮れるまで続いたと言う。
結局檸檬が勝って、スカルを抱きしめ続けたと言う。
そして、ツナと獄寺は何も出来ないままマフィアランドとお別れしてしまったと言う…。
『良かったね、勝って』
「う、うん…。(遊びたかった…)」
『隼人は?』
「さぁ…?」
獄寺が荷物置き場で過ごしていたとは、誰も知らない。