日常編
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それから檸檬は、ボンゴレファミリーの一員になった。
『あれ?ディーノに負けたのに、入っちゃっていいの?』
「だから、そう言うワケじゃ無いって言ったろ?」
『そう言えば…』
泣きまくった挙げ句、無理矢理だったちゃんと笑った檸檬は、すっかり感情を表に出せるようになっていた。
『ホントにありがとね、ディーノ。』
「俺は何もしてねーって。檸檬が勝手に泣いて喋ってただけじゃんか」
『うわー、そんな言い方するんだー』
「冗談だ。ああやって気持ちを吐き出すのが、檸檬には必要だったってことだからな」
『うん、そうなんだと思う』
実際、檸檬は驚く程早くボンゴレに馴染んだ。
最初こそ口を開きにくかったものの、喧嘩を除けば普通の女の子。
みるみるうちに接し方を覚え、笑うようになった。
9代目の直属の部下として一生懸命にサポートし、またあらゆる機関にお試し入隊をした。
そうして広い人間関係を築き、信頼を覚えた。
檸檬は、ボンゴレが大好きだった。
---
-----
-----------
そんなある日、ボンゴレアジトにディーノが再びやって来た。
『ディーノ!久しぶりっ!』
ちゅ、
檸檬はディーノの頬にキスをする。
コレは日常茶飯事なのだが、慌てふためくディーノ。
「だーかーら!それはやめろって言ってんだろ!」
『だって、挨拶だもん。癖なんだもん』
「…ったくよぉ……」
『あははっ♪』
頭を掻きながらブツブツ言うディーノだったが、檸檬の笑顔を見て表情を緩ませた。
『んで、今日はどうしたの?』
「あぁ、ちょっと9代目に呼ばれたんだ」
『え、あたしも呼ばれてるんだけど…』
「檸檬もか?なら、一緒に行くか」
『うん』
檸檬とディーノは9代目の部屋に向かった。
荘厳な造りの屋敷の奥に、2人で歩いて行く。
『何だろー?お仕事かなー?』
「檸檬、お前最近スケジュール入れ過ぎじゃねーか?」
『そう?にしても、前の仮入隊は楽しかったなー、本入隊ならあの部隊がいいなー♪』
その言葉に、ディーノは少しだけ反応した。
9代目が“その部隊”に檸檬を入れるのを躊躇っていると、知っていたからである。
『失礼します、9代目。檸檬です』
「キャバッローネのディーノです」
「入りなさい」
「『はい』」
部屋に入る2人。
奥の椅子に深く座るのは、威厳に満ちたボンゴレ9代目。
「檸檬、お前の次の仕事が決まった。長い任務になるが、良いかね?」
『はい!』
「日本に行ってもらう。」
「日本!?」
声を上げたのはディーノだった。檸檬は首をかしげる。
『日本で何をすればいいんでしょうか?』
「私の後継者、ボンゴレ10代目の沢田綱吉をサポートして欲しい」
「やっぱり!!」
『後継者いたんですかー!!?』
ディーノと檸檬はそれぞれの内容で驚く。
「どうだね?」
『やりますやりますっ!(後継者に会ってみたいし、日本に行ってみたいし♪)』
アメリカに住んでいたとは言え、両親共に日本人。
つまり檸檬も純日本人なのだ。
未だ目にした事の無い母国に、檸檬は想いを馳せる。
『(どんな感じなんだろーっ…侍いるのかなー?)』
「檸檬、」
『あ、はいっ!』
「既に家庭教師として私が最も尊敬する殺し屋、リボーンを派遣している。檸檬は家庭教師補佐として務めてくれ」
『了解ですっ!』
こうして、檸檬の日本行きが決定した。
『わーっ!!ここが日本かぁー!』
空港に降り立った檸檬は思いっきり背伸びをした。
『(高いビルいっぱいあるーっ!)』
檸檬はタクシーを使い、真直ぐ並盛に向かった。
初めに見えて来たのは中学校。
どうやらもう下校時刻を過ぎてしまったようで、人の気配は無かった。
『じゃぁ、おじゃましまーす』
檸檬はヒョイッとフェンスを乗り越る。
木を使いながら屋上まで上るのは、容易だった。
『うわ~、遠くまで良く見えるなぁ~』
アメリカとも、イタリアとも、違う景色。
夕焼け色に染まる街はとても綺麗で、檸檬は思わず見とれていた。
すると
「君、誰?」
突如背後から冷たい声。
沈黙が流れる。
『(あちゃー、見つかっちゃった)』
背後に殺気を感じた檸檬。
どうやら何か武器を当てられているようだ。
仕方なく両手を上げながら、檸檬は口を開いた。
『What did you say?』
あえて英語で聞いてみる檸檬。
するとさっきと同じ声で、「誰?」と。
檸檬は少しビックリして、振り返ってみる。
と、そこには王子様フェイスの黒髪男子生徒。
当てられている武器は、トンファーだった。
『英語で聞いたのに日本語で返すなんて、随分とひねくれてるね』
そう言って檸檬はくすっと笑った。
「誰って聞いてるんだけど。」
王子様フェイスのくせに、随分とすごい殺気を放つ。
『ごめんごめん、あたしは雨宮檸檬。あなたは?』
「……雲雀恭弥」
ぶすっとしている恭弥を、檸檬は何だか可愛いなぁ、と思った。
『恭弥って呼んでいい?』
檸檬がそう聞くと、雲雀は少し目を丸くした。
「檸檬、僕のこと知らないの?」
『うん。だってあたし、来日したばっかでさー、ここで一番最初に喋ったの恭弥なんだもん』
「ふぅん」
雲雀は黙って檸檬を見つめた。
『あ、あの…』
「ところで、何でここにいるの?しかも私服で」
檸檬の言葉を遮って、雲雀が尋ねた。
『え?それはねぇ…見学?』
「何で疑問系なの」
『んー…特に目的は無かったから。ただ中学校が見えたから入ってみただけ』
「何それ」
『実はあたし、明日からここに入るんだ。転入するの!ってことで宜しくね、恭弥!』
トンファーが降ろされたワケではない。
しかし檸檬は、雲雀の殺気が和らいだのを感じた。
だから、恐れを抱く事無く笑顔で挨拶したのだ。
すると雲雀は、再び無言で檸檬を見つめた。
『あ、あのぅ……』
「何?」
『王子様フェイスで見つめられると、恥ずかしくなるんですけど』
「王子様フェイス?」
雲雀に繰り返されて、檸檬は慌てて口を押さえた。
『あはは、何でも無い!こっちの話。とにかく、無言で見つめるのはやめて欲しいわけよ、うん』
「じゃぁ、今日はもう帰って。下校時刻過ぎてるから」
『はぁい。じゃぁ、またね!』
檸檬はそのまま屋上から飛び下りた。
雲雀は無言で驚く。
だが、下を見てみると、木に捕まって体操選手のように一回転しながら着地した檸檬が見えた。
『あっ、恭弥ーっ!』
そのまま走って行くかと思いきや、くるりと振り返り呼びかける檸檬。
『また明日ーっ!』
大きく手を振った檸檬に、雲雀はそっぽを向いた。
「…変な奴」
その呟きは、夕闇の中に掠れて消えていった。
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-------
『さーてと!』
檸檬はそのまま校庭のフェンスも飛び超えて、町中を走り出した。
荷物は背負っているリュックサックだけだった。
しかも、その半分はアメリカで稼いだ賞金の一部で埋まっている。
ちなみに残りはイタリアにある。
『♪何処かな何処かな、綱吉君っ♪』
適当な歌を歌いながら、並盛商店街を歩いていた。
しばらく歌いつつ歩いていると、「おい」と声を掛けられた。
自分ではないと思い込んでいた為に振り向かなかった檸檬。
すると…
ガシッと肩を捕まれ、引っ張られた。
『わわっ!!?』
バランスを崩し、そのまま後ろに倒れてしまった。
ポスッ、
『(あれ?痛くない)』
檸檬はそうっと目を開けた。
背中にあったかい感触がして、頭の上から明るい声が聞こえる。
「悪ぃ悪ぃ、大丈夫か?」
声が聞こえて来たのは頭の上からで、檸檬はバッと見上げる。
『(う、わぁ……)』
自分を支えてくれていたのは、爽やか少年だった。
『ごっ、ごめんなさいっ!支えてくれてありがとうございました!』
「いや、引っ張った俺が悪ぃんだし。怪我無くて良かった」
そう言って彼はニカッと笑った。
『(笑顔が眩しい…。ってか、本日はかっこいい人に出会い過ぎだよ…)』
背の高い彼を、檸檬はボーッと見上げた。
『とっ、ところで、どうしてあたしを?』
「あぁ、ツナの名前呼んでたから。」
『ツナ?……もしかして沢田綱吉さんのお友達!?』
「まぁな」
自分はとっても運がいい、そう檸檬は思った。
沢田綱吉さんの友だちなら、きっと住所を知っているハズだ。
『あのっ、あたし雨宮檸檬って言うの!あなたは!?』
「俺は山本武」
『あたし、ツナさんを探してるんだけど……』
「どーしてか、聞いてもいーか?」
『えーっと……』
何と言おうか迷ったが、やはり正直に。
『ボンゴレ10代目の護衛で!』
「ハハハッ!そっか、檸檬もなのかぁ!」
『(あたし、も……??)』
「いーぜっ♪そーゆー事なら」
そう言って彼はさらさらとメモに地図を描いてくれた。
「ほいっ。ホントは案内してーんだけど、今日は忙しくてな」
『ううん!ありがとうっ!あのね、あたし明日並盛中学に転入するんだ。だから、宜しくね!!』
去りゆく山本に檸檬は笑顔で手を振る。
夕焼けのせいか、山本の顔は少し赤いように見えた。
『よしっ!』
山本が書いてくれた地図を見ながら、檸檬は走り出した。
目指すは沢田家のツナ君!!
『あれ?ディーノに負けたのに、入っちゃっていいの?』
「だから、そう言うワケじゃ無いって言ったろ?」
『そう言えば…』
泣きまくった挙げ句、無理矢理だったちゃんと笑った檸檬は、すっかり感情を表に出せるようになっていた。
『ホントにありがとね、ディーノ。』
「俺は何もしてねーって。檸檬が勝手に泣いて喋ってただけじゃんか」
『うわー、そんな言い方するんだー』
「冗談だ。ああやって気持ちを吐き出すのが、檸檬には必要だったってことだからな」
『うん、そうなんだと思う』
実際、檸檬は驚く程早くボンゴレに馴染んだ。
最初こそ口を開きにくかったものの、喧嘩を除けば普通の女の子。
みるみるうちに接し方を覚え、笑うようになった。
9代目の直属の部下として一生懸命にサポートし、またあらゆる機関にお試し入隊をした。
そうして広い人間関係を築き、信頼を覚えた。
檸檬は、ボンゴレが大好きだった。
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そんなある日、ボンゴレアジトにディーノが再びやって来た。
『ディーノ!久しぶりっ!』
ちゅ、
檸檬はディーノの頬にキスをする。
コレは日常茶飯事なのだが、慌てふためくディーノ。
「だーかーら!それはやめろって言ってんだろ!」
『だって、挨拶だもん。癖なんだもん』
「…ったくよぉ……」
『あははっ♪』
頭を掻きながらブツブツ言うディーノだったが、檸檬の笑顔を見て表情を緩ませた。
『んで、今日はどうしたの?』
「あぁ、ちょっと9代目に呼ばれたんだ」
『え、あたしも呼ばれてるんだけど…』
「檸檬もか?なら、一緒に行くか」
『うん』
檸檬とディーノは9代目の部屋に向かった。
荘厳な造りの屋敷の奥に、2人で歩いて行く。
『何だろー?お仕事かなー?』
「檸檬、お前最近スケジュール入れ過ぎじゃねーか?」
『そう?にしても、前の仮入隊は楽しかったなー、本入隊ならあの部隊がいいなー♪』
その言葉に、ディーノは少しだけ反応した。
9代目が“その部隊”に檸檬を入れるのを躊躇っていると、知っていたからである。
『失礼します、9代目。檸檬です』
「キャバッローネのディーノです」
「入りなさい」
「『はい』」
部屋に入る2人。
奥の椅子に深く座るのは、威厳に満ちたボンゴレ9代目。
「檸檬、お前の次の仕事が決まった。長い任務になるが、良いかね?」
『はい!』
「日本に行ってもらう。」
「日本!?」
声を上げたのはディーノだった。檸檬は首をかしげる。
『日本で何をすればいいんでしょうか?』
「私の後継者、ボンゴレ10代目の沢田綱吉をサポートして欲しい」
「やっぱり!!」
『後継者いたんですかー!!?』
ディーノと檸檬はそれぞれの内容で驚く。
「どうだね?」
『やりますやりますっ!(後継者に会ってみたいし、日本に行ってみたいし♪)』
アメリカに住んでいたとは言え、両親共に日本人。
つまり檸檬も純日本人なのだ。
未だ目にした事の無い母国に、檸檬は想いを馳せる。
『(どんな感じなんだろーっ…侍いるのかなー?)』
「檸檬、」
『あ、はいっ!』
「既に家庭教師として私が最も尊敬する殺し屋、リボーンを派遣している。檸檬は家庭教師補佐として務めてくれ」
『了解ですっ!』
こうして、檸檬の日本行きが決定した。
『わーっ!!ここが日本かぁー!』
空港に降り立った檸檬は思いっきり背伸びをした。
『(高いビルいっぱいあるーっ!)』
檸檬はタクシーを使い、真直ぐ並盛に向かった。
初めに見えて来たのは中学校。
どうやらもう下校時刻を過ぎてしまったようで、人の気配は無かった。
『じゃぁ、おじゃましまーす』
檸檬はヒョイッとフェンスを乗り越る。
木を使いながら屋上まで上るのは、容易だった。
『うわ~、遠くまで良く見えるなぁ~』
アメリカとも、イタリアとも、違う景色。
夕焼け色に染まる街はとても綺麗で、檸檬は思わず見とれていた。
すると
「君、誰?」
突如背後から冷たい声。
沈黙が流れる。
『(あちゃー、見つかっちゃった)』
背後に殺気を感じた檸檬。
どうやら何か武器を当てられているようだ。
仕方なく両手を上げながら、檸檬は口を開いた。
『What did you say?』
あえて英語で聞いてみる檸檬。
するとさっきと同じ声で、「誰?」と。
檸檬は少しビックリして、振り返ってみる。
と、そこには王子様フェイスの黒髪男子生徒。
当てられている武器は、トンファーだった。
『英語で聞いたのに日本語で返すなんて、随分とひねくれてるね』
そう言って檸檬はくすっと笑った。
「誰って聞いてるんだけど。」
王子様フェイスのくせに、随分とすごい殺気を放つ。
『ごめんごめん、あたしは雨宮檸檬。あなたは?』
「……雲雀恭弥」
ぶすっとしている恭弥を、檸檬は何だか可愛いなぁ、と思った。
『恭弥って呼んでいい?』
檸檬がそう聞くと、雲雀は少し目を丸くした。
「檸檬、僕のこと知らないの?」
『うん。だってあたし、来日したばっかでさー、ここで一番最初に喋ったの恭弥なんだもん』
「ふぅん」
雲雀は黙って檸檬を見つめた。
『あ、あの…』
「ところで、何でここにいるの?しかも私服で」
檸檬の言葉を遮って、雲雀が尋ねた。
『え?それはねぇ…見学?』
「何で疑問系なの」
『んー…特に目的は無かったから。ただ中学校が見えたから入ってみただけ』
「何それ」
『実はあたし、明日からここに入るんだ。転入するの!ってことで宜しくね、恭弥!』
トンファーが降ろされたワケではない。
しかし檸檬は、雲雀の殺気が和らいだのを感じた。
だから、恐れを抱く事無く笑顔で挨拶したのだ。
すると雲雀は、再び無言で檸檬を見つめた。
『あ、あのぅ……』
「何?」
『王子様フェイスで見つめられると、恥ずかしくなるんですけど』
「王子様フェイス?」
雲雀に繰り返されて、檸檬は慌てて口を押さえた。
『あはは、何でも無い!こっちの話。とにかく、無言で見つめるのはやめて欲しいわけよ、うん』
「じゃぁ、今日はもう帰って。下校時刻過ぎてるから」
『はぁい。じゃぁ、またね!』
檸檬はそのまま屋上から飛び下りた。
雲雀は無言で驚く。
だが、下を見てみると、木に捕まって体操選手のように一回転しながら着地した檸檬が見えた。
『あっ、恭弥ーっ!』
そのまま走って行くかと思いきや、くるりと振り返り呼びかける檸檬。
『また明日ーっ!』
大きく手を振った檸檬に、雲雀はそっぽを向いた。
「…変な奴」
その呟きは、夕闇の中に掠れて消えていった。
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『さーてと!』
檸檬はそのまま校庭のフェンスも飛び超えて、町中を走り出した。
荷物は背負っているリュックサックだけだった。
しかも、その半分はアメリカで稼いだ賞金の一部で埋まっている。
ちなみに残りはイタリアにある。
『♪何処かな何処かな、綱吉君っ♪』
適当な歌を歌いながら、並盛商店街を歩いていた。
しばらく歌いつつ歩いていると、「おい」と声を掛けられた。
自分ではないと思い込んでいた為に振り向かなかった檸檬。
すると…
ガシッと肩を捕まれ、引っ張られた。
『わわっ!!?』
バランスを崩し、そのまま後ろに倒れてしまった。
ポスッ、
『(あれ?痛くない)』
檸檬はそうっと目を開けた。
背中にあったかい感触がして、頭の上から明るい声が聞こえる。
「悪ぃ悪ぃ、大丈夫か?」
声が聞こえて来たのは頭の上からで、檸檬はバッと見上げる。
『(う、わぁ……)』
自分を支えてくれていたのは、爽やか少年だった。
『ごっ、ごめんなさいっ!支えてくれてありがとうございました!』
「いや、引っ張った俺が悪ぃんだし。怪我無くて良かった」
そう言って彼はニカッと笑った。
『(笑顔が眩しい…。ってか、本日はかっこいい人に出会い過ぎだよ…)』
背の高い彼を、檸檬はボーッと見上げた。
『とっ、ところで、どうしてあたしを?』
「あぁ、ツナの名前呼んでたから。」
『ツナ?……もしかして沢田綱吉さんのお友達!?』
「まぁな」
自分はとっても運がいい、そう檸檬は思った。
沢田綱吉さんの友だちなら、きっと住所を知っているハズだ。
『あのっ、あたし雨宮檸檬って言うの!あなたは!?』
「俺は山本武」
『あたし、ツナさんを探してるんだけど……』
「どーしてか、聞いてもいーか?」
『えーっと……』
何と言おうか迷ったが、やはり正直に。
『ボンゴレ10代目の護衛で!』
「ハハハッ!そっか、檸檬もなのかぁ!」
『(あたし、も……??)』
「いーぜっ♪そーゆー事なら」
そう言って彼はさらさらとメモに地図を描いてくれた。
「ほいっ。ホントは案内してーんだけど、今日は忙しくてな」
『ううん!ありがとうっ!あのね、あたし明日並盛中学に転入するんだ。だから、宜しくね!!』
去りゆく山本に檸檬は笑顔で手を振る。
夕焼けのせいか、山本の顔は少し赤いように見えた。
『よしっ!』
山本が書いてくれた地図を見ながら、檸檬は走り出した。
目指すは沢田家のツナ君!!