日常編
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早朝。
並盛商店街。
「今日あたり、満開だな。いい花見になりそーじゃねーか」
「まだ早朝ですし、最高の場所をゲット出来ますよ!」
「う…うん」
ツナ、獄寺、山本の3人は、花見の場所を取りに公園へと向かっていた。
事の始まりは数十分前。
ツナが朝起きると、ビアンキが毒々しいお弁当を作っていた。
「花見は絶好の場所を取る為、陣取りになるんでしょ?望む所よ!!」
「だめだめだめ!!花見はもっと楽しい行事なんだから!!そんな血生臭い!」
「そこまで言うならツナが責任を持っていい場所を取れるのね?」
「な、何言ってんの~~~!?」
すると、何処からかリボーンが現れて、「獄寺と山本にも連絡入れといたから頑張れよ。」と。
更にビアンキが、「変な場所だったら、殺すわよ。」と付け足した。
「(めちゃくちゃだもんな…)」
ツナが思い出してため息を付いているうちに、一行は公園に着いた。
「お」
「!」
公園にはまだ、誰もいなかった。
「おー!ラッキー!!」
「一番乗りだ!」
「これで殺されなくて済んだ~」
喜ぶ3人の後ろから、聞き慣れない声がした。
「ここは立ち入り禁止だ。この桜並木一体の花見場所は、全て占領済みだ。出てけ。」
「(不良だ~~っ)」
怖がるツナ。
「ああ?」
睨む獄寺。
「おいおい、そりゃズリーぜ。私有地じゃねーんだしさー」
交渉する山本。
だが、「誰も話し合おうなんて言っちゃいねーんだよ。出てかねーとしばくぞ。」と指を鳴らす不良。
「ひいいい!!」
またまた怯えるツナ。
しかし…
「るせ」
「はがっ!」
獄寺が1発で倒してしまった。
ドサッと倒れる不良。
と、そこに…
「何やら騒がしいと思えば君達か」
桜の花びらが舞う中、同じ風に学ランを揺らしてその人物は立っていた。
「雲雀さん!!」
気が付けば、先程獄寺が倒した不良は並盛中の風紀委員。
「僕は群れる人間を見ずに桜を楽しみたいからね。彼に追い払って貰っていたんだ」
「(また無茶言ってるーーー!!)」
「でも君は役に立たないね。後はいいよ、自分でやるから」
「い…委員長」
「弱虫は、土に帰れよ」
雲雀のトンファーが振り回れた。
「がはっ!」
「仲間を!!」
「見ての通り、僕は人の上に立つのが苦手なようでね。屍の上に立ってる方が落ち着くよ」
思わずゾッとする3人。
と、その時…
『恭弥ーっ!!お弁当買って来たよーっ!』
知っている声が。
風より速く走って、雲雀の右手側でブレーキを利かせたのは、檸檬だった。
「おかえり、檸檬」
『たっだいま♪』
ちゅ、
「作ってきたんじゃないの?」
『だってさー、キッチンがビア姉さんに占領されてて…ってあれ!?ツナ!隼人!武!みんな何してんの!!?よく此処に入れたね!』
「檸檬こそ…何してんの?」
恐る恐る聞くツナ。
『恭弥とお花見っ!』
と、笑顔で答える檸檬。
「そーゆーワケだから、君達もココから立ち去ってくれる?」
『え~っ、一緒にやろうよぉ』
「檸檬、僕に対する嫌がらせ?」
『ちょっとぐらいいいじゃん!』
「やだ」
雲雀が我が儘な為、ぷくっと膨れる檸檬。
それを見て、その場に入る全員の心が一致する。
「「「「(可愛い…)」」」」
『ってか恭弥、また風紀の人痛めつけたの??酷いなぁ、もう』
檸檬は、雲雀の足下に転がっている風紀委員を見る。
『可哀想、我が儘委員長のせいで』
「檸檬、喧嘩売ってるの?」
『え?そんな事ないかもっ』
悪戯に笑う檸檬。
「彼が弱いからいけないんだよ」
『そんな事ないって。ツナ達が強かったんだよねー』
ツナ達の方を向いて、同意を求める檸檬。
それを見た雲雀は当然不機嫌になる。
「(やっぱりこいつら…咬み殺そう)」
雲雀がそう思ったその時。
「いやー、絶景!絶景!花見ってのはいいねーー♪」
そう言いながら桜の木の後ろから現れたのは…
「Dr.シャマル!」
『シャマルさん!おはようございますっ!』
「おー、檸檬ちゃん、今日もかわいーねー」
酒の瓶を持って、酔っぱらっているシャマル。
檸檬は一歩引いた。
「まだいやがったのか!!このやぶ医者、変態!スケコマシ!」
怒鳴る獄寺をツナがなだめる。
「俺が呼んだんだ」
「『リボーン!』」
花咲か爺さん的なコスプレをしているリボーン。
「赤ん坊、会えて嬉しいよ」
「俺達も花見がしてーんだ。どーだ雲雀、花見の場所と檸檬を賭けてツナが勝負すると言ってるぞ」
「なっ、何で俺の名前出してんだよー!!」
青ざめて叫ぶツナ。
『何であたし??』
頭の上に疑問符を浮かべる檸檬。
「ゲーム………いいよ。どーせみんな潰すつもりだったしね。じゃぁ君達3人とそれぞれサシで勝負しよう。お互い膝を付いたら負けだ」
『ちょっ、恭弥!何で!?みんなでお花見すればいいのに』
「僕は嫌だ」
『(この…我が儘王子っ!)』
「何か言った?」
『べっ、別にっ!』
「ってか、それって喧嘩ーっ!!?」
「やりましょう10代目。いや、やらせて下さい!」
「一応ルールあるし、花見してーしな」
「みんなやる気なのーー!?」
「心配すんな。その為に医者も呼んである」
「あの人女しか診ないんだろ!!」
ツナがリボーンに突っ込んでいる間に、シャマルは雲雀に話し掛ける。
「おめーが暴れん坊主か。お前、ねーちゃんいる?」
「消えろ」
雲雀のトンファーが回された。
『シャマルさん!!』
心配なのだが、酒臭いのが苦手で近寄れない檸檬。
『恭弥!シャマルさんに酷いことしないで…』
「別にいいでしょ。(あんなのまで心配するなんて、どこまでお人好しなんだろう)」
「(ってか、医者いなくなったーーー!!)」
唖然とするツナに獄寺が言った。
「10代目、俺が最高の花見場所をゲットしてみせますよ!」
「えっ、でも獄寺君、相手は…」
「まぁ、見てろ。」
獄寺を止めようとするツナに、リボーンが言う。
「え?」
獄寺と雲雀のバトルが始まった。
『恭弥ー、隼人ー、頑張れーっ!!』
「どっち応援してんの!?」
思わずツッコミを入れてしまうツナに、檸檬は笑顔で答える。
『どっちも♪』
「(えー…)」
「ははは!」
「てめーだけは、ぶっとばす!!」
雲雀に向かっていく獄寺。
「いつも真直ぐだね、わかりやすい」
『(そうなんだよねー、隼人ってそうなんだよ)』
ところが、真直ぐ振り下ろされたトンファーを、獄寺はかわした。
『あっ、』
上手く後ろにすり抜けて、ダイナマイトを雲雀の所に残す。
「果てな」
ドガアン…
「え"え"っ!マジで雲雀さんを!!」
「あの柔軟性とスピードは、強化プログラムで身に付けたものだぞ」
「(こじつけくせーっ!)」
『……甘いね、隼人。まだだよ♪』
「え?」
檸檬の言葉に驚くツナ。
すると、煙の中から声がした。
「で…………?続きはないの?」
『さっすが恭弥!』
はしゃぐ檸檬に対し、焦る獄寺。
「トンファーで爆風を!?」
今度は雲雀が攻め寄る。
「2度と花見を出来なくしてあげよう」
その攻撃を避ける時、獄寺は膝を付いてしまった。
『あーあ』
だが、雲雀は攻撃をやめようとはしない。
『恭弥!?』
「ああ!」
キイン、
「次、俺な」
「山本!!」
『武~っ!(カッコいいっ!)』
攻撃を邪魔されて、少し不機嫌になる雲雀。
「ってか、山本のバット~~~!?何物騒なもん渡してんだよ!!」
『へぇ~、アレが武の武器なんだぁ』
いつか覗いたバット型の望遠鏡が刀になるのを、檸檬は初めて見たのだ。
「これならやり合えそーだな」
ニッと笑う山本。
雲雀との攻防が始まる。
「ふぅん……どーかな?」
キキンッという金属音が鳴り渡る中、雲雀は言う。
「僕の武器には、まだ秘密があってね」
「秘密…!?」
刀とトンファーが重なったその時、トンファーから仕込み鉤が現れ、山本の刀を捉えた。
「(仕込み鉤!!!)」
「うそー!!何あれ!!何か出たー!!!」
『恭弥のトンファーって、結構色々仕掛けがあるんだよ。だから触らせてくれないの』
「(触らせてって頼んだの~~!!?)」
ともあれ、刀を動かせなくなってしまった山本は、そのまま地面に叩き付けられた。
「くっそー、またかよ」
「山本!」
『次は、ツナ?』
「そーだぞ」
「ええー!?俺は無理だよ!何にも強くなってねーし!」
「んな事ねーぞ。さっさと暴れて来い」
「ちょっ、待てよ!!」
ツナの言葉はまるで無視。
リボーンは死ぬ気弾を撃った。
ズガン!
「復活!!!死ぬ気で雲雀を倒す!!」
ツナはレオンを呼んだ。
レオンはハタキとなってツナの元へ。
「はたき…!?」
「し…しぶい!」
『(しぶいとかそーゆー問題じゃ無いような気がする…)』
はたきとトンファーがぶつかり合う。
その度に、雲雀の頭にはたきの先っぽが当たる。
『(何か……ちょっと可愛いかも♪)』
「君は変わってるね。強かったり、弱かったり。よく分からないから、殺してしまおう」
「だぁ!!」
「すげー」
「互角だ…!」
だが、
死ぬ気タイムと言うものには終わりがあるので、
シュウウウ…
「い"!?わっ、ちょっ、待って!ひいっ!」
『(あれ?)』
ツナにトンファーは降り掛かって来なかった。
「……い"っ!!!」
雲雀は膝を付いていたのだ。
自分でも何が起こったか分からないようだった。
『恭弥!?』
檸檬は慌てて駆け寄る。
「うそっ!?俺がやったの~~!?」
混乱するツナ。
「違うぞ。ヤツの仕業だぞ」
「!?」
リボーンが指差した先にいたのは…
「Dr.シャマル!」
どうやら、殴られた瞬間にトライデントモスキートを発動させたらしい。
『(やっぱりシャマルさんって、すごい!!)』
「わりーけど、超えて来た死線の数がちがうのよ。ちなみに、こいつにかけた病気は桜に囲まれると立っていられない、“桜クラ病”つってな」
「(またヘンテコな病気だー…)」
雲雀は檸檬に支えられながら立ち上がる。
「雲雀さん!」
「………約束は約束だ。せいぜい桜を楽しむがいいさ。檸檬、君もそっちに行っていいよ」
『恭弥……ありがとうっ!』
ちゅ、
檸檬は思いっきり雲雀に抱きついた。
『でもさ、ちょっと心配だから、公園の入口まで恭弥のこと見送る』
にっこりと笑う檸檬に、雲雀は少しだけ赤面した。
『じゃぁツナ、後で行くから』
「う、うん」
檸檬と雲雀は公園の入口へと向かった。
「これで花見出来るな」
「10代目の手柄ッスよ!ぜってー、シャマルじゃねぇ!」
「(とりあえず、これでビアンキに殺されなくて済むや)」
ホッとしたツナの元に、京子、ハル、奈々、ランボ、イーピン、ビアンキがやって来た。
「ツナさーん!」
「みんな!!」
満開の桜に感動する京子とハル。
「わー、特等席じゃないですかー」
「よくこんな場所とれたねー!!」
「あなたたち、えらいわ!」
奈々ママンも誉める。
「え…あ、うん」
「見直したわ、ツナ。これ、お礼よ」
ビアンキが差し出したものは…
「それ今朝のポイズンクッキングだろ!!」
毒々しい煙が出た、お弁当。
「感謝の気持ちがこもってるから大丈夫よ」
「いらないってーー!」
ビアンキがツナを追い回す中、獄寺は少し顔を青くしていた。
======================
その頃。
『恭弥、大丈夫?』
「平気だよ」
少し足下がふらついてる雲雀と、その腕を掴んで支える檸檬。
『入口までもう少しだからね』
「大丈夫だってば」
『(そんな強がる事ないのに…)』
檸檬は少しだけ口を尖らせた。
『でもさぁ、ツナ達ちょっと強くなってなかった?』
「…………さぁ?」
『戦った本人なら分かるでしょ?』
檸檬は雲雀の顔を覗き込む。
「………前よりは。でも、まだまだ弱いよ」
『やっぱり!』
檸檬は嬉しそうに笑った。
「檸檬は本当に、あいつらが好きなんだね」
『うんっ!あ、でも、恭弥のことも大好きだよ♪』
少し赤くなりつつそう言う檸檬。
その意味が分かっていながら、雲雀も少し赤くなる。
「檸檬、」
『なぁに?』
「今度は、2人で花見するからね」
『あ、もう決定なんだ(我が儘王子め)』
「するからね」
『はーいっ!』
でもいつか、みんなで一緒に花見をしたい。
そう思った檸檬なのでした。
並盛商店街。
「今日あたり、満開だな。いい花見になりそーじゃねーか」
「まだ早朝ですし、最高の場所をゲット出来ますよ!」
「う…うん」
ツナ、獄寺、山本の3人は、花見の場所を取りに公園へと向かっていた。
事の始まりは数十分前。
ツナが朝起きると、ビアンキが毒々しいお弁当を作っていた。
「花見は絶好の場所を取る為、陣取りになるんでしょ?望む所よ!!」
「だめだめだめ!!花見はもっと楽しい行事なんだから!!そんな血生臭い!」
「そこまで言うならツナが責任を持っていい場所を取れるのね?」
「な、何言ってんの~~~!?」
すると、何処からかリボーンが現れて、「獄寺と山本にも連絡入れといたから頑張れよ。」と。
更にビアンキが、「変な場所だったら、殺すわよ。」と付け足した。
「(めちゃくちゃだもんな…)」
ツナが思い出してため息を付いているうちに、一行は公園に着いた。
「お」
「!」
公園にはまだ、誰もいなかった。
「おー!ラッキー!!」
「一番乗りだ!」
「これで殺されなくて済んだ~」
喜ぶ3人の後ろから、聞き慣れない声がした。
「ここは立ち入り禁止だ。この桜並木一体の花見場所は、全て占領済みだ。出てけ。」
「(不良だ~~っ)」
怖がるツナ。
「ああ?」
睨む獄寺。
「おいおい、そりゃズリーぜ。私有地じゃねーんだしさー」
交渉する山本。
だが、「誰も話し合おうなんて言っちゃいねーんだよ。出てかねーとしばくぞ。」と指を鳴らす不良。
「ひいいい!!」
またまた怯えるツナ。
しかし…
「るせ」
「はがっ!」
獄寺が1発で倒してしまった。
ドサッと倒れる不良。
と、そこに…
「何やら騒がしいと思えば君達か」
桜の花びらが舞う中、同じ風に学ランを揺らしてその人物は立っていた。
「雲雀さん!!」
気が付けば、先程獄寺が倒した不良は並盛中の風紀委員。
「僕は群れる人間を見ずに桜を楽しみたいからね。彼に追い払って貰っていたんだ」
「(また無茶言ってるーーー!!)」
「でも君は役に立たないね。後はいいよ、自分でやるから」
「い…委員長」
「弱虫は、土に帰れよ」
雲雀のトンファーが振り回れた。
「がはっ!」
「仲間を!!」
「見ての通り、僕は人の上に立つのが苦手なようでね。屍の上に立ってる方が落ち着くよ」
思わずゾッとする3人。
と、その時…
『恭弥ーっ!!お弁当買って来たよーっ!』
知っている声が。
風より速く走って、雲雀の右手側でブレーキを利かせたのは、檸檬だった。
「おかえり、檸檬」
『たっだいま♪』
ちゅ、
「作ってきたんじゃないの?」
『だってさー、キッチンがビア姉さんに占領されてて…ってあれ!?ツナ!隼人!武!みんな何してんの!!?よく此処に入れたね!』
「檸檬こそ…何してんの?」
恐る恐る聞くツナ。
『恭弥とお花見っ!』
と、笑顔で答える檸檬。
「そーゆーワケだから、君達もココから立ち去ってくれる?」
『え~っ、一緒にやろうよぉ』
「檸檬、僕に対する嫌がらせ?」
『ちょっとぐらいいいじゃん!』
「やだ」
雲雀が我が儘な為、ぷくっと膨れる檸檬。
それを見て、その場に入る全員の心が一致する。
「「「「(可愛い…)」」」」
『ってか恭弥、また風紀の人痛めつけたの??酷いなぁ、もう』
檸檬は、雲雀の足下に転がっている風紀委員を見る。
『可哀想、我が儘委員長のせいで』
「檸檬、喧嘩売ってるの?」
『え?そんな事ないかもっ』
悪戯に笑う檸檬。
「彼が弱いからいけないんだよ」
『そんな事ないって。ツナ達が強かったんだよねー』
ツナ達の方を向いて、同意を求める檸檬。
それを見た雲雀は当然不機嫌になる。
「(やっぱりこいつら…咬み殺そう)」
雲雀がそう思ったその時。
「いやー、絶景!絶景!花見ってのはいいねーー♪」
そう言いながら桜の木の後ろから現れたのは…
「Dr.シャマル!」
『シャマルさん!おはようございますっ!』
「おー、檸檬ちゃん、今日もかわいーねー」
酒の瓶を持って、酔っぱらっているシャマル。
檸檬は一歩引いた。
「まだいやがったのか!!このやぶ医者、変態!スケコマシ!」
怒鳴る獄寺をツナがなだめる。
「俺が呼んだんだ」
「『リボーン!』」
花咲か爺さん的なコスプレをしているリボーン。
「赤ん坊、会えて嬉しいよ」
「俺達も花見がしてーんだ。どーだ雲雀、花見の場所と檸檬を賭けてツナが勝負すると言ってるぞ」
「なっ、何で俺の名前出してんだよー!!」
青ざめて叫ぶツナ。
『何であたし??』
頭の上に疑問符を浮かべる檸檬。
「ゲーム………いいよ。どーせみんな潰すつもりだったしね。じゃぁ君達3人とそれぞれサシで勝負しよう。お互い膝を付いたら負けだ」
『ちょっ、恭弥!何で!?みんなでお花見すればいいのに』
「僕は嫌だ」
『(この…我が儘王子っ!)』
「何か言った?」
『べっ、別にっ!』
「ってか、それって喧嘩ーっ!!?」
「やりましょう10代目。いや、やらせて下さい!」
「一応ルールあるし、花見してーしな」
「みんなやる気なのーー!?」
「心配すんな。その為に医者も呼んである」
「あの人女しか診ないんだろ!!」
ツナがリボーンに突っ込んでいる間に、シャマルは雲雀に話し掛ける。
「おめーが暴れん坊主か。お前、ねーちゃんいる?」
「消えろ」
雲雀のトンファーが回された。
『シャマルさん!!』
心配なのだが、酒臭いのが苦手で近寄れない檸檬。
『恭弥!シャマルさんに酷いことしないで…』
「別にいいでしょ。(あんなのまで心配するなんて、どこまでお人好しなんだろう)」
「(ってか、医者いなくなったーーー!!)」
唖然とするツナに獄寺が言った。
「10代目、俺が最高の花見場所をゲットしてみせますよ!」
「えっ、でも獄寺君、相手は…」
「まぁ、見てろ。」
獄寺を止めようとするツナに、リボーンが言う。
「え?」
獄寺と雲雀のバトルが始まった。
『恭弥ー、隼人ー、頑張れーっ!!』
「どっち応援してんの!?」
思わずツッコミを入れてしまうツナに、檸檬は笑顔で答える。
『どっちも♪』
「(えー…)」
「ははは!」
「てめーだけは、ぶっとばす!!」
雲雀に向かっていく獄寺。
「いつも真直ぐだね、わかりやすい」
『(そうなんだよねー、隼人ってそうなんだよ)』
ところが、真直ぐ振り下ろされたトンファーを、獄寺はかわした。
『あっ、』
上手く後ろにすり抜けて、ダイナマイトを雲雀の所に残す。
「果てな」
ドガアン…
「え"え"っ!マジで雲雀さんを!!」
「あの柔軟性とスピードは、強化プログラムで身に付けたものだぞ」
「(こじつけくせーっ!)」
『……甘いね、隼人。まだだよ♪』
「え?」
檸檬の言葉に驚くツナ。
すると、煙の中から声がした。
「で…………?続きはないの?」
『さっすが恭弥!』
はしゃぐ檸檬に対し、焦る獄寺。
「トンファーで爆風を!?」
今度は雲雀が攻め寄る。
「2度と花見を出来なくしてあげよう」
その攻撃を避ける時、獄寺は膝を付いてしまった。
『あーあ』
だが、雲雀は攻撃をやめようとはしない。
『恭弥!?』
「ああ!」
キイン、
「次、俺な」
「山本!!」
『武~っ!(カッコいいっ!)』
攻撃を邪魔されて、少し不機嫌になる雲雀。
「ってか、山本のバット~~~!?何物騒なもん渡してんだよ!!」
『へぇ~、アレが武の武器なんだぁ』
いつか覗いたバット型の望遠鏡が刀になるのを、檸檬は初めて見たのだ。
「これならやり合えそーだな」
ニッと笑う山本。
雲雀との攻防が始まる。
「ふぅん……どーかな?」
キキンッという金属音が鳴り渡る中、雲雀は言う。
「僕の武器には、まだ秘密があってね」
「秘密…!?」
刀とトンファーが重なったその時、トンファーから仕込み鉤が現れ、山本の刀を捉えた。
「(仕込み鉤!!!)」
「うそー!!何あれ!!何か出たー!!!」
『恭弥のトンファーって、結構色々仕掛けがあるんだよ。だから触らせてくれないの』
「(触らせてって頼んだの~~!!?)」
ともあれ、刀を動かせなくなってしまった山本は、そのまま地面に叩き付けられた。
「くっそー、またかよ」
「山本!」
『次は、ツナ?』
「そーだぞ」
「ええー!?俺は無理だよ!何にも強くなってねーし!」
「んな事ねーぞ。さっさと暴れて来い」
「ちょっ、待てよ!!」
ツナの言葉はまるで無視。
リボーンは死ぬ気弾を撃った。
ズガン!
「復活!!!死ぬ気で雲雀を倒す!!」
ツナはレオンを呼んだ。
レオンはハタキとなってツナの元へ。
「はたき…!?」
「し…しぶい!」
『(しぶいとかそーゆー問題じゃ無いような気がする…)』
はたきとトンファーがぶつかり合う。
その度に、雲雀の頭にはたきの先っぽが当たる。
『(何か……ちょっと可愛いかも♪)』
「君は変わってるね。強かったり、弱かったり。よく分からないから、殺してしまおう」
「だぁ!!」
「すげー」
「互角だ…!」
だが、
死ぬ気タイムと言うものには終わりがあるので、
シュウウウ…
「い"!?わっ、ちょっ、待って!ひいっ!」
『(あれ?)』
ツナにトンファーは降り掛かって来なかった。
「……い"っ!!!」
雲雀は膝を付いていたのだ。
自分でも何が起こったか分からないようだった。
『恭弥!?』
檸檬は慌てて駆け寄る。
「うそっ!?俺がやったの~~!?」
混乱するツナ。
「違うぞ。ヤツの仕業だぞ」
「!?」
リボーンが指差した先にいたのは…
「Dr.シャマル!」
どうやら、殴られた瞬間にトライデントモスキートを発動させたらしい。
『(やっぱりシャマルさんって、すごい!!)』
「わりーけど、超えて来た死線の数がちがうのよ。ちなみに、こいつにかけた病気は桜に囲まれると立っていられない、“桜クラ病”つってな」
「(またヘンテコな病気だー…)」
雲雀は檸檬に支えられながら立ち上がる。
「雲雀さん!」
「………約束は約束だ。せいぜい桜を楽しむがいいさ。檸檬、君もそっちに行っていいよ」
『恭弥……ありがとうっ!』
ちゅ、
檸檬は思いっきり雲雀に抱きついた。
『でもさ、ちょっと心配だから、公園の入口まで恭弥のこと見送る』
にっこりと笑う檸檬に、雲雀は少しだけ赤面した。
『じゃぁツナ、後で行くから』
「う、うん」
檸檬と雲雀は公園の入口へと向かった。
「これで花見出来るな」
「10代目の手柄ッスよ!ぜってー、シャマルじゃねぇ!」
「(とりあえず、これでビアンキに殺されなくて済むや)」
ホッとしたツナの元に、京子、ハル、奈々、ランボ、イーピン、ビアンキがやって来た。
「ツナさーん!」
「みんな!!」
満開の桜に感動する京子とハル。
「わー、特等席じゃないですかー」
「よくこんな場所とれたねー!!」
「あなたたち、えらいわ!」
奈々ママンも誉める。
「え…あ、うん」
「見直したわ、ツナ。これ、お礼よ」
ビアンキが差し出したものは…
「それ今朝のポイズンクッキングだろ!!」
毒々しい煙が出た、お弁当。
「感謝の気持ちがこもってるから大丈夫よ」
「いらないってーー!」
ビアンキがツナを追い回す中、獄寺は少し顔を青くしていた。
======================
その頃。
『恭弥、大丈夫?』
「平気だよ」
少し足下がふらついてる雲雀と、その腕を掴んで支える檸檬。
『入口までもう少しだからね』
「大丈夫だってば」
『(そんな強がる事ないのに…)』
檸檬は少しだけ口を尖らせた。
『でもさぁ、ツナ達ちょっと強くなってなかった?』
「…………さぁ?」
『戦った本人なら分かるでしょ?』
檸檬は雲雀の顔を覗き込む。
「………前よりは。でも、まだまだ弱いよ」
『やっぱり!』
檸檬は嬉しそうに笑った。
「檸檬は本当に、あいつらが好きなんだね」
『うんっ!あ、でも、恭弥のことも大好きだよ♪』
少し赤くなりつつそう言う檸檬。
その意味が分かっていながら、雲雀も少し赤くなる。
「檸檬、」
『なぁに?』
「今度は、2人で花見するからね」
『あ、もう決定なんだ(我が儘王子め)』
「するからね」
『はーいっ!』
でもいつか、みんなで一緒に花見をしたい。
そう思った檸檬なのでした。