番外編
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大人クローム
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いつまでも骸様を救えないままで、
牢獄から脱出させられないままで、
犬と千種にも時々しか会えなくて、
目から溢れるこの液体は、
限りないものだと、
止めどないものだと、
そう、感じていた。
『髑髏…?』
「あ、」
『やっぱり髑髏だ!良かった、見つかって。』
「檸檬、さん…?」
『守護者に伝達しなくちゃいけないことがあって…だけど髑髏だけどーっっしても捕まらなかったから、』
あたしが居場所特定して飛んで来たんだ、
そう、檸檬さんは言った。
「ボスから…?」
『うん。でも……その前に、』
「?」
一度は取り出した書類を鞄にしまって、檸檬さんは私の頭に手を乗せた。
人の手の平の温かさが久しぶり過ぎて、ぼんやりと視界が滲んで来る。
また、いつもの液体。
『ずっと、泣いてた?』
返事をしたいけど、声が出ない。
首を動かすにも、溢れ出してしまいそうで。
『……そっか。』
何も答えなかった私。
なのに檸檬さんは、怒らなかった。
柔らかく笑って、私を見つめた。
この液体は、止まる事を知らない。
この液体は、流れる事しか知らない。
私は、コレを止める術を知らない。
私は、ひたすら流すしか出来ない。
「檸檬、さん………私、」
『うん、』
「私………、無力。」
やっと言葉が見つかって、そのまま口から出した。
この液体が、流れる理由。
私がコレを、止められない理由。
『……髑髏、』
溢れ出すソレを止めないままの私に、檸檬さんは言った。
『あたしも、ツナ達も、そんな風に思ってないよ。髑髏は、あたし達にとって唯一の存在なの。』
「唯一…?」
『骸と直接コンタクトが取れるのは髑髏だけ、守護者の中で女の子同士の話が出来るのは髑髏だけ。』
「……でも、」
『だから忘れないで。自分で自分にどんな評価をくだそうと、周りは必要としてるって事。』
そう言った後、檸檬さんは書類を渡して去ってしまった。
その姿は、まるで何かから逃げているような感じで。
さっきの言葉も、まるで自分に言ってるかのようで。
「………あ、」
気付いた。
私の涙はもう、止まってた。
でも、その時の私は知らなかった。
檸檬さんも私と同じように、
自分を無力だと嘆く日々を送っていた、と。
fin.
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いつまでも骸様を救えないままで、
牢獄から脱出させられないままで、
犬と千種にも時々しか会えなくて、
目から溢れるこの液体は、
限りないものだと、
止めどないものだと、
そう、感じていた。
『髑髏…?』
「あ、」
『やっぱり髑髏だ!良かった、見つかって。』
「檸檬、さん…?」
『守護者に伝達しなくちゃいけないことがあって…だけど髑髏だけどーっっしても捕まらなかったから、』
あたしが居場所特定して飛んで来たんだ、
そう、檸檬さんは言った。
「ボスから…?」
『うん。でも……その前に、』
「?」
一度は取り出した書類を鞄にしまって、檸檬さんは私の頭に手を乗せた。
人の手の平の温かさが久しぶり過ぎて、ぼんやりと視界が滲んで来る。
また、いつもの液体。
『ずっと、泣いてた?』
返事をしたいけど、声が出ない。
首を動かすにも、溢れ出してしまいそうで。
『……そっか。』
何も答えなかった私。
なのに檸檬さんは、怒らなかった。
柔らかく笑って、私を見つめた。
この液体は、止まる事を知らない。
この液体は、流れる事しか知らない。
私は、コレを止める術を知らない。
私は、ひたすら流すしか出来ない。
「檸檬、さん………私、」
『うん、』
「私………、無力。」
やっと言葉が見つかって、そのまま口から出した。
この液体が、流れる理由。
私がコレを、止められない理由。
『……髑髏、』
溢れ出すソレを止めないままの私に、檸檬さんは言った。
『あたしも、ツナ達も、そんな風に思ってないよ。髑髏は、あたし達にとって唯一の存在なの。』
「唯一…?」
『骸と直接コンタクトが取れるのは髑髏だけ、守護者の中で女の子同士の話が出来るのは髑髏だけ。』
「……でも、」
『だから忘れないで。自分で自分にどんな評価をくだそうと、周りは必要としてるって事。』
そう言った後、檸檬さんは書類を渡して去ってしまった。
その姿は、まるで何かから逃げているような感じで。
さっきの言葉も、まるで自分に言ってるかのようで。
「………あ、」
気付いた。
私の涙はもう、止まってた。
でも、その時の私は知らなかった。
檸檬さんも私と同じように、
自分を無力だと嘆く日々を送っていた、と。
fin.
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