未来編序章
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リズムが、動き出す。
音楽が、響き始める。
曲が、一斉に奏でられる。
2VS5
「何故?」
不意に蜜柑が聞いた。
「姉さん、私の銃に何かした?姉さんを殺してピッタリ無くなるはずだったのに。」
『やっぱり、ね。』
あたしは予想が適中して、思わず口角を上げた。
『IQ200の蜜柑なら、そうすると思ってた。だから、お祈りしてる間に………』
そう言ってポケットを探る。
手の平に握って、蜜柑に見せたのは、
1つの銃弾------
『抜いておいたの、1発だけね♪』
それを見た蜜柑は、驚愕の表情を作り出した。
そして、少し肩を震えさせる。
「………から…」
『?』
「だから嫌いなのよ!!」
檸檬を睨む蜜柑に、ツナが一歩後退りした。
「自分が一枚上手だって知らしめて、満足かしら?」
『あたしは……ただ、蜜柑を信じきれていなかっただけ。』
俯きながら言うと、蜜柑は更に強くあたしを睨んだ。
あたしは構わずもう一言付け足す。
『人を簡単に信じるなって、アメリカの生活で学んだから。』
「フッ………ハハハハハハ!!!」
大声で笑ったのは、蜜柑の隣に立っていたお父さん。
さんざん笑ってから、懐から何か取り出して蜜柑に渡した。
「何だありゃ。………ベルト?」
「ただのベルトじゃねぇ……銃弾が………!」
蜜柑専用のベルトらしい。
銃弾がたくさん備わっているようだった。
「準備はいいか?」
「えぇ。ありがとう、パパ。」
蜜柑はベルトを装着し、お父さんはあたしを真直ぐ見つめて構えた。
「始めようか。せいぜいいい音楽を奏でてくれよ。」
『こっちの台詞よ。』
撃たれた箇所の血管を収縮させ、出血を軽減させる。
そして、ぐっとナイフを握りしめた。
「『Listen to my music!』」
悔しいけど、やっぱり同じ戦い方。
悔しいけど、やっぱりあたしのリズムはかき消される。
『(動き、読まれ過ぎっ…!!)』
俊足で動いたって先回りされてるし。
どんだけ不利なのよ、まったく。
「檸檬っ!!」
援護しようとする隼人と武を足止めするのは、
蜜柑の銃弾。
「邪魔はさせないわ。」
「こっちの台詞だよ。」
銃を構える蜜柑の背後に、雲雀が回り込んでいた。
蜜柑は素早くトンファーを避けて間合いを取る。
「あら、重症なんじゃないの?」
「関係ないね。」
蜜柑は鼻で笑い、雲雀は鋭い眼光を放った。
一方では、
「こんなものか?檸檬。」
『…っるさいなぁ!!』
兜の攻撃を、辛うじて避け続けている檸檬。
しかし、やはりいつかは完全に追い付かれ。
ドガッ、
『つっ…!』
蹴飛ばされる檸檬。
壁に激突しそうになったその時、
「危ねぇっ!」
山本が檸檬を受け止めて、
「果てろ!」
獄寺が煙幕とボムを投げた。
「大丈夫か?檸檬。」
『あ、ありがと武……』
その時、ほんの少し檸檬の顔に戸惑いの色が見えたのは、
十中八九罪悪感からであろう。
しかし、山本は笑顔で言った。
「俺と獄寺でバッチリ援護すっから、絶対勝とうな!」
「ったりめーだ!」
獄寺が続ける。
「奴を倒してーんだろ!?ここで終わらせて、帰って来てもらうからな!!」
目を丸くし、口を小さく開ける檸檬。
しかし、すぐに微笑んで。
『ありがとうっ♪頑張るね!』
と、その時。
『……!!2人とも、左右に散らばって!!』
煙幕の中から飛び出てきた拳。
「あんだけのボムを浴びて……!!」
「浴びてない。お前がどのタイミングで投げて来るかは、手に取るように分かっていた。」
「ちっ……!」
『(やっぱね……)』
無傷のまま、兜が現れた。
その攻撃はやはり檸檬を狙っている。
「死ね、檸檬。」
『イヤよ!!』
どんなに、
どんなにつらくても、
苦しくても、痛くても、哀しくても、
生きるって決めた。
例えこの幸せが幻想だって分かっても、
夢を見ているだけだとしても、
生きるって決めたんだ。
「檸檬………やはりすぐに殺すべきだった。」
『でしょーね。』
檸檬、獄寺、山本はそれぞれ3方向に別れて駆け出した。
真正面から突っ込む檸檬のナイフが、細い線のような傷を兜に作る。
山本は徐々に息を潜め、獄寺は再び煙幕を放った。
煙幕で何も見えない中、山本も檸檬も目を瞑る。
多分、兜も目を閉じてリズムを感じ取っているのだろう。
初めに仕掛けたのは、檸檬達だった。
兜の背後に誰かが忍び寄る。
「(このリズム………刀の奴か…)」
返り打ちにしようと先回りした瞬間、聞こえるリズムが変わる。
「なに?!」
『(時雨蒼燕流、攻式5の型----)』
まねるだけでいいの。
あたしは囮。
武の攻撃が当たればいい。
『(-----五月雨!!)』
なるべく武になりきって、呼吸とリズムをまねる。
お父さんが、あたしを武だと解釈する、
ほんの一瞬、
ほんの一瞬だけでいい!!
「この雑魚が!!」
『武っ!』
お父さんがあたしの五月雨をかわす動きは、武にだって読める。
時雨蒼燕流の使い手だから。
「(時雨蒼燕流、攻式8の型----)」
構える武に反応しようとするお父さんの動きを、
あたしが一瞬抑える。
『(行けっ!!)』
「(-----篠付く雨!!!)」
ザシュッ、
「ぐっ……!」
『(当たった!!)』
煙幕が徐々に晴れて、隼人がボムを投げる。
武の攻撃に気を取られていたお父さんは、ほんの少し避けるのが遅くなった。
そして、
血が少し滴り落ちたのが見えた。
「パパっ!?」
「よそ見してていいの?」
ヒュンッ、
振り回されるトンファーをかわして、蜜柑は銃を撃つ。
「そっちこそ、傷、痛むんじゃない?」
「黙れ。」
蜜柑の二丁拳銃は、本当に正確なトコをついて来る。
雲雀もトンファーで弾いていく。
「じゃあ、早く終わらせてあげる。」
次の瞬間、蜜柑はトップスピードで雲雀の後ろに回り込み、頭と脚に銃を向けた。
「避けられる?」
至近距離だったのもあり、2つを同時にかわすのはほぼ不可能。
雲雀はほんの少し表情を歪めた。
鼻で笑い飛ばして、蜜柑は引き金を引く。
が、
ボウッ、
ジュジュッ、
「なっ!!?」
次の瞬間、雲雀と蜜柑の間に炎の壁が出来上がり、銃弾を溶かした。
突然の出来事に、蜜柑だけでなく雲雀も目を見開く。
「何よ、貴方も参戦って事?」
「絶対に、檸檬を連れ戻す。」
死ぬ気丸を2粒飲んだツナが、2人の数メートル横に立っていた。
額とグローブに、美しい炎を宿して。
「余計なお世話だ。」
「それでも戦う。」
「…………勝手にしなよ。」
再び間合いを取る蜜柑。
雲雀とツナは2人並んで向かい立つ。
チュインチュインッ、
キンッ、
ジュゥッ、
蜜柑の撃つ弾は、全て弾かれたり溶かされたりする。
少し焦りの色を見せる蜜柑。
それを見計らって、2人は接近していく。
蜜柑はすぐに新しい弾を入れて、撃った。
ズキュン!
ツナは咄嗟に炎のバリアを作る。
が、
ボオオッ、
「つっ………!!」
ダメージを受けたのもツナだった。
雲雀はすかさず止まる。
炎のバリアを弾が通り過ぎた瞬間、
ツナの炎がツナに襲い掛かったのだ。
いや、正しく言えばツナの炎と別の炎が襲い掛かった。
ツナの炎に混ざって。
「一体これは……!?」
「私が普通の弾ばかり持ってると思う?」
立ち止まる2人の前には、得意そうな笑みを浮かべた蜜柑が。
よく見ると、炎のバリアが作られた真下の床に、黒い焦げ跡。
「何かが燃えた…?」
「さぁ、どうする?普通に突っ込んだら、自分の炎に返り打ちにされるわよ。」
右肩に火傷を負ったツナは、困惑した表情を作る。
雲雀は更に蜜柑を睨んだ。
「トンファーの貴方も、半端なスピードじゃ私には勝てないわ。生まれてからずっと、殺しだけをして生きてきた私にはね。」
---
「檸檬………やりやがったな……!」
『連携プレーってヤツよ♪』
挑発するように笑う檸檬を見て、兜は肩を震わせ始めた。
「へっ、怖気付いたってか?」
「………ハハハハハハ!!!!やはりバカは何人集まってもバカだな!!」
再び大声で笑い出す兜。
『バカ、ですってぇ!?』
嫌悪感をむき出しにする檸檬に、兜は言った。
「いーだろう。お前らには最高峰のリズムを聞かせてやる!!」
その表情に、檸檬は少しだけ恐怖を覚えた。
音楽が、響き始める。
曲が、一斉に奏でられる。
2VS5
「何故?」
不意に蜜柑が聞いた。
「姉さん、私の銃に何かした?姉さんを殺してピッタリ無くなるはずだったのに。」
『やっぱり、ね。』
あたしは予想が適中して、思わず口角を上げた。
『IQ200の蜜柑なら、そうすると思ってた。だから、お祈りしてる間に………』
そう言ってポケットを探る。
手の平に握って、蜜柑に見せたのは、
1つの銃弾------
『抜いておいたの、1発だけね♪』
それを見た蜜柑は、驚愕の表情を作り出した。
そして、少し肩を震えさせる。
「………から…」
『?』
「だから嫌いなのよ!!」
檸檬を睨む蜜柑に、ツナが一歩後退りした。
「自分が一枚上手だって知らしめて、満足かしら?」
『あたしは……ただ、蜜柑を信じきれていなかっただけ。』
俯きながら言うと、蜜柑は更に強くあたしを睨んだ。
あたしは構わずもう一言付け足す。
『人を簡単に信じるなって、アメリカの生活で学んだから。』
「フッ………ハハハハハハ!!!」
大声で笑ったのは、蜜柑の隣に立っていたお父さん。
さんざん笑ってから、懐から何か取り出して蜜柑に渡した。
「何だありゃ。………ベルト?」
「ただのベルトじゃねぇ……銃弾が………!」
蜜柑専用のベルトらしい。
銃弾がたくさん備わっているようだった。
「準備はいいか?」
「えぇ。ありがとう、パパ。」
蜜柑はベルトを装着し、お父さんはあたしを真直ぐ見つめて構えた。
「始めようか。せいぜいいい音楽を奏でてくれよ。」
『こっちの台詞よ。』
撃たれた箇所の血管を収縮させ、出血を軽減させる。
そして、ぐっとナイフを握りしめた。
「『Listen to my music!』」
悔しいけど、やっぱり同じ戦い方。
悔しいけど、やっぱりあたしのリズムはかき消される。
『(動き、読まれ過ぎっ…!!)』
俊足で動いたって先回りされてるし。
どんだけ不利なのよ、まったく。
「檸檬っ!!」
援護しようとする隼人と武を足止めするのは、
蜜柑の銃弾。
「邪魔はさせないわ。」
「こっちの台詞だよ。」
銃を構える蜜柑の背後に、雲雀が回り込んでいた。
蜜柑は素早くトンファーを避けて間合いを取る。
「あら、重症なんじゃないの?」
「関係ないね。」
蜜柑は鼻で笑い、雲雀は鋭い眼光を放った。
一方では、
「こんなものか?檸檬。」
『…っるさいなぁ!!』
兜の攻撃を、辛うじて避け続けている檸檬。
しかし、やはりいつかは完全に追い付かれ。
ドガッ、
『つっ…!』
蹴飛ばされる檸檬。
壁に激突しそうになったその時、
「危ねぇっ!」
山本が檸檬を受け止めて、
「果てろ!」
獄寺が煙幕とボムを投げた。
「大丈夫か?檸檬。」
『あ、ありがと武……』
その時、ほんの少し檸檬の顔に戸惑いの色が見えたのは、
十中八九罪悪感からであろう。
しかし、山本は笑顔で言った。
「俺と獄寺でバッチリ援護すっから、絶対勝とうな!」
「ったりめーだ!」
獄寺が続ける。
「奴を倒してーんだろ!?ここで終わらせて、帰って来てもらうからな!!」
目を丸くし、口を小さく開ける檸檬。
しかし、すぐに微笑んで。
『ありがとうっ♪頑張るね!』
と、その時。
『……!!2人とも、左右に散らばって!!』
煙幕の中から飛び出てきた拳。
「あんだけのボムを浴びて……!!」
「浴びてない。お前がどのタイミングで投げて来るかは、手に取るように分かっていた。」
「ちっ……!」
『(やっぱね……)』
無傷のまま、兜が現れた。
その攻撃はやはり檸檬を狙っている。
「死ね、檸檬。」
『イヤよ!!』
どんなに、
どんなにつらくても、
苦しくても、痛くても、哀しくても、
生きるって決めた。
例えこの幸せが幻想だって分かっても、
夢を見ているだけだとしても、
生きるって決めたんだ。
「檸檬………やはりすぐに殺すべきだった。」
『でしょーね。』
檸檬、獄寺、山本はそれぞれ3方向に別れて駆け出した。
真正面から突っ込む檸檬のナイフが、細い線のような傷を兜に作る。
山本は徐々に息を潜め、獄寺は再び煙幕を放った。
煙幕で何も見えない中、山本も檸檬も目を瞑る。
多分、兜も目を閉じてリズムを感じ取っているのだろう。
初めに仕掛けたのは、檸檬達だった。
兜の背後に誰かが忍び寄る。
「(このリズム………刀の奴か…)」
返り打ちにしようと先回りした瞬間、聞こえるリズムが変わる。
「なに?!」
『(時雨蒼燕流、攻式5の型----)』
まねるだけでいいの。
あたしは囮。
武の攻撃が当たればいい。
『(-----五月雨!!)』
なるべく武になりきって、呼吸とリズムをまねる。
お父さんが、あたしを武だと解釈する、
ほんの一瞬、
ほんの一瞬だけでいい!!
「この雑魚が!!」
『武っ!』
お父さんがあたしの五月雨をかわす動きは、武にだって読める。
時雨蒼燕流の使い手だから。
「(時雨蒼燕流、攻式8の型----)」
構える武に反応しようとするお父さんの動きを、
あたしが一瞬抑える。
『(行けっ!!)』
「(-----篠付く雨!!!)」
ザシュッ、
「ぐっ……!」
『(当たった!!)』
煙幕が徐々に晴れて、隼人がボムを投げる。
武の攻撃に気を取られていたお父さんは、ほんの少し避けるのが遅くなった。
そして、
血が少し滴り落ちたのが見えた。
「パパっ!?」
「よそ見してていいの?」
ヒュンッ、
振り回されるトンファーをかわして、蜜柑は銃を撃つ。
「そっちこそ、傷、痛むんじゃない?」
「黙れ。」
蜜柑の二丁拳銃は、本当に正確なトコをついて来る。
雲雀もトンファーで弾いていく。
「じゃあ、早く終わらせてあげる。」
次の瞬間、蜜柑はトップスピードで雲雀の後ろに回り込み、頭と脚に銃を向けた。
「避けられる?」
至近距離だったのもあり、2つを同時にかわすのはほぼ不可能。
雲雀はほんの少し表情を歪めた。
鼻で笑い飛ばして、蜜柑は引き金を引く。
が、
ボウッ、
ジュジュッ、
「なっ!!?」
次の瞬間、雲雀と蜜柑の間に炎の壁が出来上がり、銃弾を溶かした。
突然の出来事に、蜜柑だけでなく雲雀も目を見開く。
「何よ、貴方も参戦って事?」
「絶対に、檸檬を連れ戻す。」
死ぬ気丸を2粒飲んだツナが、2人の数メートル横に立っていた。
額とグローブに、美しい炎を宿して。
「余計なお世話だ。」
「それでも戦う。」
「…………勝手にしなよ。」
再び間合いを取る蜜柑。
雲雀とツナは2人並んで向かい立つ。
チュインチュインッ、
キンッ、
ジュゥッ、
蜜柑の撃つ弾は、全て弾かれたり溶かされたりする。
少し焦りの色を見せる蜜柑。
それを見計らって、2人は接近していく。
蜜柑はすぐに新しい弾を入れて、撃った。
ズキュン!
ツナは咄嗟に炎のバリアを作る。
が、
ボオオッ、
「つっ………!!」
ダメージを受けたのもツナだった。
雲雀はすかさず止まる。
炎のバリアを弾が通り過ぎた瞬間、
ツナの炎がツナに襲い掛かったのだ。
いや、正しく言えばツナの炎と別の炎が襲い掛かった。
ツナの炎に混ざって。
「一体これは……!?」
「私が普通の弾ばかり持ってると思う?」
立ち止まる2人の前には、得意そうな笑みを浮かべた蜜柑が。
よく見ると、炎のバリアが作られた真下の床に、黒い焦げ跡。
「何かが燃えた…?」
「さぁ、どうする?普通に突っ込んだら、自分の炎に返り打ちにされるわよ。」
右肩に火傷を負ったツナは、困惑した表情を作る。
雲雀は更に蜜柑を睨んだ。
「トンファーの貴方も、半端なスピードじゃ私には勝てないわ。生まれてからずっと、殺しだけをして生きてきた私にはね。」
---
「檸檬………やりやがったな……!」
『連携プレーってヤツよ♪』
挑発するように笑う檸檬を見て、兜は肩を震わせ始めた。
「へっ、怖気付いたってか?」
「………ハハハハハハ!!!!やはりバカは何人集まってもバカだな!!」
再び大声で笑い出す兜。
『バカ、ですってぇ!?』
嫌悪感をむき出しにする檸檬に、兜は言った。
「いーだろう。お前らには最高峰のリズムを聞かせてやる!!」
その表情に、檸檬は少しだけ恐怖を覚えた。